ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

夕刊の書評

家で取ってる新聞の夕刊には毎週一回書評欄があります。昨日だか一昨日に,素粒子物理の一般向け解説書の書評が載っていました。科学系の本のコメンテーターは,とある有名なサイエンスライターです。その人の本は私も読んだことがあり,説明が上手だなぁ,と感心していました。

が,しかし。今回のには凄くがっかりしました。

その本の中でのヒッグスの説明を例に出して凄く評価していたのです。でもその説明って,説明の中で最も有名なパーティー会場のやつなのです。しかも,CERN所長ホイヤーがその喩えを使って見事に説明していたということを引き合いに出しているのですが.....うーん。

そのサイエンスライターなら,そんな喩えはもちろん知ってるはずだし,その説明がホイヤーのオリジナルではないことも知ってるはずです。ついでに言うと,その説明は,大昔にヒッグス機構を一般向けに説明するにはどうしたらいいか,その説明を集めるコンクールを開いたのだそうです。その取りまとめ役だったイギリス人物理学者のDavid Millerという人がその説明を使い始めて,今や世界中の素粒子物理学者がその喩えを使ってヒッグス機構を説明するようになりました。

というわけで,あまりにもありふれたその説明を激賞するコメントを見て,相当がっかりしました。書評もゴーストライターが適当にやってるのかと疑ってしまいました。

あ,さらに,ネタばらしをすると,パーティの喩えで登場する有名人は,今私たちがよく目にするのはアインシュタイン風になっています。しかし,オリジナルではサッチャー首相だったらしいです。政治家のパーティーという想定だったみたいですね。ところが,彼女が科学関連の予算を大幅に削ったので,David Millerが指図したのかどうかは知りませんが,サッチャー首相の代わりにアインシュタインを使うようになったのだそうです。百聞は一見にしかず、というわけで,元々のやつと普通みなさんがよく目にするヤツ双方を貼っておきます。ちなみに,私はこの絵を使うにあたり,使用許諾を取ったことがあります。最初David Millerに連絡を取ったのですが,彼らが著作権を持ってるわけではなく,実は両方ともCERNが著作権を持っていました。

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