ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

講演者行方不明

今日は素核研運営会議でLHC/ATLASの報告をしました。先週の学会で自分の脳みそが少し物理色に染まっていたので,物理結果に関する部分の説明が楽になりました。日頃考えていることだったらすぐにトークに対応できますが,そうでない内容だとリハビリが必要で,そういう意味で先週の学会がちょうどよいリハビリになりました。

そして,ここからが本題なのですが,昨日はKEK内の科研費説明会というもので科研費獲得に向けた話をしました。14時に開始で,私のトークは15時過ぎから。一応前の講演者がどんな話をするのか聞いておこうと思い,その会が始まる冒頭からずっと会場にいました。

が,今朝KEKに来ると会う人会う人,昨日はみんなが私を探していたと言うのです。説明会でトークがあるのに行方不明だと。そう言われると,会場内でも事務方の人が誰かを探している雰囲気はありましたし,私のトークが始まる10分前くらいに事務方の人がO理事に私が会場にいないか尋ねていました。いえ,正確に言うと,私の2列前にいたO理事と私を探している人の会話は聞こえなかったのですが,O理事の身振りが明らかに私の特徴を示しているのです。ピアスを強調しているのがわかり,これはもしや私を探しているのかと思ったところ案の定そうでした。会場内を見渡したOさんが私を見つけ,すぐに事務方の人が私のところに来ました。

事務方の人は私の横を何度も行ったり来たりしたのですが,私が講演者だとは思わなかったようです。Tシャツ,短パン,サンダル,そしてピアスの坊主頭といういでたちの男がトークをするとは思わなかったのですかね。次回はスーツでも着て行ったほうがいいのかもしれません。でも,私の場合スーツだとよりガラが悪くなり怖いという話も聞きますので悩ましいところです。

しっかし,いくら私でもトークをすっぽかすということはないと思うのですが,周りにいる真面目な方々に比べてよっぽど信用がないんでしょうね。繰り返しですが,今日は会う人会う人に同じことを言われるのでホント可笑しかったです。

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学会雑感

今回の学会では,初日の晩にATLAS日本グループの会合がありその準備をしていたので初日の講演は集中して聞くことができませんでしたが,その他の日はわりと講演を聞く時間がありました。普段あまり物理に触れていないので,久々に物理脳を刺激されて楽しかったです。

なかでも特に気になるのは,自分自身がヒッグスの人なのでヒッグス関連です。誤差が非常に大きいので真面目な議論はできませんが,ttH(→bb)はあまりにややこしい解析なのでその結果を忘れると,トップ湯川が大きめ,ボトム湯川が小さめだと面白いなと思った瞬間に,誰かにτとの結合はでかそうだと言われてがっかり。レプトンとクォークで質量の作り方の違いを思い出すと,レプトンの場合は(ニュートリノ質量ゼロの仮定で)ヒッグス二重項しか使ってないけど,クォークだとアップタイプフェルミオンに質量を持たせるために
ヒッグス二重項の荷電共役を使ってたことを思い出し,でも,結局ダウンタイプはレプトンでもクォークでも一緒だよなぁ,ということになり,τ湯川とb湯川のズレを作り出すのは容易ではないことを再認識。いや,だからこそ実験ではそういう思い込みをしないで,とにかく虚心坦懐に測定精度をあげていかないとならないのだ,と自分に言い聞かせました。

最後の部分だけは真面目に思ってることで,ヒッグスとbとの結合,あるいはtとの結合を直接探索している人間は,測定精度が高いわけではなく難しい解析をやっているのだからこそ,バイアスをかけた解析にならないようにするのが重要です。ということを,学生のIくんにもきちんと口頭で伝えました。

あと,SUSY探索では一番単純なnレプトン+missing ETの解析は最終結果の解釈に不定性というかパラメータ依存性が小さいですが,それ以外はパラメータ依存性があるので最終結果のexclusion contourを見るときは注意が必要だということも再認識しました。ある解析結果の感度が凄く良いので現場で活躍してる若手たちに話を聞くと,ある粒子の崩壊比100%を仮定してるそうで,それならそういう崩壊経路での探索感度は上がって当然。まあ,そういう過程が一般的に悪くないものだとしても,真にSUSYがあるのかないのかを議論する際には気をつけなければなりません。

