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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ATLAS実験の近況

LHCの故障のため、実験は再び調整・整備モードに逆戻りしたわけですが、ATLAS実験では本格的な整備期間に入ろうとしています。円柱型の検出器は大きく3つの部分から構成されています。バレル(樽という意味ですね)と呼ばれる中央部分と、その両端を塞ぐような形のエンドキャップからなります。巨大な検出器の外側にはアクセスすることが可能ですが、ちょっと内側でも通常状態ではアクセスすることができません。そこで、今回のような(比較的)長期シャットダウンの時期を利用して、エンドキャップ部分を外側に動かし、通常行えない整備を行うとしているわけです。高エネルギー実験での常套手段ですね。加速器がしばらく動かないときにエンドキャップを開けて検出器の整備をするというのが。

そういうわけで、検出器の整備が行われているわけですが、それに並行して宇宙線が検出器に入射する事象をせっせと収集してます。地表では手の平くらいの面積に1Hz(1秒間に1発)くらいのレートで降り注いでいる宇宙線ですが、地下100mではそういうわけにもいかず、レートは非常に低いです。それでもデータ収集システムのテストになりますし、粒子が検出器に入射したときの反応をモニターできますから、検出器のテストという意味ではそれなりに役立ちます。

例えば、荷電粒子の位置を測定する検出器では、粒子の位置を正確に測定するためには、逆に検出器の位置を正確に把握していないとなりません。そこで、検出器を横切る宇宙線を基準にして、個々の検出器の位置を割り出す作業などが行われています。実際問題としては陽子ビームが衝突すれば、基準として使える大量の粒子を収集できるのですが、まあ、その作業自体のトレーニングというか、作業を正しく行えるかどうかのチェックにもなります。

全然関係ない話題なのですが、先日(と言ってもすでに10日前ですが)こういう読売新聞の記事がありました。ノーベル賞効果で喜ぶベきことなのですが、笑えるのは、この陽子衝突実験の一つで重要な立場のY教授よりも、新聞記事のほうが情報が速いことです。マスコミの人たち、それが商売とはいえ、やっぱり凄いです。色んな意味で怖いですね。


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