ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

教育は公共財ではないのか

少し前に書いた通り,今学期は月火水と授業。今週からは全ての授業が本格的に始まり,学期の初めということで慣れていないせいもあり,毎日授業が終わったあとは喉がカラカラでした。その後,昨日と今日は大学の委員会,というか会議の連続。昨日は午前中が湯川記念室委員会なる委員会,午後は物理学専攻の運営会議。そして今日の午前は物理学科の広報委員会なるものに出席しました。広報委員というのは今年度からなのですが,他の学科は委員全てが教授。なぜか物理学科だけは准教授。と書いてて気づきましたが,昨日の委員会も私以外は教授だけ。よく言われていますが,私たちの大学の理学部は,他の大学に比べて権利というか権力が教授に集中しています。大講座制というのもありますが,准教授は博士課程学生の学位論文の主査になれなかったり,大学院入試時に学生を選ぶ会議には加われなかったりと,教授と准教授の間に大きな権力差があります。というわけで,身分も権力も給料も教授と准教授では違うはずなのに,私の態度があまりにデカ過ぎるからなのか,雑用負担は教授ばりです。とほほ。

まあ,引き受けている雑用は大したことありませんし,見えないところで教授たちは数えきれない雑用を抱えているのでしょう。と,タイムリーなことに,今年度の物理学専攻の役割分担(なんちゃら委員みたいなもの)の一覧が昨日配られたのでそれを眺めると,なんと役割の数だけで84。しかも1つの担当が複数の役割もありますから,延べ人数では100人くらい必要。それに対して教授と准教授の数を合わせても30人程度。しかも,まあ,ぶっちゃけ何にもしない人も何人かいます。話が脇道に逸れますが,こういうのが不思議なんですよね,大学って。100の仕事を30人で分けようとしたら一人で3つか4つの仕事をこなさないとなりませんが,そういう風に均等に仕事が割り振られていません。全然やってない人もいるんですよね。おっと,それは置いとくとして(良くないけど),目に見える雑用だけでもこんだけあるんですよね。私も今日は,午前の委員会で決まったことの処理のために時間を費やしています。

おっと,だいぶ前置き(=愚痴)が長くなりましたが,言いたいのは何かというと,やっぱり大学はスタッフの数が少な過ぎます。大学だけじゃない,どこも人手不足だと言ってる人の姿が目に浮かぶようですが,とりあえず異業種間の比較はやめて違う国と比較すると,日本は驚くほど大学教員数が少なそうです。少なくとも国が高等教育に使っている予算は,GDP比でも国家予算比でもOECD諸国中最下位。正確にはどっちかがビリで,どっちかがブービー。見事です。でもって,小学校から高校までに対して使っている予算はそれほど少なくありません。というか,ほぼ平均的。ですが大学以上に対しては欧米先進国のほぼ半分。悲惨な状況です。よくアメリカの大学は私立有意だと言われますが,そんなアメリカに比べても半分くらいです。あと,大学同様悲惨なのは小学校就学前,つまり幼稚園とか保育園に対する予算。むしろ大学よりも酷くて,先進国の半分どころか数分の一しか金をつぎ込んでいないようです。

日本では公共の予算をなんでここまで教育に使わないんでしょうね。大学教員の勝手な言い草だとわかってますが,国力を保つためには他の国と同じくらいの予算はやっぱり必要です。国際競争で頑張っている会社だって,開発費はやはり他の国のライバル会社と同様の規模で使っているのではないでしょうか。もちろん例外的に少ない資金で頑張ってる企業もありますが,逆に資金はあっても競争に勝ってない会社もあって,結局,身もふたもない言い方になってしまいますが,競争では資金がモノを言うのではないでしょうか。しかも,教育って企業人にだって必須の要素で,よく大学生は勉強してないとか,大学は何にも教えてないとか言いますが,だったらなんで高校3年生を企業では雇わないのですか。いや,極論なのはわかりますが,やはり,大学1年生と修士を卒業した学生では,少なくとも物理学科の学生の場合,全く比べ物にならない能力差です。でも,そこに投資している資本が他の国の半分,下手すると半分にも届いてないというのは,本当に国として将来ヤバいのではないかと不安になります。

少し前にこのテの話題を取り扱った本を読んだのですが,日本には教育が公共財だという考えがないんだそうです。教育を受けるには身銭を払えと,確かにそういうところがあると感じます。でも,なんでなんでしょうか。教育って,国防とか,道路とかと教育って同じじゃないんですかね。いや,書いてて思いましたが,国を守るという観点で国防と同じですよ。それに,言いたいことの本筋からは微妙に外れるかもしれませんが,少なくとも,金持ちでも貧乏人でも同じ能力があれば同じだけ教育を受けられるようなシステムがあるのが普通だと思うし,多くの先進国ではそうなっているのに,なんで日本ではそうなっていないんだろう,と悩みます。そういう教育をしてこなかった教育のせいなんでしょうかね…。
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