ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

久々天使と悪魔

昨日はCERNへの移動で,飛行機の名で久しぶりに天使と悪魔を見ました。その冒頭,CERNのLHCで反物質を作るシーンがあり,突っ込みどころが多いのはご存知の通りかと思います。LHCトンネルの横にコントロールルームがあり,しかも,トンネルとの壁がガラス(?)で中が見えるのは,Fermilabのハイライズ最上階の展示室のようです。まあ,その他にも色々あるのは置いておくとして,昨日は日本語字幕がなかったので英語が苦手な私は日本語吹き替えを利用したところ,前には気づかなかったことに幾つか気づきました。

背景音(?)として,ルミノシティが10の34乗に到達したとか,陽子数が10の13乗になったとか,そういう館内アナウンスが流れているのですね。微妙といえば微妙ですが,荒唐無稽な数字ではないので,ちゃんと取材をしていることがわかります。ただ,陽子数のほうは,バンチあたり10の11乗でバンチ数は3000弱なので,ルミノシティ10の34乗を出そうとすると合計でオーダー10の14乗必要です。惜しいっ。

天使と悪魔以外にもう一本,海賊と呼ばれた男も見ました。いやー,本領発揮で大泣きしました。題名のない音楽会をこれから見ようと思うのでした。

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自分の頭で考えてもらいたい

ある外国人研究者とのやりとりに疲れています。研究内容について質問すると,「どこそこの論文にそう書いてあるから」的な答えばかりで,自分自身でその内容を吟味もしていなければ,理解もしていないのです。検出器開発にかんする議論で,なぜそういう要求値になるのか,なんでもっと緩い要求ではダメなのかと尋ねると上記の答えなのです。。では,と,その論文を見ると仕様要求は書かれていますが,なぜその要求値になるのかは定かではありません。

こういうことはよくあるのですが,そのパターンは2つに分類できるかもしれません。

その1:相手が何にも考えていない。一定の割合ではどこにでもそういう人がいて,運悪くそういう人に出くわしてしまった。

その2:検出器開発の専門家によくあることですが,一般的に面白い技術開発をやっていると,その研究をさらに進めるために物理から本当に必要なのかどうかわからないけど,とにかくoverspecなものを作ろうとする人たち。技術開発自体を目的とするエンジニアが幅広い応用を見据えて技術開発してるかのごとく,技術開発自身がゴールになっているパターン。

今回はこの2つのコンビネーションみたいなのですが,相手にするのが本当に疲れます。本に書いてあるから,誰かがそう言ってるから,という理由で研究を正当化するなら科学者をやめたほうがよいです。いや,2のパターンならそう言ってくれれば,それはそれで納得します。自分の今の環境だとそういうことをする金も人もいないので,潔くoverspecだけど趣味でやってると言われれば,ただただ羨ましいと思うだけです。でも,本来は2なのに,誰かが必要と言ったから必要なんだ,みたいな説得力のない言葉で正当化しようとしてる人を相手にしなければならないのは,仕事だから仕方ないことなのかもしれませんが,科学者同士の会話ではありません。とほほ。

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RK*

先週CERNのセミナーで,LHCbがRK*が1からズレている,と言っても2σちょいですが,という結果を発表して,理論屋さんの間ではちょっとした話題になっているようです。RK*というのは,B→K*eeとB→K*μμの崩壊比の比で,標準模型ならペンギン経由のγ(とZも?)が電子対かミューオン対に行くだけなので,その値はほぼ1です。電子とミューオンでは質量が違うので位相空間のデカさは多少違いますが,今はざっくりとした議論なので,γとの結合に電子とミューオンに違いはないのでほぼ同じということです。

どっちを分母にしてるのか定義を忘れましたが,とにかくそのRK*が1から2σちょいズレてるということですが,普通にSUSYとかでそういうこと起きませんし,無理やり電子への結合ととミューオンへの結合の違うものを入れようとしたら,他の観測事実にひっかかってしまうだろうし。。。というわけで,自然にこれを説明するのはなかなか難しい気がしますが,これまでの既成概念にとらわれず虚心坦懐に実験結果を吟味するという姿勢は大事だと思うので,注目は一応しておこうと思っています。

セミナーの内容は見ていませんが,実験屋的には電子とミューオンの検出効率にバイアスがないかをまず気にします。当然,それぞれの検出効率を測るだけでなく,J/psiあたりで測定にバイアスがないかをチェックしてるんでしょうね。他にも色々in-situのデータでチェックできることはあるので,もし,1からのズレが実験によるものだとしたらあとは統計ということになりますが,いずれにせよ,そのうち発表内容をよく見てみようとは思っています。

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申し込み殺到

春の学校の申し込み締め切りが過ぎ,蓋を開けてみると70(?)の応募。多数の申し込みありがとうございました。

この学校を始めたころは,当然のことながら知名度ゼロだったので,高エネルギー物理屋が入っているメーリングリストはもちろんおこと,色々な知り合いを通じて学生の参加を呼びかけてもらいました。ところが,ここ1,2年は,そういう個別のお願いをしなくても毎年ほぼ同じ人数の申し込みをしてもらえるようになりました。ありがたいことです。

