ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

4年生予備実験

毎年恒例ですが,私たちの研究室に配属となった4年生は,前期の間に卒業研究に備えて,というか,実験の基本技術を習得するために,宇宙線中のミューオンの寿命を測ります。去年は,結局何が原因か今ひとつはっきりしないまま,寿命っぽいものが見えてはいるものの,崩壊の時間分布が今ひとつ怪しいままで終わりました。シンチレータとPMT,そして,CAMACによる読み出し,というように非常にシンプルな構成なので,いい加減にやってもわりとまともな測定ができるのですが,去年はかなり苦労しました。

そんな経験もあって今年はどうなるんだろうと思っていました。加えて,4年生実験のミューオンの寿命測定用TDCが,1回動かなくなるというトラブルがありました。4年生が自分たちでまず最初に較正するために動かそうとしたのですが,なぜか動きませんでした。スタートの信号を入れてるはずなのにカウンターが全く動き始めません。簡単なアドバイスをしてみましたが動かないので,後日,私が何が悪いのか調べようと動かしてみると普通に作動。じゃあ,ということで,そのままそのTDCを使い(なにしろ,私たちの研究室には数10μsという長い時間を測れるTDCがそれ1台しかありません)ミューオンの寿命を測ってもらうことになりました。

そして,結果を見せてもらったのが確か一昨日。崩壊時間分布は一目綺麗なexponentialになっています。Rootでのfittingの仕方をしらないということで,片対数のプロットの目視から寿命を求めていましたが,その値はちと変。ということで,fittingの仕方を教えて,寿命を計算してもらうと普通に約2μs。一目綺麗な時間分布が得られていたので,TDCのスケールの較正さえ間違えていなければ,正常な値がでるはずで,実際にも非常にまともな測定となっていました。

先に書いたような諸々があったので,すんなりと寿命測定できるかちょっとだけ不安だったのですが,その不安は杞憂に終わりました。予想してたよりも遥かにサクッと終わったので,逆に拍子抜けな感じもします。教育的には何かトラブルがあってそれをデバッグするというのが貴重な経験なのですが,そういうことがなかったのが良かったのか悪かったのか,悩ましいところです。まあ,4年生的にはすんなりと測定できたほうが嬉しいんでしょうけど,真に研究をしていくには,問題解決のプロセスを経験するというのはやはり貴重です。

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