ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ピクセル近況

博士課程Oくんは,ATLAS大阪グループで今はただ一人でCERNに常駐しヒッグスの解析を頑張っています。ようやく解析の面白さに目覚めたようで,彼の属するワーキンググループのリーダーからも彼の仕事ぶりが評価され始めています。ミーティングでもそれなりの頻度で発表をするようになってきて,なかなかいい感じです。

修士課程2年のIくんは,光センサーであるMPPCというものからの微弱な電気信号を読み出すための電子回路開発を行ってきましたが,今年度に入ってからは,去年までHくんがやっていたテレスコープ検出器というものの開発も引き継いでおり,2足のわらじで研究を頑張っています。

というわけで,Oくん,Iくんはじめ,学生さんたちはいい感じで研究を頑張っていますが,今日は,特に,ピクセル検出器開発について話をします。

何度か説明したことあるような気がしますが,2022年くらいをめどに荷電粒子の飛跡を検出するためのシリコン検出器はATLASでは総入れ替えになります。そのため,たくさんのグループが新しい検出器の開発にしのぎを削っています。私たちのグループが深くコミットしているのは,KEKグループが中心となって進めているシリコンピクセル検出器の開発で,先に出てきたテレスコープというのは,シリコン検出器のプロトタイプを試験するための検出器です。

また,ピクセル検出器のプロトタイプなど開発段階での試験をするためには,そのプロトタイプからの信号を読み出して性能評価するためのシステムが必要となります。そのシステムの開発を長いこと続けていまして,今D1のJくんは長いことピクセル試験用システムの開発に従事してきました。その準備のおかげで,最近になってKEKが作ったピクセルモジュール試作品を,その製作直後に試験することができました。ピクセルモジュールというのは,最終的には粒子を検出するシリコンセンサーと,そのセンサーからの信号を処理する集積回路(ASIC)をくっつけたようなもので,下の写真が,最近できあがったモジュール試作品です。
4-chip card
今のところセンサーはまだ取り付けられていなくて,信号読み出し用のASICだけが4つ回路基板の上に載っています。電気的な試験ではセンサーはあまりいらないので,信号読み出しシステム的にはこれで90%完成と言ってもいいくらいのものです。

このモジュールの開発と製作をATLASグループ内でも複数の研究機関が先を争って行っているので,開発と試験のサイクルを短くすることが必須となっています。実際,この試作品が私たちの大学に届いたその日の晩に,Jくんは頑張って基本的な動作試験を行ってくれました。どの世界でも競争がつきものですが,私たちの研究も例外ではありません。

そのJくんが今週の初めから里帰り。過去2年ほど帰省(帰国)していなかったということで,今月一杯は休暇。その間も開発を遅らせるわけにはいきませんので,ピンチヒッターとして,というか正確には彼の仕事を引き継ぐのですが,修士1年のAくんが登場。Jくんがいない間にも試験を行えるよう,試験用のシステムを頑張って動かそうとしています。

ということで,Jくんが頑張って成果を出してくれるおかげで,その成果を私が発表する機会にも恵まれています。って,Jくんがいれば彼が発表してくれるのですが,彼が不在のために今日はこれからテレビ会議で私が代わりに話をします。今はその発表の準備をしていたところです。しかし,ミーティングの開始予定時刻2時間前になっているのですが,アジェンダがまだできていません。枠はあるのですが,まだ中身が皆無です。今日これから本当にミーティングがあるのか...心配だなぁ。

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