ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHCの今年の予定

ご存知の方も多いかと思いますが,LHCは定期シャットダウン中です。人間も長いバカンスを取りますから,加速器もバカンス,ということなのかどうか知りませんが,CERNでは毎年クリスマスシャットダウンと言って,12月から1月は実験が休みになります。と言ってもおもいっきり休んでいるわけではなくて,加速器,検出器ともにメインテナンスをしています。たとえば,ATLASではカロリメータのエレキが壊れてて穴があいてる部分がありました。検出器を開けて,壊れていたエレキを交換。電磁カロリメータ,ハドロンカロリメータともに,修理を終えて穴がなくなりました。

で,今どんな状況かというと,検出器の修理はほぼ終えて,検出器を閉じる作業にぼちぼち取りかかっています。今月は,ビームはまだ来なくて,その状態で検出器をもとの状態に戻す作業が続きます。元の状態に戻すというのは,一旦開けた検出器を閉じるだけではなく,データ収集できるような状態に戻すということです。その後,加速器の立ち上げと並行して検出器の更なる調整,物理解析のためのデータ収集は3月の末から4月くらいになりそうです。その後は大きなシャットダウンはなくて,今年一般,陽子陽子衝突は10月まで続く予定です。

ビームエネルギーはおそらく4+4TeV。正式な決定は来週シャモニーで行われるワークショップで決まりますが,重心系8TeVというのはほぼ決定事項。ヒッグス探索,特に軽いヒッグス探索では断面積は2,3割しか増えませんが,1TeVくらいの粒子の場合は断面積が2倍くらいになりますので,SUSYその他exoticな粒子を探している人たちの多くはエネルギーをぜひ上げたいでしょうね。バンチ間隔は去年と同じ50ns。なんでもトータルのビームカレントが一定値を超えることができないそうなんですね。ということは,バンチ数を増やすとバンチあたりの陽子数が減りルミノシティが上がらなくなりますから,25ns間隔にはしないという方針です。でもβ*を絞ってピークルミノシティは6E10^{33}を目指します。2011年の2倍程度,バンチ間隔は一緒。ということで,バンチ交差あたりの平均事象数は40くらいまで行きそう,という検出器に取ってはなかなかに大変な運転状況です。

気になる積分ルミノシティはICHEPまでに5fb^{-1}というのが短期の目標。年間では15fb^{-1}。さてどうなることか,楽しみです。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<国際スクールの宣伝 | HOME | ロシアの火星探査機>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |