ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

アカウント更新のときに

数日前にグリッドのアカウント関連の更新をしようとしたときのことです。

とあるサイトへ行き,ボタンを一回クリックするだけなのですが,そのボタンをクリックするときに「ルールを読んで,そのルールを守りますか?」というよくある設問がありました。ソフトウェアをアップデートするときなんかにもよくありますよね。いつも同様(?)長い規約を全部読むことなしに"I accept"ボタンを押したのですが,そしたら「一番下までスクロールしてませんよ」という警告メッセージが出てきました。うーむ,なかなかやりますね。思わず一人で爆笑してしまいました。

その話を研究室のメンバーのHくんにしたところ,最近はそのての警告がよくあるとのこと。でも,よくあるのは,一番下までスクロールしてない,あるいは,その画面が表示(?)されてからある一定時間以上経たないと(=規約を読む時間を想定),"I accept"的なボタンがクリックできないようになってるとか。クリックできるにもかかわらず,お前ちゃんと読んでないだろ,というツッコミを入れる仕様の今回の設定はなかなかお茶目で,コンピューティングの人の遊び心(?)を感じました。

ん?遊び心じゃなくて,規約を全部本当に読ませようとしてるのですかね???

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待機児童

マスコミ等ではたまに取り上げられる話題ですが,我が家では現在進行形の問題となっていました。

カミサンも私も実家が大阪から遠く遠く離れたところにあるので,親兄弟その他の親族からの育児のサポートが皆無です。しかも私が家に帰るのは子供が寝た後,週末もほとんど家にいない,となるとカミサンの育児への負担は相当なものです。たとえば,私は5週連続で休みなしという日程をこなしている最中なのですが,上記の状況からカミサンも5週間休みなく,しかも夜泣き等もありますから,私よりも過酷な日々を過ごしているに違いありません。

という状況+子供もそろそろ2歳ということで,保育所を探してカミサンが外に働きに出ようとしていたのですが,そこでタイトルのように待機児童問題に遭遇しました。経験してみると,ホントに厄介です。なかなか見つからないものです。仮にあったとしても,誰が送り迎えするんだというような不便なとこだったり,両親の共働きが条件で職探し中のカミサンの場合は共働きにカウントされず入所できなかったり...これでは,永遠に保育所を利用できません。

しかも腹立たしいのは,八つ当たりなのですが,保育所の送り迎えに祖父母が来られる家庭だったり,両親共働きではあるけれども二人ともパートタイムで家にいる家庭だったりが,保育所を普通に利用できるところです。祖父母からのサポートが受けられる家庭,両親ともにバリバリ働く意志のない家庭,のほうがルール上はうちの家庭よりも優遇されてしまうんですよね。はい,先に書いた通り単なる八つ当たりではあると思うのですが,社会全体の効率を考えると,バリバリ本気で仕事したい両親をサポートしたほうが得だと思うのですが,現実はそうはなっていないようです。

と,ごちゃごちゃ書きましたが,このタイミングでこういう話をするのは,ようやく保育所が見つかりカミサンも仕事を始められそうだからです。今朝も実は,子供を保育所まで送っていきました。これでカミサンへの負荷がわずかでも下がるのではないかと期待しています。

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学会雑感

大学に戻って来ました。

学会では特に印象に残った話というのはありませんでしたが,全体を通して,SUSYをやってる現象論の人達は,fine tuningを小さくするのはもう諦めてSUSYのスケールが1TeVよりも重かったとしたらどうなるのか,ということを考え始めているのだなということを感じました。ま,それはある意味自然ですよね,思ってたところにSUSYが見つからないのですから,SUSYで頑張ろうとしたらその方向に行くしかありません。いや,別の方向もあるのかもしれませんが,私なんかには全く見当がつきません。

宇宙線関係では,AMS02が陽電子過剰の結果をすでに出していたということを私は知らなかったので,それに関する講演はそれなりに興味を持って聞きました。PAMELAのexcessをほぼ再現しているのですね。しかし,反陽子のexcessはないみたいで(まだ発表してないのか,単に私が聞き逃してしまったのかはわかりませんが),ダークマターと解釈するのはやはり難しいようです。普通は(?)パルサーと考えるのが自然らしいですが,「そんな普通に考えるのではなく,無理してダークマターだと解釈できる理論を捻り出してくれ」みたいなコメントをしてらっしゃる方もいました。でもそういうコメントが出るくらいですから,やっぱりダークマターとして上手くいく理論を作るのは難しいのでしょうね。

講演全体を通して気になったのは,わからせようという気のない講演があまりにもたくさんあったことです。その研究グループの人でなければ絶対にわからないような説明をして,質疑応答も研究グループ内の人しか口出しできないような講演が多々あり閉口しました。マイクが入ってなくて声が聞こえないときはそれを指摘するようなタイプの人でも,あまりにも講演者のやる気を感じられなくて,声が聞こえないという指摘すらする気にならなかったと言ってたくらいのセッションもありました。スタッフでもそういう講演をする人はいて,もうそういう人達に対しては手遅れなのですが,学生に対しては指導教員がちゃんと指導してあげて欲しいものです。いい仕事をしているんだろうなということがわかる学生もいるのですが,いかんせん内容が全くわからないということがあって,本当に勿体ないです。

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高知大学での学会

ということで,木曜の晩から高知に来ています。

今までに訪れたことがなかった都道府県,というか県ですね,は4つあったのですが,高知県はその中の一つでした。高知といえば,かつお,桂浜,坂本龍馬というイメージがありますが,残念ながら桂浜というのは市内中心部から遠いのですね。朝早起きして散歩がてら行けるというようなところではないみたいなので,残念ながら今回訪れることはできそうにありません。しかし,かつおは堪能しています。学会に来るとメンバーを少しづつ替えながら連日飲みに行くわけですが,毎日おいしいかつおに舌鼓を打っています。

それはさておき,今回の学会ではATLAS大阪グループからは4人が発表。Iくんが別の内容で2回発表するという大技をかけるのでのべ人数でいうと5人なのですが,そのうちシリコン開発関連の3人が初日の午前中のセッション。解析を頑張っているOくんは昨日のセッション,そしてIくんのセッションが今からあります(今はセッションの休憩中)。これまでの4人の発表は特に問題もなく,それぞれの学年に応じた発表ができました。今からIくんが話す内容も,これまでにも同じ話題で何度も話してきた内容なので私自身あまり不安がなく,リラックスして発表を聞けそう。ということで,4(5?)人全員がつづがなくトークを終えることができそうです。

自分のグループの学生の発表以外で気になった内容についてはまた追々書きます。

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今年こそポジトロニウムか

4年生の卒業研究のテーマの候補にここ数年毎年あがっていますが,陽電子線源購入に時間がかかること(と線源の値段も少し)がネックになって,ポジトロニウムの実験はいまだにやっていませんでした。が,今年こそはやりそうな雰囲気になっています。

院試終了後の4年生の立ち上がりが早かったおかげで,ラジオアイソトープ協会にはすでに見積もりを依頼済み。規制の下限数量よりも購入予定の線源の強度が弱いことも確認し,明日にもで発注できそうな状況になりました。仮に2ヶ月後に納品されるとすれば,それまでの準備期間にしっかり準備を進めておけば,少なくとも大気中での寿命測定くらいはできそうな気がしてきています。

ただ不安は,私たちの研究グループ,というか阪大の素粒子実験グループでは,ポジトロニウム実験のノウハウが皆無なことです。色々な大学で学部学生の実験テーマとしてやってますし,教育ではなく真の研究テーマとしてポジトロニウムを使っているとこがそれなりにありますが,なぜか,私の知る限り私の周りではポジトロニウムをやってるところがありません。軽くでもやったことがあるのとないのとでは経験値が段違いなので,机上の空論しか展開してない私自身に多少(かなり?)不安があります。逆にやったことがないからこそ,モチベーションが高いといういのはありますが。

そんなわけで,今日は4年生と打ち合わせをして,これから何をやっていくか,準備していくかを相談しました。私は年末まで出張がちなので,私がいない間に彼らが自主的にどんどん準備を進めていってくれるかどうかが,実験成功の鍵を握りそうです。

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学会発表練習前日

ATLAS日本グループの学会発表者のレビューは一段落しつつあります。レビューする人間が私を含めて3人いて,その3人全員がOKを出すとATLAS日本グループとしてのレビューは終了。学会でレビューされた内容を喋ってもいいですよ,ということになります。もちろん,発表な細かな点については各学生の指導教員,あるいは所属する研究室内での指導が別途入ります。

一方で,私たちの研究室内での発表練習会は明日あります。ATLASグループだけでなくKaon実験をやってる学生も含めた研究室全体の催しで,学会の前の恒例行事(?)です。なんとか1日で全員を終えるべく,朝から晩までぎっちりのスケジュールとなりそうです。しかし,ぎっちりやっても明日1日で終わるのか微妙なところです。時間がかかるかどうかは学生の準備具合に依るわけで,彼らの準備具合に期待したいところですが,さてどうなることか。

ここ最近心配していたのは今度の学会でデビューするAくんの研究の進み具合ですが,なんとか発表するだけの内容ができてきたので,あとは発表の準備を頑張ればなんとかなりそうというところまで来ました。昨日も打ち合わせをして,初めてにしてはそれなりの準備具合だったので,明日は練習会でたくさんの指摘を受けるとは思いますが,20日の発表にはなんとか間に合いそうです。

さてさて,明日が楽しみです。

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将来計画へのインプット

CERNから戻ってきました。

そのCERNでのミーティングで一つ面白いと感じたことがありました。ちょっと前にSnowmass meetingというアメリカの高エネルギー物理の将来計画について議論する会議があり,そこでの議論内容を報告するトークがありました。将来計画を議論するためには当然将来の実験での物理成果の予想を各実験グループが報告します。私の興味をひいたのはヒッグス関連で,HL-LHCについてはATLASとCMSが将来予想を報告しました。が,Snowmass meetingでは,ATLASの結果はあまりにも悲観的で信用ならんから,CMSの出した結果だけを使って議論することになったのだそうです...。

常々ATLASの解析結果は保守的過ぎると文句を言ってましたが,そう思っているのは私だけではなく,アグレッシブなアメリカ人にとってはもはや信じるに値しないものになっているのですね。ATLASでは,あらゆる測定結果が1σに入るくらい大きな系統誤差を付けさせられることが多く,それゆえ,確率的に明らかにおかしいほどあらゆる測定結果が1σで一致してしまいます。というか,トップの解析を大阪グループではやっていましたが,トップグループなんて1σどころではない精度で(統計的には独立なものにもかかわらず)色々な値が一致してることがよくありました。

政治や民意と同じく,グループ内の方針も何かの勢いで流れが決まってしまうと,誰もがおかしいと思ってもその変な流れを断ち切るのは難しいものだと痛感します。別に私だけがこういう懸念を抱いているだけでなく,ATLASグループ内の誰と話しても同じ意見を聞くのですが,その方針は変わらないんですよね。類は友を呼ぶで,私が話をする相手がバイアスサンプルなだけかもしれませんが,少なくともアメリカ人の大多数は私と同じように考えているということが今回わかりました。

にしても,平均ではなく,ATLASの結果無視ですよ...。

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キャリーバッグ

飛行機に乗ると,特に,欧米の短距離線に乗ると思うのですが,キャリーバッグの機内への持ち込みをもうちょっと厳格に制限できないものなのでしょうか。むっちゃ小さいやつならいいですが,結構な大きさのキャリーバッグを持ち込む人が欧米人には多いので,座席上の荷物置き場に荷物が入らなくてなかなか搭乗が終わらない,出発できない,ということが多々あります。でもって,キャリーバッグを機内に持ち込む人はほぼ必ず別のバッグも持ってます。

多少搭乗に時間がかかるのはまだいいとしても,今回もそうだったのですが,デカイキャリーバッグを荷物置き場に入れるがために,もともと荷物置き場に入れてたキャリーではないバッグを自分の座席下に入れさせられることがあります。あ,今回は私が被害者ではなく私の斜め前に座ってた人が被害者だったのですが,これって不公平極まりないです。足元のスペースを削られるとしたらデカイキャリーバッグを持ち込んだ人なのに,そういう迷惑者のために自分の足元のスペースが削られるのって理不尽もいいとこです。今回の被害者も文句を言ってましたが,キャリーバッグを置けないことには飛行機が飛べないので渋々承知してました。

機内持ち込みできる荷物の大きさには当然制限がありますが,それをイチイチ調べるのは大変だと思います。代替案としては,キャリーバッグを持ち込む人はそれだけ,としたらどうですかね。そうすれば荷物置き場のスペースをだいぶかせげそうです。そうすれば,そもそも,キャリーバッグを持ち込む人減るだろうし。

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学会近づく

私はCERNに来ていますが,研究室の学生たちは学会が約1週間後に迫っているので,その準備に追われています(いるはず?)。ATLASグループのメンバーでは,博士課程のOくんとJくんは今までの研究内容の延長なのでそれほど苦労せずに準備できそうですが,修士課程のIくんとAくんはそれなりに大変そうです。

Aくんは,今現在,発表すべき結果を出すべく頑張っている最中なので,準備が大変というよりまだ実験が大変というphaseです。まだ実験をやっているところなので色々口出しする余地,一緒に考える余地がたくさんあるのですが,M1の彼にとっては私のアドバイスを短時間では消化しきれていないようで,もう少し時間が欲しいところです。

一方のIくんは,1回の学会で2つの講演という離れ業に挑戦。研究成果はコツコツと積み上げてきたので発表するに値する内容がすでにありますが,流石に2つの講演準備は大変そうです。特に,片方の講演は彼にとっては初めてのテーマなのでその準備に手間取り,もう一つの手馴れているはずの発表の準備にまで手が回っていない感じです。でも,できるアドバイスはすでにしてあるので,今はIくんの頑張りに期待するのみです。

学生さんがそのように頑張ってる一方で,学会が近づくと恒例の行事が私には別にあります。ATLAS日本グループ内の学生さんの発表の内部審査(?)です。あまりに無茶苦茶な結果を発表されると信用問題に関わりますし,ATLASグループ内にどういうプロットなら見せてよいというルールがあるので,そのルールから逸脱しないかチェックするという意味もあります。今回も10人以上の学生が発表するので,これから彼らの発表予定のスライドを全てチェックしなければなりません。

というようなことを,ミーティングの合間,人との打ち合わせの合間にCERNに来てまでやっています。

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今週はCERN

今週はCERNに来ています。先々週はストックホルム,その後1週間だけ日本にいて,今週またCERNということで,私の体はいつが昼でいつが夜なのかわからなくなってるようで,変な時間に眠気が襲ってくるとか眠れなくなるとかではなく,一日中ボーッとしています。ミーティングやら人との打ち合わせやらあるのですが,こんなにボーッとしていて大丈夫なのか不安です。

不安といえば,初の学会を前にして研究が足踏み状態のAくん。発表まで10日間となりましたが,さてどこまで頑張れるか。

そしてもう一つの不安が秘書さん。体調をだいぶ崩してしまったみたいでしばらく大学を休んでいるのですが,大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配です。

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大型小学生

長男と2人でファミレス風レストランに行ってきました。

彼にはドリンクバーを付けたのですが,小学3年生以下の子供はドリンクバー無料ということがわかり息子ともども小喜び(長男は3年生)。が,しかし,伝票を見るとドリンクバーの値段が加算されています。軽い間違いなので軽く指摘して修正してもらったのですが,こういうのって何となくバツが悪くありませんか。なんというか,うちの子供が小学4年生以上なのに3年以下だという嘘の主張をしてる(とは誰も思わないかもしれませんが)みたいで。

確かに長男は背が大きくて,クラスでも2番目(?)くらいの大きさなんですね。彼を初めて見た人は6年生くらいに思うことも少なくないようです。なので,店員さんが彼のことを3年生以下だと思わなかったのも致し方ないことなのですが,だからこそ余計になんとかならんのかと思ってしまいます。ドリンクバーを頼んだ時点で店員さんが年齢を聞くということをマニュアルに加えてくれると大いに助かる気がします。

しかし,これから,同様のことを経験しそうです。電車の切符なんかも小学生と中学生の間という微妙なところに閾値がありますし。ズルしてるわけじゃないのに,心の負担を負わされるのってちとやりきれません。って,私みたいにすぐに反論できる人間にとってはホントは大した問題じゃないですけど,クレームを付けることを躊躇する人も世の中には大勢いますよね。そういう人にとっては鬱陶しいことなんでしょうね。

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健康診断に放射線講習

今週は落ち着かない週だということを昨日書きましたが,普段はないイベントがまだまだ続いています。

昨日は大学の健康診断がありました。先週ストックホルムでかかった風邪がまだ抜け切っていなくて,正常からはかなりかけ離れた状態なので,血液検査あたりできっと異常値が出るに違いありません。というか,もし異常が出なかったら血液検査の精度を疑ってしまいます。

色々な検査があるのですが,血圧測定は笑ってしまいました。というのも,最初に測定したら大学だか日本の医療機関が定めている正常値よりも少しだけ高血圧になったところ,もう一回測ってみましょうと言うんですね。私はそんなの気にしないからそのままでいいと言ったのですが,そんなこと言わずにもう一回測りましょうと言われて無理矢理2度目の測定をされてしまいました。で,その値が,正常値の範囲内に戻ったところで測定終了。いやー,大笑いです。私たちの世界だったら,質量Xという特定の値を選ぶ事象選択をしたようなものです。こういう事象選択をすれば,バックグラウンドからも質量ピークを作れます。新粒子がじゃんじゃん見つかって素晴らしいです。

そして今日は,放射線の取り扱いに関する安全講習を受けました。何度も豊中キャンパスで講習はあったのですが,残念なことに,その全ての日に私は出張をしていたため講習を受けることができずにいました。そこで,もう腹をくくって,面倒ですが吹田キャンパスまで講習を受けに行ってきました。

例年,1時間は法令に関するつまらない話。そしてもう1時間は,放射線が人体に与える影響というような放射線医学関連の講義となっています。今回は,その後半部分はビデオだったのですが,非常にわかりやすい解説,かつ,内容的にも誰もが興味を持つ内容で,先日の教員研修でのメンタルヘルスの話同様,非常に興味深く聞くことができました。具体的には,放射線と発癌率の関係,特にわずかな量の放射線を浴びた時に発癌率が変わるのかという,非常にホットな話題でした。

結論は(私たちの?)世間で言われているように,発癌率に影響を及ぼしても不思議ではないが,易学調査の誤差の範囲内では有意な差は認められていないということでした。よく言われているように色んなモデルが乱立していているが,どれが正しいのか検証できていないようです。

その講義で私が驚いたのは,癌の死亡率が県別に非常に大きく違うことでした。プラスマイナス10%,最も高い県と低い件では20%近くも違うのですね。驚きです。ちなみに,この死亡率の違いと県別の自然放射線量との相関も調べていましたが,普通に考えて予想できるように,全く相関はありませんでした。県別の自然放射線量の違いは1mSvくらいなので,その程度では全く違いは表れないようです。ちなみに,低線量で発癌率が変わるかという調査で使われていた目安の線量は20mSvで,もしとあるモデルを信じるなら1%程度の違いがあってもよいが,その違いを実証するにはいたっていないということでした。

しかし,何が原因で県別の違いがそんなに大きくなるんでしょうね。癌になる前に別の理由で早く死ぬのか,食べ物かなんかの違いでそこまで大きな差を生み出すのか,易学調査の対象としてなかなかに興味深いです。

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教員研修

今週は色々とバタバタしています。月曜は大学院入試の判定会議,そして火曜は急遽M1のAくんにKEKまで行ってもらわないとならない事態が発生。まさに緊急事態でした。しかも急遽行った先のKEKでも,私が慌てて人に電話をかけまくらないとならないような擬トラブルが発生して,他にもやらなければならないことがあったのですがそれがだいぶおろそかになってしまいました。ちなみに「擬」の意味合いは,そのときはトラブルだと思ってAくんともども大慌てだったのですが,実は,それはUさんという人の勘違いだったということがわかり,実はトラブルではなかったというつもりです。

そんなこんなで慌ただしかった月曜と火曜に続き,昨日はAくんが実験で使うボードのパーツ探しにバタバタとしました。なにしろ,そのボードを使っての試験結果を2週間後に控えた物理学会で発表しようとしているのですから,それは慌てます。AくんがKEKからの帰りに大阪の日本橋の電気屋街まで足を運び部品を買って来たのですが,結局それが欲しい部品とは微妙に配線が違い,その辺ではなかなか売ってないものだと判明してしまいました。通販でもその辺のパーツ屋では売ってなくて,取り寄せるのに少し時間がかかりそうです。というわけで,別のボードからその部品を取り外して流用するということにしました。

というように慌ただしいなか,昨日の午後はFDがまるまるありました。って,FDってなんだかわかりますか?Faculty Development の略なんだそうです。普通に教員研修と言えばいいのに,と,またまた年寄りくさいことを考えつつ4時間を超える研修に行ってきました。

その教員研修は,4人の人の講義からなっていたのですが,そのクオリティの落差が激しいこと。普通,教員に教え方を教える研修なのですから,講義・講演の上手い人が話をするのではないかと思うのですが,最初の2人の話はかなり酷い内容でした。理念に一般論に心構え,聞いても役立つ話が何一つなく,だからといって話術が優れているわけでもなく,相当に辛い時間でした。最初の人のはその教員研修の挨拶みたいなものなのでまあ仕方ないかとは思うのですが,2人目の人の講義は最初の挨拶みたいな講演を除くと唯一のプレナリーだったのでメインな講義のはずだったと思うのですが,その内容の無さには参りました。

一方で,メンタルヘルスについての話は物凄く勉強になりました。最近問題を抱えている学生の症状・タイプを3つに分類して解説してくれたのですが,その内容が「あるある」状態で合点のいく解説ばかり。さらに,タイプ別の対応に関する具体例を説明するのですが,その対応策がまた素人の私には思いつかないけど,言われてみると「なるほど」と思うものばかりで,非常に有意義な講義でした。

せっかく時間を割いて話を聞きに行くのだから,有意義な話をできる人を講師にするか,あるいは,自分が聞きたいと思う話だけを聞けるようなスタイルにしてくれると,また次回研修に参加しようという気になりますし,参加者も増えると思うのですが,今回の経験をもとにまた次行こうという気にはなかなかなりそうにもありません。

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先週の研究会で

先週のストックホルムの研究会で,オクラホマ大学というところの中国人ポスドクと仲良くなりました。まだ非常に若く,学生かと思っていましたが,つい最近学位をとってポスドクになったばかりということでした。その彼と晩飯を食べていたら,以前私に会ったことがあるという話になり,2人して考えたところ,昔,富士吉田というところであった国際スクールに私が講師として行ったときに,その彼は学生として来ていたということが判明しました。いやー,こういう再開ってのも案外嬉しいものですね。しかも,彼は私がどんな内容の話をしたかまで覚えていてくれました。講師役として話をした甲斐もありますし,そういうスクールに参加していた学生がこの世界で頑張っているのがわかり感激しました。

ストックホルムではもう一つ同じような出来事がありました。マルセイユ大の日本人学生とも話をしたり,飯を食べにいく機会があったのですが,その彼がこのブログを見てると言うんですね。初めて会った人,あるいは面識はあってもほとんど話をしたことがなかった人からブログを読んでると言われることがあるのですが,それも先のポスドクとの再開と少し似た嬉しさがあります。一方通行ですが,古く(?)から私のことを知ってる人に出会った
という意味で,妙なくすぐったさと嬉しさがあります。

ちなみに,こんな感じで「ブログ見てます」と言うのは,同じ高エネルギー物理業界の人が多いのですが,それ以外でも私の知らない身近なところで読んでくださってる方がいるようで有り難いことです。秘書のKさんから教えてもらいましたが,理学部の事務にも読者の方がいてくださるそうで,ありがとうございます。大学内部の職員の人々に研究内容を理解してもらい興味を持ってもらうというのは,チーム意識を持つのが好きな私にとっては嬉しいことです。

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重力に抗する電場

昨日のブログにも書きましたが,今朝の研究室のミーティングでの発表のために,昨日はひたすら1本の論文を読んでいました。結局実験の詳細は理解できず,グダグダの発表だったのですが,その実験内容は私にとっては非常に印象的であり驚きでした。

素粒子に作用する重力の測定うんぬんという話題を何度かしたことありますが,今回のもその系統です。電子に働く重力を測ろう,というか,正確には電子と陽電子に働く重力に違いがあるのかどうか検証しよう,という実験の一つに関する論文でした。原理自体は単純で,円筒形のチェンバーを鉛直方向に立てておき,その下から電子銃で電子を上向きに発射します。打ち出された電子に作用する電場が十分小さいか,あるいは正確に知ることができれば,チェンバー上端に設置してある電子検出器で電子を検出する時間を測定することで,電子に作用する下向きの重力の大きさを測ることができます。実際には,電子がいつ発射されたのか測定することができないので複雑な解析をしますし,まず何よりも実験的にはとてつも無く高い精度で電場の大きさをコントロールしなければならないので(10^{-11}eV/mの精度)難しい実験ではありますが,測定原理のエッセンスは先に述べたように単純です。

で,驚いた点というのは何箇所かあります。まず,最近よく聞くようになった(素)粒子の重力測定ということに,実は50年近くも前から取り組んでいたということに驚いたというか,人類って大して変わってないというか,技術は大きく進歩したように見えるけれども,人間の発想ってそんなに変わらないのだということが印象に残りました。中性子が重力をちゃんと感じているということが数年前に話題になったり,反水素の重力が話題になったりしましたが,全く同じことが遠い過去に考えられていたのですから。あ,ちなみに,中性子が感じる重力測定というのは1980年にすでになされているらしいです(間違いでなければ)。

でもって,先にも書きましたが,電場をコントロールするための努力が凄いです。いや,私たちに馴染みがないだけで,物性の実験をやってるなど他分野の人にとっては普通のことかもしれないのですが,温度勾配によって生じる電場やら,仕事関数の違いから生じる電場やら,普段考えたこともないような小さな電場を抑える取り組みがなされているのに驚きました。

そしていよいよ真打ちです。

円筒形のチェンバーの中には電子が自由落下しようとする重力mgと同じ大きさかつ同じ向きの電場が存在するのだそうです。

みなさん,知ってましたか?
たとえば物質中の電子を考えると,重力を受けてますから下向きに力がかかっています。けど,動いてない物質,ここではチェンバーの中の原子を構成する電子たちは下に動いているわけではありません。だって,モノが動いてないのですから。じゃあなぜ重力によって下に移動しないかというと,上向きに力が働いているからです。電子の素電荷が負ですから,上から下へ向かう電場が生じているはずです。mg + eE = 0 となるような電場が存在するはずです。符号があるとややこしいので大きさだけ考えると,mg/eの電場がチェンバー内に発生しているというわけです。

そして,驚きなのは,円筒形の物体の内径よりも内側部分,今仮にチェンバーの内径をa,外径をbとしますと,半径rがaよりも小さい分にもrに依存しないで,大きさmg/eの電場が生じているのだそうです。ちなみに,この計算をしたのは量子力学の教科書で有名なSchiff(ともう一人)でした。つまり,今説明した実験のセットアップだと,チェンバー内の電子銃から鉛直上向きに発射された電子には重力をキャンセルする電場が作用するので,あたかも無重力状態のようになることが予想されます。

こういう理論的背景のもと実験をやったところ,確かに測定の誤差の範囲内で電子に作用していた力(=重力とそれを打ち消す電場による力)はゼロだったのです。正確な数字を言うと,0.09mgよりも小さいという結論でした。測定結果は,重力と打ち消しあうというnull resultなので今ひとつimpressiveではありませんが,もし当初の予定どおり陽電子でも同じ実験をやれたら非常に面白そうです。同じ電場の中に電荷が反対の粒子を置くので,電子と陽電子の重力質量が同じであれば,受ける力の合計が2mgになります。これを測れたら物凄く面白そうです。

超冷陽電子(=凄く遅い陽電子)をたくさん作る方法ないでしょうかね。

上記の実験のポイントは,ほぼ止まっているような電子あるいは陽電子を使うというのがポイントです。私たちが通常扱っている粒子たちは光速に近いので,重力なんていう限りなくゼロに近い弱い力を受けても,その減速を観測することができません。なので,非常に遅い陽電子が必要となります。真面目に取り組む実験ネタとして非常に興味深いです。挑戦的萌芽(科研費の申請種目の一つです)にでも出してみたいくらいです。

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大阪に戻ってきて早々に

昨日の晩,予定通りに大阪に戻って来ることができました。が,実は今回の旅の帰りは結構大変でした。と言いつつ,昨日もこのブログを更新していたので,その大変さはあまり伝わらないかもしれませんが...ストックホルムでの研究会に出ている途中から体調を崩して,おそらくかなりの熱が出ていました。最終日の金曜は本当にフラフラで,研究会を終えたあとは,ホテルで翌日朝の出発までずっと寝ていました。移動中も,飛行機の中で,そして経由地の空港で,ずっと寝てました。その甲斐あってか,昨日成田に着く頃にはだいぶ復活して,ようやくブログを書く気になりました。

ということでようやく帰って来た大阪ですが,帰って来て早々に,いつものことなのですが問題発生。アトピーです。少し前にも書いたように私はアトピー持ちなのですが,大阪以外の土地だと症状がだいぶましです。CERNに行くと症状がほとんど消えることは知ってましたし,実家に帰っても大阪にいるよりもだいぶ症状が改善します。もちろん,どこへ行っても何か特別なことをするわけではないのですが,徐々に症状が良くなります。今回もストックホルムへ行くと,日々痒いところが減りました。

ところが,昨日大阪に戻ってくると,もう戻って来た瞬間にかゆみ爆発です。なんなんでしょうか,大阪。空気が悪いのか水が悪いのか,日本国内でも別の土地に行くとかなりましになります。自己暗示にでも知らないうちにかかってるんでしょうかね。でも昨日なんかは,大阪にいると症状が悪いということはすっかり忘れていて,かゆみに気づくのが明らかに先でしたから,自己暗示とも思えません。一つには,水が悪いのは明らかです。シャワーを浴びるとその瞬間にかゆみが吹き出しますから。あとは,蒸し暑いのが悪いのも間違いありません。肌が汗でべとつくと瞬間かゆくなりますから。でもって私は人並み外れた暑がりで,26あるいは27℃を越えたあたりからじっとしていても汗ばみ始めます。ということは,普通に生活してると死んだようにじっとしてるわけではありませんから,25℃を切るくらいじゃないと,肌は不機嫌です。そんなわけで大阪の長い夏は地獄です。

おっと,タイトルを書いたときは,大阪に戻って来た早々にアトピーが酷いという話を書くつもりではありませんでした。戻って来た早々なのに,明日の研究室のミーティングで文献紹介というものをしないとならなくて,その準備に手こずっているということを書こうと思ってました。内容が面白そうだったので,1960年代という非常に古い文献を読んでいるのですが,あまりに古くて実験方法というか,解析方法が今ひとつわからなくて苦労しています。いや参った。。

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JALの新機材

今回のストックホルム出張は,行きはヘルシンキ経由。帰りはパリ経由でした。日本からストックホルムを結ぶと,その途中にヘルシンキはありますので,行きは時間的に非常に効率的なルートでした。が,帰りはおもいっきり反対向きです。ほぼ日本とは逆方向のパリに一回飛び,そこから日本へ戻ってきました。って,今はまだ大阪に帰る途中です。今回は成田経由で,今,伊丹行きの便を待っているところです。

このブログでも書いているように私はJALをよく使うのですが,今回の日本⇔ヨーロッパ間のフライトでは行きも帰りも機内の内装が一新されていました。ちなみに行きはボーイング787に初めて乗りました。Y教授みたいなマニアにとっては感慨深いものがあるのかもしれませんが,私には違いは内装しかわからないので,行きも帰りも新しい機材かのような印象でした。

さてその新しい機材の内装ですが,明らかに(私にとって)良くなったことが2つあります。一つ目はまず,座席の間隔が前宣伝通り広くなっていました。確か宣伝では今までよりも10cm広くなってるはずですが,実感的にもそれくらいは広くなってる気がしました。JALの座席間隔は少し狭いと感じていましたが,これだけあれば前後のスペース的には私には許容範囲です。そしてもう一つ高く評価するのが,フットレストをなくしたこと。足元は狭くなるし,後ろの人がそれを出したり占めたり蹴ったりする人だと本当に最悪で,悪いことだけあって良いとこがないという感覚をもっていたので,フットレストがなくなったのは本当に助かります。あと,座席の背もたれの後ろというか,自分が座っているとしたら前の席の物入れなどがある部分のシェル構造がよりしっかりしたのも良い感じでした。後ろの人からの攻撃に対するダメージが少し軽減されているようです。

ところで,フットレストってホントなんで付けるのでしょうか。プレミアムエコノミーというのにはまだ付いていたようです。足が床に届かない人のためにあるわけですが,そんなに小柄な人,あるいは子供だったら,エコノミーでも十分な広さなわけで,足を床に置かずとも別の置き方があるはずです。実際,うちの子供なんかは座席であぐらかいたり,体育座りして,普通に快適そうです。ただでさえ狭い機内なのだから,より窮屈な大柄の人に配慮して内装を考えるべきだと思うのですが,いやホント,フットレスト理解不能です。

おっと,話を戻して,新しい機材でよくなったことを2つ書きましたが,明らかに悪くなったことも一つ。それは,個人画面にタッチパネルが採用されたことです。画面は大きくなったし,システムが新しくなったおかげで今までよりもゲームの反応等格段によくなっていますから,大きな改善点だとは思うのですが,タッチパネルだけは私は強く反対です。普通に操作する分には問題ないくらいの感度があると私は思うのですが,相変わらず(?)タッチではなく,プッシュしてくる人,(横で見ていて)プッシュしている人がいます。こういう人達を教育するの無理ですから,快適さのためにはやはりコントローラーだけの設定にして欲しいです。あ,ちなみに,タッチパネルだけでなく,今まで通りコントローラーも付いているので,それで操作してくれれば問題はないはずなのですが。。

あと,日本発の便の食事のクオリティはどんどん高くなってる気がします。今までも,日本発の便だとエコノミーでもクオリティ徐々に高くなってると思ってましたが,今回はさらにグレードアップした感じがします。トータルでは負けるかもしれませんが,この前アップグレードしてもらって乗ったルフトハンザのビジネスと今回のヘルシンキ行きJALのエコノミー食だったら,私はJALのエコノミー食に軍配をあげます。あ,でも,ヨーロッパ発の便の食べ物のクオリティにはやはり限界があります。ということは,もしかすると,航空会社の違いなのではなく,どこで食材を調達し調理してるかの違いなのかもしれません。とは言うものの,やっぱりルフトハンザの食事は酷いかなぁ。エアフランスの食事はもっとまともな気がしますので。

そんなわけでJALの新機材ですが,トータルでは今までより良くなってると感じました。

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