ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

秋の学会感想

20日CERNから帰った後,敬老の日から秋分の日の3連休はのんびりと過ごしました。その後,学会に出席して,今日からKEKに戻っています。とは言うものの,明日も明後日も東京へ日帰り出張を連発。そして来週はイタリアでのATLASのcollaboration meetingに出席,というわけで,ほとんど落ち着いてKEKにいることがありません。

さて,学会ですが,今回はなぜかよくわかりませんが,イマイチ面白い発表がありませんでした。タイミング的に新しい結果をバンバン出してる実験グループがなかったことが原因だと思うのですが,印象に残るトークが少なかったです。まあ,あと,学会に行ってまでもこなさないとならない事務仕事に追われまくっていて,集中して講演を聞く機会が少なかったというのもあるのかもしれません。でも,今回は世話人が頑張って講演をシャッフルしてくれたおかげで,同じセッション内で色々な研究グループの話を聞けたのは,前回の学会と違ってよかったと思いました。コラボレーションミーティング的というか,毎回常連の人たちだけの議論は面白くありませんから。

自分が指導している学生のトークは,Iくんのだけは自分が別のセッションで座長をしていて聞けなかったのですが,他の人は全員そつなくこなしていたので安心して聞くことができました。特に,Yさんの声は小さいのでマイクを使えない会場では声が聞こえないのではないかと心配していましたが,それなりによく聞き取れて一安心でした。あと,Jくんの発表は,練習の時とは比べ物にならないくらいプレゼンテーションが洗練されていて,良い驚きでした。

しかし,研究室によって,というか指導しているスタッフによって,学生の発表の雰囲気は非常に似てきますね。当たり前といえば当たり前なのですが,本当に,見づらいスライドを作るスタッフの下についてる学生のスライドは,指導教員のスライドと同様に見づらいですし,ポンチ絵を使うなどしてわかりやすい工夫を盛り込んだスライドを作るスタッフのところで鍛えられている学生のスライドは,年季が違いますからスタッフほどはわかりやすくないにしても,すっきりとしたスライドを作りますし,話の流れが整理されていていることが多いです。

感想と言いつつ,物理の内容についてではなく,発表についての感想になってしまいましたね。。

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LHCの近況など

昨日はCERN理事会のセッションの一つに出席してきました。LHC関連のScientificなセッションだったので苦痛なく話を聞いてくることができました。また,出席したセッションの議事録を書きそれを文科省の方に送るというのも私の重要な仕事なのですが,それも今回はScientificな内容が主なので比較的書きやすく安堵しています。セッションによっては,scientificな内容は全くなくて,予算,それもCERN全体の経営に関するような予算の話,たとえば雇用者の年金の話とかが中心のときがあり,そういう内容だと理解度がグンと下がってしまい,議事録を書くのに難儀します。

昨日のセッションでの話は,基本的に私たちにとっては既知の内容で真新しいことはなかったのですが,ATLASだけでなく,LHC関連の全体の動きを俯瞰するには役立ちました。そのLHCですが,数日前から調子がよくなり,ようやく安定してデータを取り始めています。

バンチ間隔を25nsした後は,様々な原因でビームが非常に不安定だったのですが,テクニカルシャットダウン(TS)という短いシャットダウンの間に色々と修理すべきところなどが修理され,TSの後はだいぶ安定した運転が続いています。今まではクエンチプロテクションの誤作動などによりビームダンプして,フィルが終了することがほとんどだったのですが,TS後はビームをダンプさせるべく意図してダンプできるようになってきました。バンチ数は1000を超え,13TeVでのルミノシティの最高値も50ns間隔の時の値を超えて,2.2E10E33cm^{-2}s^{-1}になりました。このぺーすを維持すると年内に収集できるデータ量は3/fbくらいかなという感じです。

物理解析も順調に進んでいまして,WやZ,それからttbarの断面積測定の第1報が出揃いつつあります。あと,ATLAS,CMSともにdijet massが5TeVを超える事象が見つかっていることなどが話題になっています。まあ,それぞれ1事象づつで,標準模型からの乖離があるわけではないのですが,それでも,それだけの高い質量事象が見られるというのはドキドキするというか,流石13TeVという印象を持ちます。

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入出国審査

今週はATLAS関連のミーティングとCERNの理事会に出席するためにCERNに来ています。昨日の日曜に移動でヘルシンキ経由だったのですが,入国審査が物凄い行列でそこを通過するだけで40分以上も待たされたのには辟易しました。その後の手荷物検査もかなり混み合っていて,乗り継ぎ時間に余裕があると思っていたのにそんなこと全くありませんでした。ヘルシンキ経由だとたまにこういうことがあります。日本からの便が到着するゲートによって,そこまで混雑のない手荷物検査と入国審査で済む場所と,今回の場所という2箇所あるようです。今回の場所はいつも混んでる気がします。

入国審査のときにいつも思うのですが,日本は日本以外の国籍を持つ人に極めて親切な国です。日本以外の多くの国では,その国の国籍あるいはEUの人間だとすんなり通過できるゲートがあって,今回のようにとてつもなく待たされるのは外国人ばかりです。その点,日本だと日本人をチェックするゲートと同数かそれよりも多いのではないかというくらいの数の外国人用ゲートが用意されていて,外国人だけが長蛇の列を作っているというのをあまり見たことがありません。

その点,ヘルシンキの入国審査が混んでいるのは,外国人に対するサービスが悪いからとは思えません。入国審査あるいは手荷物検査が混むのは2パターンあって,フランスのようにあまりにも働いている人が少なくて(?)ゲートの数が絶望的に少ない場合と,ヘルシンキのように比較的時間をかけて検査する場合の2パターンです。日曜のシャルルドゴールでは,稼働しているゲートが2つくらいしかなくて,審査そのものはあっという間なのに時間がかかることがあります。それに対してヘルシンキは,いちいちどこに何しに行くのか,いつ帰るのか,帰りのルートは,などなどを聞いてきます。日本人観光客なんかはそれに答えられなくて時間がかかり,後ろで並んでいてイライラします。英会話が全くダメなら,それくらいの情報は紙に書いて持って行きそれを見せるとかではダメなのですかね。そう,で,話を戻すと,ヘルシンキの場合,地元民優遇ゲートよりも外国人用(というか正確にはどの国籍の人でもよい)ゲートの数の方が圧倒的に多くて,ちゃんと配慮はされています。

それから今回もそうだったのですが,フォーク並びじゃないときは,どの列が進みそうかを正しく判断しないとひどい目に遭いますよね。ビザのありなしで違うのか,国籍によって進み方ってまあ当たり前かもしれませんが全然違います。あ,これは時間がかかりそうな人たちがいるなとわかる場合はその列を避けるようにしているのですが,今回は,基本的には中国人の団体の後に私たちの便に乗っていた乗客(=主に日本人)が並んでいたので,私としては中国人比率の少ないところに並びたかったのですが,長い列ですので先の方はよく見えないし,そもそも一目では区別がつかないので,あまり良い列に並べませんでした。それでも隣の列よりはかなりマシで,他人事ながら隣の列の進みの遅さは可哀想でした。中国人団体が完全にジャムってしまっていて,全くといって言いほど進んでいませんでした。こういうことをよく目にすることがあるので,昔は一度並んだら列を変えることをしませんでしたが,最近は,差があまり大きくなければ進み具合と各列に並んでいる人の国籍を推測して列を変えることをよくするようになりました。

その国の人と外国人を分けるだけではなく,ビザなしとビザありくらいには分けて欲しいと常々思っています。でもそうすると,日本人みたいに比較的多くの国にビザなしで行ける人は便利ですが,そうじゃない国の人はどこに行っても今まで以上に入国審査に時間がかかることになってしまうので,それもまた難しいですかね。。

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一般向け講演の感想

少し間があきましたが,KEKの一般公開での講演を無事終えることができました。足を運んでくださったかた,どうもありがとうございました。天気がイマイチだったのでその影響があるかと思っていましたが,講演のほうは部屋が満員になりましたし,全体の入場者数も4000人を超えて,例年よりも少し多かったそうです。聞くところによると3000人台後半が多いそうです。

一般向けの講演については,私はいつもとだいぶ勝手が違いました。というのは,私がこれまでに行ってきた講演会の参加者とだいぶ客層が異なっていました。よくある一般講演だと高齢者の方の比率が非常に高いのですが,今回は,平均年齢はそれなりに高いかもしれませんが,通常よりは高齢の方の比率が少なかったです。雰囲気的に,物理を専門としているわけではないけれども,研究者っぽいという方も多く,研究所密集地つくばならではの客層なのかなと感じました。一般向け講演で難しいのはどういう客層をターゲットに全体の構成をするかなのですが,今回の客層だったら,前半のイントロダクション部分をもっと短くしたほうがよかったかもしれません。

それと一つ残念なのは,KEKの一般公開の中の一つの催しなので,時間に限りがあるという点です。講演時間そのものはどういう催しの中でも限りはありますが,たとえば,アウトリーチとして私たちが自主運営している講演会だったら,講演会しか企画がありませんから,講演の後に質問がどれだけ多くても全てに回答することができます。しかし,今回のような建て付けだと,参加者の方は私の講演だけでなく他の催しにも参加したいですから,何か質問したいことや私に話したいことがあっても,質問者の長蛇の列ができてしまうとそれに並ぶのをためらわざるを得ません。実際,講演の後に全体で質疑応答のあった後に,質問のある人は部屋に残って質問をしてもらったのですが,当初は並んでいたけど途中で諦めて帰ってしまう人も何人かいました。企画の性格上仕方ないといえば仕方ないのですが,訊きたいことがあった人全てに対応できなかったのはちょと残念でした。

私信になりますが,大学のとき同じ研究室の同級生だったAが話を聞きにくれたのは照れくさかったですが,案外嬉しかったです。

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サンクトペテルブルグ旅行記

旅行記と言っても,滞在時間よりも移動時間のほうが圧倒的に長い出張でした。

行きは羽田からの夜行便で火曜の深夜0時過ぎの出発。そこから,前回のブログでも書いたようにエミレーツを使いドバイ経由。これが結構時間がかかって11時間半ほどのフライトでした。さらに,ドバイからサンクトペテルブルグもこれまた思ったよりも時間がかかって6時間ほどかかりました。加えてドバイでの乗り継ぎはかなりの時間があり(とは言え,ドバイ空港は全ての便でターミナルから直接飛行機に乗れずバスを使う上に,そのバスに乗ってる時間+待たされる時間があるので,普通よりも余裕がないと厳しいかもしれません),結局,最終目的地のホテルに着いたのは現地時間の火曜の17時頃で,つくばを出発してから28時間ほど経っていました。しかもつくばを出発した月曜は昼間仕事を普通にしていたので,朝家を出た時点から数えると38時間くらい経っていました。ヨーロッパ出張が多いので長旅には比較的慣れているほうだとは思いますが,いや,それにしても,もの凄い長旅でした。その晩はホテルで11時間くらい熟睡しました。

翌,水曜は目的の会議に出席してとある業務をこなしました。全力を尽くしたつもりでしたが,思うような結果が得られず残念でした。

そして,木曜日は午前中だけ会議に出席して,お昼頃空港に移動。私の便は17時発だったのですが,一緒に行ったTさんのタクシーに乗せてもらったので早めに出発しました。で,往路を逆に辿ましたが,日本の到着地は成田空港。そう,行きと帰りでは,日本の発着地が異なりました。もしかするとすでに書いてるかもしれませんが,やっぱり成田よりも羽田のほうが便利です。つくばからだと交通の便が悪すぎます。むしろ大阪の家あるいは大学から伊丹空港を利用したほうが時間かからないくらいです。

旅行記とタイトルをつけたので2つ感想を書きますが,まず1つ目はサンクトペテルブルグの食べ物とレストラン。これは,勝手に予想してたよりも遥かによかったです。日本に比べると若干物価は高めですが(日本よりも物価の安い先進国というのは最早ありませんが),ジュネーブみたいにべらぼうに高いことはなく,それでいて,味も十分満足できるものでした。2日目は,現地でのそれなりの高級レストランに行ったので美味しくて当たり前なのですが,初日,自分が宿泊したチェーンホテルであるNovotelのレストランで食べたのですが,そこでも十二分に美味しかったです。また,サービスについても西欧諸国ドイツとか北欧的な感じでキチッとしてる上に愛想もそれなりによくて,食事は予想以上に大満足でした。行く前は極度にロシアを恐れていましたが,行ってみたら楽しそうな街でした。モスクワではなくサンクトペテルブルクだからなのかもしれませんが。

2つ目はサンクトペテルブルクとは関係なくなってしまい,エミレーツ航空に乗った感想です。トータルでは私はもう2度と利用したくない,というのが結論でした。最新鋭の航空機をたくさん持っているだけあって,機体はどれもそこそこではあったのですが,内装については外国の航空会社によくある3-4-3なので狭くて,また,それほど綺麗ではありませんでした。ただ,エンターテイメントシステムは外国の航空会社の中では充実しているほうかもしれません。食事はヨーロッパの航空会社とどっこいですかね。ここまでならまた利用してもいいじゃないかと思うかもしれませんが,しかし,今回一番がっかりしたのはキャビンアテンダントの態度です。愛想がないわけでもないし,悪気はないのかもしれませんが,無礼が私には耐えられませんでした。私だけでなく隣にのっていた見ず知らずの上品な老婦人も「なんて失礼な人なの」と憤っていたくらいですから,誰から見てもその非礼ぶりは機嫌を悪くするに十分だったと思われます。というわけで,時間がかかることもあり,今回のようにエミレーツじゃないと他にもう方法がないという場合は除いては,自らエミレーツを使うことはなさそうです。

しかし,日本・ドバイ間の飛行機は行きも帰りも明らかに観光客と思われる日本人で混んでいました。ヨーロッパに行くのとはちょっと客層が違っているのですが,みなさんどこに行くんでしょうか。私みたいに乗り継ぎなのか,あるいはドバイって人気の観光地なのでしょうか。若い人が多いわけでもなく,ヨーロッパのように熟年が多いわけでもなく,私と同年代のツアー客と思われる人たちが,小学生か中学生の修学旅行の団体のように振舞っていて,私的にはかなり奇異な雰囲気でした。あと驚くのは,そういう人たちって荷物が本当に大きいです。今回のドバイに限らず空港で大きなスーツケースを持ってる人よく見ますが,何を入れているのか気になってしまいます。

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