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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

インターン楽しすぎ

今週の月曜から高専の学生をインターンとして受け入れています。その前の準備に加えて,その学生にも幾つかの部品を作ってもらって,幅1cm長さ10cmのシンチ+波長変換ファイバーからなる宇宙線トラッカーが完成しました。10本ならべたものを1層とした3層構造で,めでたく宇宙線が見えました。その学生も興味を持って遊んでくれているみたいで非常によかったですし,なにより,受け入れをしている3人の教員が一番楽しそうです。少なくも私は凄く楽しんでいます。大学の4年生実験みたいで,一から準備をして,信号がちゃんと見えるのは本当に楽しいです。書類書きやらマネージメントの仕事ばかりの日々なので,余計に楽しいです。毎日こうやって学生と実験をやっていられたら随分楽しいでしょうね。

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説明して学ぶ

今週も文科省へ行き,HL-LHCだけでなく素粒子物理学全般に関しての意見交換というか,説明をしてきました。

今回,私が説明役でしたが,その説明をしていて,彼ら,あるいは一般の人にも通じるかもしれませんが,何がわからないのかよくわかった点が一つあります。一言で言うと,なんで解明したい謎の数以上のプロジェクトがあるのか?ということです。たとえば私たちの説明の中で研究の動機として「力の統一をしたい」「宇宙に反物質が極端に少ない理由(CPの破れの起源)を解明したい」「暗黒物質の解明」...等々をあげます。でも彼らにとっては,力の統一をするのが目的なら実験が一つでいいではないか。CPの研究だったらその為の実験を一つやればよいのではないか。なんで,ゴール一つに対して研究計画がそんなに多いのかわからん。というのが一番大きなポイントだったように思います。

言われてみると,なるほどなぁと思いました。私たちの説明では常に自分達の研究の説明なので,究極的に解明したい謎に対して様々なアプローチがあることや,それぞれの研究の立ち位置,というものをあまり説明しませんし,説明する機会もありません。ゴールに向けて色々な道筋があることや,それぞれ1つだけでは解明に至らないこと,それぞれの研究がどう絡み合っているのか,ということを説明する機会は確かに凄く少ないなと改めて感じました。

おかげで今回は,ニュートリノ研究はT2KあるいはハイパーKだけでなく,ダブルβも凄く重要だとか,陽子崩壊がものすごく大切とか,LHC以外の重要性を熱く語る羽目になってしまいました。おまけに,ニュートリノ振動してるとなぜニュートリノに質量があることがわかるのかとか,大気ニュートリノの測定でなんでニュートリノ振動してるとわかるのかとか,自分はいつからニュートリノ関係者になったんだろう,というような話もたくさんしてしまいました。

それはともかく,素粒子物理学全体を眺めて,それぞれのプロジェクトがどういう位置付けなのかを説明することが大切なんだなぁ,と学ぶことができて非常に有意義でしたし,そういう位置付けを考えることは,自分の中で物理を整理することに繋がりました。

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盆休み明け

盆休み明けですね。と言っても,KEKは休みが13-15日だったので,16日から普段通りに働いています。加えて,盆休みの連休中もどこかに出かけるでもなく,子供とダラダラと過ごしつつ,空いた時間を見つけて急ぎの仕事をやっつけるという普段と同じ休日が連続して続いていました。

盆休み前の週は,夏の学校やら,文科省での説明その他で立て混み,休み明けの16と17も急ぎの案件を処理しなくてはならなくてほぼそれに集中していたため,今日気づくと期限付き雑務がたまっていて驚きました。海外出張明けも同じ現象が起きますが,処理しきれていなかったメールに目を通すと,いついつまでにこういう書類を出せというメールがバンバン見つかってしまい辟易します。溜め込まずにさっさと処理すれば大した仕事量ではないのですが,一旦溜め込んでしまうとため息が出てしまいます。

そんな盆休み明けですが,今,KEKはサマチャレの真っ最中です。私の生活圏(?)では参加学生に会うことはありませんが,講師役で来ているスタッフを見かけて,サマチャレなんだということを実感します。そして,来週は,月曜から10日間ほどインターンの学生がやって来ます。いつものように,言うだけ言って何にも役に立っていませんが,少しでも準備を進めたいところです。

