ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

2012年度修論発表会

今日,明日と修論発表会です。私たちの研究室のM2三人の発表は午前中に無事終わりました。私自身が副査を務める他の研究室の学生の発表もさきほど終わり,ほっと一安心というところです。

修論発表会,あるいは卒業研究の発表会に参加すると毎年同じことを感じてしまいます。そういう発表会に参加すると否応無しに感じさせられてしまうのですが,素粒子実験の検出器を開発している学生の発表では,発表がよっぽど上手くないと原子核関連の人に研究内容の凄さ,難しさを伝えられないのではないかということです。簡単な研究内容の話をそれなりに纏めた発表(そもそも内容が少ないと時間内に発表を纏めるのが易しい)が評価され,難しい研究内容だとその凄さが伝わっていないのではないかと危惧します。

小さい実験ほど全体を俯瞰しやすいので,どうしても原子核関連,もっというと物性の実験だと自分のやっていることが全体の中でどういう役割なのか,というか,自分だけでできてしまう場合も多々あるわけですが,を理解しやすいのですが,素粒子実験,さらにその中でもLHCのような大型実験だと全体を俯瞰するのが非常に難しくて,発表でのやり取りだけを聞いていると自分のやっていることを理解できていないかのような印象を与えてしまうことが多々あります。実験家としてそういう見方ができなければダメなのは確かなのですが,学生にとってはコライダー実験を俯瞰するに足る広範囲の知識と経験を獲得するのはなかなか難しいのではないかと思います。

さらに,私たちが使っているような測定器開発の難しさというのを他の分野で経験することは珍しいので,そこらへんも素粒子実験の学生にとっては説明の難しさがあります。ASICからセンサーまで自分たちで開発し,その信号の読み出しだけで莫大な時間を使ってしまうことが多々ある世界だということを他分野の人には認識してもらわないとなりませんし,発表する学生はそれを伝えないと,他分野の人にとっては単なる検出器の信号読み出しになってしまいます。

私が修士課程のときにやったような,あまりハイテクを使わない検出器(だからこそ修士課程の学生が一人でも開発できる)を設計から開発そして試験まで一通りやるタイプの研究だと他分野の人にも内容がよく伝わるし,好印象を与えやすいのだと思いますが,そうではないタイプ,最先端技術をどっぷりと使う検出器開発のような研究が正当に評価されているのかというところが指導教員としては気になるところです。

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