ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

共通の敵

CERNではオフィススペースが不足しているという大問題があります。ヨーロッパ(特にフランス?)は階級(階層?)社会なので,CERNで長いこと実験をやってるグループやコネが強力にあるグループはオフィスの獲得に苦労しませんが,そうでない場合は,オフィススペースが確保できない場合が多々あります。私のような短期滞在者ならまあ構いませんが,常駐者でもオフィスを確保できていない場合があります。恐ろしいのは,そういうことを一生懸命訴えてもリソースコーディネーター(=古株のヨーロッパ人)に,公の場で,オフィス問題は存在しない,常駐者がオフィススペースに困ってるとは聞いていない,なんていう発言をされてしまうことです。

最近は幾らかシステムがまともになり,古株が勝手にオフィスを配分するのではなく,実験グループの秘書室で使用者と机を管理するオフィススペースもできました。短期滞在者用にもこの枠組みの中で机を割り当ててもらうことができます。私も短期滞在者なので,CERNに来たときはいつもこのシステムで机を割り振ってもらいます。

ところが,場所によっては悲惨なことがおこります。今回は近くにいるフランス人だかイタリア人が物凄くうるさいのです。学生と教員のコンビらしいのですが,その教員が異常にうるさいのです。ずっと喋り続けるだけでなく,その話し声が尋常ではなく大きく,かつ,高い頻度で怒鳴り声になるのです。流石の私も面食らって「何がおこってるんだろう?」という顔でそっちを見てると,隣りの机の人が,いつもああうるさくて,苦情をいくら言っても火に油を注ぐだけで効果ないんだよ,とあきれ顔で教えてくれます。私の場合,非常に短期ですし,ミーティングに出てる時間が多いのであまり問題ありませんが,これが長期滞在者だったら悲惨です。

人間って面白いなと思うのは,共通の敵を見つけると途端に仲良くなりますよね。今回の例でも,隣りの人とその会話をきっかけに話をするようになるし,お互い共通の被害者意識みたいなものが芽生え,連帯感が生まれます。多数の人間の意志を纏めるには,共通の敵というのは非常に有効な手段なんだと改めて感じました。中国が日本人をガス抜きにしたり,大阪の独裁者が公務員を仮想の敵にしたてあげて,多くの人から支持を得るのも,みんな同じやり方ですよね。でもって,ポピュリズムにどんどん走っていくというのは,民衆の支持を集める定跡なんでしょうね。

と書いてて思いましたが,最近の日本の政治,いや世界的に同じ傾向にあるんだと思いますが,ポピュリズムへの傾倒の仕方がハンパじゃないですね。どこまで突き進むんだろうと空恐ろしくなることがあります。独裁化も怖いですし,その先に変な愛国主義が芽生えたりするともっと恐ろしいことになりそうです。自分たちくらいから上の年齢の人間はまだいいですが,子供たちがそういう時代に生きなければならなくなるのは耐えられません。そういう社会にならないように願うばかりです。

日常 | コメント:1 | トラックバック:0 |
<<フォー屋が... | HOME | インパクト>>

この記事のコメント

ポピュラリズムでは浅いです。
時間とお金をかけて見つけたヒッグス
らしき粒子発見も日本の報道は1,2日程度。仏では1週刊と聞きました。
実験の大切さ、楽しさも伝えて下さい。
期待しています。
2012-10-05 Fri 13:31 | URL | ヒッチハイカー [ 編集]

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |