ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ベイズ統計

先日,かみさんから「ベイジアンって何だ?」と質問されました。いきなりだったし,しかも,かみさんはそのスジの人ではないので,Nさんにとっては許せないかもしれませんがポアソン統計はおそらく知らないし,会話の中で確率分布について議論することも皆無なので,ベイジアンって言われても一瞬何の事だかわかりませんでした。

話を聞くと,かみさんはそのスジの人ではありませんが,仕事の関係でとある学会に顔を出したそうで,そこの講演でベイズ統計に関する話があったというのです。それで,ベイジアンって何だ,という質問に至ったわけですが,いやー,統計を勉強してない人にいきなり説明するのはかなりの無理があり,納得してもらう回答をすることはできませんでした。。

私の咄嗟の回答は,frequenstist(日本語で何というのでしょうか?)で出した測定値がX+/-a(aは1σとします)だとしたら,真の値がもしXだったら,同じ実験を何回も繰り返した時に測定値がX-aとX+aの間になる確率が68%だ。ベイジアンで求めたのなら真の値は68%の確率でX-aからX+aの間だ。というものでした。けど,こんな説明をされて納得する人がいるとは思えません。。全然本質に迫っていません。

本当に伝えるべきポイントは,frequentistの場合は測定にかかわらず真の値は存在して,測定をする前から真の値は決まっている。なので,最終的な答えが慣れていない人には奥歯に物が詰まったような表現になるかもしれませんが,もし複数回の測定を行えたらどうなるか,という表現になる立場をとります。ところがベイジアンでは,測定をした後にその測定結果から真の値を推定しようという立場です。なので,最終的な回答は真の値に対する言明となります。こういうことを伝えたいのですが,これはなかなか難問です。

ベイズの定理自体は,単なる条件付き確率なので数学的には難しいことありません。ベン図でも書けば誰でもすぐに理解してくれると思うのですが,そこから,測定と仮説検証の概念に持っていくのはなかなかに至難の技です。

しかし,様々な分野でベイズ統計が最近は用いられているのですね。ある種の流行りです。frequentist対ベイズ統計は私にとっては宗教論争,あるいはうどん派vsそば派の対決みたいなものに感じてあまり興味はないのですが,最近はとにかく色々な分野でベイズ統計を使っているという話を聞きます。かみさんもだからこそどっかの学会でそういう話を聞いてきたわけですよね。高エネルギー物理に限っていえば,私自身は,frequesntistとベイズによる解釈の違いよりももっと他に気にすべきことがたくさんあると思っているので,前述のようにどっちでもいいやという立場です。ただ,ベイジアンでやろうとすると,仮説あるいは測定したい値に対するprior分布が必要なのはひっかかります。いや,ある意味面白いのかもしれません。測定結果のいかんにかかわらず,こういう値になるに決まっていると思えば,すなわち,デルタ関数を使えばその値になってしまいます。だからこそ,通常はバイアスがないように一様分布などを仮定します。英語ではprior分布のことをbelief of hypothesisとか呼ぶと思うのですが,まさにその通りです。

おっと,思ったより長くなってしまいましたが,かみさんを納得させる答えを考えるのが私の中での宿題となっています。難問です。

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審査続き

数日前のエントリーにも書いたように,先週は火曜日にCERN summer student派遣に関する学生面接を行いました。そして,土曜日は阪大でMさんのD論の内審査。通称5人委員会と呼ばれるもので,公聴会へ進んでいいかどうかを審査するものです。その名の通り5人(以上)からなるD論審査員を相手に時間無制限一本勝負を行います。いや,本来は90分くらいという目安があるのですが,審査員にRCNPのNさんが入ると,無制限一本勝負の様相を呈します。今回もNさんがいたので,非常に熱を帯びた議論が繰り広げられました。Mさんもよく応戦して,見ごたえのある(?)やりとりでした。って,私も審査員の一人なのですが。ははは。

しかし,Nさんは超多忙を極めているはずなのに,審査のときにはD論を非常にきちんと読んできます。私も一応は読むようにしていますが,時間がないときは大事なところ以外は斜め読みしてしまいます。けど,Nさんは隅から隅まできちんと読んできて,D論にポストイットが貼られまくっています。頭が下がります。

そして明日は総研大の学生のMくんの中間発表。ちょっとややこしいのですが,総研大は博士課程5年一貫を基本としているのですが,最初の2年つまり普通の大学の修士課程終了にあたる時期に中間発表というのがあります。実際には1回の審査なのですが,さらにここから3年続けて良いかどうかという審査,そして,もしD論を取らなかったときに修士の学位を授与してよいかという審査,これら2つの審査を兼ねています。その副査にもなっているので,彼の修論を読んでいたところでした。

