ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHCとATLASの近況

年内のLHCの運転は残りわずかとなりました。物理ランはほぼ終了。23fb^{-1}ちょいのdeliverted luminosityに対して,ATLASグループが記録した積分ルミノシティは21.7fb^{-}でした。年初の積分ルミノィティの目標をほぼ達成したLHCも凄いですし,90%以上のefficiencyデータ収集をしたATLASも十分及第点がつけられると思います。特に,bunchあたりの陽子数がすでに設計値を超える過酷な状況でのデータ収集でしたので,それも加味して,実験グループ全体がよく頑張ったという印象を持ちます。

今週残りは,ビームをより絞ったテスト運転,bunch間隔を25nsに縮めてのテスト運転,これらが予定されています。そして来週にはシャットダウン。来年の初めに重イオン衝突はありますが,陽子陽子衝突はしばらくお休みです。2013年と14年は長期のシャットダウン。LHC運転再開予定は2014年終わりごろですが,予定は未定なので実際にどうなるのかはやってみないとわかりません。

シャットダウン中のATLASグループの主なアクティビティの一つは,IBLと言う名前のピクセル検出器を,現存するピクセル検出器のさらに内側に設置するということなのですが,そのIBL製作が大幅に遅れていることが気になります。プロトタイプモジュールのデキが悪くて(bump bondingの歩留まりが非常に低い),いまだに試作を重ねるというような状況です。モジュールというのは,シリコンセンサーと読み出しASIC(集積回路です)を張り付けたものだと考えてもらえばよく,そのモジュールを構造体に組み込むことで検出器の一塊となります。

Bump bondingというのはセンサーと信号読み出しASICを電気的に繋ぐ部分で,昔からこの接合が難しく歩留まりが悪いというのが問題でした。そのために,センサーとASICを一体型としたシリコン検出器を作りたいというのがこの業界の共通の夢というか目標で,今も多くのシリコン検出器開発はその方向を目指しています。

おっと,少し先走りましたが、そんなわけで今年のLHCの運転は順調に終わりを迎えることができそうです。ここしばらくは,多くのグループ(=上記のIBLその他の検出器の作業に直接的に絡んでいないグループ)にとっては,これまでに収集したデータの解析が主なアクティビティとなります。

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