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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHCの近況

最近全然触れていませんでしたが,今日はLHCの近況を少しだけ。

年内の陽子陽子衝突実験は10月いっぱいで終えて,今は重イオンビームの衝突実験に移っています。と言っても,重イオンビーム衝突実験に全く興味のない私は,今現在何をやっているのかよく理解していません。日々のログを読むと,当然のことながら加速器の調整に多くの時間を使っているようです。

陽子陽子衝突実験のほうは何度かお伝えしたように非常に順調でした。記録したデータ量は5fb^{-1}を超え,来年一杯さらに重心系エネルギー7TeVで走ると,合計で10fb^{-1}を超えるのが確実です。10fb^{-1}あればどうなるかというと,ヒッグス探索では130GeV以上なら5σで発見可能,3σでよければLEPのリミットの114GeV以上をカバーできるはずです。私の希望である超軽いヒッグスの場合は,5σは無理でも何か怪しいモノがあると言えるようになりそう,という状況です。

しかし,ルミノシティが順調に上がるのはいいことですが,検出器の方はその分どんどん大変になっています。今までのルミノシティの最大値が3.7E33。バンチ交差あたりの陽子陽子衝突数はそのルミノシティだと平均で10に到達しようかという勢いです。ちなみに,これが最高かどうかは知りませんが,衝突数20のイベントディスプレイがATLASのサイトに公開されています。それがこれです。
Z --> mumu with 20 intereactions
Zがミューオン対に崩壊したイベントですが,Vertexが20個も見つかってしまっています。ちなみに,vertex候補を作るトラックにはpTが0.4GeV以上,ピクセルとシリコンストリッップ検出器にそれなりにヒットがあったという要求が課されているので,にせものの確率はそれなりに低いです。って,イベントディスプレイを見れば,実際に陽子陽子衝突をしてると納得させられるものが多いことがわかります。そうでなくては困るのですが,こんなにトラックがある中で,検出器もトラック再構成アルゴリズムもよく頑張っています。

2012年もデータ収集を続けますが,2013年全てと2014年の大半はシャットダウン。重心系エネルギーを14TeV付近にまで上げるための加速器の作業を行います。ルミノシティもさらに上がりますので,それに備えたトリガーやら何やらの研究もすでに始めていて,夏から私たちのグループに加わった外国人特別研究員は高いルミノシティに備えてヒッグスのトリガーの研究を行っています。ちょうど来週,将来計画に関するコラボレーションミーティングがあり,彼もそこで発表をするために来週はCERNに来る予定です。

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