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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ヒッグス探索近況

生成されたヒッグスがWW(→lνlν)に崩壊する事象探索において,予想される背景事象数よりも多くの事象がある。背景事象の予想数よりも3σ近いexcessがある。ということを少し前のブログで書いた記憶があります。1fb^{-1}くらいの統計を使った解析結果で,もしその過剰な事象がヒッグス由来だとしたら,ヒッグスの質量は140GeV前後がちょうといい,というようなことを書きました。EPSという国際会議の頃だったと思います。

その後もデータ収集が順調に進み,というか,その時点でもデータはかなり持っていたので,正確には順調にデータ解析が進み,といったところでしょうか,まあとにかく,統計量を2fb^{-1}程度に増やした結果がすでに公開されています。その結果は,残念ながらexcessが小さくなっています。ただ,まだexcessがあるので,140GeV以下の軽いところは棄却されず,以前,白黒はっきりしないという状況が続いています。重いほうはだいぶ広い領域を棄却し,多少のでこぼこがあり,棄却できていないわずかな質量領域はありますが,450GeV前後まではほぼ棄却したという状況です。SUSYを代表とする新しい物理現象はなかなか姿を現しませんが,ヒッグス探索においても,ヒッグスの生成確率が標準模型よりも大きくなる理論的予言は棄却しつつあります。ヒッグスの生成が抑制されるような模型,例えば細谷機構みたいなのは,もちろん生き残りますが。

逆に軽い方はまだまだ望みがあります。前にも書いた通り,私はヒッグスは軽いと思い込んでいる(軽くないと困ると思ってるからなのですが)ので,140GeV程度のところで見つからないのは,個人的には悪いことではないと考えています。ただまあ,外部的には,未だになーんにも新しいものが見つかっていないので,LHCとしてはとにかく何か見つけたいところではあります。しかし,ヒッグスが非常に軽いと,たとえば120GeVを下回るような場合だと,私的には嬉しいわけですが,発見はそれなりの長期戦になりそうです。

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この記事のコメント

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2011-08-30 Tue 03:56 | | [ 編集]
ヒッグスの質量が非常に軽い場合については,直接探索ではなく
別の様々な実験結果から間接的に否定されています。
理論的にも,数10から100GeVよりも軽いヒッグスだと
ヒッグスポテンシャルの形の議論から棄却されます。
2011-09-01 Thu 19:43 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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