ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ヤモリ

もうだいぶ前になってしまいますが,大阪市立科学館の会報「うちゅう」に毎月記事を寄稿していたことがあります。大学のときの友人Eくんがそこで学芸員をやっていた関係なのですが,そんな縁があって,今でも毎月会報を送ってもらっています。

今月号には,ヤモリが天井や壁を歩けるのは,足と天井あるいは壁との間のファンデルワールス力だという記事があり,興味深く読みました。その記事によると,筆者もその事実は知らなかったけれどもその筋の人(?)の間では当たり前のことだそうで,その仕組みを応用した粘着テープの開発すらされているとか。いやー,全く知りませんでした。なんとなく吸盤的なものかと思ってしまっていました。ファンデルワールス力なんていう弱い(のかな,本当に?)力で自分の体重を支えられるとは思ってもみませんでした。

素粒子物理屋の悪い癖で,本質的にはこの世のほとんどの力が電磁気力じゃん(重力もありますが,あまりに弱いのでとりあえず無視),と思ってしまいがちなのですが,ヤモリが天井を歩くというように,その効果がうまいこと視覚化されたり,なんとなくこうだと思っていた概念が覆されると,結局は電磁気であっても面白いなぁ,と感じてしまいます。

3週間後に超対称性の「超」くらい超重要なヒアリングがあるのですが,そこでは,なんとかしてHL-LHCでやる素粒子物理学の面白さを伝えなければなりません。頑張らねば。。

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第7回春の学校

第7回春の学校を無事終えることができました。参加者のみなさん,学生を送り出してくれた指導教員の方々ありがとうございました。あと,講演料はおろか,旅費さえこちらでは出さないのに講義をしてくださる講師の方々にも感謝です。毎回同じことを書きますが,本当に充実して楽しい3日間でした。学生と物理の話をしたり,酒を飲んで戯れるのはストレスフリーで本当に楽しいです。

また,永世幹事の称号を持ち,毎回現場監督として学生に指示を出すNさんが今回は初の幹事。いつも以上に張り切って準備と運営をこなしてくれたおかげで,他の世話人は,いや少なくとも私はいつも以上に何もしないで,ただただスクールを楽しみました。

ここ4回は同じ場所で開催していて,来年もまた同じ場所で,ということで帰り際に来年の予約もすでにしてしまいました。来年も今年と同じくゴールデンウィーク明けの2週後の,5月17-19日です。今年リピーターが,さらに来年は増えてくれることを祈っています。

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上海雑感

上海で1番感動したのは,上海では公共の場所の屋内では全面禁煙だということ。後述しますが,交通ルールを激しく無視する人がたくさんいるくらいなので,そのルールがどれくら守られているかは怪しいですが,少なくとも外に食事に行ってもタバコの煙で辛いということはありませんでした。というか,ルールの有無にかかわらず(?),日本以外の国で飯食ってるときに煙いと思うことってあまりないですけどね。。あ,煙いのが嫌なので,ヨーロッパに行くとレストランなどでは屋内を選んでいるせいもあります。いずれにせよ,吸わない人に対する配慮のなさは日本は世界有数だと感じます。東京オリンピックを前に公共の場での禁煙の議論もありましたが,自民党が反対してなし崩しになりそうですし。。

2番目に感動したのは,物価の安さ。特に地下鉄は安いです。空港からホテルまでタクシーだと1時間くらいで200元。地下鉄だと1時間30分くらいで7元でした。電車に1時間半乗って7元って....100円ちょいですよ。驚きです。外食しても,ビールをそれなりに飲んで,食べても60元くらい。地元の人が行ってるような場所ばかりに行ったからだと思いますが,それにしても満足度,コストパフォーマンス高いです。普通に美味しいですし。逆に驚いたのは,大学内の小洒落た場所でお茶を飲んだらそれだけで60元取られました。普通に暮らしてる場合の物価と,小洒落たところの差が大きいのですね,きっと。

3番目は,感動ではありませんし,中国はどこでも同じなのかもしれませんが,人の多さはやはり印象深いです。北京でもそうでしたし,日本でもそういう人はぼちぼちいますが,電車の乗り降りの際に降りる人を待たずに体当たりして乗ってくる人の多さはある意味予想通りでした。あれだけガンガンぶつかってきて,トラブルにならないのかと不思議に思ってしまいます。

ってなことを呑気に書いている私は今上海空港で大阪行きの飛行機を待っているところです。LHCPは2日間だけ出席して雰囲気を掴み,明日からの春の学校に備えて移動中です。

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3σevidenceと言うか?

参加中のLHCP2017の昨日のヒッグスのセッションでのこと。結合定数測定の話をした講演者がttHをマルチレプトンチャンネルで3σで見つけたと発言し,ちょっとした物議を醸しました。発表後の質疑応答でも厳しく突っ込まれていましたし,晩飯を一緒に食べた人からも「あれは酷い」という話になりました。

CMSの結果がμ=1.5+/-0.5だったことについて講演者は3σevidenceと言ったのですから,ある意味間違ってないとは言えないのですが,うーん,そう言うか?という感じがします。だったらμの値が1.5だと主張して欲しいですが,そういう主張ではなく標準模型とconsistentだという主張。いや,それも間違ってないので頭ごなしには否定できないのですが,測定する前から答えはμ=1だと思っているのがヒシヒシと伝わってきて,なんのために実験してるのかという印象を強く受けてしまいました。私だけでなくそう感じた人が多かったら話題になったわけで,うーん,何だかなぁという感じです。

