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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

私たちのグループでやってること。その2

昨日に引き続き、私たちのグループのメンバーの活動紹介です。今日はM2のIくん。

研究熱心な彼は色々なことをやっています。M1の初めは解析ソフトウェアに慣れるために、ヒッグスのある生成・崩壊過程のシミュレーション解析をちょっとやり、その後はSCTと呼ばれるシリコン半導体を使った荷電粒子の飛跡測定用検出器に関する研究を行いました。ATLAS実験ホールに搬入・設置された検出器のテストの一環として、数千に及ぶモジュール(一つのモジュールに1536の読み出し信号があり、各モジュールごとに信号の読み出しを行います)のノイズをまず調べました。粒子に対する反応でなくても、ノイズ測定によってかなりのチェックを行えます。検出器が作動していなければノイズがゼロになりますし、通常より大きければそれもまた何かの異常を意味していますので。

検出器では様々な環境データの収集も行っています。例えば、温度、湿度、シリコンセンサーの電圧、電流、などなど、信号以外にも大量のデータを常時収集モニターしています。こういうデータからも検出器が正常に作動しているかどうか判断する手がかりが得られます。これらの情報は物理データの収集時にリアルタイムでモニターして、検出器の異常を一刻も早く検出するために使われるのと同時に、検出器自体の細かい性能チェックにも使われます。そのために、常時集められたデータはデータベースに記録されていきます。

彼はデータベースに記録されたデータを集めて、先ほど説明したノイズの解析などに利用しました。ノイズというのは温度等に対して敏感なので、その効果を補正することによって、さらに細かく検出器の動作状況を理解できることになります。また、データベースからの情報をGUIで表示するためのアプリケーションの開発もしました。

そんな彼ですが、最近は修論に向けて別の研究を行っています。

昨日紹介したTくん同様、シミュレーションを用いてある特定のSUSY粒子の生成・分解事象の研究を行っています。私たちのグループの特徴としてbジェットを含む事象を用いて、SUSYの破れ方に関する研究です(SUSYというのは今の我々の世界では破れています。もし破れていないと、全ての粒子に質量の等しい超対称性粒子のパートナーが存在することになりますが、そういう質量の粒子は発見されていませんから)。Tくんの研究内容と似ていることもあり、先輩である彼がTくんにも色々教えてくれているようです。

修論提出まであと2ヶ月ちょっと。これから自分でシミュレーションデータの生成を行い、それを解析しないとならないのでなかなか大変です。ラストスパートに期待しています。


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