ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

日常生活で感じる世間の相関

実験をやっていて,何か理解できない現象を考える時や,測定器のデバッグをする際には,とある測定量や振る舞いと他の何かとの相関を考える場合がよくあります。別に私たちの実験に限らず,何かを研究する際にはそういう手法が広く使われているのではないかと思います。

自分自身,実験に限らず日常生活で目にすることと何かの相関を考えるのが好きで,本当にしょうもないことを歩きながら考えていたりします。あるいは,こういうパターンの行動をする人は,こういうグループの人たちに多い,というような博物学的分類(?)をして楽しんだりしています。たとえば,何人かの人に言ったことありますが,喫煙者と缶コーヒーを飲む人は同じ母集団ではないかと感じています。もちろん,一般的な傾向を議論しているのですから例外はいくらでもありますし,真面目な議論をしてるわけではなく,単に私の主観を言い放っているだけなので,山ほど反論はあると思いますが,私には喫煙者と缶コーヒーを飲む人が同じに見えてなりません。

たとえば,自動車の運転をしていて,追い越し車線をのろのろ走る人と,広くもない歩道の真ん中をのろのろ歩いて全体の流れを遮っている人も同じ人たちなんだと思いますが,それについては,当然そうだろうと思うわけであまり不思議ではないのですが,煙草と缶コーヒーとの関係についてはなぜ相関があるのか興味深いです。いや,さっきから繰り返しているように本当は相関ないのかもしれませんが,あると仮定しての話です。

煙草と缶コーヒー,味覚が同じ方向なんですかね。私自身煙草を吸ったことはあっても日常的に吸う習慣を持ったことはありませんし,缶コーヒーはできれば飲むのを避けたい飲食物なので,自分自身では判断できないのですが,似たような美味しさがあるのですかね。特に缶コーヒーと言ってるのは,無糖,牛乳なしのやつです。甘くて牛乳が入っているのはコーヒー牛乳という別の飲み物で,私が今缶コーヒーと言ってるのは,私には苦みと渋みしか感じない無糖の黒い液体のことです。

そうだ,ちなみに,私は飲食物の嗜好は宗教だと思っているので,人に対して何が美味いとかマズいとか言うのは本来避けるべきだと思っています。好きか嫌いかを言うのはいいですが,美味いとかマズいという主観を人に押し付けるのは,自分の性癖を他人に押し付けているのと相似としか思えません。特に,美味しいというのはポジティブだからまだいいけど,マズいことを強調するのはなんだかなぁ,と思っています。そんなわけで,無糖の缶コーヒーを自分自身が美味しいと感じたことはありませんが,それを好む人がいることは自分自身は理解できなくてもそれほど不思議だとは思っていません。

で,話を戻しますが,一見相関がある理由があるとは思えない所になんらかの相関らしきものを見つけると,その相関の原因を考えるだけで,私は電車内での時間つぶしが十分できてしまう幸せな人間です。何か他に,そういう面白い相関ってないですかね。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

Hさんセミナー

しばらく前に書いた通り,昨日は現象論理論屋のHさんのセミナーがありました。基本SUSYに関する内容でしたが,その他にも私が普段から気になっている小さな疑問を悉く潰してもらったので,私にとっては非常に勉強になり,そして疑問が解消してすっきりとすることの多い,とても楽しいセミナーおよびその後の質疑応答でした。Hさんもしょっちゅう言ってますが,やっぱり物理の議論は楽しいです。

自分の中で気になっている数多くの疑問に答えてもらった上に,セミナーの内容も盛りだくさんだったので,具体的に何かの話を書こうと思ったとき,どのトピックスを選べばよいのか迷いますが,セミナーを通しての一番のメッセージは,ゲージ対称性はflavor blindなので,模型を作る時にはそこが難しい。理論屋からその理論屋の好きな模型の話を聞く時は,必ずその部分を確認せよ,ということだった気がします。それに加えて,自分の興味と共鳴するわけですが,湯川結合は本当に謎だらけで,結局あらゆる模型でも理論でも手で入れてるようなものですね。ストリングとかまで行けば違うのかもしれませんが,現象論の模型では少なくとも謎のパラメータです。

その辺りは多くの人が怪しいし不思議だと思っていて,だからこそ湯川を色々な角度から検証したいと私も思っています。まずは精度を上げることが重要ですが,次に何を見ればいいのか,何に対する依存性(微分断面積)を見ればいいのか,実験的に近未来に測れそうなのが何なのかを考えてみるのは楽しそうです。

Hさんセミナーありがとうございました。王碌待ってます。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

放射線作業従事者登録のための試験

来月RCNPでビームテストをやるので,RCNPでの放射線作業従事者登録をしなければなりません。私は過去に登録してあったので,新規登録の必要はないのですが,継続の手続きおよび教育訓練と試験を受けなければなりません。最近色々な研究所で採用している,ウェブ上のビデオとかスライドなどの資料を見て試験に答えるというスタイルなのですが,その試験の難しいこと。普通はビデオなりスライドになっている教材を読めばわかる,あるいは,常識的に考えて人間が放射線を浴びないように,あるいは,事故を防ぐという基本原理さえ抑えておけばわかる問題が多いのですが,RCNPのは教材だけ見てもわからず,読みにくい条文からなる予防規程まで読んでもわからない問題があります。

ビデオの中でも説明されていましたが,J-PARCのハドロンホールでの事故があったので,それを教訓として厳しくなったのかもしれませんが,いや,それにしても,予防規程を全部読んでも正解がわからない問題というのは凄いです。

そういえば,J-PARCでは,ハドロンホールにようやくビームを出せるか,出してよいかについての許可をようやく地元の自治体から貰うという段階に来ていたのですが,今度はMLFという施設でぼや騒ぎがあり,何やら暗雲漂っています。今週の火曜に自治体とJ-PARC上層部との話し合いが持たれ,そこでハドロンホールにビームを出してもよいという最終確認という段取りだったようですが,それを言い出すのが難しくなってしまいました。昨日は高エネルギー委員会だったのですが,これについて皆が心配していました。どうなることか。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

予算案と大学改革

ちょっと前に来年度の国家予算案が決まりました。支出はどんどん膨れてまた過去最高。税収がここ何年かに比べて増えてるとはいえ,消費税の影響もあるでしょうから,実質的には大して増えてはいないはずですが,支出はどんどん膨らみます。自分の収入を超える借金ができるのは羨ましい限りです。って,いや,もちろんそんなの良いことではありませんが,今日書こうとしているのはちょっと違う話です。

支出が過去最大になり,例年通り年金や医療費は羨ましいくらい増えていますが,文教および科学振興というジャンルは今回は1.3%の削減です。さらに,しょっちゅう書いていますが,国立大学法人は毎年3%程度予算を削られていて,本当に単調減少。このままどこまで減らされるのかという勢いです。ということは,逆に,文教および科学技術分野のどこかはそれほど減らされていないか,あるいはむしろ増えているところも当然あるわけで,それがどこかというのが今日のネタです。

一体どこなんでしょうね。調べてみようと思い立ち,財務省のサイトにある資料を眺めてみました。まずは一番身近な国立大学の運営費交付金はマイナス1.6%。3%というのはここ何年かの平均ですし,大学によって違いますから我々の認識とほぼ同じ感じです。大きく減らされているのは科学技術振興なるカテゴリーでマイナス3.9%。大きいです。増えているのは,基礎年金日本私立学校振興なんちゃらというカテゴリーで6.9%。増加率多いですが,そもそもの予算規模がそんなに大きくないのでなんとも言えないところです。で,名前繋がりで私学助成を見てみるとマイナス0.3%。国立大よりもいいマシ。私立大とはいえ,国立大の予算の半分弱ですし,その削減率が国立よりマシということは,国的には国立大はもう辞めて段々私立にシフトさせようと考えているのですかね。そう思ってみて見ると,育英事業費はマイナス4.7%。金はないけど頑張ればなんとか行けるのが国立大。金持ちが私立大というステレオタイプから脱却して,金持ちだけが私立大学へ行き,大学運営からは撤退という将来構想でも描いているのかもしれません。

今見たのは,「文教および科学振興」主要経費というジャンルで,ほぼ同じ集合になってしまいますが,文科省の予算に眼を向けると,なぜか科学技術振興費というのはプラス0.6%になっています。つまり,文科省内の化学技術振興費用は増えているが,別の省庁の科学技術関連が大幅に減らされているということなのでしょうか。ちなみに,国立大学法人は当然のことながらさっきと同じくマイナス1.6%。運営費交付金は文科省から出てますから当然同じ数字になります。で,ここで注目するのは,文科省内の科学技術振興費が増えている点です。

ここに注目してさらに資料を眺めてみました。理研,あれだけ不祥事騒がれていますが,マイナス3%。不祥事を出してないのにマイナス5%とかある国立大学よりはやはり極めて恵まれています。ちなみに理研の予算規模は500億円強。科研費全部で2200とか2300億円。突出してます,理研。競争的資金を取る努力なんて馬鹿らしくて,内部政治に終始している人々がいても不思議ではない予算額です。他に羨ましいと思えるものを並べると,ポスト「京」。今年度120億円が来年度は400億円。物凄い景気の良さです。あと,予算増えてるわけではありませんが,ITERにも未だに200とか250億も出しているのですね。そりゃあまあ仕方ありません。条約(じゃなくて,なんて呼ぶのでしょう。協定?)がありますから,途中で金を払うのを辞めるわけにはいきません。しかし,最近どうなってるんでしょうね。何のニュースも入ってきません。あとは,やっぱり原子力関係の予算は膨大です。1600億円。で,結論は,予想通りというか,やっぱりというか,出口研究,科技庁系はこのご時世でも景気がよく,文教系は悲惨な状況です。基礎研究はやめて,出口研究ばっかりやれという普段のメッセージ通りです。

ちょっとだけ脱線すると,もともと予算額の小さい文化系。イメージ的に文教並みに厳しい状況なのかと思いきや,少しだけ増えている模様。うーむ,なぜここまで大学と基礎研究だけが虐められるのか。。。

なんてことを言って嘆いているだけでは,人を羨み僻むだけの負け犬になってしまいますから,どうしたらよいかを考えると... って,考えることもなくやっぱり大学および基礎研究をしている団体の改革が必要だと強く感じます。大学を法人化したときから,いやきっとそれ以前から改革が必要だという外圧があって,役所はその外圧に動かされているわけですが,大学は正直全然変わっているとは思えません。いや,運営費交付金を減らされる代わりによくわからん教育プログラムがたくさんできて,そのために時間と労力を使い,世間の風潮に従いわけわからん安全委員会だか,危機管理システムを作るために,教育と研究の時間を減らしているのは事実です。でも,改革をしているとは私には思えません。昔と同じく,教員は,アカデミズムだか,権力からの独立を唱える左利きばかりです。いや,昔に比べたらその度合いは弱くなっているのかもしれませんが,小さな商店を営む家庭で育った私から見ると,とてつもなく青臭い左利きばかりです。特に理学部にはその傾向は強く,これでは,世間の流れに付いて行けないし,文科省をはじめ,役人だって付き合ってられるわけありません。

理念として正しくても理念では飯は食っていけません。偉そうなことを言ってたって,戦争になったら昔の研究者は原爆を一生懸命作ったわけです。原爆を作れとは言われてませんが,世の中の流れに応じて変わらないとならない部分はあるわけで,そういうところを大学自らやっていかないと,世の中,役人から本当に見放されてしまうのではないかと強い危機感を持ちます。たとえば,どう考えても給料の差は教員間で5倍あるいは10倍くらいあってもいいと思うし,学生に対しても公平一律ではなく,優秀だったり,やる気のあるやつを優遇できるようにしなくちゃならないし,研究面だったら金だけでなく学生の研究室配属に各研究室の実力,端的には予算獲得能力なんかを反映させて,頑張ってる研究室とそうでない研究室の差をつけるべきだと思うし,って,まあ今言ってるのは私個人が考えてる感じてることなので,それがいいと主張するわけではありませんが,とにかく,内部から本当に改革しないと,このまま年率3%で予算を減らされ続けても文句言えないのではと思ってしまう今日この頃です。

うわっ,熱くなって,むっちゃ長いこと書いてしまいました。。。

大学 | コメント:4 | トラックバック:0 |

テレスコープ進捗

私たちのグループで力を入れて開発しているSVX4を使ったシリコンストリップ検出器(テレスコープ)に,ようやく完成の兆しが見えてきました。SVX4をコントロールするための信号とクロックとの相対位相の微調整が問題だと疑い,ながーーーいことデバッグ作業を進めてきましたが,存在するファームウェアをデバッグするという方向では問題解決は難しいと判断して,新しいファームウェアと呼んでもいいものを,KEKの教祖様の強力な協力をもとにYくんが開発していました。

昨日と今日はその教祖様に大学に来てもらい,Yくんと一緒に最後の詰めとも呼べるような作業をしてもらっています。大きな変更・修正作業は終了して,昨日の段階ですでにほぼ問題なくデータ収集ができるようになりました。この1ヶ月程度での開発の成果が大きく花開いたといえる状況で,あとやるべきことは,データ収集のレートを上げていき,タイミング関係の問題がどこで見えてくるか,あるいは,仕様上の上限にまで到達できるか,その辺を見極めるためのテストという段階です。

いやー,本当に素晴らしい進展です。Yくんの頑張りと教祖様の黒魔術力のコンビネーションの賜物です。頑固なYくんは教祖様の言うこともなかなか聞かなかったようですが,これで少しは何かを開発する際のコツを掴んでくれたのではないかと期待しています。また,ここまでテレスコープができてくれば,2月のRCNPでのビームテストでは,去年CERNでやったのよりも確実に良いデータが取れそうです。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

XMASSセミナー

数日前の告知通り,今日は宇宙線研のMさんにXMASSのセミナーをやってもらいました。非常に勉強になり面白かったです。私が今まで聞いたことのあるのとは違う角度から世界の状況をレビューしてもらったのも面白かったですし,よく知らなかったXMASSのことがわかったのもよかったし,個人的には本当にセミナーに来てもらってよかったという印象です。

にしても,ダークマター見つかりませんね。というか,やっぱり不思議なのはDAMAでしょうか。あれだけ綺麗な季節変動をsystematicsで作るのは難しいと思うのですが,DAMAの示唆する領域は他の複数の実験で否定され,本当に謎です。理論屋さん的には,他の実験では見えずに,DAMAでのみ見える模型(?)を考えている人もいるそうですし,バックグラウンドで季節変動の説明をしようという試みも当然あり,非常に活発な議論がされていることは間違いなさそうです。

バックグラウンドとしては,この前の島根の研究会で,わき水の影響という疑いがあるという話をK大のMくんから聞いたばかりでしたが(わき水の出る量に季節依存性があり,水がバックグラウンドの遮蔽効果があるため結果として季節変動になっているのではないかという説。だったかな?),今日は宇宙線の季節変動による説もあるということを聞きました。地表に届く宇宙線の量に季節変動があるため,宇宙線による核破砕起源のバックグラウンドの量に変動を与えているのではないかという説もあるのだそうです。

地表に降り注ぐ宇宙線,特にミューオンは,地球の外からやってくる第1次宇宙線が大気中の原子と反応して生成されたパイオン等の崩壊によるものが多いのですが,夏は暑いので大気の密度が下がりミューオンに対する遮蔽効果が下がるので地表に届く量が増えるのだとか。冬はその逆。いやー,知りませんでした。知らないついでに今ちょっと調べてみたら,そういう季節変動をMINOS(?)で観測しているんですね。他の地下実験でも観測してるのかもしれませんが,そんなこと考えたこともなかったので,言われてみれば当たり前かもしれませんが,へーっ,となりました。

あ,話逸れましたが,セミナー面白かったという話でした。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

入試の試験問題の難易度

昨日は委員会があってKEKへ行ってました。委員会のあとにATLAS関連の打ち合わせをしたのでそのままつくばで一泊。今朝つくばを発ち,先ほど大学に戻って来ました。一昨日と昨日がセンター試験だったので,昨日の移動の途中,つくばでは受験生と思われる集団に遭遇しました。

そのセンター試験では,数学(?)の問題が難しかったというような記事をウェブで見かけました。この手の記事,というか,受験生がどの科目が難しかったとか易しかったとか言うのを聞くたびにいつも思うのですが,同じ条件で試験を受けていれば難易度を気にする必要はないのに,ということです。難しいのであれば平均点が下がりますし,自動的に合格の最低点が下がります。易しければその逆です。問題の難易度に一喜一憂する必要ないのに,なんで難しかったことを嘆きたくなるのか,その心情は今も受験生だった当時も理解できません。