さて,次の問題は,この多数の申し込みを受け,どうやってプログラムを作るのか,です。何度か議論したことがあるのですが,2泊3日では入りきらないほどの口頭・ポスター発表の申し込みがあるので,日数を伸ばそうかとも考えました。でも,学生には授業や実験現場での研究活動もありますし,運営側も暇人なわけではないので,日程を伸ばすのは難しいという結論に達しています。となると,どうやって発表を入れるのか...かなりの難題です。

今回幹事おNさんは色々と選抜方法やプログラム案を考えて提案していますが,さて,最終的にどういうことになるのか。。

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熱い議論

昨日は高エネルギー委員会でした。

HL-LHCへ向けてなんとか日本の貢献を引き出すためにずっと努力を続けていますが,未だに予算のメドが立っていないため,危機感をもって最近色々と動いています。その動きがちょっとした波紋を作っていまして,昨日の委員会はかなり白熱しました。様々な意見交換があり,私の中でこれからの進め方について方針がよりはっきりしました。

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春の学校申し込み締め切り迫る

今年で7回目になる春の学校を今年も琵琶湖畔でやります。5月18-20の2泊3日です。その参加申し込みの締め切りが迫っています。16日を締め切りと設定していますが,16日が日曜なので基本的には今週いっぱいの申し込みという感じです。参加登録も含めて詳しくは
第7回春の学校ウェブサイト
をご覧ください。

話題変わりますが,今やってますね。Belle2のロールインのニコニコ中継。物静かなUくんとSさんが誰かと話をしているところを見ました。作業風景の画像では,ちゃんとNさんも確認できました。今からでは遅いかもしれませんが,
ここ
でやっています。

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営業時間

今,事情がありプライベートな理由で羽田空港にいます。ちょっと買い物をしなければならず,大丸と高島屋が入っているところに行ったのですが,まだ開店前。いっつも思っているのですが,日本のデパートや銀行の営業時間が短くないですか。ヨーロッパはそれに輪をかけて短いかもしれませんが,CERNに出張はしても,生活していた期間は半年くらいしかないのであまり実感がわきません。一方それなりに長い間住んだアメリカに比べると圧倒的に日本の営業時間は短いです。銀行の営業時間の短さなんて驚きです。

そんなわけで買い物できず,これから大阪に飛びます。伊丹に着いた後に目的地に向かう途中買い物をする時間があるとよいのですが。。

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Belle2のRoll-in

私は全く興味がありませんが,このブログにもたびたび登場するNさんから,Belle2のRoll-inイベントのことを何回も聞かされたので,宣伝しておきます。4月11日(火)にニコニコ生放送で中継されるそうです。

このNさん,実はBelle2の現場監督で,ここ最近は筑波実験ホールで日々汗を流している模様。別にNさんでなくてもいいですが,現場で汗を流している人のコメントを拾って欲しいですが,そうではないみたいですね。物理の話ならどっかの偉い先生中心の作りになるのもわかりますが,Roll-inの中継をするのに,現場で働いている人を主人公にしない作りには大いに疑問を感じます。頑張って働いている人のモチベーションを挫きます。現場ではないかもしれませんが,せめてUくんとか,あるいは,Y機構長とかが前面に出て欲しい。前宣伝だけではわからないだけで,そういう作りになっていることを祈ります。

ちなみに,Belleのroll-inなら見たことあります。確かにあのデカイ検出器とエレキハットが一緒に動くのは凄いですが,生で見てても動きが遅くて今ひとつです。画像処理したら動きがわかって面白いのですかね。

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日々書類書き

前回のエントリー(?)でも書いたような気がしますが,ここ2週間は,日々書類書きに追われています。報告書に申請書。毎日3つ4つ提出するのに,毎日,それ以上の依頼が来て,一行に減りません。それに加えてKEK内の予算配分の議論があり,そのための打ち合わせやら書類の準備に追われて,心を無にして(?)事務処理マシーンになっています。

そして,ここ数週間私に重くのしかかっているのが,HL-LHCの予算関連の話です。せっせと資料を作って文科省に説明に行ったり,Y機構長のところにお願いに行ったり,文科省のロードマップ申請の準備をしたり,と,責任感があって心が重いだけでなく,ここでも様々な資料と書類を準備する必要があり,本当に朝起きてから夜寝るまでずっと資料・書類と格闘しています。あ,それから,頭脳循環という大型外部資金にも申し込もうとしていて,その準備もありました。

一方で,実験現場の人との打ち合わせや学生とのゼミも容赦なく入ってくるので,頭をすぐに切り替える必要に迫られています。複数の重要書類の締め切りが来週の末で,その後,こう言ってはなんですがそれほど重要ではない締め切りがゴールデンウィークまでに幾つか残るという感じなので,山場は今週から来週にかけてです。この山をなんとか乗り越えるべくもう数日の辛抱です。

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