ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

AMS-02の最初の結果

久しぶりの更新です。最近更新をさぼっていますが,体調が悪かったわけでも,特別忙しかったわけでもありません。心配してくださる方もいたようですが,単にさぼっていただけでした。何事も一緒ですが,一度サボり始めるとどんどんサボってしまいます。。

凄い結果を発表する(?)みたいな噂(というかサミュエル・ティンのいつもの大風呂敷(?))が流れていましたが,AMS-02の結果は,即ダークマターの検証というような性質のものでは全くなく,そういう意味での驚きはまったくありませんでした。相変わらず人騒がせな,というのが正直な感想です。

宇宙線中の陽電子と電子の量の比を測定したところ,10GeV付近まではダラダラと下がっているのに10GeV前後から増え始めている,というのが一言での結果です。50GeVくらいより上はこれまでFERMI-LATでしか測定されていませんでしたが,その結果よりも格段に高い精度で測定し,FERMI-LATの結果が間違っていないことを確認しました。エネルギーの高いところまで非常に高い精度で測定してるので,それ自体は素晴らしいことですが,だからダークマターを捕まえたという結論には全然なりません。というか,これだけでダークマターを観測したと言っていいのなら,FERMI-LATのほうが先です。

大昔も同じような解説を書いたことある気がしますが,この実験で観測してるのはあくまで電子と陽電子であって,ダークマター自身ではありません。とある予想よりも陽電子が多いのはダークマター起源ではないか,という単なる仮説を裏付けることができるだけで,陽電子過剰=ダークマターという解釈にはなりません。別の原因で陽電子過剰なのかもしれませんから。ダークマターが何者かを調べるには,XMASSのような直接探索,加速器実験での観測探索,これらの結果と合わせて総合的に判断するのが大切です。

ところで,反陽子はどうだったんでしょうね。PAMELAでは確か,陽電子には過剰があるが,反陽子には過剰がないという結果で,それゆえ,陽電子過剰だったとしてもダークマター起源と解釈するのは難しいという結論だったような気がします。これで反陽子にもなんらかの異常が見えれば,それはそれで面白いのかもしれません。

も一つところでなのですが,FERMI-LATって磁石載せてなかったような気がするのですが,どうやって電子と陽電子を区別してるんでしょうか。FERMI-LATの陽電子測定についてはフォローしていなかったので,FERMI-LATの結果はある意味驚きでした。

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この記事のコメント

地磁気を利用して電荷が判定出来たようです。

http://arxiv.org/abs/1109.0521
2013-04-05 Fri 04:34 | URL | Inoueian [ 編集]
> 地磁気を利用して電荷が判定出来たようです。

なんと,地磁気ですか。

2013-04-06 Sat 17:48 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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