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講義やら説明やら

一昨日は,夏の学校での講義2回目。相変わらず聴衆の反応がつかめず,今回は正直疲労感の残る講義でした。実際には疲れていても,相手の反応が良いと疲労感が吹っ飛びますが,今回はイマイチでした。。ただ,人数が非常に多いので全体としてそういう感想を持ってしまったのかもしれませんが,一部の学生は熱心に聞いてくれていたのでそれでよし,と無理やり思うことにしました。あと,運営を学生がやっているので,その中心となって頑張っている学生にはお礼を言いたいです。

そして昨日はHL-LHCについての説明をするために文科省へ行ってきました。あまりこのブログでは文科省への説明については書いてこなかったのですが,資料をしょっちゅう要求されるだけでなく,そこそこの頻度で説明やら打ち合わせに行ってます。某大学のYくんなんかは,これが私の役目だから,他のことは全て忘れてもいいからとにかくこれだけ頑張れとハッパをかけてきます。それくらい重要案件なのですが,各省庁の財務省に対する予算要求の提出が8月終わりなので,最近は動きが非常に活発です。それに対応すべく,私も最優先処理案件として資料を作ったり,説明を行っています。

今回苦労したのは,夏の学校の講義の準備と文科省説明資料を並行して準備したので,頭の切り替えがなかなか難しかったです。全く同じことを説明するにしても,ポイントや視点を全く変えなくてはならないのですが,私の頭脳はそれほど性能が良くないのでスイッチが瞬時に切り替わらず,作業効率がかなり悪かったように思います。ぶっちゃけ,簡単な内容だったり,重要度が低ければ,こういうことはないのですが,今回は夏の学校は準備がヘビー,文科省説明は重要度が超ヘビー,ということで私の頭脳のロードをかなり超えてしまったようです。

でも,昨日の説明では,付き合いの長い役人さんの援護射撃もあって,それなりにうまく説明できたように思いますし,多くの事務方の人がサポートしてくださろうとしているのは非常にありがたかったです。

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原子核三者若手夏の学校講師

表題のために,千葉県の九十九里浜に来ています。海水浴場として有名なところですが,私は来るのは初めてです。天気が悪く涼しくて,海水浴どころではないのは残念でした。とはいえ,天気が良くても海水浴をしてる余裕はなかったでしょうけど。

講義は今朝と明日の朝,それぞれ3時間15分づつです。高エネルギー物理の学生相手だったら,通常のペースで話せばいいのですが,今回の対象はなんと素粒子理論の学生さん。この講師の依頼を受けた際にも場違い感甚だしいと言ったのですが,それでもいいからということで講義をすることになりました。私がする実験屋向けの話を彼らが聞きたいのかどうか微妙だとは思うのですが,だからって,私が理論屋さんのように,共鳴とは粒子だってな調子で面白いことを話せるわけでもないので,普段とほぼ変わらない講義を結局のところはしています。というか,それしかできません。

というわけで,今朝の講義では開き直って通常通りの話をしたのですが,やっぱり,反応がよくわかりません。高エネルギー物理の学生だったら,これはわかる人が多そうとか,わからない人がいるかもとか,あらかじめ予想がつく上に,聴衆の反応を見てどこを噛み砕けばいいのかなんとなく判断できるのですが,今日は,反応が全然読めませんでした。明日の講義に向けても,まだ微妙に準備中なのですが,どこをどう調整すればいいのか悩み中です。。

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プラネタリウム企画再び

昨日は,つくば駅近くのエキスポセンターというところに行ってきました。ちょっと前に多摩六都科学館でやったプラネタリウムムービーを中心としたアウトリーチ企画を地元つくばでもやりたいと思い,素核研広報だった人に顔つなぎをしてもらったところ,先方が相談に乗ってくれるとのことで,その打ち合わせに行きました。

具体的な日時等はまだ決まっていませんが,ありがたいことに先方も非常に乗り気になってくださっているので,そのうち実現できるのではないかという感触です。日時等が決まりましたら,エキスポセンターで大々的に宣伝してくださると思いますし,素核研あたりの広報でも宣伝しますし,このブログでも私が忘れなければ告知します。

