ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

委員会終了

2日間のCERNでの用務を終え,これから日本に向けて出発するところです。

CERN-KEK委員会は昨日の1日だけでしたが,非常に長い1日でした。2週前のPACと同じく,朝から晩まで食事まで含めてぎっちりと予定のつまった1日でした。今回はKEK機構長のYさんが表敬訪問をしたという一面もあるため,いつもよりも大掛かりなプログラムとなってたみたいです。

前回のエントリーに書いた通り,一昨日は,お金に関する打ち合わせその他がこれまたそれなりにぎっちりとあり,せっかくCERNに来たのに,現場に滞在中のポスドクや学生と飯を食いに行く時間すらなかったのは残念でした。

ところで,日本も猛暑みたいですが,ジュネーブも先週まではとんでもなく暑かったみたいです。最高気温の記録を更新(?)したとかで,連日38とか39℃にまで気温が上がったそうです。CERNに着いた瞬間に,普段は青々としている草がおもいっきり干からびているので,しばらく天気がよくて雨が降ってなかったんだろうなとは思いましたが,ここジュネーブで35℃を超えてた,というか40℃近くまで暑くなったというのは本当に驚きです。私が滞在しているここ3日間は,ちょうど良い気温,爽やかな天気だったので助かりました。

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CERN短期出張

3泊というかなりの短期出張でCERNに来ています。こっちの時間で,昨日の夜に着き,今日はATLAS関係者とお金の相談,そして明日はCERN-KEK委員会というものがありそれに出席します。私たちが通常使う,と言っても私はこれしか使ったことがありませんが,格安チケットだと現地に3泊以上する必要のあるものが多く,今回の3泊というのはギリギリの短さです。2泊にすると,なぜか通常料金になって,いきなり2倍近い値段になってしまいます。なんで格安だと3泊以上必要なんでしょうね。

それはさておき,お金の相談はCERN-KEK委員会に合わせたものなのでこれのためにわざわざ来たということではないのですが,CERN-KEK委員会というのは,私はKEKに異動するまで知りませんでしたが,毎年1回CERNとKEK双方の機構長クラスのVIPが出席する,サボることがなかなかできそうになり委員会です。今回は基本これに出席するための出張です。自分のやってることが実験現場からどんどん離れていってることに加えて,必要な知識とかがこれまでとは別世界になりつつあるのを実感するような催しです。

そんなわけで,今日のこれからと明日に備えて,自分の発表もあるので,物理とは関係のないことを勉強中です。。

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イベント続き

昨日は夕方からIPMUへ行ってました。諸々の事情により,IPMUの評価委員のYKKとJEによるセミナーに参加しました。実際のところは,その後の接待要員として呼ばれたという一面もありますが,IPMU機構長のMさんと酒を飲む機会は滅多にないので,それはそれで貴重な経験ができました。KEKのお偉いさんも同じかもしれませんが,重責を担うMさんはだいぶお疲れのようでした。あれだけ成功しているように見えるIPMUでも,その運営には腐心されているのでしょうね。

そして今日の午前中は,運営会議というものでHL-LHCの宣伝(?)をKEK首脳部に対して行ってきました。後になって幾つかこう言っておけばよかったという質疑応答もあったのですが,終わったことを後から悔やんでも仕方ありません。多少なりともHL-LHCに対する良い印象を持ってもらえたことを願うばかりです。

午前中の発表のための準備を昨日までやっていて,その発表が終わったので一息入れたいところですが,来週の月曜日にはKEKが受け入れている高校生の施設見学に伴い1時間ほど講演をするので,その準備をしなければなりません。最近,若干高校生相手のアウトリーチの機会が減っていて,約1年ぶりでしょうか。って,冷静に考えると,高校生に限定すると年に1回か2回のペースなので,まあ,通常のペースと言えなくもないのかもしれません。

でもって,来週は火曜からCERNに出張で,ATLAS関連の仕事も少しは入れてありますが,メインはCERN-KEK委員会というものです。KEKに異動するまで知りませんでしたが,CERNとKEKにとってはなかなかに重要な委員会のようで,今回は機構長や理事などKEKのトップが揃って出席します。最近まで気づいていませんでしたが,私もそこでトークをすることになっていて,その準備もぼちぼちやらないとなりません。ちなみに,この委員会で私が気になっているのはトークの内容よりもむしろドレスコードです。。あ,いや,トークの準備はちゃんと真面目にやりますが,またスーツを着ていかないとならないのか,そこが気になります。スーツではないけど普段着通りで問題ない人もいますが,私の場合,普段通りの格好でいくとむっちゃ場違いになる可能性があるので,油断なりません。

ということで,ここ数日と来週は細々としたイベントが続いています。

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ここ1週間

先週は,水木金の3日間,J-PARCのPACのためにJ-PARCに行ってました。この委員会に参加するのは今回で3回目となり,ようやく慣れてきました。色々なことが今までよりもわかってきたこともあり,発表をする人に対して質問をするだけでなく,closed sessionでの議論の際にも自分の意見をそれなりに言えるようになってきました。というか,正確には,人に言えるような意見を自分なりに持てるようになってきたと言うべきかもしれません。

しかし,この委員会は委員にとっては非常にハードです。前回のPACのときにも同じことを書いているかもしれませんが,朝から晩までの拘束時間が長く,また,夜は夜で宿題があります。朝8時前に委員はホテルを出発,そしてホテルに戻って来るのが夜の22時過ぎ。さらに,各実験に対してレポートを書かなければならず,全員で手分けして書くのですが,私の場合大抵2つから3つの実験に対するレポートを書きます。昼間も委員はほぼ全員の発表をそれなりに聞いていないとならないので朝から深夜まで本当に息つく暇がありません。

というハードな3日間を過ごした後の週末は,3日間家族旅行に出かけていました。帰省を除くと家族4人揃っての旅行は初めてでした。下の子供がまだ小さくて大変なのと,私の都合がなかなか合わなくて旅行していなかったのですが,本当に楽しい3日間でした。その前の3日間の疲れが完全に吹き飛びました。普段子供と接する時間が極度に少ないので,こういう旅行でもしないと彼らと遊ぶことができません。これからもなるべく多くこういう機会を設けたいものです。

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訃報

残念なお知らせです。南部さんが7月5日(日)にご逝去されていました。ご冥福をお祈りします。

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パ・リーグはセ・リーグより強いのか

今はあまり見る機会がありませんが,子供の頃から野球が好きで,今もプロ野球の結果はチラホラ気にしたりしています。で,今さらなのですが,交流戦の結果を考えてみます。と言っても,世間でよくあるようになぜパ・リーグのほうが強いのかについて勝手に仮説を書くのではなく,本当にパ・リーグのほうが強いのか,統計的優位性がどれくらいあるのかを計算してみました。

ウィキペディアによると,パ・リーグがぼろ勝ちした印象のある今年の交流戦は,パ・リーグから見て61勝44敗(3引き分け)でした。引き分けは省いて勝率を計算すると,0.581+/-0.048です。勝ち負けの話しなので誤差は2項分布を使っています。我々がよく使う表現に従うと,1.7σの有意差です。これだと我々の世界では統計的に有意とは言い難いものがあります。1.7σでは,理論屋でもなかなか論文を書きません。まして,実験屋だったら有意とは思わず,もしかしたら何かあるかもしれないから,統計が増えてどうなるかは気にしておいたほうがいいかな,くらいに考える人が多いと思います。

というわけで,今年だけを振り返って,パ・リーグのほうが強いというのは,少なくとも統計上は厳しいものがありました。

じゃあ,交流戦が始まってからのトータルだとどうなるのか,それもウィキペディアの資料をもとに計算してみました。今まで,パ・リーグの865勝774敗で,その勝率は0.528+/-0.012。今度は2σ越えで,2.3σの統計的有意さです。うーん,これだと微妙です。2σ超えたら何かあるのではないかと考えたくなるのが人情です。やっぱりパ・リーグの方が強いのかなぁという印象になりますね。ちなみに,世間的には今年の結果を見てパ・リーグの方が強いという印象を受けた人が多いのではないかと思いますが,統計的な取り扱いをちゃんとやると,今年だけよりも通算成績のほうがパ・リーグの強さをより如実に示しています。

もし勝率が0.528のまま推移したとすると,3σに到達するには,つまり誤差が0.009まで小さくなるためには,引き分け抜きの試合数が5828試合必要です。これまでに1639試合ありましたから,残り4189試合。1年で今は108試合ありますから,ざっとあと39年ほど交流戦を続けると,3σの有意性でパ・リーグが強いことを示せます。どうでしょうか,統計的有意性を上げるのが難しい,大変だということが少し実感していただけたでしょうか。

ついでに,年間144試合やって順位を決めますが,それがどれくらい統計的に意味のあることなのかも計算してみました。仮に勝率5割とすると,72勝72敗ですので,勝率は0.500+/-0.042になります。誤差0.042を勝ち数(あるいは負け数)に直すと6勝(6敗)です。つまり,78勝66敗あるいは66勝78敗がプラスマイナス1σの範囲になります。6ゲームって大差な気がしますが,144試合終わった時点でも6ゲーム差では統計的有意差をもってどっちのチームが強いかは言えないのです。いやー,やっぱりプロ野球の世界は実力差は紙一重なのですね。

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ビザ申請

今度ロシアに行かなければならなくなりました。基本的には海外出張は嫌いで,CERNですら仕事だから行くのですが,できることなら国外へ行きたくないと実はいつも思っています。最近の若者ばりの(?)内向き志向かもしれません。あ,誤解されないように明記しておきますが,生活面で海外が嫌いなだけで,研究に関しては海外が嫌いかというと決してそんなことはありません。

そんな私にとってはロシアは特に行きたくない国の一つでした。何しろビザが必要ですし,そのための手続きも面倒くさそうなイメージがあるからです。実際,ビザのための諸々を始めたところなのですが,必要な書類集めのためにメールのやりとりをして,招聘状を書いてもらうためにはコンファレンスに登録しなければならず,そのための面倒な手続きをやり...とすでにうんざりし始めています。この手の事務処理は普通誰でも嫌いなので,ビザに限らず代行業が存在するわけですが,自分がそういう場面に直面すると代行業のありがたさを感じるというか,資本主義社会ってうまくできてるもんだと感心します。コスト∝手間かつ,コスト∝面倒くささ(手間と同じことかな)にちゃんと世間はなってます。いや,∝という記号を使いましたが,線形かどうかはわかりません。でも,強く依存してるのには間違いありません。

って,こんなこと書いてるのは,その手続きが面倒くさくて現実逃避をしてるのですが...
周りには,逆に海外出張が大好きと思われる人が結構いるのには驚きます。

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物理ラン再開

先月の初めにRun2が開始され,わずかな量のデータを収集しましたが,その後は物理ランは行っていませんでした。テクニカルストップと呼ばれる定期点検期間を経て,beam scrubbingと呼ばれるビームパイプの焼き出し(?)を行っていました。ビームパイプ中の真空度を上げるために,温度を上げることでビームパイプに吸着されている分子を焼き出すことを加速器ではやりますが,beam scrubbingもある意味焼き出しで,これをやることによってビームパイプだかビームスクリーンと呼ばれる部分だかにトラップされている分子を焼き出します。ただ,その方法は,温度を上げるのではなく,ビームによる強い電場を利用します。バンチ間隔を狭めて,かつ,バンチあたりの電荷すなわち陽子数を上げることで電場を通常よりも強くして,その電場によって焼き出しを行います。これをbeam scrubbingと呼びます。

ただ,その原理を私はよく理解していなくて,それで焼き出しになるのか定量的な理解は全くありません。でも,とにかく,これをやることによってelectron cloudを減らすことができるんだそうです。electron cloudというのは,その言葉通り電子雲なのですが,これがなぜ出来るかというと荷電粒子が放出した光子がビームパイプ等に当たって光電効果が起こるからです。その光電効果を起こす元になるトラップされた分子を焼き出すというのがbeam scrubbingの目的なわけです。

順序が逆になりましたが,じゃあなぜbeam scrubbingをしてelectron cloudを減らそうかとすると,LHCの場合はelectron cloudによって生成される熱を抑えたいからです。ご存知の通りほぼ全周に渡って陽子軌道を曲げるための超伝導双極子電磁石が設置されていますので,ビームパイプの周りは超低温です。Electron cloudなどによって生成された熱は何らかの方法で逃がしてやらなければ超伝導が破れてしまいますし,冷却能力には限界がありますので,なるべく熱の発生を抑えたい,electron cloudを減らしたい,とうことになります。

ちなみに,KEKBのような電子を使う加速器では,ビーム強度を上げるとelectron cloudによってビームの不安定性が生じるため,electron cloudを減らしたいという要請があります。LHCにもelectron cloudによるビーム不安定性というのがあってもおかしくありませんが,陽子は電子ほど強い影響を受けないので,今のビーム強度だとメインの目的は熱負荷を抑えたいということみたいです。いや,これも専門家じゃないのでわかっていなくて,もはやビームの不安定性も問題になり始めているのかもしれませんが。。

とにかく,そのbeam scrubbingをテクニカルストップ後しばらくやっていまして,先週はほぼbeam scrubbingでした。ようやく,土曜から日曜にかけて物理ランを再開しまして,少しデータを取り始めました。徐々にルミノシティを上げるべくビーム強度を上げていってます。これから2,3週間,50ns間隔で物理ランをやり,その後は,25ns間隔に向けたbeamscrubbingを行い,8月初旬から中旬くらいから25ns間隔での物理ランを目指しています。

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