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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

検出器関連の研究会

昨日は,検出器関連の研究会でトークをするためにK大学へ行って来ました。検出器関連といっても,普通に検出器そのものについて議論するよくある研究会ではなく,検出器,というかDAQやエレキも含めた測定システム関連の技術力をどうやって保っていくか,について議論するというひと味違う研究会でした。

その趣旨がよくわからず,いえ,全くわからず,主催者の何人かにメールを書いたのが今週初め。それでも何を喋ればいいのか五里霧中で臨んだ研究会でしたが,私が発表した内容は頓珍漢にはなっていなかったようで胸をなでおろしました。

高エネルギー物理というのは,検出器に要求される性能が他の分野の実験に比べて遥かに過酷です。非常に高い耐放射線性が要求されたり,非常に高い感度が要求されたり,非常に大量のデータを瞬時に処理する必要があったり,等々,正直他の分野の測定機器とは比べ物にならないくらい高性能です。高価な検出器を買ってきて使うなんていう分野もありますが,高エネルギー物理にはそういうことはほとんどなく,あるものほぼ全てを実験・プロジェクトに合わせて実験屋が作ります。先に書いたように,売り物とは比べられないほどの高性能品を作るわけですから,そのぶん専門性が異常に高くなっていて,専門外の人に対する敷居が相当高くなっています。

ですので,新規参入者,特に学生を育てるのが難しく,また学生でないにしても,専門以外の検出器に関しては手を出すのが難しいという状況になりつつあります。でも,これだとごく限られた少人数のエキスパートに検出器開発を頼らざるを得ず,また,その人たちがいなくなったら検出器の開発力が目に見えて落ちてしまいます。そこで,技術屋ノウハウの共有その他,どうやったら計測システム関連の技術力を保つ,願わくば向上させて行けるか,について議論するのが研究会の目的でした。

驚くくらいみんなが困っていることは一緒なのですが,それを限られたリソースで解決すればよいかは簡単な問題ではなく,私も些細な提案を幾つかしましたが,当然のことながらこれといった決定版はなかなか見つかりません。でも,問題意識を多くの人が共有して,とにかく何かやっていこうという動きはあるようで,私もさらに知恵を絞っていこうという想いを新たにしました。

しかし,今回の研究会一番の大収穫は,私にとっては神のような存在だったKEKのUさんと色々な話ができたことです。これまで,SiTCPという技術で間接的にお世話になりっぱなしでした。今,修士課程の学生がやってる研究はこのSiTCPという技術の上に成り立っていて,この技術なしには今の研究はあり得ないというようなものです。また,この技術以外にもボードの実装などで学生がお世話になったことがあったのですが,私自身直接面識がなく,いつか会ってみたいと思っていました。そのUさんと,測定器のことそのものについて,あるいは,どうやれば測定システム開発環境を充実させていけるか,などなど,たくさん話をできたことは望外でした。

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