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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

霧箱

今日の午後は授業で、1年生相手の実験でした。2種類の実験(どちらも1年生相手)を担当していて、金曜は工学部あるいは基礎工学部対象の真面目な、と言っては変ですが、まあ物理実験の初歩をきちんと学ぶための実験です。高校までではやったことのない誤差の取り扱いがあったり、レポートを各テーマごとに提出したりと、内容は易しくともプロを目指す初歩を学びます。これに対して本日水曜日の実験は理学部全員が相手で、物理の実験なのですが、とにかく(物理学科の学生以外に?)物理に興味を持ってもらう、というのが目的の実験です。科目名も自然科学実験と言い、学生は物理だけでなく、化学、生物、地学(と数学?)の実験もやります。誤差の議論はないし、レポートもなし、ということで高校までの実験の延長みたいなものです。

私の担当は今年は放射線で(去年は振り子で地球の重力加速度を測定)、霧箱を使ったアルファ線の観察と、半導体検出器を使った放射性物質(と分類されないくらい、自然界に存在するくらい弱い放射線源)からのβ線の計測などを行います。半導体検出器を使った計測というのは、与えられた検出器を使って単にβ線の透過力などを測定するだけでなので、特別面白い実験というわけではありません。がっ、霧箱のほうは個人的には面白いと思っています。

密閉した透明な容器の中にアルコールで浸したスポンジを入れ、容器の底をドライアイスで冷やします。容器の中にはアルファ線源も入れてあり、アルコールの過飽和状態になった容器の中でアルファ線が飛ぶと、アルファ線が空気分子中の電子を飛ばしてプラスのイオンを作ります。このイオンを核としてアルコール水滴の雲ができます。飛行機雲と同じ原理ですね。飛行機雲の場合は、水の過飽和した上空で、エンジンからの排ガス中の分子などが核になるわけです。こうして、アルファ線の飛跡に沿って白い雲が見えます。放射線が飛んでいるのを実際に目で観察できるわけで、有名なのかもしれませんが、この実験の目的のように物理に興味を持ってもらう、という意味では面白い実験ではないでしょうか。

しかし、アルファ線源としてキャンプ用のランプの芯が使えるというのは知りませんでした。ホント色んなところに放射性物質ってあるんですね。まあ、無茶苦茶線量は弱いわけですけど。


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