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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

不確定性原理

新聞に載っていたので,論文を読んでみました。あ,いや,abstractの後の3/4ページだけですけど。

ということで,実験内容については全然わかりませんが,そのintroductionに書いてあることから,これまで不確定性関係について私の中ですっきりしていなかったことがすっきりしました。すっきりしていなかったことというのは,教科書なんかを見ると,たとえば位置と運動量について,位置を測定しようとすると測定しようとする光なりなんなりの影響を受けるために測定する対象物の運動量がかき乱されてしまうために,有名な不確定性関係 Δx Δp ~ hbar/2 になるみたいな説明がありますよね。一方で,測定する対象物,粒子が波だと考えれば,波をある位置に閉じ込めるためには異なる波長(=異なる運動量)の波の重ねあわせになるというイメージからもわかるように,測定うんぬんとは関係なくΔx Δp ~ hbar/2という関係を数学的に導き出せます。どちらの説明も間違ってはないけど,測定と,測定には関係ないことがごちゃ混ぜになっているので,なんというか,非常に気持ち悪かったです。

ところが,正しい式の左辺は ε(A)η(B) +ε(A)σ(B) + σ(A)η(B) なんだそうです。εはAに対する測定誤差,ηは測定によってBがかき乱される量,σが標準偏差つまり測定とは関係なく持ってる不定量。ハイゼンベルグのは第1項だけで,2項目と3項目が加わりました。これだと,たとえばη(B)がゼロだとハイゼンベルグバージョンはε(A)が∞になってしまいますが,新しいバージョンだとε(A)σ(B)が残ります。つまり,測定によってBがかき乱されることがもしなければ,Bの本来持ってる不定性の量がε(A)σ(B)~hbar/2となる,という直感的に少なくとも私にはすっきりした結果になります。そういうわけで,これまでごちゃ混ぜ(になってたのは私だけかもしれませんが)になっていた,測定による不定性,測定とは無関係に持ってる不定性をきっちり切り分けてますよ,というのが提案されていた小澤の不確定性関係のようです。でもって,今回の論文ではその正しさを実験的に証明したということみたいです。

その新しい不確定性関係というのは私にとっては新しいですが,賢い人々にとってはそんなに新しい話でもなく,その関係式を実験で確かめられるようになるなんて実験技術の向上が凄いね,というのがその道のプロの人々の受け止め方なのかもしれません。

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