ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

お話するvsお話しする

3人で共同執筆中の本の校正が佳境を迎えています。まだ書いてるのかという声が聞こえてきそうですが,今月中の発売を目指してまさにラストスパート。って,実際にスパートをかけてるのは執筆者ではなく編集者をはじめとする出版社の人々で,物凄い勢いで依頼が来ます。土曜,あるいは日曜に校正原稿が送られてきて,月曜の朝にはその校正原稿に対するさらなる修正案を出すよう求められたりしています。先週末は,たまたま出張がなかったからよかったようなものの,CERNあたりへの移動だったら全く対応不能でした。

それ以外にも,表紙,目次,さくいんをはじめとする本文以外の部分の製作が凄い勢いで進んでいて,本の出版のリズムとはこういうものなのか,というように今まで知らなかった事を学んでいます。いや,最初の原稿を提出するくらいの時までは,凄いのんびりしてるなぁと正直感じたんですね。その後の1回目の校正あたりもさほど急いでいる感じはしませんでした。むしろ,執筆している私たちが年内発売と言ってたけど間に合うんだろうか,という印象を受けていました。ところが,2回目,そして今回の3回目の校正あたりから急にスピードアップ。その速度差に驚いています。

おっと,前置きが長くなりましたが,校正原稿のチェックをしていて,3人の執筆者,特にYさんと私の間で熱い議論が巻き起こりました。「お話する」と「お話しする」のどちらを使うべきか,についてです。ホントは切羽詰まっているのだからそんな議論してる場合じゃないんですけど,好きなんですよね,こういう類いの話が。

私の主張はこうです。って,もちろん理由は後付けで,今まで私がそうしてきたからなのですが,「お話する」を主張しました。「話」は動詞か名詞かによって送り仮名を変える例外処理をすべき漢字だと理解しています。話を聞く,ヒッグス探索について話す,のように。お話は,話という名詞に何と解釈するのが正しいのか知りませんが,ちょっと丁寧な表現で「お」を付けたものだと解釈して,依然名詞。つまり,「お話する」は「お話」という名詞+「する」という動詞で構成されていると考えました。

ところが,Yさんは「お話しする」派。メールでのやりとりなのでホントのところどう考えていたのかはわかりませんが,教科書を出版している会社のウェブサイトの説明内容に沿った意見でした。その内容とは,「お話し」は「話す」の連用形と考える。なぜかというと,「お聞きする」「お送りする」などの例から,動詞の連用形と認めたほうが妥当だ,というのです。だから,教科書では「お話しする」と表記する。ただし,私の解釈のように「名詞+する」と考えても間違いではない。

うーん,しかし,私のようにお上から言われてもすぐには納得しないタイプの人間は,その説明ではまだ納得できません。というのは,動詞の連用形として使われている例に使われていた漢字は,「話」のように名詞と動詞のときで読み方の違う漢字ではないのです。だから,動詞の連用形として使っているのか「名詞+する」として使っているのかわかりません。また,偉い人が何か喋っているさまを丁寧に言おうとしたら,正しい敬語・尊敬語を知らないのでその辺は許してもらうとして「お話しなされる」みたいな使い方はアリかな,と思います(これは,さっき学生たちと議論して納得したことです)。それだったら確かに動詞の連用形ごもっともと思うのですが,自分で人に何か説明する場合には,そういう使い方変ですよね。

とまあそんなわけで,何の役にも立たないことを楽しく考え続けています。しかし,難しいですね。言葉には数学とかと違って例外処理が多く,かつ,そのルールが明確じゃないことも多いので。

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この記事のコメント

僕も「お話しする」派ですね。でも、「お話をする」の場合はこっちですね。
ところで、途中で本名が出てますよ。
2012-12-06 Thu 12:33 | URL | なかの [ 編集]
> 僕も「お話しする」派ですね。でも、「お話をする」の場合はこっちですね。

なんと。私は教科書をちゃんと読まずに自分の解釈で勝手に解釈してましたが,
なかのさんもYさん同様ちゃんと教科書を読んでた人なのですね。

> ところで、途中で本名が出てますよ。

一応修正しました。って,この書き込みも。
2012-12-06 Thu 18:07 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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