とまあ,そんなわけで,学生の審査関連の業務が連続している今日この頃です。

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学位論文のシーズン

今さっきオフィスにNさんがやってきて,Belle2検出器の片方のエンドキャップのインストールを終えたという話をしていきました。朝から晩まで実験ホールで業者を使い作業をこなす日々がしばらく続いていたようです。無事作業が終了したようでなによりです。

そんな真っ当な物理屋と違い,私は,今日も朝から金の話その他の打ち合わせとミーティング。加えて幾つかの書類書き。誰かが言うように,こうなっては物理屋としては終わっていますね。。。そして,夕方は幾つかの学位論文と格闘しています。今は,多くの大学で学位論文を提出する時期で,今年は修論の主査が一つと,副査が一つ,そしてD論の副査一つを引き受けています。学生は自分の論文を書くだけですが,教員の方は複数の論文を読むか,あるいは自分が指導する学生の場合は添削をしなければなりません。添削は自分で書く以上に時間がかかる場合がありますし,集中したから早く終わるというものでもないので,とにかく時間を必要とする時期になっています。

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大雪の影響

昨日は,CERN夏の学校へ派遣する日本人学生選抜の面接を行いました。KEKが予算を負担していますが,全国から面接を受けにやってくる学生への便宜のために,面接は毎年東大でやっています。面接順に関しても,遠方の学生を朝イチにすると前泊しなければならなくなるので,東大に近い人をなるべく早めに,遠い人を遅く,という指針で並べています。加えて,同じ大学の学生の面接が連続しないようにという配慮もあって,この順番を決めるのにもいつも苦労しています。

そういう配慮をしていたのですが,昨日はいつにない予想外の展開がありました。関西から来る学生2人は当日朝に出ても余裕で間に合う順番にしていたにもかかわらず,旅費節約のために(?)夜行バスを利用していました。今時の学生ならよくある行動パターンなんだと思いますが,それが裏目に出て,なんと当日朝に,一人からは今滋賀県にいます。もう一人からは関ヶ原付近にいます。という恐ろしい連絡が入りました。大雪の影響でバスが身動き取れなくなり,出発直後から立ち往生していたのです。

これには,審査員を含むスタッフ一同がびっくり。とりあえず順番を変更,というか,その二人を除いて面接を行い,二人を一番最後に回すことにしました。問題はいつ着くかわからないため,いつまで待てばいいかということになります。こんなことで面接の機会自体をフイにしてしまうのは可哀想なので,基本的には彼らの到着を待つことにして,まあなんとか予定よりも1時間程度の遅れで全員を面接することができました。いやー,こういうことがあるものなのですね。しかも二人も。とにかく,全員の面接を無事終えることができてよかったです。

学生のみなさん,サポートの職員のみなさん,お疲れ様でした。特に,バスの中で何時間も閉じ込められていた学生はお疲れ様でした。

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予算整理

今日は非常に珍しく落ち着いた1日です。というのも,打ち合わせが皆無という奇跡的な1日なのです。朝も通常よりは遅く出勤。集中して仕事をやれました。

とはいえ,やってる仕事の大部分は予算の整理です。科研費の執行が迫られているので,予定されている旅費の概算から残額を推定し,その残額をいかに有効に使えるか考えています。私の場合,管理する財布の数がとてつもなく多い上に,それらの財布を使って沢山の人が出張したり物品を購入するので,残額の推定がやっかいな上に,それらの依存関係が非常に複雑で,年度末は本当に苦労します。しかも,出張や物品購入には当然不定性が伴います。この前のFermilabのように予期せぬことも多々起こります。にもかかわらず単年度会計というのは,本当に辛いものがあります。。

実際,今,頭を悩ませているのが,購入予定だった物品の納期の遅れです。かなりの高額だったので,ずっと前から会社を突っついてはいたのですが,恐れていたことが現実となりました。やっかいなのは,その物品は単体で使うものではなく,それを使ってさらに年度内に製造を予定していたのですが,その製造ができなくなるということです。金の面ではなく,実験の面から言うと,年度末での納品遅れがその遅れ以上に全体の製造計画を遅らせることがあるので,その点でもやっかいです。

そんなこんなをしていたら,恐ろしいことに,朝から予算整理を始めたのに一区切りついたのが15時頃になっていました。。

で,今は,D論執筆中の学生のD論原稿のチェック中。予算整理よりは何倍も楽しいです。しかも,今読んでる章は非常によく書けていて読みやすいので,ストレスなく読めています。素晴らしい。