今回の企画だけでなく,講演会や企画展その他でKEKと連携を強めたいと考えてくださっているので,これを機に,今度のプラネタリウム企画だけでなく,エキスポセンターとの連携を強化できるといいなぁと思っています。

ちなみに,個人的なツテを利用して,大阪の市立科学館にも同様の企画を持ち込んでいます。遥か昔にも一度一般講演会をやらせてもらったことがあり,そのときは大盛況でした。今回の企画に関しても快諾してもらっていますが,先方の事情により,開催は来年度になりそうです。こちらについても,日時等が決まりましたら告知します。

いずれにせよ,Phantom of Universeはプラネタリウムでなら一見の価値のあるムービーなので,全国津々浦々のプラネタリウムで同様の企画を開催できれば,と内心思っています。

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忖度?

Yという偉い人から,ある資料のダメ出しを受けてきました。有用なアドバイスばかりで,ありがたいことです。そのアドバイスを受けて修正をこれから始めますが,その前に一休みしていたところ,『「桃が5個あります。3個もらうと全部で何個になりますか」足し算ともひきざんともとれる算数の問題が難しい』というウェブ上の記事を見つけました。

私には5+3=8としか思えなかったので,どういう落とし穴があるのかと思ったら,どこかに5個ある桃から3個とると,もともとの桃は5-3=2個になるという解釈が可能とかなんとか。いやー,それはなくないですか。主語と述語がはっきりしてないから解釈に不定性が生じているのは間違いなくて,どこの桃が5個あるかは確かにわかりません。そこで,主語がないことから可能性としては,以下の組み合わせがあります。
a) 私が5個持っていて,私が3個をもらう。最終的に私は8個持っている。
b) 私が5個持っていて,私以外が3個をもらう。最終的に私は2個持っている。
c) 私以外の人が5個もっていて,私が3個もらう。最終的に私は3個持っている。
d) 私以外が5個もっていて,私以外が3個もらう。最終的に私は0個持っている。

大学入試では不定性が出ないように,通常ではあり得ない解釈をされないように,極めてくどく説明を書くことがあります。よく聞く批判は(私も批判するほうですが),ひねくれた解釈を消すためにあまりにくどく書くので,却って普通の受験生には作意が伝わりにくいというものです。今回のも私には同類の匂いを感じます。私の感覚だったら「もらう」が主語なしで使われていたら,主体は自分だと思ってしまいます。たとえば日常会話で「これもらった」と言ったら,主語は自分だと解釈すると思うのですが,それを自分以外の誰かだとして使う人っているのでしょうか?私これまで生きてきて,そういう使い方をされて混乱が生じたことありません。別の人がもらったときには必ず「これをAさんがもらった」と主語を明確にすると思うのです。よって,「もらう」の観点から,私はa)かc)だと判断しました。

というわけで,b)の可能性は一瞬たりとも考えなかったのですが,主語なし「もらう」の主体を自分以外と思う人いるのですかね。。。今回の話は子供だったから,それはそれでよくて,子供に主語なし「もらう」の主体は通常自分だと教えれば良いだけの話の気がします。

むしろ,私はa)とc)のほうが気になりました。確かに桃が5個あると言われただけだと,それは自分が所有してる5個なのか,別の誰かが所有している5個なのかはっきりしないかもしれません。でも,後ろの文章を先に読むと,3個もらったら全部で何個と問われているので,私以外が5個を所有してるとしたら,最初の文章は不要です。敢えて不要な文章を書くとしたら,相当意地悪です。という判断があって,5個の所有者は自分と判断して私はa)の8個と思いました。実際には,考えたわけじゃなくて,最初に8個とすぐに思って,それを説明するとこうなったという話です。

もっと意地悪に考えれば,「全部」はどこを指してるのかもわかりませんから,可能な解答パターンはもっとあります。しかし,敢えてそういう可能性を色々考えないで,自然にそういう読み方をする人がたくさんいるのですかね。5=3=8は忖度だというようなことも書かれていましたが,これくらいの忖度は許してもらいたいものです。
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