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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

荷電レプトンフレーバー振動

数日前にν_eが出現するニュートリノ振動についてエントリーを書きました。後から知ったところでは,2.5σの効果ということで,「発見」ではなく「示唆」あるいは「兆候」という表現がオフィシャルに使われています。J-PARCが地震のダメージから復活して実験を再開し,白黒ハッキリつけてくれるのを待つしかありませんが,本当に楽しみな兆候です。

ところで,同じ2.5σの効果と言われても,胡散臭いと感じるときと,楽しみな結果だと感じるときがあります。で,そういう感じ方は多くの場合,複数の研究者に共通です。なぜそういう違いが生じるかというと,一言では,その解析への信頼度です。専門家なら誰でも疑問に感じるような点を丁寧にチェックしてあるか,背景事象の検証が十分なされているか,系統誤差の要因について思いつくこと全て十分に調べられているか,などを見て,解析が十分煮詰められていると感じれば「おー楽しみな兆候だ」となりますし,そうでないと「胡散臭いなぁ」となるわけです。

プラス,本当はあってはいけないバイアスなのですが,実験グループそのものへの信頼度というのもあります。過去に間違った結果,胡散臭い結果をたくさん発表しているグループの結果はやはり信用度が低いですし,実績のあるグループの結果というのは信用されやすいです。

おっと,今日はそんなことを書くつもりではなく,荷電レプトンフレーバー振動について書くつもりでした。というのも,私たちの間では,μ→eγ事象という標準模型の枠外の現象が見つかっているのではないかと長い間話題になっています。崩壊分岐比が標準模型では10^{-40}だか10^{-50}で,実験的には完全にゼロと思ってよい値です。一方,SUSYなどでは10^{-11}から10^{-15}程度の分岐比が予想されていて,かつ実験感度が10^{-12}に到達しています。さらにさらに,2009年に収集したデータの解析結果だけが公表されているのですが,それを見ると統計的に有意なシグナルとは言えないのですが,分布を見るとシグナルらしき塊がある…ように見える。というわけで,シグナル見えてるのではないかと噂されています。特に,2009年のデータについては,詳細忘れましたが,解析を全てやり直しているんですね。その再解析の結果が発表されておらず,余計に怪しんでいるというわけです。
2010年にもデータ収集を行っており,それを足すと統計が2倍くらいになるので,その結果を楽しみにしています。

これで近いうちLHCで何かを発見すれば,今年は物凄いエポックメーキングな年になるのですが,さてどうなることか。私自身も楽しみでドキドキしています。

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