それから,T大のMさんとバスで一緒になり彼から聞いた話は印象的でした。突然,ニュートリノは運がいいけど,エネルギーフロンティアは違うと言いだし,何のことかと話を続けて聞くと,ニュートリノは大気ニュートリノしかり,最近測定されたθ13しかり,フリーパラメータが人間が測定するために適したところにある。人間が測定するには極めて難しい値になってもおかしくないのに,非常に好都合な値を持っている。最近のT2Kが示唆するCP非保存についても全く同様です。それに比べて,WやZのように質量の予言が正確にできたときを除き,トップクォーク質量もヒッグス質量もそれらの粒子を早期発見するという観点からは人類にとって優しい値ではありませんでした。トップなんて30GeVくらいに思われていた時期もあり,実際その辺をターゲットに加速器が作られたこともあります。ヒッグスについては,125GeVというのは,原理的にはいろいろなカップリングを測れるという意味で悪くない質量なのかもしれませんが,発見のためには最も難しい質量領域でした。SUSYがあったとしても重そうなことを示唆しています。ということで,エネルギーフロンティアでの新粒子発見はニュートリノの測定と対照的で,頑張って何世代もかけて初めてやっと可能な運命なのかもしれない,というのがMさんの話の内容でした。私いたく感銘し,忘れてはいかんと思い,いろんな人にこの話をしました。それだけでは足りず,こうしてブログにも書いています。

いやー,ホントそうです。人類の予想というのはいい加減なものですから,諦めずに頑張らないと幸運はやってきませんよね。

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学会の夜

この文章を読んでくださる物理屋以外のみなさんは,物理学会というとどういうイメージを思い浮かべるのでしょうか?お堅い学者が真面目な議論を喧々諤々やっていると思われているかもしれませんし,実際,学会での議論の時はそこそこ真面目にやっています。

が,たいていの物理屋,いや,素粒子物理屋(?)にとっては,物理学会というのは胃腸と財布への負担を強いる会合で,楽しいのですが,精神力が試される場でもあります。

今回の宮崎学会は21日から始まり,予定では前日の夕方に宮崎入りする予定でした。しかし,台風16号の影響があって,私は結局前々日の19日に宮崎入りしました。そして,今日は23日。つまり5日連続で飲みに行くという精神修行の場となりました。通常の学会だと,近場だと3日連続,前日入りするような遠い場所だと4日連続の修行なのですが,今回は新記録となりました。もはや宮崎の歓楽街は制覇した感じがします。

そんな今日は,このブログを欠かさず読んでくれるというT本さんのだんなのTくん(イニシャルにするとややこしいですな),そして,これまた未だに私の行動をチェックしてくれているYくんと,釜揚げうどんとアイリッシュ(?)パブ付きというフルコースを楽しみました。明日で宮崎とお別れかと思うと寂しい限りです。

[9月24日追記:いやー,会う人会う人みんな飲み過ぎで顔色が悪いです。。。]
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歩きながら

昨日予定どおりCERNから帰国しました。

日本の空港に着いて,あぁ日本に帰ってきたなと感じることが2つあります。まずは,飛行機を降りた瞬間の蒸し暑さ,そして,入国審査までの通路を歩いている時の日本人の歩く遅さです。ヨーロッパの空港だとみんな歩くのが速くて,日本だと私は歩いているときに人に追い越されることはほとんどないのですが,ヨーロッパだと平均点な速さな感じです。あ,お年寄りは除きますよ。お年寄りはむしろ日本の方が元気でみなさんスタスタ歩くような印象を受けます。

さらに最近はスマホを見ながら歩く日本人が多く,遅いだけじゃなく,全く人をよけようとしない邪魔なヤツも多くてイライラする機会が増えています。そして,最近話題のポケモンGO。最悪ですね。この前T大に上野から行くときに不忍池を通ったのですが,もう私発狂しそうでした。彼らの動きはまとまっていて,たぶん何かが出たという情報が入ると皆が一斉に走り出します。周りなんかみないで,人にガンガンぶつかりながら走る阿呆がたくさんいて,途中何度キレかかったことか。不忍池に限らず,周囲を全く見ないでポケモンGOをやってる阿呆は色々なところにいますし,ポケモンGOとは関係なくスマホに熱中しながら歩いて人とぶつかるのが平気な阿呆も多いですが,この前の不忍池はホント最悪でした。

で,今,ヤフーニュースのトッピックスを見ると,不忍池でのポケモンGOが禁止になったというニュースがありました。さもありなんという感じですが,あれだけ傍若無人な振る舞いをする人間が禁止と言われたからといってやめるとは思えません。正論は,遊ぶ人のマナーが悪いということなんでしょうけど,心情的にはこれだけ多くの人々に迷惑をかけるゲームを作った会社を恨みます。

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冤罪

2日間でたくさんの会議と打ち合わせをこなし,昨日はホッとしてCERNに来るといつも行くベトナム料理屋へフォーを食べに行きました。一緒に行ったのはTくんとOくん。現場でATLAS実験を動かすために頑張っている重鎮たちです。そこで貴重な(?)体験をしました。

大量のビールとフォーを食べ満足した後,コルナバン駅近くのバーでさらに数杯飲んで,さて帰ろうとトラムを待っていたときのことです。気持ち良くなった私たち一行はガードを下げて談笑していました。そこへ一人の見知らぬ男が声をかけてきて,Oくんのバッグから財布をすった奴が今向こうへ逃げて行ったと指差すのです。Oくんがバッグを確認すると確かに財布がないということで,OくんとTくんは猛ダッシュ。財布をすったと思われる男のところに詰め寄り財布を返せと迫ります。その気合たるや物凄いもので,Tくんはその男に向かって飛び膝蹴りをくらわせるくらいの勢いでした。

ところがその男は自分はやってない,と多分言って(英語を話さないので私たちは何言ってるのかはわかりませんでした),その男のバッグの中身を確認させろと言っても決して中身を見せません。その押し問答に後から私は加わり,OくんとTくんにこの男に間違いないか確認すると間違いないと言うので,2人に加わり鬼の形相で財布を返せと迫ります。でもその男は相当怯えて,全くコミュニケーションがとれません。って,もともと言葉は通じてないのですが。。

そこにまた見知らぬ通行人が加わり,仲裁してくれようと頑張ります。その人は英語も話すので仲裁+通訳としてなんとかトラブルを解決しようと頑張ります。一方,興奮している日本人3人はとにかく持ち物を見せろと迫ります。そんな押し問答の後,ようやくその男は持っていたバッグの中身を見せて,自分が無罪であることを主張します。そうです,私たちが問い詰めていた男は白だったのです。。

でも怖かったんでしょうね。ちょっと若めの2人が飛び膝蹴りの勢いで近づいてきて何かを問い詰め,その後ゆっくり歩いてきた坊主頭にピアスにスーツのおっさんがドスをきかせてさらに問い詰めてきたのですから。私なんて一言も英語を喋らず,ひたすら日本語でバッグの中身を出せと迫ってました。きっとヤクザな東洋人にカツアゲされてると思ったんでしょうね。いやー,申し訳ないことをしました。

結局,ご丁重に謝り,疑った男,そして仲裁に入った男と別れたのですが,財布を誰がすったのかは結局わからぬままとなりました。想像するに,最初に「財布をすった男が向こうへ逃げて行った」と私たちに言った男が実は犯人だったのかもしれません。私はそもそも怪しいと思って,OくんとTくんがダッシュで冤罪の被害者に詰め寄って行ったとき,すぐに行かなかったんですよね。というのも,もしするところを見たのなら,その目撃者に犯人を正確に教えてもらおうと思ったので。かつ,その声をかけてきた男の風貌も微妙に怪しかったのです。でも,相当酔っ払っていたためになんか怪しいなと一瞬は考えたのですが,2人が盛り上がってるのを見てついそっちに加わってしまいました。。。失敗しました。

Oくんは早速クレジットカード会社に連絡したりしているようで,えらい災難です。ジュネーブは強盗とかの話は聞かないのですが,コルナバン付近でのスリは極めて多いです。

というわけで,スリだけならまだしも,その後に極めて珍しい経験をした日となりました。

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台風16号の進路

昨日のエントリーに書いたように,CERNから日本に戻るのが金曜で日本には土曜に着きます。そのあと,日曜休みで月曜が東京出張,火曜に学会参加のために宮崎へ移動,というスケジュールなのですが,最近台風が多いのでこれだけ移動があると台風の影響を受けるんじゃないかと天気予報をチェックしてみると,案の定台風16号というのが南のほうにいるのですね。でもって,20日(火)3時の予報円の中心が九州の南部です。。。夕方の便なのですが,この予報円の中心通りに動くと,飛行機飛べなさそうな感じがします。

宮崎には私初めて行くのですが,電車だとかなり面倒なのですね。ということで,私だけでなく今回の宮崎学会は飛行機で移動の人が多いと思われ,台風の影響を受ける人がたくさんいるかしれませんね。予報円って70%confidence levelだったと思うので約1シグマ。それだったら外れても不思議じゃないという感覚ですが,暴風域には入ってしまいそうではあります。

