ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

WW

ATLASは,先日のヒッグスセミナー,そしてそれに続くICHEPではH→WWの今年のデータの結果を公表していませんでした。まあ一言で言うとmissing ETの理解が足りないので発表は時期尚早という判断でした。詳しく見ることはできませんが,CMSの分布も結構酷いという印象があります。Bunch crossingあたりの衝突数が30とか40という状況では,missing ETの低い部分を理解するのはやはり難しいです。

ですが,ATLASはちゃっかりとemuチャンネル(一つのWが電子とニュートリノに,もう一つの電子がミューオンとニュートリノに崩壊する事象)の結果だけ公表しました。このチャンネルにはZ+jetsがあまりないので,low missingETの理解が今ひとつでも最終結果に効いてこない,なおかつ,eeチャンネルmumuチャンネルよりも圧倒的に感度が良いのでemuだけで公表する価値がある,というわけです。

その結果は,2011年のデータと違って,γγやZZ同様バックグラウンドよりもかなり上ブレ。というか,標準モデルの期待値よりもかなり多い事象数となりました。Combinationには入っていませんが,もしこれを入れると新粒子発見に関する統計的有意さがさらに一押し上がります。ATLASのγγ,ZZ,WWの結果は,背景事象を上回るexcessどころか,どのモードも標準モデルの期待値より上ブレ。かなりのラッキーです。私はツモは弱い方なのですが,ATLASにはツモの強い人がたくさんいるみたいです。

次はいよいよττ,あるいはbbで,湯川があるかどうかをすっきりと決めたいですね。

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この記事のコメント

解説会有難うございました。
ニコニコで視聴しました。ワクワク感が伝わって来てよかったです。
質問です。
文章中に、
ATLASのγγ,ZZ,WWの結果は,背景事象を上回るexcessどころか,どのモードも標準モデルの期待値より上ブレ。かなりのラッキーです。
とありますが、
何がラッキーなのでしょうか、BSMかも!ということでしょうか?
よろしくお願いします。
2012-07-23 Mon 23:17 | URL | koba [ 編集]
> 解説会有難うございました。
> ニコニコで視聴しました。ワクワク感が伝わって来てよかったです。

ありがとうございます。

> 文章中に、
> ATLASのγγ,ZZ,WWの結果は,背景事象を上回るexcessどころか,どのモードも標準モデルの期待値より上ブレ。かなりのラッキーです。
> とありますが、
> 何がラッキーなのでしょうか、BSMかも!ということでしょうか?

BSMかどうかについて言及する意図はありません。
単に期待値よりも多かったという事実と,
ATLASのSMヒッグスに対する感度の期待値は
5σ未満だったので,5σを超えることができたのは
統計的にラッキーだったという意味です。
期待値よりも多かったけれども,統計的に
有意に多かったとは言っていません。
サイコロを60回振ったら,1の出る回数の
期待値は10回ですが,それよりも多かった
(たとえば11回だった)というのと同じことです。
2012-07-25 Wed 18:28 | URL | ExtraDimension [ 編集]
ご回答有難うございました。
現状はSM内ということですね。
年末までのデータが楽しみです。
よろしくお願いします。
2012-07-25 Wed 21:12 | URL | koba [ 編集]

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