ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

アウトリーチ雑感

先日のアウトリーチに関して幾つかフィードバックをいただきました。ありがとうございます。個々に返信できませんので,代わりにと言ってはなんですが,今回の企画を振り返って雑感を幾つか記します。

全体としては,非常に盛況だったと思います。毎回感じることですが,これだけ盛況になるなら,潜在的なニーズはもっとあるはずで,そういうところをもっと発掘できればと感じました。ただそれをするためにはマンパワーも必要で,日本の大学のように教員数が世界各国に比べて半分しかいない状況では,我々も一杯一杯です。文科省が悪いのか財務省が悪いのか政治家が悪いのか知りませんが,欧米(というか,日本の教員数の少なさはOECDの中で突出してますが)並みの業績を期待するなら教職員数をせめて2倍に増やしてくれよ,と思ってしまいました。

話の内容としては,今回の私の部分は全く新しい内容だったので,色々と試行錯誤がありました。私の前に2人が話をしている間にも,講演の内容を書き換えたりしてたくらいです。統計的な現象であること,未知粒子を探索するという概念,これらを伝えるのには非常に難しくて,言いたいことを理解してもらえたのか不安な部分ではあります。それから,ヒッグス探索とは直接関係ありませんが,数字は科学的に導出したつもりでも,その結果の判断というのは人間がするものだ,科学というのは白黒ハッキリつかないものなのだ,ということを実は私は伝えたいと思っていました。メッセージ色が強くなりますし,ヒッグス探索とは離れてしまうのであまり強調できませんでしたが,食の安全の問題でも,放射線による影響でも,ある測定結果を受けて判断を下すのは人間であり,その判断は科学者だけに任せるのではなく,個々人が考えるべき問題だということを伝えたかったのですが,まあ話の流れ上そういう方向には持って行きませんでした。

講演後のおしゃべりについては,こういうアウトリーチ活動を行うと毎回質問が多くて講演の後も質問攻めにあうので,それならばおもいきっておしゃべりの時間を設けてはどうか,ということでやってみたのですが,この企画も成功だったように感じます。ただ,1つのグループが20-30人になってしまったので,人を押しのけないとあまり話をする機会がなくて残念な思いをした人がいらっしゃるかもしれません。人数が多過ぎることはわかっていたのですが,だからと言って数を絞るのも参加の機会を減らしてしまいますし,痛し痒しというところで,今後も同じ企画を続けるならどうすればいいのかというのは課題です。

あと,毎回そうなのですが,参加者の方の物理に対する知識は千差万別なので,講演もそうですし,その後のおしゃべりでも,話についていけない方,逆に簡単過ぎて面白くない方,というのがどうしもて生じてしまいます。おしゃべりについては話の内容を絞りグループ分けするなどの方法もあったのですが,とりあえず初めての企画だったので,今回のように話の内容を絞ることはしませんでした。でも,次回以降は考えてもよい方法かもしれません。

ということで,一段落したアウトリーチですが,この夏にはヒッグスを発見してしまうかもしれません。次の担当は私たち大阪グループなので,後手に回らないよう,早めに準備を始めなければなりません。安心しているとすぐに月日は経ってしまいますので,油断できませんね。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<LHC 4TeV | HOME | 名古屋でのアウトリーチ終了>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |