ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

締め切りに追われまくり

修士論文の事務への提出締め切りが明日で,審査員に提出する実質上の締め切りが来月5日ということで,M2の学生たちは今まさにラストスパート中.....のはずです。その論文原稿の校正をする私も,彼らから原稿を受け取るとその校正を最優先して仕事を進めています。締め切りのある仕事ってなんでもそうですけど,後で作業をする人ほど時間の制約が厳しくなります。毎年のことですが,この時期はドタバタします。

そんな中,私には別件で書類書きの提出締め切りが迫っています。明日が締め切りなのですがまだ完成していないので,こっちもラストスパートをかけなければなりません。

そんなわけで,締め切りに追われまくっています。。

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研究の進展

昨日は,家に帰る前に非常に嬉しいことがありました。

修論提出直前だというのに,新しく作った基板上にマウントしたSVX4というASICからの信号読み出しに苦労していたHくんですが,昨日は大きな進展がありました。信号は返ってくるもののその中身が正常でないという問題があり,その原因追及をここ1,2週間ずっと試みていましたが,ようやく原因の一つを突き止めました。SVX4を読み出せることはわかっていたのですが,私たちは,今回製作した基板には前のプロトタイプとはかなり違った機能を盛り込んでいるため,その基板自体に問題があるかどうかということを非常に気にしていました。正確にはもう一つ別の問題もあるのですが,それは,今回解決した問題に比べるとややマイナーかつ,ハードウェアには関連していなさそう。というわけで,今回の問題解決により,新たに製作した新機構を盛り込んだ基板が正常動作していることをほぼ確認できたという意味で,研究遂行上非常に大きな進展なのです。

いやー,本当によかったです。修論前だけど,とりあえずおめでとう。

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ウィルスとか

世間では風邪あるいはインフルエンザが流行っているのでしょうか。私たちの研究室の秘書さんも体調が悪いということでここ2日間休んでいます。早い回復を祈っています。

ウィルス繋がりですが,高エネルギー物理学関連の人が入っているメーリングリストに,数日前,ってもう一週間くらい前でしょうか,ウィルスメールがばらまかれました。本文にはURLが一行書いてあるだけで,そのサイトへ行くとウィルスに感染するというスタイルだったらしいのですが,そのメールを見た瞬間,「おっ,ウィルスメール」と私の場合気付くことができました。そもそも直接面識のない人から見知らぬURLが送られてきてるだけで無茶苦茶怪しいですし,もっとわかりやすかったのは,送り先がhから始まる宛先ばかりだったんですね。実際にはh以外もあったかもしれませんが,少なくともアカウントを乗っ取られてメール送信先となった人のメーラーのアドレスブックでhから始まる人にのみ送られていました(そのメーリングリストの名前はhから始まっています)。アドレスブックに載ってるリストのaから順に全ての人に送られているんだろうな,と推測しやすかったわけです。

ちなみに,私の場合メールで送りつけられてくる添付ファイルもURLも,特定の人から送られてくることがわかっている場合は滅多なことでは空けないようにしています。コンピュータについて詳しくないので,君子危うきに近寄らず,でなるべく見知らぬサイトには行かず,添付ファイルを使わず,ということを心がけています。でも,最近は添付ファイルについてはあまりに日常的に送りつけられてくるので,私も送りますが,そっちに関しては用心が必要です。どう用心すればいいのか今ひとつわかりませんが。。

ウィルスといえば,さらに前になりますが,三菱東京UFJ銀行を装ったフィッシングメールがばらまかれていたときに,私もなんどか同じ内容のメールを受け取りました。パスワードを盗もうとしているのがバレバレなのですが,こちらも被害に遭った人いるんでしょうかね。

実世界のウィルスとも,コンピュータのウィルスともかかわりたくないものです。

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アンケートにムキになって答える

理学研究科内で「公的研究費の取り扱いに関する理解度チェクシート」なるものに回答するという催しがありました。いや,正確には,アンケートみたいなものに紙で答えるというもので,締め切りはまだ先ですが私は昨日それを秘書さんに提出しました。

ぶっちゃけてしまうと,普通の人はそんなに真面目に答えず流すのかもしれませんが,私はバカ真面目に答えました。というか,真面目に答えようとすると設問の意図を理解できないものが結構あって,その辺は読み流して適当に「はい」か「いいえ」に◯をつけるということもできるのですが,これこれこういう理由で何を答えるべきなのか,何を問うているのかわからない,なんていうクレーマーばりのコメントをきっちりと書いて回答しました。

自分でも大人げないなぁとは思っていたのですが,それを見た秘書さんと話してわかったのは,Y教授も全く同じようなことをしていたということ。さすがは5X歳児と4X歳児のコンビです。示し合わせたように同じことをしてしまいました。あ,ちなみに,こういうことを言うのは,自分の名前を名乗るアンケートだからです。匿名のアンケートでももちろんそういうこと言っていいのかもしれませんが,クレーマー的な発言をするときはちゃんと自分の素性を明かしたいので。

アンケートで思い出しましたが,なんというか,導き出したい結論に向けて一生懸命頑張って設問を作っているアンケートって鬱陶しくないですか。おもいっきり自分がかかわった実例ですが,とあるスクールのアンケートに正確な表現は忘れましたが(そもそも英語だし)「講義のスライドのコピーをハンドアウトとして配るのはよかったか?」みたいな設問がありました。でも,この設問を作った人は,多くの反対を振り切って膨大なコピーを配ることを主張した人なんですね。そういう質問をされたら普通は,って何が普通かはわかりませんが,自分が参加した催しに否定的なことは書きにくいので,多くの学生はなんとなくイエスと答えてしまします。でも,実際には紙にして数100ページにもなるコピーなんてみんなゴミにしてしまうわけですね。だって,同じ内容が講義の後にはPDFとしてウェブにアップロードされているのですから。

こういう誘導アンケートってどうなのよ,と思うのです。

ちなみに,私は紙で講義に使ったスライドを配布するのは2つの理由で反対でした。一つ目は教育効果です。講演で使うスライドというのは,基本的に喋りを補完するつもりで私は作っています。文字はなるべく少なく,情報もなるべく少なく,印象に残したいことだけを写真や絵で伝える。そういうスタイルです。で,問題なのは,講演スライドを配布すると,話しているのよりはるかに少ない情報量しかないそのスライドのコピーを講演の最中に見てしまうことです。一瞬で消えてしまう音声情報を聞き逃す確率が非常に高くなってしまうんですね。ですので,講演者の話に100%集中してもらうために,資料は配りたくないと思っています。そこで,仮に資料を配る場合は,講演に使ったスライドとは別のもっとたくさんの情報を載せた別のスライドを配ったり,学会なんかでいうところのproceedingsみたいなちゃんとした文章になったものを最近は配ったりもしています。それも,講演の後に配ります。講演に集中してもらうために。

もう一つ反対の理由は,なんといっても紙がもったいないです。このブログの読者ならご存知かと思いますが,私はエコとか言って資源の節約を頑張ろうなって言う気はまったくありません。でも,そういう理由抜きに貧乏性なので,PDFとして存在するものを大量の紙にプリントアウトするというのは感覚的に許せないんですね。しかも,その手間と金のかかること。プリントアウトするだけで事務局の人は毎日プリンターの前につきっきりでした。予算も膨大です。数字は出しませんが,本当に驚くほど莫大です。

このプリントアウト問題はホント参りました。まず,洋の東西をとわず,年配の方のほうがプリントアウトするのが好きな気がします。どこかの講演会でも私は資料を配布するのに反対したのに,ノーベル賞受賞者の主張で結局講演スライドのコピーを配ることになりました。別にこれだけでなく,普通に生活していても年配の方はプリントアウトするのが好きな人が多いように思います。年配の人のほうが紙がもったいないと感じてプリントアウト嫌いなような気もするのですが不思議なところです。私が電子書籍が嫌いで紙を好むのと同じような感じなんでしょうかね。でもって,そのプリントアウト問題のときはもったいないという感覚の希薄な欧米人相手だったので,物凄く強硬にプリントアウトすることを主張され,援護射撃を得られなかった私の主張は残念ながら通りませんでした。

おっと,アンケートから大きく脱線しましたが,結論ありきのアンケートは詰まらないなぁというのが最初に言いたかったことです。ちょっと前にやったアンケートで感じたのは,男女共同参画に関する意識調査だかなんだかです。物理学会だったかなんだったか忘れましたが,そういう依頼がたくさんの人にばらまかれ,その手の話に興味のある私はまたも真面目にアンケートに取り組んだのですが,なんというか,誘導的な設問と選択肢ばかりで,ちょっと残念な気がしたのでした。

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色々な考え方

今日は理学研究科内のちょっとした集まりでちょっとした発表をしてきました。その場にいる人のほとんどは理学研究科の教授たちで,私の発表に対して何かコメントがあったわけではありませんが,議論をリードするような立場の人の発言などから,なんとなく理学研究科内の研究に対する方針のようなものが感じ取れました。