もし答えありきで実験やるなら,わざと感度を落とした測定をやって運良く3σになるのを待ってるようなものです。たとえば,統計量を減らして誤差が物凄く大きくなるように,たとえば+/-2くらいになるように統計を減らしたとしましょう。2の誤差があれば,ぶつ切りにしたデータセットそれぞれで中心値が大きくブレるはずで,その中にはμ=6+/-2になるデータセットがあるかもしれません。それも3σevidenceだし,かつ,標準模型ともconsistentです。

これでは答えの捏造になってしまいますから,そんなことはしませんが,ポイントは感度の悪い測定を色々な方法でやって,たまたま自分が欲しいと思った答えになったものを3σevidenceというのは,もはや捏造に近いのではないかということです。頑張っているけど感度が足りないというのであれば,出た結果に対する解釈に対して責任を持った発言をして欲しいです。じゃないと,パーツを切り出すとどの発言も間違ってないのに,全体としては間違った方向(今の場合,測定をする前から答えがμ=1だと強く信じて測定を行い,どういう結果であっても標準模型とconsistentだと主張する方向)に進んでしまっていると思います。

それに比べて,2012年にヒッグスの発見をクレームするかどうかというときには,熱い議論があって楽しかったです。測定前に答えありきではなく,そういう厳しい議論をしないと,データを取っても金の無駄遣いになってしまいます。

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初上海

上海に来ています。中国は北京は何度か行ったことがありますが,上海は初めてです。

今回はLHCP2017という会議に参加するためなのですが,物理の会議に参加するというより,数年後に日本に誘致しようとしているので,その運営の視察という感じでの参加です。と言っても,やることは普通に会議に参加するだけなのですが。。

単に運が悪いだけなのかもしれませんが,北京に行くときはいつも入国審査でとてつもなく待たされていたので,今回も待たされたら嫌だなぁと思っていたのですが,ほとんど待たされることなくストレスなしに入国。タクシーでの移動も,ホテルのチェックインも,非常にスムースでここまでは快適な旅となっています。

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学振とか

久々の更新になります。履歴を見ると,約2週間ぶりでした。その最後の更新の頃まで遡って以降何をしていたかというと...

CERNからの帰国。ゴールデンウィークの谷間で,日本人観光客の動きの反対だったからなのか,はたまたメーデーでヨーロッパ各地では仕事を休んでる人が多かったからなのか,ジュネーブ→ロンドン便,ロンドン→羽田便ともにかつてないくらいガラガラでした。私はJALを使っての週末移動が多いので,ほぼ常に満席のフライトばかりです。なので私にとっては未経験とも言えるくらいガラガラで,3人掛けのところを1人か2人で使っているところが多く,占有率はせいぜい40%くらいだったのではないかと思います。そのおかげで,体がだいぶ楽でした。

その後,ゴールデンウィークを満喫するつもりだったのですが,予算申請のために書いていた申請書に大きな問題があることが事務チェックにより発覚。その修正を家でコツコツとやり,ゴールデンウィーク明けも事務その他と,この申請書のための作業にだいぶ追われました。とはいえ,2,3日でしたが子供達と家の近くを散歩する日々は平穏で心身をリフレッシュすることができました。

ゴールデンウィーク明けは,3月末くらいから追われていた大量の書類作業が終結に向かいつつあります。まだ小さいのが幾つか残っていますが,それは定常レベルなので,まあ書類書きは終えたと言ってもよく,精神的にだいぶ楽になりました。その書類書きの終盤戦にやっていたことの一つが学振の評価書です。学振というのは,このブログを読んでる方ならほぼ知ってるかと思いますが,文科省の下に設置されているfunding agencyの一つです。私たちがお世話になる科研費も,種目によっては文科省直下ですが,多くの種目は学振の下ですね。なので,正確には学振というとその組織のことなのですが,私たちの周りで学振の申請というと,博士課程の学生もしくはポスドクを支援するための特別研究員への申請のことを指します。博士課程の学生の大半が応募するのではないかと思いますが,私が指導する学生も当然のごとく今回応募しています。ややこしい立場なので評価書を直接書いたのは1人ですが,実質的には2人が申請しています。2人とも優秀だし熱意もあるので,なんとか採用されて欲しいと祈っています。

全く別の話ですが,6月10日(土)にKEKの公開講座というものの講師をやります。その案内のウェブサイト(?)に私の紹介記事を載せるとかで,一昨日は,そのインタビューを小一時間受けました。その記事原稿がすでに送られてきたのでその確認をしようと思っていたところなのですが,最近,あまりに多くの人,特に新たに一緒に仕事をする事務方の人とのやりとりが多くて,失礼きわまりないのですが全員の名前を覚えきることができず,メールの検索に苦労しています。名刺をもらえると調べやすいのですが,そもそもメールのやりとりだけの人が極めて多いので,最近実は結構苦労しています。名前ではなく,件名でももちろん検索はかけるのですが,いずれにせよ,かなりの時間を費やしてしまっています。。あ,大事なこと忘れた。興味がある方はぜひお越しください。でも,まだ,ウェブサイトはできていないようです。私が早くインタビュー原稿をチェックして送り返さないとならないのかもしれません。

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