ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

4年生の研究テーマ

研究室の4年生の卒業研究がいよいよ本格的に始まった感があります。テーマ的には例年通り宇宙線を使って,その性質を探るというものですが,アプローチが今年は斬新です。というか,チャレンジングです。

テーマは宇宙線中のミューオンの電荷比の測定で,一昨年Hくんたちがやったのと本質的には同じテーマです。しかし,いつもはシンチレータ+PMTのみを使いなんとか頑張るというのがポイント(=分解能が測定誤差に与える影響を学ぶ)だったのに対して,今年は,シリコンストリップ検出器を使ってみる,という方向で動いています。動いている読み出し装置があるわけではないので,全くのブラックボックスを使って粒子の位置を測定し,飛跡を再構築するだけというのではなく,読み出し装置を自分たちでなんとか準備しなければならないという難しさがあります。まあ,実際には,HくんやOくんをはじめとするATLASグループの修士課程の学生が代々(?)やってきたことを応用するので,スクラッチからやる必要はないのですが,それにしてもfirmwareをそれなりにいじり,softwareをそれなりにいじり,ということを短期間でやっていかなければならないので,まずは信号読み出しに壁があります。

で,実際にどういう検出器を使うかというと,ATLAS実験のシリコンストリップ検出器として使われているものと全く同じものを使います。KEKをはじめとする日本のいくつかの研究機関が開発と建設に携わり,そのときに作ったスペア(あるいはプロトタイプ)が残っているので,それを借りて4年生実験に使わせてもらっています。例年は,研究室に落ちている(?)シンチレータの切れ端なんかを使って実験してるわけですから,それに比べると今年は豪華絢爛な装備です。検出器本体だけでなく,その周囲の信号読み出しボード,ソースメータ等々,周辺機器も色々と必要ですし。

そんなわけで,テーマが決まり,ってテーマが決まったのはかなり前ですが,検出器やら周辺機器やらも全て手に入り,いよいよ4年生が頑張る番になりました。方向性として新機軸なので,指導教員の私としてもドキドキものです。どうなることか。

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