ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

短時間の講演準備

少し前に書いたように,明日は大学の事務職員の方々を対象とした一般向けの講演を行います。参加者は大人なので,そういう意味では普通の一般向け講演だと考えて準備すればいいのですが,一つ私にとって目新しいのは時間が20分と極度に短いことです。30分,40分,60分,80分,80分×2というのは経験がありますが,一人で完結する話を20分という短時間で行うのは初めてです。

今までの最短30分というのは,高校生を対象にした夢ナビという企画の講演でした。それをもとにさらに10分削ろうと最初したのですが,どうもそれは上手くいきません。30分で一つな話の流れができあがっていて,30分という短い時間に収めようとしているので,そこから削るのはかなり至難の技となります。

というわけで,構成を新たにして20分になんとか収めようと悪戦苦闘しています。こういうときに,今更ながらに恨めしいのが,物理学,とりわけ素粒子物理学で扱う概念の特殊性です。歴史や文学の話ならいきなり本題に入ることも可能ですが,物理学は勉強したことのある人にしかわからないこと,いえ,わからないことというよりもわからない言葉だらけで,必要最低限のことを本題に入る前に説明しないとなりません。なので,どうしても,基本的なことの説明に時間を使い,肝心の面白いこと,核心部分の説明に使える時間が少なくなってしまいます。

たとえば,「水」と言う言葉を使う必要があったとします。歴史や文学の説明では,それ以上の説明はおそらく不要で,普通に水という言葉を使っていけます。でも化学なら,最低水は水素原子2個と水素原子一個からなるものであることは知っておいてもらわないとならないし,場合によっては水素と酸素がどういう元素かも知っておいてもらわないとなりません。素粒子物理学だと,よくある説明にのように,水素や酸素などの原子がどういうもので,原子を構成してるうんたらかんたら...という説明をして,この世にある物質は大抵,uクォークとdクォークと電子でできていることは最低説明しないと話が途中で頓挫してしまいます。知ってる人にとっては復習なのでサッと流せますが,知らないことを前提に説明をしたらこれだけでもかなりの時間が必要になります。

そんなわけで,説明しなくてもいい内容をあぶり出すこと,余計な説明なしに肝心な内容を説明できるような構成を考えること,等々が要求されるので,短い時間の講演は真面目に準備しようとすると,長い時間の講演よりも頭を使います。なんとか20分でもわかりやすい内容にしたいです。

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