ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

スーツで出張

先週の土曜に日本で外せない用事があったため,金曜に一旦帰国した後,また日曜からCERNに来ています。今回の出張は私にとって新鮮,というか,いつもと違ってスーツ姿での出張です。ドレスコードがジーンズ(?)の実験屋にとってはスーツを着るのは極めて稀ですし,なかでも私はラフな服装が多いのでジャケットすら着ることはあまりありません。ですが,今回は出張期間全部を通してスーツ。こんなに長い時間スーツを着続けるのは私の人生の中で初めてです。

しかし,そこら辺に座り込めないことを除いては,スーツって楽です。サッカー界のキング・カズは,夜寝る時の寝間着がスーツだという話をどこかで聞いたことがありますが,ジャージに比べてどうかは微妙ですが,ジーンズに比べたらスーツのほうが動きやすいし体を締め付けられない(?)ので,確かに楽かもしれません。マスターキートン(古いですね)でも,砂漠に行くにはスーツが良いというような,固定観念とは違うサバイバルネタがありました。ポケットも多いし,実務的にも実は色々と最適化されているのかもしれません。

あと,一回スーツと決めちゃうと,何を着るか迷う必要がないというのは大きなメリットです。ドレスコードが気になるとき,ジーンズでもなく,スーツでもなく,となると何を着てよいのか非常に迷ってしまいますが,スーツと決めてしまえば,何着もスーツを持っていない私は迷う要素が非常に少なくなります。あと,ジーンズだとどうなん?という場面はあっても,スーツを着ていて相手に失礼になる場面というのはあまりありませんから,その点でもスーツというのは何も考えないで着られるという意味で楽だったりするかもしれません。

物理学科の物性理論のダンディーなOさんはいつもスーツなのですが,彼も,毎日スーツと決めちゃえば何を着るか迷う必要ないし,それで失敗する場面にも出会わないので楽だと言ってましたが,その気持ちがよくわかります。

そういうわけで,スーツが楽だということを再認識して,これからもっと着ようなんてことを考えているのですが,となると流石にもう何着が必要になります。でも,ジャージやジーンズ+Tシャツに比べて高いですよね。洗濯機でジャブジャブ洗えないし。そこだけがボトルネックです。

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映画で大泣き

今週は,と言っても日曜の晩から木曜の朝までですが,CERNに来ています。ATLASアップグレード関連の大きな会合がありそれに参加,加えて,現地で研究をしている人と議論したいことがあり,朝から晩まで会合漬けの3日間です。

それはさておき,タイトルのことですが,このブログを長いこと読んでる方ならご存知のように,CERNへの移動の飛行機の中で映画を観て大泣きするのは,ある種私の趣味となっています。そんな私ですが,流石にどういう映画でも泣けるわけではなく,ここ最近大泣きした記憶がなかったのですが,今回はやられました。中井貴一主演のアゲイン,それから新垣結衣(漢字あってますかね?)主演のくちびるになんとかというタイトルの2本で,両方とも泣かせようという意志がありありの,つまり客観的に観ると見え見えの映画なのですが,そもそも泣いてやろうくらいの勢いで見ている私にとっては何の問題もなくすっきりと(?)泣ける映画でした。

その映画を観た人にしかわからないコメントになりますが,前者は親と子供の関係と高校野球を絡ませたテーマで,テーマ的に私にクリーンヒットしてしまいました。自分も子供との関係を考えることがありますし,高校野球は残念ながらやりませんでしたが(中学生のとき肩を壊してしまったため),中学生までは毎日野球漬け,夢は甲子園に行きプロ野球選手という子供時代でしたから,もうテーマだけでも涙が出そうです。

一方,後者は全般的に私にとって泣けるところはなかったのですが,唯一ピンポイントで自閉症の兄を持つ弟が書いた作文に涙してしまいました。あの作文を読んで泣かない人はいないはずです。映画で泣かないTくんでも,この作文だったら泣くに違いありません。が,その前後が彼にとっては飽きてしまいそうです。

しかし,泣いたり,叫んだり,歌ったりするのは,ホントによいストレス解消ですね。

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6.5TeVへ

イースター休暇明け,というか,その最中にLHCへの陽子ビーム入射に成功した,と前回のエントリーでお知らせしましたが,10日には,6.5TeVへの加速に成功しました。それに関するCERNの記事にあるように,リング2つありますが,片方のビーム(2本ビームがあるので,ビーム1,ビーム2と呼んでます)だけ入射し,約6E9個の陽子ビームを6.5TeVまで加速しました。加速している最中に陽子ビーム数はそれほど減っていませんから,ビームロスがそれほどなかったことがわかります。

KEKに異動して色々な情報がリアルタイムで手に入れられるようになったので(自分の身の回りにLHC/ATLAS関係者がたくさんいるので,そういう人たちから色々な話が入ってくる),加速成功直後にこのニュースを聞いていたのですが,ことあるごとに送られてくるCERN所長からのメールが来ないし,ATLASグループの執行部からもメール等が流れてこないので,おおっぴらに宣伝していいのか迷っていたのですが,すでにCERNのウェブサイトにこの話が載ってるよという話を昨日になって聞き,それでこのブログでもようやく取り上げました。

なんで大々的に宣伝しないのかわかりませんが,とにかく,また一区切りというか,一歩前進ですね。ビーム1の加速にも成功してるのかどうかは私把握していませんが,もしそれに成功すると,後はいよいよ衝突ということになります。13TeVという数字が目前に迫ってきました。

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LHCに陽子ビーム再び

約2年ぶりにLHCにビームが入りました。

ビームエネルギーを4TeVから設計値の7TeVに上げるべく,周長27kmにも及ぶリングの電磁石間の電気的接続の整備および安全装置の追加作業を経て,LHCはようやく再開しました。今年度はビームエネルギーは6.5TeVまでにしか上げませんが,それでも衝突エネルギーは13TeV。8TeVに比べると重い未知粒子探索のポテンシャルは桁違いです。

その第一歩として,現地時間の4月5日にLHCに450GeVの陽子ビームを入射しました。1週間くらい前までは...と,細かい話は抜きにして,もしかしたらここまですぐにLHCの運転を再開できないかもしれないという危惧があったのですが,イースター前の先週,問題を解決することができました。先週のミーティング等での様子では,先週末がイースターホリデーだったので,その休暇明けの今週月曜以降,おそらくは月曜あたりがLHCへのビーム入射のターゲットだという話だったのですが,その予想に反して,イースター中の日曜にビーム入射がありました。

その詳しい話は,
KEK素核研のサイト(しょうたくん頑張ってます)
とか,
ATLAS日本グループのサイト
をご覧下さい。

これからしばらくはビームの調整,そして,6.5TeVへの加速。これらが衝突なしで行われ,2ヶ月後くらいに陽子陽子衝突となる予定です。6月初めくらいから衝突開始,ATLAS(およびCMS)ではデータ収集を開始する予定です。って,細かいことを言うと,陽子陽子衝突をしてなくても,検出器サイドではDAQおよび検出器の調整その他諸々の理由でデータは取っています。もうだいぶ前からシフトが組まれていて臨戦態勢です。

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LHCの運転再開というビッグニュースの影で,私もKEKに着任しました。ATLAS日本グループの共同代表(T大のAさんと私),そしてKEK ATLASグループのリーダーという重責を担うことになり,身震いする思いで新年度を迎えました。しばらく更新していませんでしたが,これからもできるだけこのブログを続けていくつもりです。

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