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禁煙法案

このブログの読者の方はよーくご存知かと思いますが,私はタバコの煙が大嫌いです。そんな私にとっては,少し前にニュースになっていた禁煙に対する法案は非常に喜ばしいです。それによると官公庁内は敷地で全て禁煙とか。素晴らしい。

なんで突然こんなことを言い出しているかというと,今私がいた場所で隣に座っていた人がしばらく席を離れ戻ってきたと思ったら,強烈にタバコ臭いのです。喫煙ルームに行ってたんですね。タバコを吸う人は無感覚になっているのかもしれませんが,タバコの煙も臭いですが,タバコを吸った人間そのものが喫煙後相当臭いです。私の場合,臭いのも臭いですがもっと嫌なのは嘔吐感を催します。私にとっては,世間で言われてるように受動喫煙によるガンの発症率うんぬんなんてどうでもよくて,とにかくそういう人が近くに来ると吐き気を催すのです。

というわけで,やむなく,自分は荷物を片付けて別の空いてる席を探して移動しました。で,今このエントリーを書き始めました。

飲食店では分煙だそうですが,それに反対する声が多いとか。あくまでニュースで読んだことですが,小規模小売店だと分煙化は難しいので,喫煙者が分煙の店に流れてしまうからとか。そういうものなのですかね。私なんて店を探す時に禁煙の店を(少ないですが)探しますし,分煙ではなく完全禁煙の店があれば速攻でそこに行きます。だって,ただでさえタバコの煙が臭かったり吐き気を催すのですから,食事のときのタバコなんて本当に最悪です

でも,分煙により客足が遠のくということは,私みたいな人間は少数派ということなんですかね。だったら分煙すら許さなければいいのです。そしたら分煙のある店に客足が流れることはありません。みんな横並び。分煙とかいうから話がややこしいのです。最初から分煙なんていわず建物内はあらゆる場所で禁煙にすればいいのです。タバコを吸いたい人は自分の家で窓を閉め切って煙を隣家に流さないようにして吸えばいいのです。あるいは誰も人のいない山の中へ行って吸ってください。あ,無人島でも結構です。

書いてて思いつきましたが,自分の家の中ではタバコを吸わず,ベランダに出てきたり,家の外に出てきてタバコを吸う人がいますが,正気の沙汰ではないと私は感じます。家の中だと家族から反対され,それで臭い煙を隣人に送る。無茶苦茶です。吸いたいなら自分の家の中で吸って,なるべく煙を外に出さないようにすべきです。

臭い思いをして席の移動を余儀なくされ,イライラしていますね。書いてて興奮してきてしまいました。。

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春の学校打ち合わせ

今日は今年の春の学校の打ち合わせをやりました。基本的にはテーマ選び,講師選びですが,Tくんから新しい提案があり,今回からは博士課程の学生あるいはポスドクくらいの人に招待講演を頼んでみようということになりました。なかなか面白いアイデアで世話人一同がすぐに賛成。ポスターセッションをやるきっかけもTくんの提案でした。私自身はポスターセッションはそれほど好きではなかったのですが,やってみたところ大成功。まあ,酒が入っていて本音トークができるということが成功の一因かもしれませんが,いずれにせよ,ポスターセッションは大盛り上がり。今回のTくんのアイデアも期待大です。

今日はもう一つ小さなニュースがあります。Fermilabのビーム取り出し用セプタムの故障が軽微であったことが判明しました。当初疑われていたワイヤではなく,ケーブルの問題だったことが判明。ケーブルだったら交換すれば済む話ですし,ワイヤみたいな特別なものじゃないので信頼のおけるスペアがいくらでもあるはずです。予定どおり修理を開始したこともあり,まだビームが出たことを確認したわけではありませんが,これなら近々ビームは出るだろうという予想の元,ビームテストを実施するメンバーは計画した通りに再度Fermilabへ行くことにしました。今度こそビームを貰いたいところです。

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またセプタムの故障

12月にFermilabに行った際にセプタムの故障で全然ビームを貰えなかったことは以前にも書きました。

先週の終わりにそのセプタムの修理を終えて,週末にはビームがユーザーに送られたというニュースをもらいました。この修理が計画されていたので,12月の時点で,飛行機のチケットを予約しておいてビームが出たことを確認したら発券という段取りでいました。で,週末ビームが出たということでさあ発券しましょう,という案内を流したところでした。

