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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ICHEP2018ウェブサーフィン

口の悪い人からは物理屋のなれの果てだと揶揄されますが,人並みに世間の動向が気になるのでICHEP2018のウェブサーフィンをちょこちょこしていますが。が...使い勝手が悪くないですか。結局,トークのスライドはCERNのindico上なのに,そこに行くまで一苦労。でもって,いつもこぼしている愚痴ですが,CERNとの接続は一般回線だとそれほど速いわけではないというか,いや,遠さを考慮したら速いのかもしれませんが,国内にあるその辺のサイトにアクセスするよりも時間がかかるのでイライラ。まあ,それは,CERNのindicoにあまりに多くの機能があり運営側としてはそれを使うのが楽なことは重々承知しているので仕方ないとは思うのですが,だからって,本来CERNのindicoを使わなくてもいいところでそれを使ってしまうのは,CERNの世界戦略の上におもいっきり載ってしまっているなぁ,という感じです。あ,私CERNで実験をやっていますが,だからってCERNの世界征服の野望を支持しているわけではありませんので。むしろ,AEPSHEPの開催・運営のときなんかは,かなり戦いました。

話を戻しますと,さらに,イライラするのが,トークの多さというか,トークのタイトルだけじゃなくabstractまで律儀に埋めてあるからなのかもしれませんが,とにかく重いです。私のブラウザだとなぜかもはや検索機能が動作しなくなってしまいます。みなさんもそこに行けばわかりますが,とにかく,膨大なページです。そこから検索機能なしに興味のあるトークを探すのは至難の技です。。。この不便さを感じているのは私だけなのでしょうか。もはや,そこからトークを探して見る気が失せています。

だからって全然見ないわけにもいかないので,幾つかのスライドを眺めましたが,やはり検索機能なしに膨大なトークの中から興味のあるものを探し出すのは困難で,結局くじけて,最後のサマリートークをじっくり眺めました。検索要りませんし。こういう会議では自分たちがやってること以外を勉強する良い機会なのでLHCの結果以外を中心に眺めました。

WIMP探索,重いところはどんどん感度が上がっていますね。ニュートリノの散乱と見分けがつかないところまでだいぶ近づいてきています。DAMAのアノーマリーはなんだったんだというくらい桁違いの感度になっています。だからって,性質を知らない粒子の探索なので頭からDAMAが間違いだったと考えるのはよくないのだとは思いますが,それにしても,もはや,ニュートリノ散乱の断面積にまで近づきつつあります。キセノンをマルチトン使うものも提案されていますので,それでさらに1桁くらいは上がるんんでしょうかね。

ニュートリノでは,相変わらずステライルのアノーマリーがたくさんあるみたいです。実験あるいは異なる測定同士で矛盾する結果になってる場合もそれなりにあるようですが,新物理に枯渇してる現状を反映して,世間(?)ではそれなりに注目されているのですかね。Mくんの実験もここに勝負を挑むわけですが,なんとなくどの実験もすっきりした結果ではないので,すっきりと白黒つけられることを祈っています。

それから,naturalnessやfine tuningの議論から,multiverseについてもやはり言及していました。その中の1ページをまるまるコピーすると
• Is string theory/multiverse
falsifiable?
testable?
believable?
desirable?
true?
scientific?
というのがあって笑いました。
このスライドは前振りで,これに対する答えとなるようなスライドが次に用意されているのですが,まあとにかく,理論の分野では今人気を集めつつあるのかなという印象を受けました。

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