通常なら1日遅れ,あるいは2日遅れで着いたのでもいいや,と不真面目な私は考える方なのですが,今回は初日に座長があるのと,もっと大事なのは定例のATLAS日本グループ会合が初日の学会セッション終了後にあることです。実は来週もCERNにぜひいたい案件があったのですが,各方面と相談を繰り返し,なんとかこのATLAS日本グループ会合に行けることになりました。なので,せっかく無理して調整して行く予定だった学会初日に台風で行けないとなると,なんだかなぁということになってしまいます。さて,どうなることか。

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先週と今週

バタバタと落ち着かない日々を過ごしています。先週は学会発表練習の合間を縫うように,東京出張が2回。1回は高エネルギー委員会なので気楽といえば気楽ですが,もう一方はスーツで行くような出張なので,その準備も含めて精神的に結構疲れます。

そんな中,土曜日は恩師の一人であるHさんの還暦のお祝いを内輪でやりました。懐かしい人に会えたし,Hさんも喜んでくれたようで楽しい催しとなりました。

そして今週はCERNに来ています。今週と言っても,火曜が移動日で水曜木曜と用務があり金曜に日本に戻るという,格安チケット最短の3泊の出張です(格安チケットは3泊以上の航空会社が多いです)。CERNの理事会出席が大きな用務ですが,その他にも予算関係,研究関係の打ち合わせが詰まっていて,濃度の濃い出張です。

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学会近づく

秋の学会が迫っています。今年は素核分野は宮崎大学です。私宮崎には行ったことがないので,そういう意味では楽しみなのですが,観光する暇は残念ながらなさそうです。

そんなわけで学会が迫っているということは,恒例の学生の発表練習です。一昨日,昨日とあったのですが,私は昨日はどうしても外せない案件があり,一昨日の火曜だけ参加。しかし,そこで1人の学生はリターンマッチを行うことになり,それがまた明日あります。明日はなんとかわかりやすい発表になってほしいと願っています。

しっかし,月並みなことを書きますが,月日の流れる速さに本当に驚きます。ついこの間練習をやったと思ってたのに,もう,という感じです。時の経つ速さは年齢とともに速くなるといいますが,もっとさらにそうなっていくんでしょうか。これ以上あっと言う間に時が過ぎたら,新しいことなんて何にも覚えられそうにありません。いや,恐ろしい。

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KEK一般公開終了

本日,KEKの一般公開でした。私たちATLASグループはポスター展示を行いました。足を運んでくださった方々へお礼申し上げます。

KEKに異動したのは去年度なので,この催しをKEKスタッフの立場から経験するのは2度目ということになります。が,去年は,私は自分の講演があったのと,ATLASグループ展示の担当者でなかったことから,どちらかというと主体的にこの催しに臨んではいませんでした。しかし,今年は準備から始めて,自分が責任者だという気概で臨んでいたので,去年とは若干異なる印象を持つ一般公開となりました。

ただ,こういうアウトリーチ活動をすると毎回感じることは共通で,見学してくださる方の熱意に驚きますし,その熱意を感じるのでできるだけ多くの質問に答えたい,知ってることをなるべく全部伝えたい,という気持ちを強く持ちました。私たちの展示に何人の方が来てくださったかは統計を取っていませんが,KEK全体では約3800人の訪問者があったそうです。ありがたいことです。

来年のATLAS担当が私になるかどうかはわかりませんが,今年度の経験から多くの改善が可能だという感触を持っています。ただ,やりたいことはこのアウトリーチに限らずたくさんあるのですが,それを実行に移せていないところに今の私の問題があります。その問題をクリアして,来年はさらにパワーアップしたATLASコーナーを作れれば,と思っています。

来場してくださった方々,ありがとうございました。

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KEK一般公開近づく

私がここで宣伝せずとも色々なところで宣伝しているので不要かもしれませんが...KEKの一般公開が9月4日(日)に開催されます。毎年大々的に開催されている催しで,ATLASグループはポスター展示等を行います。興味があるかたはぜひ足をお運びください。私自身もなるべくポスター展示に張り付いているつもりです。

今朝はその準備をしたのですが,今年はATLASグループの担当を私が初めてやっているため,段取りなどがわかっておらず,朝Iさんに偶然会わなければかなりのピンチでした。A0ポスターの印刷に関しては手伝いをHさんにお願いして準備をしていたのですが,ポスターを貼るパネルその他の取り回し等々についてわかっていなかったため,当初は手伝いをお願いした学生1人と私だけで準備をするつもりでいました。ところがIさんのアドバイス通り,2人ではその作業は極めて大変で,急ぎその時間いた人たち総勢6人ほどの力を借りてなんとか準備を終えました。

そんなわけで担当者がダメダメなので4日当日も不安満載ですが,みなさんの助けを借りてなんとか乗り切れればと思っています。

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