ところが,今朝になって,ビームを取り出すためのセプタムは2台あるのですが,先週修理したのとは違う方がまた故障したという連絡を受けました。。出張自体をキャンセルするか,延期するか,予定どおり行ってしまうか,判断に悩んでいます。12月との大きな違いは,12月時はNOvAへのビームを優先,クリスマス休暇を挟んで私たち以外はユーザーがいないので修理を先延ばしというManagementレベルの判断でしたが,今回はすぐに修理を開始するとのことで,現地時間の火曜早朝から修理を行い,今週末にはビームをユーザーに送るという計画になっていることです。研究所としてユーザーにビームを送ろうとしているのであれば,技術的に致命的な問題が発生しない限り,2週間全然ビームがないことはないだろうという予想があり,予定どおりとにかく出発かなというのが今この瞬間の私の印象です。

判断の上でさらにややこしいのは,今が年度末で出張するかどうかによって予算残額が変わってしまうこと。しかも今回は追加予算の申請をKEK内でもしているので,その追加を取りやめるなら早い段階で取りやめないとなりません。そして,もう一つ面倒なのは,私たちが使う航空券は一番安いクラスをみんな買うので,発券してしまうとキャンセルも日程変更もできないことです。年度ごとの予算管理は非効率だし,苦労が多いです。。

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奇跡(?)が起きた

PACを終えてJ-PARCからKEKに戻ってきました。疲れたので家に帰ってすぐにでも寝たいくらいなのですが,これからミーティングを2つこなさないとならないので,やむなくオフィスにやってきました。しかも,日米の書類書きが全然終わっていないし,来週初めまでに準備しないとならない資料作りも幾つかあって,今週末も休みはなさそうです。。

しかし,今日は奇跡が起きました。昨日の晩,PACの委員全員と関係者で食事をして,その後軽く飲んでホテルに戻ると,目覚ましをセットせずにそのまま寝ていました。ふと気づくとすでに朝の7時前。相当焦りましたが,シャワーを浴びてホテルを出発するにはちょうどのタイミング。いやー,本当に奇跡でした。この奇跡のおかげで,closed sessionの議論にも遅刻せずに加われました。

毎回のことですが,この委員会は本当に疲れます。


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CERNサマースクール締め切り直前

テンパイの毎日が続いていますが,今年も春の学校をやるつもりで,そのための準備をそろそろ始めようとしています。世話人は6人いますが,毎回1人が会場の準備を含めて責任者として動いています。これまではその責任者を3人で回してきたのですが,7回目の今年はNさんが初の責任者。毎回張り切っているNさんですが,今回はより張り切っているようです。

そして,去年からなし崩し的に私が担当することになったのが,CERNのサマースクールへの日本人学生の派遣です。予算獲得に奔走し始めたことはこのブログにも書きましたが,学生の申し込み締め切りが12日に迫っています。ここで書いてどれくらいの効果があるのかわかりませんが,周りに該当者がいたらぜひおすすめください。現在学部4年生で,派遣する夏休みにM1になる学生が対象です。

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トークなど準備中

前回のエントリーに書いたように,明日の会議でのトークのための準備中です。まさにひぃひぃ言いながら準備をしているところなのですが,私と全く同じようなことを言ってる人がいたのは多少の救いとなりました。でも,多少気が楽になっただけで稲尾みたいな人がピンチを救ってくれるわけではないので,この週末を利用してなんとか形になるように仕上げている最中です。

そして私のもう一つの心配は,水木金がPACで朝から夜中まで缶詰状態になってしまうのに,日曜締め切りの予算申請があることです。ぶっちゃけ,日米の予算申請なのですが,一時はパートナーとなるアメリカ側の研究者との相談で諦めようということになりました。ところが,先週になって急にスコープを少し修正してやっぱり申請してみようという打診があり,結局応募してみることになりました。とはいえ,先週からのテンパイぶりは前回にも書いた通りで,まだ何一つ手付かず状態。明日のトークの準備をする傍ら,脳内バックグラウンドで申請するためのネタとストーリーを考え中です。

新年早々こんなに追い込まれるとは。とほほ。。

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2017年始動

年が明け,私も昨日から仕事を始めています。年末年始は家でゆっくりすることができました。よいリフレッシュになりましたが,そのおかげで仕事がたまりまくっています。

明日はATLAS日本関連の打ち合わせのために東大出張,来週は9から11まで新学術の研究会がありこれまた東大出張。前者はあるプロジェクトのレビューなので,その資料に目を通しているところです。後者は,ふと気づくと自分のトークもあるのでその準備をしないとなりませんが,まったくの手付かず状態。これから材料集めから始めないとなりません。間に合うのか...不安です。

その後も11から13日はJ-PARCのPAC。翌週もまた東京出張と大阪遠征。今年も出張の連続になりそうです。

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