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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

グリフィス

気づいていませんでしたが(正確には,Tくんが教えてはくれていたのですが,あまり意識していませんでした),こんな本が発売になっています。

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膨大な時間をかけたので,ここまで来れたことは感無量です。しかも,仕事中には作業やれませんので,休みの日や,出張の移動中の細切れの時間を利用してコツコツやったので何年もかかりました。その間,担当の編集者も2回変わって今の担当の人は3人目です。

原著を読んで理解するのは一瞬でも,それをうまいこと日本語にするのは本当に苦労しました。知ってる単語でもより良い訳語がないか辞書をひきまくりましたし,書いてある物理の内容を自分の言葉で説明してしまわないよう,グリフィスが説明したい意図を汲んでなるべくそれに近づけるような日本語訳を考えるようにしたので,読んだらすっと通り過ぎてしまうような1文でも何分も考え込んでしまうことがあり,「翻訳」の苦労を味わい続けました。

まえがきにも書きましたが,そういう苦労をしたので,原著に対する印象が変わりました。以前は,たとえば,なぜかをあまり説明せずに天下り的に言い切ってしまう部分とかに対して違和感を持っていたのですが,今は,戦略的に苦渋の選択(だったかどうかまではわかりませんが)としてそういうやり方をしたのかな,と思うようになりました。

原著は,素粒子実験の4年生あるいは修士の学生のゼミとしてよく使われているのではないかと思います。通常は,私もですが,英語の論文を読む訓練も兼ねているので,ゼミでは原著を使うことが多いと思いますが,英語がわからないのか物理がわからないのかわからなくなってしまっているような学生がいる場合は使ってもらえるといいかなと思います。あるいは,ゼミの参考書ですかね。

宣伝よろしくお願いします。

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百折不撓

もらい泣きしました。おめでとうございます,木村新王位。

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4イベント

話が前後しますが,先週は学会でした。今回の学会で一番の話題は,KL→π0ννの結果でした。学会の前の週にあったKAON2019という国際会議で,信号領域に4イベント残っているという結果を発表しました。学会でもその結果をそのまま発表して,私の周辺ではこの話題で盛り上がりまくっていました。

もし仮にこの4発が全部信号だとすると,標準模型の予言値よりも(たしか?)2桁近く大きいので,明らかに新物理です。ただし,KOTO実験の人たちはこれが信号だとは主張せず,Blind Analysisをやって信号領域を見てみたら4イベント残っていた,この4イベントが何であるかは現在調査中,というstatementのようです。まあ確かにBline Analysisを真摯にやったら,信号領域を見てるのにその結果を発表しないのは,信義に背いていることになります。でも流石に,これだけ標準模型と乖離した結果が出たとしたら,それをそのまま発表することは常人にはなかなかできません。Blind Analysisという哲学に沿ってそのまま行動したKOTOの対応は,相当の気合だと感じました。

ただし,上に書いたように,KOTOの人たちもこの4イベントが即信号だとは言ってないし,思ってないようで,今までに想定していなかった背景事象があるのかと心配しているようです。というか,この感度でこんなに綺麗に信号に見えてしまう背景事象だとしたら,それを落とすのは相当難しく,標準模型の信号を完全に覆い隠してしまう可能性が高いです。なにしろ,既知の知識をもとに評価した背景事象数は0.05ですから。。。一番平和なのは,何らかのミスですが,外野の人が思いつくようなチェックは全てやってるみたいで,私もこの解析には興味を持っているほうなので,何が原因なのか非常に興味深く思っています。

ちなみに,4イベントのうちの1つは,veto counterの信号波形から背景事象っぽいということは発表でも言ってたようです。それでも,3イベント。しかも,背景事象のテールのような成分には見えず,綺麗な信号に見えていて,本当に不思議です。不思議といえば,LHCでは,我々から見たら到底信号とは見えないような背景事象のふらつきでも,すわ新物理か,と言って騒がれ現象論の論文が山ほど出ますが,先週学会の時に人と話した時は,まだ出ていないとみなが言ってました。
これからバタバタと投稿されるんでしょうか。

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今回は日本でも

今回は珍しく夜行便を使ってCERNに来ました。さっき着いたところです。

CERN移動のときのもはやネタとなりつつあるセキュリティチェックですが,今回も,当然のように「ランダム」と称するチェックにヒースローでひっかかりました。紙をみたいなもので手を拭いたり靴を拭いたりして,その紙みたいなものを機械に入れてOKかどうかを見るやつです。もう,この検査を受けないことのほうが少ないので,腹を立てることもなく,他の人が手荷物検査を受けているのと同じような心持ちでした。

しかし,今回は新たなネタがあります。羽田空港で出発時に止められてしまったのです。手荷物検査のところへ行って,チケットをバーコードリーダーにかけると,保安検査を複数回通っているので安全上問題があるとかなんとか。手荷物検査自体は問題なく通してもらったのですが,チケットを返してもらえず,私のチケットを持った人は電話で誰かと延々と話し続け,ようやく電話を終えると私には理由の説明もなしに「行ってよし」の一言。もう意味不明です。保安検査の人々に言いがかりをつけられているとしか思えない仕打ち。ヘルシンキ,ジュネーブ,ロンドン,ここでの「ランダム」検査には慣れてきてしまいましたが,日本でもまさかこんな意味不明な言いがかりをつけられるとは。。

私の外見は,そんなにテロリスト風なんでしょうか?
って,どういう外見がテロリスト風なのかわかりませんけど。

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一般公開とか

先週の日曜はKEKの一般公開でした。大本営発表では4200人の見学者があったとのこと。足をお運びくださった方々にお礼申し上げます。ATLASのブースにいた体感では,例年よりも2割くらいは見学者が多かったように感じました。非常に盛況だったと思います。

ATLASグループの今年の仕切り担当者になったNさんは非常に張り切って準備を行い,新たな子供向け企画を立ち上げました。レゴを組み立てるという企画で,参加した子供たち,あるいは想定していなかった大人の人にも,大好評でした。来年度以降も続けることになるであろう,柱の企画となりそうです。それから,例年はポスターを展示するだけの研究内容の説明でしたが,今年はミニ講演会という形でスライドを使った説明も加えました。こちらは私の提案だったのですが,予想通り,非常に多くの方にご参加いただきました。毎年,ポスター前で私が説明をしていると人だかりができてしまうので,交代で誰かが10分か15分程度の全体紹介をすれば喜ばれるのではないかと思っていました。ただ,説明する人間の頭数をそれなりに用意しておかないとならなくて,今年はそれなりに弾が揃ったので実施することができました。次回以降も,説明者を揃えられる限りこのスタイルで実施したいです。

話は変わり,昨日は,測定器開発関連の新たな動きとして発足したプラットフォームのキックオフミーティングに参加しました。プラットフォームは全部で3つあり,私は,その3つのプラットフォーム全体の調整役を引き受けています。基本的には,それぞれのプラットフォームの活動に私は口を挟まず,全体の調整という建てつけなのですが,昨日は,最初のミーティングということで私も日程調整に混ぜてもらい,それで参加することができました。全体の趣旨説明をさせてもらえたのはありがたかったです。KEKに対する熱い期待もひしひしと感じ,参加してくださった人でないと,なんでこういう動きになったのかは理解してもらえないかと思いますが,この新たな動きを何とか成功させたいとより一層感じる1日でした。

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