自分が受験生だったときの感想を言うと,平均点は低い問題のほうがよいと思っていました。得意な科目であれば差をつけるチャンスだし,苦手な科目ならそれこそ平均点が0点に近ければ近いほど差がつきませんからラッキー。つまりどう転んでも平均点の低い問題のほうがいいなぁ,と勝手に思ってました。逆に平均点が高いということは,みんながデキてるわけですから,つまらないミスが全体の得点の差を作る原因になってしまいます。実力ではなくより運に左右される気がして平均点の高い問題は嫌でした。

なので,自分が受験生だったときには平均点の低い問題,難易度の高い問題のほうが嬉しかったのですが,試験制度として考えると,全員が同じ科目を受けない場合に不公平が生じてしまいます。学部でも学科でもなんでもいいですが,受験者全員が同じ科目を受けることにすれば問題が難しかろうが簡単であろうが話は簡単,公平なのでよいと思うのですが,そうなっていない場合もたまにありますよね。たとえば自分は物理が得意なのでセンター試験の理科は物理をやった,でも物理の平均点が化学や生物に比べて低いとしたら頭にきますよね。

だから,全員に同じ科目を課せればよいのですが,そうはなってないところに入試制度の難しいところがあります。受験生には色々な機会を与えろ,みたいな変な力が働き,平均点が同じになる問題なんて前もって作れないことは誰もがわかっているのに(ある程度はそろえられたとしても,平均と分散が同じにすることなんてできっこありません)全員が同じ科目で受験ということになりません。

入試に関しては大学教員の中で最も口外してはならない領域なのであまり色々なこと書けませんが,変な仕組みです。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

セミナー2つ

と言っても,私がするわけではありません。来週と再来週それぞれに,外部から人を呼んでセミナーをやってもらいます。他の研究室に比べて私たちの研究室は外から人を呼んでセミナーをしてもらい勉強をする,ということをあまりやっていないと感じていたので,今年度はなるべく人を呼ぼうと思っていたのですが,結局私の怠慢でこれまでに呼んだのはKEKのTくん1人だけ。

ということで,思いついたように,って思いついてテーマと人の調整はもうずっと前からしていたのですが,いきなりバンチして2人に来てもらうことになりました。

来週は,火曜の午後にXMASSの話を宇宙線研のMさんにしていただきます。

再来週は,月曜の午後に素論で昔私たちの大学にもいたHさんにSUSYの話をしていただきます。

もし,学内でこのブログを読んでいる奇特な方がいらっしゃいましたら,ぜひセミナーにご参加ください。どちらも15時よりH601です...エラくローカルな宣伝ですね。ははは。

ダークマターについては,まあ,今流行というのもありますし,研究室での論文紹介で異常に多くの学生がダークマターについてやるので,それなら1度専門家に話をしてもらうといいな,と前から思っていました。それがようやく実現するので楽しみです。

SUSYについては,研究会とかだと,現象論の専門家がどういうパラメータだと今の実験結果と矛盾ないかとか,実験結果との整合性を取るためのアイデア等の議論が多くなるのですが,研究室のメンバーにはSUSYを専門にしている人間がいないので,そこまで専門的ではないもっと素朴な疑問がたくさんあり,そういう素朴な質問に答えてくれる人と話をしたいという希望が,これまた前からありました。そういう意味で,何年か前の集中講義にH口くん(エイチクチと書いたのですが一瞬エロに見えますね。。あ,Hクチくんとエロとの間には何の関係もありません。)に来てもらいました。そのときと同じ発想で,知り合いのHさんに来てもらうことになり,これまた楽しみです。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

暴力以外は何でもありなのか

フランスの週刊誌を発行する会社がテロリスト(?)に攻撃された事件が話題になっています。特にジャーナリズムに携わっている人々は強く反応してるようで,私が読んでいる新聞紙上のコラム等でも極めて強く非難されています。

テロが悪い,殺人が悪い,なんていうのは当たり前で,犯人たちが非難されるのは当然でしょう。でも,私は,言論の自由を盾に(?)暴力以外なら何でも許されるという風潮には賛成できません。テロリズムを批判するなら理性的にきちんと批判すればいいのに,テロリストとは関係のないイスラム教徒までをもおちょくるような,極めて挑発的な記事だか漫画をマスメディアを利用して世間に流すことも非難されるべきだと感じます。ペンは剣より強し,ではありませんが,マスメディアの影響力は暴力を凌ぐほど今の社会では絶大です。その威力を利用して挑発しているわけで,ヤクザな私の表現だと,先にケンカを売った,しかも相手が我慢できないほど強くケンカを売ったのは週刊誌のように思えてしまいます。で,また,報復攻撃の記事です。目には目を,を地でいく報復です。

当たり前のことですが,この手のニュースでは世界は欧米の論理で動いているということを強く意識させられます。テロはだめだけど軍事行動はOKって,国際法上は正しいのでしょうが,小学生だか中学生の頃習った明治初期の不平等条約のことを思い出します。強い者が自分たちの都合で作ったルールで弱い者が踊らされるのは古今東西変わらないようです。ブルーハーツのトレイントレインの出だしですね。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

久々に4年生と作業

昨日は日帰りでKEK出張をしました。KEK滞在時間の極めて短い出張で時間の使い方としては勿体なかったのですが,貰っている(た)予算関連の成果報告とお金にかかわることだったので,万難を排して,って出張できない特定の事情もなかったわけですが,多少無理して行ってきました。これで来年度に少しでも繋がるとよいのですが,どうなることか。

ところで,そのヒアリングの最中,KEKのAさんの名前が出てこなくて大汗をかく場面がありました。いつも仙人と心の中で呼んでいるので,おもわず仙人って言っちゃいそうになって,でも当人が審査する人間の側にいたのでそれはマズいと焦ったら名前が出てこなくなって,いやー,本当に焦りました。発表というか,ヒアリングというかで,こんなに焦ったのは久しぶりでした。

週末の島根,そして昨日のKEKと出張が続いていた上に,先週は私が雑用に埋もれていたこともあって,4年生の卒業研究の進捗状況が気になっていたのですが,彼らと落ち着いて話をする時間を作れていませんでした。加えて,Iくん以外は体調不良等のためにあまり大学で顔を合わせることもなく,年が明けてしばらく経ちますが今日になってようやく彼らと研究の話をしました。

話を聞いてみると何やら検出器に問題があるらしいということで,今さっき少し一緒に作業をしてきたのですが,彼らが言ってた状況というのは検出器に問題があるわけではなく,なるべくしてなっていたということがわかり一安心したところです。修論も大詰めを迎えていますが,卒業研究も発表会まで残り約1ヶ月に迫り,指導教員としては検出器などのハードウェア関連のトラブルだけは起こって欲しくありません。もちろん,目標とする結果が得られるかどうかが重要ですが,それは当人たちがどれだけ頑張るかに大きく依存しています。教員としては,お膳立てをして,後は当人たちの頑張りに期待することしかできないので,そういう意味でハードウェアの不良で実験できない,なんていう事態だけは避けたいです。

ちょっと見る限り,今のところ大きな問題はなくて,4年生たちがどれだけ頑張るかというのが今の状況だとわかったので,それで一安心というわけです。ただし,実験の進捗が十分早いかというとそんなことはないので,4年生の頑張りに期待しているというのは今までと変わりありません。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

島根での研究会

一昨日と昨日は,研究会に参加するため,島根大へ行ってました。島根大理論のHさんと京大のNさんが主催するニュートリノを中心とした研究会で,ニュートリノとは関係のない私がなんで呼ばれたのかわかりませんでしたが,Nさんに呼ばれたし,Hさんは日本酒の美味いのがあるからぜひ島根へ来るべしと事あるごとに,本当にメールのやりとりのたびくらいに言うので,勉強のつもりで行ってきました。ついでに書いておくと,全く同時期に別の研究会にも誘われたのですが,声をかけてもらったのが島根の研究会のほうが先立ったので,こちらを優先しました。せっかく呼んでもらったのに全く同じ日程だったのは残念です。

研究会では色々思い白い話がありましたが,やはり一番面白かったのはHさんのトークでした。実験屋にもわかるようにゆっくり説明してくれたし,トークの内容そのものがLHCをやってる人間にタイムリーだったので,興味を持って,振り落とされること亡く付いていくことができました。個人的には数ヶ月後に始まる13TeVで何か見つかることを期待していますが,SUSYの雲行きが怪しいのは間違いなく,そういう状況を踏まえてSUSYを諦めないまでも理論屋さんが今どういうことを考えているのかを紹介してくれたので面白かったです。

