FC2ブログ

ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

修論廃止?

意識朦朧が本格化して,昨日は大学に来る時にいつも通りのモノレールに乗っているのに,違う駅で降りてしまいました。寝過ぎたのではなく,ボケてて,1駅手前で降りてしまいました…。でも,苦しかった雑務の多くを昨日クリアできたので,今朝は少し気分が晴れ晴れしてます。午前中はひたすら書類と格闘,午後は国際スクールの委員会のチェアとの打ち合わせに備えて,まずはKEKの事務方の人たちと打ち合わせ。その後は,bylawsの草案を議論できるように資料を漁り,夕方ようやくSkypeでマンツーマンの話し合い。下調べをしておいたおかげで,それなりにこっちの言い分も通せてホッとしました。議論,交渉ごとには,やはり下調べは重要です。

ということで,少しは晴れ晴れとした気分だったのですが,博士課程進学者に対しては修士論文を書かせずに試験でもって修士課程修了(および博士課程進学の審査??)の判定を行うように省令を改正するという記事を今朝の新聞で読み,晴れ晴れとした気分がまた少し曇り始めました。原理的にはそれでもいいのかもしれませんが,実際問題としては上手く機能しないのでは,と現場にいる人間としては思ってしまいます。その理由を幾つか。

確かに博士課程を修了するためには,修士論文よりも何倍も高いハードルである博士論文を書かなければなりません。ですけど,今回の省令改正で課すという修士課程修了判定の試験というのは専門外の知識を問う筆記試験だとか。博士課程に進学し学位を取得するための基礎知識を身につけるだけだって修士課程の2年というのは決して長くありません。そこに,専門外の耳学問をさらにさせるというのは,理想論ではあるけれども,相当無理があるように感じます。私なんて,耳学問,試験勉強は嫌いだったけど,修士課程で研究の世界に触れて,それでこの道を目指すことにした人間なので,余計に違和感があります。逆に考えると,さすが受験勉強好きの役人の考えることは違う,と思ってしまいました。

今回の省令改正の趣旨は,博士課程修了者は「専門分野には詳しいが,応用がきかず,使いにくい」という産業界の声に応えたそうですが…うーん,言葉を濁しますが,それは正しいモノの見方ではないように思います。専門分野には詳しいが使えない人もいるだろうし,専門分野に詳しい上に何でもできる人もまたいます。それから,マトモな修士論文,あるいは博士論文を書くためには,結局,色んな分野の知識が広く要求されますし,何が問題の本質なのかを見極める能力,問題をいかに解決するかという能力が格段に鍛えられます。答えのある受験勉強なんかよりも,はるかに広く深くものを考えなければなりません。どんな職種に就くにしても必要な素養を身につけるのに,論文執筆は非常に良い機会で,専門分野には詳しいが使えない人がいるという産業界からの苦情が本当だとしても,その問題を解決するための方法が専門外の分野の筆記試験ということはありえないように思います。

あと,テクニカルな問題としては,博士課程に進学したけれども中途退学という場合にはどういう対応を文科省はさせようとしているのでしょうか。理想論だけぶちあげて,ややこしい問題は放置,各大学に丸投げという得意のパターンなんですかね。

大学 | コメント:3 | トラックバック:0 |
<<芋煮会 | HOME | ビームライン下見>>

この記事のコメント

僕も おかしいと思います。
試験ですから、時間制限があるでしょう。
それも、せいぜい、2時間で数回とか。
たった、それだけの時間で、答えをだせる問題って
?ですし、
それができない熟考タイプの人は、博士になれない
というのは、もっと ? です。

企業で使いにくいっていうのは、部下が、自分より頭がいい場合、
使いにくいってことじゃないかなぁ、、、
2011-10-27 Thu 11:37 | URL | kafuka [ 編集]
近年、企業の度量が、どんどん狭くなって行くように
思います。
僕が、就職したのは昭和50年ですが、
同期の東大卒は、仕事もせんと、
何かの計算(今から思うと 場の理論かな)ばかり、
していました。
それでも、課長は何も言わず、彼にあった仕事を
与えていました。

飛躍かもしれませんが、
このままでは、独断専行でないとできないProject-X 
のような画期的な仕事が、日本では できなくなる
ように思えます。
2011-10-27 Thu 11:49 | URL | kafuka [ 編集]
ここで、僕の持論を書いても迷惑でしょうから、
ブログの記事にしました。
僭越とは思いますが、お許し下さい。
2011-10-27 Thu 17:59 | URL | kafuka [ 編集]

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |