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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

粘着テープからX線

加速器と一言で言っても色々な種類があるのですが、最もシンプルなのは、何らかの方法で高電圧を発生させて、その電位差によって荷電粒子を加速するというものです。「何らかの方法」の一つにヴァンデグラフという発電機があります。仕組みは単純、ベルトを回転させ、そのベルトを摩擦帯電させます。その帯電された電荷は動いているベルトで運ばれ、金属製の球に貯められるので、高電位差(電圧)が発生するというわけです。

摩擦で電気を起こすという意味で、わりと身近な起電方法なのではないでしょうか。自然界で発生する大規模なものが雷です。正確な仕組みは知りませんが、激しい上昇気流やらなんやらで大気が激しく摩擦されることにより帯電され、その放電現象が雷です。

というわけで、冬場乾燥してくると身の回りでも発生する静電気ですが、それを利用した面白い現象が科学雑誌のnatureに紹介されています。と言っても、自分で見つけたわけではなく、前に紹介したことのあるスラッシュドットからのネタなのですが…。

普通の粘着テープ、日本だとセロテープ、アメリカだとスコッチと呼ばれているもので、簡単に(?)X線を発生させることができるのです。テープを普通に剥がすとします。すると粘着面での摩擦でテープが帯電します。この帯電で発生した電位差で電子が加速されるのですが、テープ、すなわち物質に入射すると制動放射という現象でX線が発生します。ただし、大気中ではX線は発生しません。大気中だと、X線を発生させるのに十分な電位差になる前に放電してしまう、つまり電子のエネルギー不足になるようです。

実際にその様子を撮影したビデオがnatureのサイト(ここ)にあります。小さな真空ポンプの中にスコッチを入れ、モーターで単にテープを引き剥がし続けています。シンチレーションカウンターと呼ばれる検出装置が光っているのが見えたり、ガイガーカウンターがバンバン鳴っている様子が撮影されています。さらに面白かったのが指のX線撮影。説明してる人が指をテープの上に置き、さらにその上に写真乾板を置くと、医療用のX線撮影と同じことができてしまいます。ビックリです。いやホントに綺麗に撮れていて、これなら値段の高い医療用X線発生装置なんて要りません。小さな真空ポンプとセロテープさえあればいいのですから。

一つ笑えたのは、テープの種類を色々変えると発生するX線の量が変わるので、別のテープを試したらあまりに大量のX線が発生して、説明している人のうち1人がちょっとビビっていたとこです。なかなか笑えるシーンでした。

追記:
スコッチの取り扱い説明書には、「真空中でのご使用はお控え下さい。被爆の可能性があります。」とか書かれるのでしょうか?


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