その内容を自分のバイアスを入れて解釈し直すと,今までずっと言ってたように,やっぱりヒッグスの性質を色んな角度から測るのが一番重要だと再認識しました。よくわからんポテンシャルが存在してることは不思議だし,他に何も見つかっていないことを考えるとそのポテンシャルで何か別のことをやれないかと考えるのは自然というか,仕方がない発想なわけですが,よくわかっていないものだけに,ヒッグスをダークマターに絡める,あるいはインフレーションにまで絡めてみるという考え方は,原理主義でない私にはすんなりと受け入れられます。ただまあ,詳細については無理してる感は否めませんが。

そんなわけで,研究会を楽しんできましたが,松江を満喫する時間がなかったのは残念でした。自分の嗜好的には観光したくなる街で,今度は家族を連れて旅行に来たいと思う街でした。ただ,自分の家からだったら飛行機の方が圧倒的に楽だったかもしれません。今回松江は初めてだったのですが,往復ともに鉄道利用。岡山まで新幹線で行き,そこから在来線特急のやくもというのを使ったのですが,やくもは,乗ってる時間が長い(2時間45分)上に,振り子式のせいなのか,カーブが多いのに無理してるからなのか,よくわかりませんがとにかく揺れが激しく,ラップトップの画面に向かうと気持ち悪くなるのには参りました。特に,行きは準備の足りてない所を電車の中で仕上げようと思っていたのですが,全く仕事できませんでした。ホテルに着いてから,かつ,自分の発表は1日目午後の遅めの時間だったので,会場でもちょこちょこ修正を入れてなんとか準備を間に合わせました。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

PDGとか

いやー,だいぶ間が空いてしまいました。先週末から始動していたのですが,サボリ癖がつくとなかなか立ち直れません。今日から新学期が始まるうちの息子は,昨日の晩から今朝にかけて「学校行くの面倒だ」を連呼していましたが,その気持ちがよくわかるダメ親父です。

ですが,一念発起,今年一発目のエントリーです。

ここ最近何をやってるかというと,まあ,種々雑多なことを,本当に多岐に渡る細々とした仕事をしています。たとえば,物理学専攻のウェブサイトの新装をついでにウィキを用意せよと命じられていて,そのウィキの試用とか,来週しなければならない予算関係の報告の準備とか,セミナーに人を呼ぶ準備や案内とか,ホントに雑用としか呼べないような仕事の山と戦っています。

そんな中,唯一研究者っぽいのは,今週末の研究会での自分の発表の準備です。って,残念ながら仕事を抱え込み過ぎていて十分な準備はできていないのですが,とにかく,前に使ったスライドを元に新しい情報に置き換えられるものは置き換えるなど,ぼちぼちやっています。そこで資料漁りをしているのですが,一つ驚きました。PDGというのが素粒子物理屋が使うバイブルのようなもので,今までに存在が確認されている粒子の細かな性質一覧から,最新の研究成果に基づいたレビュー記事等がぎっちりと詰まった雑誌です。去年配られた最新版を見るとそのページ数1676ページ。多くの人が電話帳と呼びますが,本当に分厚くて,バイブルというより広辞苑のようになりつつあります。

で,驚いたのが何かというと,ヒッグスのレビュー記事がすでに50ページ超だということです。いや,びっくりしました。発見前は,レビュー記事のところではなく,ヒッグスの一覧のところに記事はあったわけですが,レビュー記事の項目としてはまだ存在してませんでした。今確認すると,電弱相互作用のところに,わずかな記述があるだけです。(今ここで私がレビュー記事と呼んでいるのは,仮想的な粒子や仮説は載らずに,「確立された」と考えられている項目について書かれたものが集められているセクションの記事のこと。)それが発見されてまだ2年半ですが,他の項目を圧倒する分量になっていました。

って,このネタは研究会でトークするときに掴みで使おうと思っていたのですが,おもわずここで書いてしまいました。まっ,いいか。研究会参加者で私のブログを読む可能性があるのはYくんくらいですから。それにしても,この分厚くなったPDGをメインテナンスしているバークレーの人たちって凄いです。。。

今年もよろしくお願いします。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |