ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

慣れてしまったもの

まだだいぶ先のことなのですが,海外出張に備えて今電話でホテルの予約をしました。

最近は,ホテルを予約するにも電話をかけるとって滅多になくなりました。もちろん電話でも可能ですが,ウェブでホテルを探してそのまま予約,というパターンが多いのではないでしょうか。特に,このブログを読んでくださってる人々はそうなのではないかと思います。かくいう私も,電話で人と話をして予約をしたのは何年ぶりだろうと思うくらい久しぶりでした。

ちなみに,そのホテルにはウェブサイトもありオンライン予約可能なはずなのですが,故あってオンライン予約できず,メールか電話で予約しなければなりませんでした。時差もありますから,最初はメールを送りました。それも2回。しかし返事がなく,それで仕方なく先ほど電話したというわけです。

ウェブで予約すると予約番号その他が自動的にこちらの登録したメールアドレスに送られてくる,というのがよくあるパターンだと思います。私もそれに慣れきっていたので,今回はちょっと新鮮,というか,オペレーターから聞いた予約確認番号だけが頼り,というか微妙に不安です。昔はいっつもこのパターンだったわけで,それよりも便利,あるいは信頼のおける方法が確立されてしまうと,それ以前の方法が途端に不安な方法になってしまうというのは,人間心理ですかね。

何度も書いていますが,私は携帯電話を持っていません。持ったこともありません。よくそれで生きていけるね,ということをたくさんの人に言われますが,先の予約方法と同じで,新しい方法を体験していないので全然不便は感じません。ただまあ,周りの人の行動パターンが私とは違ってくるので,その点にストレスを感じることはありますが,それはお互いさまですから仕方ありません。

ウェブ依存の生活様式,携帯電話,なんでも慣れてしまうと,それがないと急に不安になるものですね。

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4年生予備実験

毎年恒例ですが,私たちの研究室に配属となった4年生は,前期の間に卒業研究に備えて,というか,実験の基本技術を習得するために,宇宙線中のミューオンの寿命を測ります。去年は,結局何が原因か今ひとつはっきりしないまま,寿命っぽいものが見えてはいるものの,崩壊の時間分布が今ひとつ怪しいままで終わりました。シンチレータとPMT,そして,CAMACによる読み出し,というように非常にシンプルな構成なので,いい加減にやってもわりとまともな測定ができるのですが,去年はかなり苦労しました。

そんな経験もあって今年はどうなるんだろうと思っていました。加えて,4年生実験のミューオンの寿命測定用TDCが,1回動かなくなるというトラブルがありました。4年生が自分たちでまず最初に較正するために動かそうとしたのですが,なぜか動きませんでした。スタートの信号を入れてるはずなのにカウンターが全く動き始めません。簡単なアドバイスをしてみましたが動かないので,後日,私が何が悪いのか調べようと動かしてみると普通に作動。じゃあ,ということで,そのままそのTDCを使い(なにしろ,私たちの研究室には数10μsという長い時間を測れるTDCがそれ1台しかありません)ミューオンの寿命を測ってもらうことになりました。

そして,結果を見せてもらったのが確か一昨日。崩壊時間分布は一目綺麗なexponentialになっています。Rootでのfittingの仕方をしらないということで,片対数のプロットの目視から寿命を求めていましたが,その値はちと変。ということで,fittingの仕方を教えて,寿命を計算してもらうと普通に約2μs。一目綺麗な時間分布が得られていたので,TDCのスケールの較正さえ間違えていなければ,正常な値がでるはずで,実際にも非常にまともな測定となっていました。

先に書いたような諸々があったので,すんなりと寿命測定できるかちょっとだけ不安だったのですが,その不安は杞憂に終わりました。予想してたよりも遥かにサクッと終わったので,逆に拍子抜けな感じもします。教育的には何かトラブルがあってそれをデバッグするというのが貴重な経験なのですが,そういうことがなかったのが良かったのか悪かったのか,悩ましいところです。まあ,4年生的にはすんなりと測定できたほうが嬉しいんでしょうけど,真に研究をしていくには,問題解決のプロセスを経験するというのはやはり貴重です。

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オフィスによる能率の違い

CERNに行くと,緊急の事務仕事がない場合は,大部分の時間を研究関連に費やすことになります。研究者としてあるべき姿ですから,それはそれでよいのですが,出張から戻って来るとその間放り出していた仕事の処理に追われることになり,1日か2日は真に研究以外の仕事漬けになります。もちろん,CERNにいる間にそういう仕事をしてもよいのですが,せっかくCERNに行ってるのですから,研究関連のミーティングに出たり,研究の方針の相談を現場にいる人としたいので,どうしてもそれ以外の仕事は投げ出すことになります。

たとえば,その典型は授業関連です。授業の予習をサボっていますから,その埋め合わせをしなければなりません。また,授業で集めた宿題の回答のチェックなんかも当然CERNに行ってる時にはしませんから,そういう作業も溜まってしまいます。これはわかりやすい一例ですが,他にも細々としたことがたくさんとでてきます。

そういう仕事をこなしていて感じるのは,私の場合,仕事の効率が物凄く場所依存します。というか,大学の自分のオフィス以外だと集中して仕事をやれません。私だけじゃなく多くの人がそうなのかもしれませんが,原理的には同じことをできる別の場所,たとえば,家であったり,出張先のミーティングルームであったり,ホテルであったり,そういった場所もあるのですが,そういう場所では私の場合全く仕事が捗りません。

机の上が片付いているわけではありませんが,いつもあるべき場所に計算機やら筆記道具があり,いつもあるべき場所に辞書や教科書があり,いつもあるべき場所にマニュアルの類いがあり,いつもあるべき場所によく参照する論文があり,そういう状態になってないと,全く集中力がわきません。実際には,上記の類いを使わずにすむ仕事だってたくさんあるにもかかわらず,やっぱり,オフィスで落ち着いてやらないと効率が上がりません。それに比べて,どういう状況でもガリガリ仕事してる風な人もいて,そういう人はどうやって集中力を高めているのか,私にとっての謎です。

ごちゃごちゃ書いていますが,そんなわけで,昨日今日と溜まっていた仕事をバンバン片付けて,今はちょっと気分爽快になったところです。

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最悪のフライト

今回のCERNから大阪への移動では,おもいっきりネタができてしまいました。(今日の中身は,日曜に関空から伊丹空港へ向かうバスの中で書きました。)

金曜の夕方,collaboration meetingを終えてジュネーブ空港へ移動。自動チェックイン器械でチェックインを済ませゲートを目指してセキュリティを通過します。ジュネーブ空港のセキュリティでは昔チーズを没収されたことがあります。カマンベールみたいなソフトタイプは液体扱いになってしまうからです。今回は短期の出張だったので預けるような大きな荷物はなく,子供へのお土産として買ったチーズは手荷物に入れてあります。ただし,セキュリティを通過できるはずのハードタイプチーズしか持っていません。にもかかわらずドキドキしながらセキュリティを通過。めでたく何にも言われませんでした。

ホット一安心してゲートがどこか調べると,なんと,フライトキャンセルの案内が掲示板にあるではありませんか…。

すでにセキュリティも通過してゲート近くにまで来ています。ジュネーブ空港は一旦セキュリティを通過してしまうと航空会社のカウンターがないのでどうしていいかおろおろ。その辺のゲートでたまたま別会社のフライトの出発のためにいた職員に事情を説明すると,もう一回外に出てチケットカウンターに行くしかないとのこと。せっかくドキドキしながらセキュリティを通過したのに,また外に出ることになりました。

これだけでもウンザリですが,本当の試練はこれからです。そうです,フライトがキャンセルになったのですから,その便に乗る予定だった人が行列を作っています。しかも,普通にチェックインするのと違いますから,一人一人の処理に物凄く時間がかかります。待つこと1時間半,さらには,私の場合乗り継ぎ便がさらに2本その先ありますから,振り替えるのに一苦労。2時間くらいは結局カウンターの前にいました。

で,結論は,とその前に,本来の予定は,ジュネーブ→(ルフトハンザ)→フランクフルト→(JAL)→成田→(JAL)→伊丹でした。が,その日はジュネーブで一泊。翌日にルフトハンザでフランクフルトに移動,その後関空へのルフトハンザ便に乗ることになりました。いや,最悪です。1日足止め食った上に,家に近い伊丹ではなく関空です。しかも,うんざりした上にすでにチケットカウンターで長いこと待たされて疲れているのに,ホテルに行くのも一苦労でした。もう面倒くさくなってきたので結論だけ書くと,ホテルから車で5分くらいのところにあるホテルなのに,チェックインして自分の部屋に入るまでさらに1時間くらいかかりました。

ホテルは,設備自体はまあまあなのですが,食事が厳しかった。。もともと物価が高いジュネーブでそこそこのホテルのレストランで晩飯を食べようと思ったら最低一皿でも30フランくらいは必要です。が,しかし,ルフトハンザが提供したクーポンでは食事代は20フラン。飲み物はなし。「えーっ?」という感じです。前にフランクフルトで足止めを食ったときは,あ,ちなみにそのときもルフトハンザでした,ビール一杯だけは付いていました。そうです,ビール人間の私にはこの一杯の差は非常に大きいのです。足止めをくらい,疲れ果て,せっかく買ったチーズを捨てることになり,それなりにストレスが高くなったところにビールすら飲ませないという仕打ちに,もう頭のなかはルフトハンザ憎しで満たされました。

とまあ,これで翌朝の便で無事大阪に帰って来られた,というのならいいのですが,まだ一波乱ありました。

翌日のフランクフルトへの移動は順調でした。さらに,フランクフルトから関空への便では最初はエコノミーの席だったのですが,ゲートを通過してまさに飛行機へ乗り込もうというところでビジネスへのアップグレード。おぉ,ラッキー。足止めしたことへのわびなのかなと思いましたが,係員と話をしたら,別にそういうわけではなく単なるラッキーだとのこと。ホントのことはよくわかりませんが,まあ少し機嫌が直りテンションが上がります。

しかし…個人用画面が全く使い物になりません。JALに乗って将棋をやるとよくハングアップするということは経験則的に知っていて,将棋をやるのはハングアップしてもいい時と決めているのですが,今回は最初からシステムが立ち上がりません。というか,システムは立ち上がっているのですが,映画も音楽もゲームも,何を選択しても現在このプラグラムは使用できませんのメッセージが返ってきてしまうのです。私だけでなく,横に座っていた人達も同様の症状。そこでリブートを2回ほどかけてもらうのですが,結局症状は治らず,映画も音楽もないままのフライトとなりました。

噂には聞いていましたが,ルフトハンザの食べ物のクオリティはかなり低く,ビジネスなのに心躍るような食べ物も酒もありません。その上,過去2日間の経験もあり,もうルフトハンザは絶対使わないぞと心に決めました。と,そのタイミングで,乗務員が私を含めて個人用画面が使えなかった乗客に,JALのときと同じように,お詫びの印としてマイルかルフトハンザの免税品50ユーロ分のクーポンのどちらかをくれると言うのです。

その瞬間私はキレました。普通ならジュネーブで足止めのときに文句を言うのですが,ジュネーブ空港にはルフトハンザのカウンターがないんですね。同じグループのスイス航空が乗客を捌きます。私が文句を言おうとしたら,ルフトハンザのクレーム係の連絡先(電話番号とメールアドレス)を渡され,そっちに言ってくれとのこと。確かにそれはそうなのでそれ以上は何も言えず,というとこあたりから堪っていたストレスが爆発です。ルフトハンザのマイルなんて貯めてないし,ルフトハンザにこれから乗ることもない,だからお詫びの印になんてなってない。しかも…と昨日からの事情を説明。いや,わかってますよ。昨日のフライトがキャンセルになったことと,今乗ってる飛行機の個人用画面の故障には何の相関もなくて,私が単にありえないくらい運が悪いんだということは。頭ではわかっていても,もうどうにもなりませんでした。

と,本当に長くなったのでここら辺でやめますが,苦情を言っても事態は改善せず。単に貴重な一日をルフトハンザに潰されただけに終わりました。最悪です。天気その他の不可抗力によるキャンセルじゃなくて,突然その便だけが欠航。しかも今回の場合は,グループは違いますが,ルフトハンザがJALに提供した席で,完全な独立の便ではありませんでした。なのに,なのです。あー,頭にくる。

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CERNの一般向け公開

今年はCERNの一般向け公開が行われます。毎日多くの一般の人の見学を受け入れていますが,もっと大々的に一般公開を何年かに一回やっています。

で,今ミーティングで知ったのですが,今年その一般向け公開があるそうで,それが9月末。前回がいつだったかは忘れましたが,2日間で7万だか8万人の人が来たそうで,今回は10万人は来るのではないか,もしかしたら20万人くらい来るかも,という予想なんだそうです。いや,驚きです。万人単位じゃなくて10万人単位で人が来て,って,そんなに多くの人がどうやって来るのか(=交通手段)謎です。臨時のトラムやらバスやらを準備するのでしょうが,それにしても凄い数です。でもって,そんなに大量の人が一挙に押し寄せてきて,どうやって見学してもらうのか等々,もはやデカイコンサートなどのイベントを取り仕切るような大仕事です。

ちなみに,前回はLHCが動き始める前だったので,実験装置の凄さを見せるのがテーマだったそうです。今回はLHCが動いてヒッグスという物理成果も出たので,メインテーマは物理なんだそうです。実験装置を見せるよりも,物理についての説明をするというわけです。でも,せっかく見学に来るのならやっぱり実験装置を見たいな,と個人的には思います。物理の説明なら極論現地にこなくてもどこかで聞くことできますから。ただ,10万人単位の人を捌くということを考えると,やっぱり物理が中心になってくるんでしょうね。

日本だとKEKでも毎年やっていますが,毎年何人くらいが来るんでしょうか。普通に考えると,KEKの一般公開もかなりの大事業に見えるのですが,CERN桁違いという感じです。しかし,どこにそんなに人がいるんだろう?ジュネーブの人口って今調べましたが20万人くらいです。

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暑いCERN

物理解析が盛り上がって熱いわけでもなく,実験が山場を迎えて熱いわけでもなく,単に暑いです,CERN。昨日からCERNに来ているのですが,ジュネーブにしては非常に暑くて,気温が30℃を越えています。空調がダメダメだったりするので,あるいは心構えが違うから,日本の30℃よりも暑く感じます。

特に今回は,月曜は日本で授業を含めて通常通り昼間仕事をして,その後火曜未明に羽田を発つ夜行便でジュネーブに到着。朝の10時くらいにCERNに到着して,そこからまた1日が始まったので,なんというかシャワーに入って体をすっきりさせたいという欲求が極めて高く,余計に暑さが不快でたまりませんでした。ビジネスとかでゆっくり休めれば話は別なんでしょうけど,1日仕事をした後に夜行便で移動して休むことなくさらに1日仕事するというのは,やはり結構大変で,そんな諸々も重なって,昨日は身体的に本当に不快な一日でした。夜ホテルにチェックインしてシャワーを浴びて,生き返った心地がしました。

でも,そのシンドイ移動のおかげで,月曜に授業をして火曜からcollaboration meetingに出席できているのも事実です。ポスドクだったOくんが3月末で大阪を去って以降,実験現場であるCERNの動きに関する情報量が圧倒的に減っています。そこでなんとかcollaboration meetingくらいには出席して,自分の情報をアップデート。さらには,新たに解析を始めるJくんや,来年度博士課程に進学するIくんの研究テーマを考えるための情報収集や,それに関連して人と打ち合わせをするために,CERNにやって来ています。

無理してでもCERNに来てcollaboration meetingに出ると,やっぱり,物凄い情報量を集めることができます。というか,集めるつもりがなくても,ボケっとしていてもどんどん現地で起こっていることがわかります。現場で起こっていることをフォローしてなければ学生の方向づけもできませんから,私以外に大阪にはスタッフがいない現状を考えると,少し無理してでもなるべくこのてのミーティングには来ないとならないのかなぁ,と感じます。

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ホットピンセット

私たちATLAS大阪グループでやっている研究では,特に,修士課程の学生さんの研究では電子回路を取り扱っているので,はんだづけをする機会が多々あります。この3月に卒業したHくんや,今M2のIくんはその代表格で,表面実装と呼ばれる小さな部品をはんだづけしなければなりませんでした。

私自身は全然得意ではないので偉そうに言うなという話なのですが,はんだづけというのはなかなかに奥の深いものです。フェルミラボ時代にはテクニシャンの人達の腕前に驚き,最近はKEKのIさんという人の神業に驚き,というように,凄い人は本当に凄いのです。上記のHくんやIくんはIさんに指導をしていただき,特にHくんは大きく腕を上げていました。

一方,そういう訓練を受けていない私は全くの素人で,表面実装の小さなパーツの取り付けにはおもいっきり尻込みします。しかし,です。今日はじめてホットピンセットというものを使い,認識が少し変わりました。ホットピンセットというのは,その名のとおりハンダのこて先がピンセット状になってるものだと思ってください。はんだごてを2本使わずとも,ピンセットでつまむだけで表面実装用の米粒よりも小さな部品の取り付け,取り外しができるのです。

いやー,これは素晴らしいです。これがあれば私でもすぐに仮止めできるので,あとは落ち着いて普通のはんだごてで作業を進められます。その辺に転がっていた不要の基板を相手に試しに使ってみたのですが,あまりに上手くいくので驚きました。というより楽しくて,やる必要もないのに,抵抗やらコンデンサを取り外したり,新たに付けたり,とおもいっきり遊んでしまいました。これからは今までほど尻込みせずに,表面実装と格闘できそうです。

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実験室での雑談

今日の午後はスケジュール過密でした。

昼休み直後の3限は,Y教授が担当する物理学科1年生対象のセミナー的授業のピンチヒッターを先週に引き続きやりました。でも,その授業の途中から,週例のATLAS日本シリコングループのミーティングが始まっているので,授業が終わるとすぐにそのミーティングに途中から参加。しかしながら,16時からは大学業務の打ち合わせのために人と会う約束があり,ミーティングは途中からの参加にもかかわらず,先に退席。そしてその打ち合わせの直後の16時半からは物理学専攻の教室会議。それが終わったのが19時半過ぎだったので,6時間半ほど休憩なしでした。

というわけでへとへとだったはずなのですが,今,地下実験室で作業をしていたIくんとWくん,そして彼らを監督していた博士課程学生のEくんと雑談をしてきて,すっかり疲れがとれました。実験を一生懸命やってる学生と一緒になって手を動かしつつ,研究の話や,それに関連した雑談をするのは本当に楽しいです。それから真面目なことを言うと,私が楽しいだけじゃなくて,そういうリラックスした状況でする研究の話が実は学生の足腰を鍛えることになります。

そういう雰囲気を作りたいし,そもそもそういう機会を多く作りたいとは思っているのですが,学生の作業タイミングと私が実験室を訪れるタイミングがなかなか合いません。今日のような雑談タイムをなんとか増やしていきたいものです。

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ミューオンもパイオンも知らなかった時代

The Experimental Foundations of Particle Physics という有名な本を今日ちらっと眺める機会がありました。この本は,素粒子物理学の超有名な論文を基本的に集めただけの本で,各章のはじめにその章で書かれている内容のあらましが書いてある,そういう構成になっています。修士過程の学生とやるゼミでは2年に1回の頻度でこの本をやろうかな,と思い始めていまして,今年はその当たり年になっているので,どこからやろうかとさっと斜め読みをしてみました。

一昨年はやらなかった箇所で,非常に古い話,たとえば陽電子の発見とか,その後に続くミューオンやパイオンの発見のあたりを斜め読みしたのですが.....いやー,その時代って,実験が無茶苦茶楽しそうです。

当時はまだ電子と陽子しか基本粒子として知られていなくて,宇宙線中に陽電子を発見したというのはかなりエポックメーキングでした。実験的には,(陽)電子と陽子の質量差は大きいですし,電子と陽電子では電荷の符号が反対なので,比較的容易に電子でも陽子でもないということがわかります。しかし,当時の測定技術,というか,そもそもミューオンとパイオンというものの存在を知らなかった時代に,宇宙線中に怪しげなモノを見つけても,それがどういうものなのかはすぐには正体がわかりません。しかも,ミューオンとパイオンの質量はかなり近いので,それなりの精度で質量を測定できないと,なかなか別の粒子だとは認識できません。

そんなわけで,宇宙線中にまずは(今でこそわかる)ミューオンを見つけ,その後(今でこそわかる)パイオンを見つけたのですが,当時は,電子と陽子の間くらいの質量を持った粒子が存在するらしい,ということだけがまずはわかりました。さらに,当時,理論的には湯川がパイオンの存在を予言していたので,質量その他の性質から,発見した新粒子がパイオンではないかというようなことを実験的に調べました。

が,あるグループではパイオンっぽくなく,また別のグループではパイオンのようだ,という解釈に苦しむ状況になりました。それはそのはずで,一つのグループは(たぶん)ミューオンを捉えていて,もう一方は(たぶん)パイオンについて調べていたのですから。

そんな状況って,想像しただけでもワクワクしますよ。新粒子が見つかった。でもそれが何かわからないなんて,モチベーション最高です。私たちがヒッグスを発見したのも状況としては似てなくもありませんが,当時と違うのは,ヒッグスは理論的にその存在が長いこと仮定されていましたが,ミューオンなんていう粒子が存在するなんていうことは当時誰も知らなかった点です。公式にはヒッグス「らしい」なんて言っていても,ヒッグスを探していてそれらしい粒子が見つかったのですから,多くの人は「おわっ,ヒッグスあったんだ」というような感想を持っていたのではないかと思います。あ,ヒッグスは理論的にあまりもとってつけたようで不自然だというのはもちろんありますが,でも,存在を考えてもいなかったというわけではありませんから,やはり,その点で謎の度合いがミューオンやパイオンとは違うような気がします。

しかも,というか,同じことを言ってるのかもしれませんが,昔は理論的に何か予言されてそれを検証するのではなく,実験的に真に未知の現象を見つけていた,というのが実験をやってる人間としてはよりワクワクします。今でも私はそういう気持ちで,理論,モデルの予言に惑わされることなく実験をやりたいとは思っていますが,昔はホントに実験にワクワクドキドキがあったように思えて,ちょっと羨ましいです。

あ,ただ,素粒子物理学の理論が面白いということは間違いありません。私自身も理論は面白いと思っていますし,だからこそ人並み(?)程度にはSUSYやら宇宙論にも興味を持っています。ただ,なんというか,昔の素粒子物理実験は今よりももっとエキサイティングだったのかなぁ,と古い論文を何本か読んで感じたのでした。

でももし,たとえば,SUSYなり余剰次元でも見つかろうものなら,当時を超える興奮ですよね。昔を羨ましがってる暇があったら,そういうものを見つけるためにより一層頑張らなければなりませんね。ははは。

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研究の流行

初体験の20分という短い講演をなんとか無事終えることができました。出だしは,自分の機材の調子が悪かったため,テンションが低い上に,想定しているよりもイントロダクション部分に時間がかかりすぎてしまいました。そのロスを取り戻すべくペースを上げてるうちにいつものテンションになり,それなりに喋りたいことは説明できた感があります。ただ,やはり20分。だいぶ詰め込んだトーク内容だったので,聴衆の方はついてくるのが大変だったかもしれません。20分というのは難しいな,という講演前と同様の感想を持ちました。

私以外にも2人の研究者が研究を紹介しました。その一つは地震関連の話でした。東北の大地震以来,地震研究というのは非常に注目を浴びている分野ですので,今回の講演者の方も色々なところで一般向け講演をされているのではないかと推測します。

世間から注目される研究というのは確かにありますし,私たち研究者の間でも研究の流行というのが明らかにあります。たとえば,今受け取った物理学会誌にコンプトンカメラの話が載っています。コンプトンカメラというのは,γ線がコンプトン散乱して電子をたたき出すことを利用して,通常だと飛んでくる方向を測定するのが難しいγ線の飛来方向を測定するための検出器です。これも,大地震以来,というか福島原発の事故以来急速に注目を浴びている研究です。γ線検出器開発の分野では,コンプトンカメラの前はPET用のγ線検出器開発が長いこと盛んでした。いや,今でも盛んだとは思うのですが,今の流行はまさにコンプトンカメラに移行したという印象があります。

何がきっかけになるかはわかりませんが,とにかく,研究には流行廃りというのがかなりあります。研究内容そのものは主観を排したものであるはずなのですが,テーマ選びは完全に趣味ですので,そこにはやはり流行がどうしてもあります。

身近なところで流行廃りを強く感じるのが,真空の安定性(ヒッグスポテンシャルの形状)の話です。ちょっと前までは,高いエネルギースケールに行こうとすると真空が不安定になる(=ヒッグスポテンシャルの極小値が最小値とならずに,極小値はあるものの最小値は無限に落ち込む),あるいはヒッグスの自己結合定数の議論から,標準模型はあくまで真の理論の低エネルギー近似であり高いエネルギースケールには必ず新しい物理がある,というような議論が物凄い勢いを持っていました。

ところが,LHCで今までに新しい物理が何も見つかっていないこととヒッグスの質量がわかったことを契機に,標準模型がずっと正しいと仮定して(?)高いエネルギースケールまで真空が安定になるには,トップクォークの質量が現状の世界平均だと微妙,みたいな話をそこここで,特に理論屋さんの研究会では非常によく聞くようになりました。同じことを対象にしてるのに,おもいっきり逆な議論展開になってるんですね。もちろん,みんな標準模型だけしかないと考えているわけではないのですが,そういう議論が盛んになっちゃっているんですね。

こういう手の平を返したような議論の盛り上がり方を見てると,研究対象って本当に流行があるなぁと感じてしまいます。で,驚くのは,世間で優秀だと言われてる人,金を取ってくるのが上手い人は,流行に敏感というか,私みたいなダメダメ物理屋が面白いと感じる遥か前にそういう流行の兆しに目をつけ,ちゃんと研究の下地を作っていることです。そういう嗅覚が異常に発達していて流行を先取りできる研究者もいれば,周りの流行に踊らされず自分の信念を貫くべく研究する人もいて,なかなかこの世界は面白いです。

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短時間の講演準備

少し前に書いたように,明日は大学の事務職員の方々を対象とした一般向けの講演を行います。参加者は大人なので,そういう意味では普通の一般向け講演だと考えて準備すればいいのですが,一つ私にとって目新しいのは時間が20分と極度に短いことです。30分,40分,60分,80分,80分×2というのは経験がありますが,一人で完結する話を20分という短時間で行うのは初めてです。

今までの最短30分というのは,高校生を対象にした夢ナビという企画の講演でした。それをもとにさらに10分削ろうと最初したのですが,どうもそれは上手くいきません。30分で一つな話の流れができあがっていて,30分という短い時間に収めようとしているので,そこから削るのはかなり至難の技となります。

というわけで,構成を新たにして20分になんとか収めようと悪戦苦闘しています。こういうときに,今更ながらに恨めしいのが,物理学,とりわけ素粒子物理学で扱う概念の特殊性です。歴史や文学の話ならいきなり本題に入ることも可能ですが,物理学は勉強したことのある人にしかわからないこと,いえ,わからないことというよりもわからない言葉だらけで,必要最低限のことを本題に入る前に説明しないとなりません。なので,どうしても,基本的なことの説明に時間を使い,肝心の面白いこと,核心部分の説明に使える時間が少なくなってしまいます。

たとえば,「水」と言う言葉を使う必要があったとします。歴史や文学の説明では,それ以上の説明はおそらく不要で,普通に水という言葉を使っていけます。でも化学なら,最低水は水素原子2個と水素原子一個からなるものであることは知っておいてもらわないとならないし,場合によっては水素と酸素がどういう元素かも知っておいてもらわないとなりません。素粒子物理学だと,よくある説明にのように,水素や酸素などの原子がどういうもので,原子を構成してるうんたらかんたら...という説明をして,この世にある物質は大抵,uクォークとdクォークと電子でできていることは最低説明しないと話が途中で頓挫してしまいます。知ってる人にとっては復習なのでサッと流せますが,知らないことを前提に説明をしたらこれだけでもかなりの時間が必要になります。

そんなわけで,説明しなくてもいい内容をあぶり出すこと,余計な説明なしに肝心な内容を説明できるような構成を考えること,等々が要求されるので,短い時間の講演は真面目に準備しようとすると,長い時間の講演よりも頭を使います。なんとか20分でもわかりやすい内容にしたいです。

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歩く速度

ずっと昔から疑問に思っていたことがあります。「今の若いもんは...」っていうフレーズはいったいいつから使われていたんでしょうか。いえ,正確には,そういう感情を人類はいつから持っていたのでしょうか。

今日は会議漬けの一日で,午後だけで4つミーティングがありました。午前中は,その一つの会議のための準備に追われていたので,ほぼ一日中会議のために私の時間を使ったという感覚です。それらの会議のうち一つは,ATLAS実験のほぼ同年代の人間ばかりが10人前後集まり議論するというものでした。

いや,その会議と直接繋がるわけではないのですが,そういう連中と雑談をするとほとんど全員から「今の若いもんは...」というコメントが出てくるんですね。普段感じてはいてもそういう発言を自分より若い人にするのってタブーじゃないですか。おっと,それをブログで書いたら同じことかもしれませんが,それにはまあ目をつぶるとして,とにかく,思ってはいても口にはしないことがたくさんあります。その普段口にしない感情が,同年代の人間で雑談,あるいは酒でも飲もうものなら,その場の全員から吹き出してくるんですね。あまりに自分が普段感じてることと同じことを他の人が言っていて笑ってしまうくらいです。

これって,間違いなく大昔から言われてきたことだと思うのですが,いったいいつからこういう議論を人類はしてたのかな,というのが常日頃からの疑問なのです。一言で言うと,ジェネレーションギャップなわけですが,それって周りの環境の変化に依るところが大きいと思うのです。その環境の変化というのは現代になればなるほど急だと,これまた勝手に思うのです。石器時代の10年間に今の10年間と同じスケールで価値観が変わっていたとは考えづらいです。だとしたら,「今の若いもんは...」という感情は,価値観の変化がそれなりに短期間で起きるようになってこないと芽生えないのかなぁ,なんて勝手に想像して,だとしたら,そういう感情が生まれたのはいつなのかなぁ,という冒頭の疑問に辿り着きます。

いや,全くの私の妄想なので,実は,石器時代の人々も価値観の変化に対して「今の若いもんは」と言ってたんですかね。興味津々です。

ちなみに,このての話題で一番面白かったのは,こんなことは他の人思ってないだろうなと思いつつ日常から気になっていたことをATLASグループのYさんも思っていたことです。たいしたことではないので言っちゃうと,二人とも自分たちよりも若い人の歩く速度の遅さを凄く気にしていました。いや,そんなこと感じてるの自分だけだろうと思っていたので,そのコメントをYさんから聞いたときは大爆笑しました。もちろん歩くのが速い学生もいますが,平均すると学生さんって移動速度が物凄くゆっくりです。大学生より高校生,高校生より中学生,中学生より小学生のほうが移動速度が遅いのと同様に(?),教員より大学(院)生の歩くのはかなり遅い気がします。もちろん,適当な感想なので全くのデタラメかもしれませんが,それを同年代の人間が感じているということが非常に面白かったです。あ,この話をしたらYさんだけではなく多くの同年代の人が同じことを感じていました。やはり不思議です。

ついでに付け加えると,こういう話をする人達は私以外はみんな偉いので,教員のほうが学生さんの価値観に合わせて意識を変えていかないとならないということを言ってました。ホント,私の周りの人達はみんな偉いです。

もう一つ付け加えると,私たちの研究室のYさんはどういう感じ方をしているか,というのは興味深いです。下手すると学生よりも精神年齢が若いので,どう感じているのか謎であり,これまた興味津々です。

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ピクセル近況

博士課程Oくんは,ATLAS大阪グループで今はただ一人でCERNに常駐しヒッグスの解析を頑張っています。ようやく解析の面白さに目覚めたようで,彼の属するワーキンググループのリーダーからも彼の仕事ぶりが評価され始めています。ミーティングでもそれなりの頻度で発表をするようになってきて,なかなかいい感じです。

修士課程2年のIくんは,光センサーであるMPPCというものからの微弱な電気信号を読み出すための電子回路開発を行ってきましたが,今年度に入ってからは,去年までHくんがやっていたテレスコープ検出器というものの開発も引き継いでおり,2足のわらじで研究を頑張っています。

というわけで,Oくん,Iくんはじめ,学生さんたちはいい感じで研究を頑張っていますが,今日は,特に,ピクセル検出器開発について話をします。

何度か説明したことあるような気がしますが,2022年くらいをめどに荷電粒子の飛跡を検出するためのシリコン検出器はATLASでは総入れ替えになります。そのため,たくさんのグループが新しい検出器の開発にしのぎを削っています。私たちのグループが深くコミットしているのは,KEKグループが中心となって進めているシリコンピクセル検出器の開発で,先に出てきたテレスコープというのは,シリコン検出器のプロトタイプを試験するための検出器です。

また,ピクセル検出器のプロトタイプなど開発段階での試験をするためには,そのプロトタイプからの信号を読み出して性能評価するためのシステムが必要となります。そのシステムの開発を長いこと続けていまして,今D1のJくんは長いことピクセル試験用システムの開発に従事してきました。その準備のおかげで,最近になってKEKが作ったピクセルモジュール試作品を,その製作直後に試験することができました。ピクセルモジュールというのは,最終的には粒子を検出するシリコンセンサーと,そのセンサーからの信号を処理する集積回路(ASIC)をくっつけたようなもので,下の写真が,最近できあがったモジュール試作品です。
4-chip card
今のところセンサーはまだ取り付けられていなくて,信号読み出し用のASICだけが4つ回路基板の上に載っています。電気的な試験ではセンサーはあまりいらないので,信号読み出しシステム的にはこれで90%完成と言ってもいいくらいのものです。

このモジュールの開発と製作をATLASグループ内でも複数の研究機関が先を争って行っているので,開発と試験のサイクルを短くすることが必須となっています。実際,この試作品が私たちの大学に届いたその日の晩に,Jくんは頑張って基本的な動作試験を行ってくれました。どの世界でも競争がつきものですが,私たちの研究も例外ではありません。

そのJくんが今週の初めから里帰り。過去2年ほど帰省(帰国)していなかったということで,今月一杯は休暇。その間も開発を遅らせるわけにはいきませんので,ピンチヒッターとして,というか正確には彼の仕事を引き継ぐのですが,修士1年のAくんが登場。Jくんがいない間にも試験を行えるよう,試験用のシステムを頑張って動かそうとしています。

ということで,Jくんが頑張って成果を出してくれるおかげで,その成果を私が発表する機会にも恵まれています。って,Jくんがいれば彼が発表してくれるのですが,彼が不在のために今日はこれからテレビ会議で私が代わりに話をします。今はその発表の準備をしていたところです。しかし,ミーティングの開始予定時刻2時間前になっているのですが,アジェンダがまだできていません。枠はあるのですが,まだ中身が皆無です。今日これから本当にミーティングがあるのか...心配だなぁ。

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出張続き

4月から5月にかけてはずーっとタイトスケジュールでした。特に5月の連休空け以降は出張続きで,唯一の休みの日はプライベートでやらなければならない雑務が堪っていたため実質休めず,某Aさんの言葉を借りると,生きているのが不思議なくらいの忙しさでした。ですが,その忙しさも一昨日の月曜までで,今度の週末にはおよそ1ヶ月ぶりに休みを取れそうです。

なんてことを言ってますが,上を見れば上はいくらでもいるもので,ATLAS日本グループの代表を務めるTさんは,去年1年間にCERN出張だけで20回を超えたそうです。21回だか22回って言ってた気がします。「数えてみたら,1ヶ月に2回は行ってなかったんだな」というとんでもない発言をしていました。もちろん出張先はCERNだけではありませんから,一体どんだけ飛び回っているんだよ?という話です。ホントよく生きていられますね。で,恐ろしいことに,そんだけ働いているのに,オフィシャルには出張以外の日は休んでることになってたりするんですよね。出張の日は休日にできないので,所属研究機関で普通に仕事してる日に休んでいることになってたりします。人ごととはいえ,あまりの理不尽さに涙が出ます。

でも逆に,とてつもない給料泥棒が大学とか研究所そして恐らくは多くの学校にいるのも事実です。その不公平さはハンパじゃないと思うのですが,一般の企業だとその辺どうなってるんでしょうね。

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一般向け講演目白押し

去年の夏は,ヒッグスらしき粒子発見ということで,自分たちで企画した一般向け講演会の全国(西日本?)行脚を行いました。今年は,ヒッグスらしき粒子がヒッグス粒子になって(?)ある意味エポックメーキングなのですが,なんとなく盛り上がりに欠けるというか,タイミングがあわないというか,そんなこんなで自分たちで主催するアウトリーチをまだ行っていませんし,今のところ行う予定もまだありません。

その代わりと言ってはなんですが,色々なところから講演会に招かれて,これからの半年は一般向け講演が目白押しです。来週には,大学の事務職員の人を対象にした短い講演,8月には,高校の先生向けの講演,そして,大学のオープンキャンパスでの講演が連続してあります。その後,10月にはとある高校に招かれて高校生への講演,11月は物理学専攻の有志が主催している高校生への講義シリーズでの講師役,さらに12月には西宮市で行われる湯川記念科学セミナーというもので話をします。

ヒッグス関連の話はこれで一区切りという感じで色々なところから声をかけていただいているのかもしれませんが,LHCをやってる身としてはこれでケリをつけるというのではなく,この先もさらにこういう企画に呼んでもらえるような成果を出していきたいです。とはいえ,今年と来年はデータ収集をしませんから,一区切りという意味では確かに区切りなのかもしれません。

しかし,今までも何度も同じような話をしてきていますので,聞いている人にとっては初めてなのかもしれませんが,自分の中では話の構成をガラッと変えたいという衝動にもかられています。ただ,落語のように(?),話す中身が完全にできあがり,スライドを見なくても空で話ができるような状態にまでなってきているこのタイミングで内容を変えるのは勇気が要ります。もちろん,時間もかかりますし。前期の間は忙しくてその時間を絞り出すのが難しいので大幅な変更はできませんが,夏休み以降には大幅変更を試みてみようかと考えている今日この頃です。

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第3回春の学校

自分にとっては恒例となりつつある高エネルギー物理春の学校の第3回目が無事終了しました。参加した学生さんたちとの会話や,講義あるいは口頭発表時の質疑応答の盛り上がり等々から勝手に判断するに,今回は過去に比べても大成功だったように思います。参加した学生さんたちの積極性と素晴らしい講義をしてくれた講師の方々のおかげで,自己満足かもしれませんが,大成功なスクールとなりました。発起人一同,第4回もぜひ開催したいという思いが強まりました。参加してくれた学生さん,講師のみなさん,学生さんを送り出してくれた指導教員の方々,ありがとうございました。

個人的な感想を書くと,どの講義も素晴らしかったですが,なかでも理論のKくんによる繰り込みの話は非常にわかりやすくインプレッシブでした。アホな実験屋にもわかる話をしてくれる理論の人の存在は貴重です。学生の講演のレベルも高く,粒ぞろいでした。それだけに,ちょっとだけ内輪ネタになりますが,賞の選考は難航しました。

最優秀書と優秀賞はほとんど学生さんの投票によって決まってしまうので(スタッフも学生に比べて1人3倍の得点を持っているのですが,3日間すべての講演を聞いて投票できるスタッフは6人しかいないので,スタッフの得点に左右されるのは物凄い接戦になったときのみです),その選考についてはそれほど議論はありませんでした。有限の賞金をどのように分配するか,くらいの議論でした。一方で,特別賞は投票数だけでなく,質問の多さ,ポスター発表の内容も加味してスタッフによる議論で決めるのですが,先に書いたように,発表内容も粒ぞろいな上,質疑応答に積極的に関与した学生も非常に多かったので,特別賞選びは苦労しました。それゆえ,予定よりも遥かに多い6人もの人に賞をあげることになりました。まあ,嬉しい悲鳴ですね。それだけ盛り上がりのあるスクールだったということになります。

安定した財源を使ってやっているわけではないので毎年ハラハラしているのですが,来年もぜひやりたいと発起人一同心を新たにしています。

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