よく言うと高い見識をもった方針で,悪く言うと競争原理を持ち込まない方針というのが,私の受け取った印象でした。

よく言ってると思いますが,基礎研究には多様性というのが重要だというのはその通りだと思います。何が先に花開くかわからないから,果実を得られそうな研究だけやるのはよくない,というつもりで言っています。競争的外部資金の批判はよくそこに向かいます。資金を獲得できるのは目に見える形で成果の得られる研究計画になるので,何年も経ってからでないとご利益がわかならいような研究計画では,後に凄い革新的な研究だったとわかるようなものでも,採択されない。それが問題だというわけです。なので,何年後かに本当に革新的だと認識されるような研究をするには,定常的な研究費用だ必要だという意見ですね。基礎研究には確かにそういう面があり,最近の市場原理では先行きが心配だというそういう考え方に私も基本的には賛成です。

ですが,その考え方を無茶に発展させて(?),たとえば外部的競争資金をたくさん獲得している研究室は研究費が潤沢にあるので,運営費交付金は競争的資金を獲得していない研究室に重点的に分配せよ,なんていう意見を持ってる人もどっかの大学にはいるそうなのです。研究仲間のTくんから聞いた話で,その話を初めて聞いたときは驚いたのですが,確かにそういう考え方を持っている研究者もいるみたいで,今日の集まりでもなんとなくそういう匂いを感じました。

考え方というのは色々あるもので,確かにそういう論理っていうのもあり得ます。それはそうだし,多様性が重要というのもその通りなのですが,私として公平感を非常に欠く感じがするのです。研究者,あるいは大学の教員全員が同じくらい頑張ってるという仮定なら,その論理は正しいと思うのですが,全員が同じくらい頑張ってるとは到底感じられないからです。上を見ても下を見てもキリがないくらい頑張り度に開きがある感じがします。でもって,その頑張り度と外部資金獲得量にはそれなりの相関があるように見えるのです。もちろん,分野の違い,立場の違い,所属機関の違い,等々,比べる対象が同じ環境ではないのでバラツキはあります。私が他の人の仕事っぷりを知る由もありません。ですから,完全に個人的な偏見に基づく予想なのですが,でもやっぱり相関があるような感じがするのですね。だからこそ,公平感を欠くと感じているわけで,私なんかの場合はむしろ,運営費交付金すら競争的資金の獲得量に比例して配分すればいいのではないかと思っています。

私は非常に見識が低く,科学者の中では弱肉強食,市場原理主義をかなり強く嗜好(指向?)しているということは認識しています。極端だということは承知しています。でも,周りの人はどういう考え方をしているんだろう,ってことは気になります。気になるという表現は的確ではないかもしれませんが,実際のところ,私がどの程度異端なのかというのは興味深いところです。

にしても,世の中には色々な考え方があり,真逆の結論を引き出せてしまうというのは恐ろしくもあり,面白いところでもあります。今回の場合は,教員全員が公平に頑張っているとう仮定を選ぶか,そうではないという立場に立つかで,逆の結論になっています。さらに自分の意見を主張するとしたら,勝手な偏見に基づく判断を偏見ではなく事実だと証明することになりますが,それはそれで大変なことになりますよね,きっと。お互いが自分の仮定を正しいと結論づけるようなデータばかり見つけてくるのでしょうから。

でもなぁ,競争的資金の配分方法が問題というのはその通りだとして,かつ,競争的資金の獲得量に応じて運営費交付金を配分するというのが暴論だというのもその通りだとしても,未来ではなく現状として成果を出したところに優先的に人や金を配分するというのは,間違ってないと思うんですよねぇ。

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秘書さんの至言

研究室の秘書さんは代々優秀な人ばかりで,今の秘書さんにも色々な面で大いに助けてもらっています。さらに,今の秘書のCさんは仕事もできますが,会話の節々に賢いなぁ,面白いなぁと感じさせられる発言が多々あり,それを結構楽しんでいます。

もうかなり前のことですが,何かの会話の際に「この人何考えてるんだろう?って思う人がいたときは,その人は絶対何も考えてない」という事を言っていて,私は至言だと感心しました。いや,私もよく思うことがあるんですよ,この人何考えてるんだろう,って。ブログでもそういうネタよく書きますよね。たとえば,マスクをしてるのに咳が出る時にはマスクを外す人(ホントにそういう人に遭遇したことあります。咳がおさまるとまたマスクをするのです)とか,ちょっと前にも書きましたがスカスカの電車でドアの前に立って通行妨害をしてる人とか,日々,この人何考えてるんだろう?という場面に遭遇します。でも,そうなんですよね。そういう人って何にも考えてないんですよね,きっと。何かを考えてる人には行動に意味を見出すことができますが,なーんにも考えずにぼけーっと生きてる人の行動には意味を見出すことは難しいわけで,それをCさんは的確に指摘してるんですね。言った本人は覚えてないかもしれませんが,私にとっては強く印象に残る発言でした。

何か問題が起こるとすぐに国や自治体の責任だという報道をよく見かけます。いや,それ自体では別に何も思わないのですが,その横で国や自治体の職員を減らせとか,規制撤廃とかを高々と訴えている新聞記事なんかを見ると,この人たち何考えてるんだろう?と思うわけです。つい最近のアルジェリアの事件でも,情報収集が遅いとか文句を言うわけですが,アフリカ全体でも情報収集してる職員が2人しかいないそうで,それで情報収集なんてできるわけありません。いや,だから危機管理のために職員の数を1万倍くらいにしろというならわかりますが,公務員の数を増やすべしなんていう記事を読んだことがありません。

また,国の責任を追及しつつ規制撤廃を訴えるのも謎です。なんでもかんでも国の責任を追及するからには,あらゆる物事に規制を設ける必要があります。たとえば,飛行機の安全のために厳しい規制があります。それゆえ参入障壁が高くなります。競争原理をくじき資本主義活動を妨げるので,景気をよくするために規制緩和とうことをよく聞きます。でも,何かトラブルが起こると真っ先に攻められるのは航空会社ではなく,なぜか国です。意味がわかりません。

というように,って,エラく話が発散しましたが,同じ事柄に対して,あるときは黒といい,あるときは白という人を見かけると本当に理解に苦しむのですが,それは理解できなくて当然。理解しようとしても,何も相手は考えてないのですから,そこにロジックなんてないんですよね。そういうことを私みたいにこうしてグチャグチャ言わずに一言でズバッと言い切るCさんの発言に感動したという話でした。

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物品の探索

今回は独立した話題を3つ。

昨日のシンポジウムは自分の発表が最後だったので,その発表に間に合うように会場に行き,講演。そして,その後の懇親会に参加,というように非常に身勝手なスケジュールで参加しました。でも,講演はそれなりに好評だったのか講演直後からその懇親会にいたるまでたくさんの質問を受けました。ちょっと前に書いたように,やはり,参加者は工学関連の研究者(産学問わず)が多く,一般の方は少なかったようです。量子力学やら電磁気学といった基本を知ってるけれども,素粒子のことはあまりわからない,という微妙な母集団相手に講演するというのはある意味新鮮でした。

しかし,最近このテの講演会をやると最後に必ず出てくるのが,重力に関する質問です。話の流れで,重力質量と慣性質量の話をするからなのか,それとも,素粒子に興味のある人は重力の不思議さ,異質さを元々知っているからなのか,重力を他の力と統一できるのはいつ頃になりそうか,など到底私には答えられない質問攻めをいつも受けます。きっと,ヒッグスを見つけたら慣性質量については終わり,という感覚になってしまうんでしょうね。ヒッグス研究家としてはこれからが本当の勝負という時代になったと思うのですが,講演ではそこを説明するところにまでどうしても到達できません。今後のアウトリーチの際の課題です。新粒子発見ではなく,その先にフォーカスしていかないとなりません。

2つ目の話題ですが,もしかするとお気づきの方がいるかもしれませんが,昨日から私たちの研究室のウェブサーバーがダウンしています。ハードディスクが壊れて今はその復旧作業をTくんが行っています。一時はバックアップも含めて自分たちの力ではサルベージできそうになく専門の業者に頼もうか,という話になっていたのですが,そうはならなくてよかったです。普段はあまり気付いていませんでしたが,自分でも結構ウェブサーバーにアクセスしているということに改めて気付きました。

さて,最後。今日はヒッグス探索ではなく,とある物品の探索を行いました。CAMACのクレートコントローラーが一個見当たらず,Y教授が学生その他私も含めてみんなにその居場所を聞いていました。4年生が一番よく使うものなので,私もちょっと探したのですが見つからず,きっと誰か他の人が持っているんだろうくらいに高ををくくっていました。

でも,見つからないんですね。そこで過去の記憶を懸命にひも解き,大昔に修理に出したことを思い出しました。ただし,修理には2回出したことがある上,修理に出したD無線のKさんは全然欲のない人で修理代を請求されず,それゆえ見積もりやら領収書といったわかりやすい記録がありません。さらに私の記憶に混乱を引き起こしたのは,修理と同時に新品を一台購入したことがあることです。そんなこんなで,全部が言い訳ですが,はい,最終的に何がどうなったのか思い出せません。

メールの過去のやりとり,ログブックというかメモ帳にある昔のメモを頼りにさらに何があったかを調べると,2回目の修理の後,クレートコントローラーを送り返してもらったかどうか確定的なことがわかりません。そこで,まさかとは思い,D無線にメールを送ると速攻で電話で返事がありました。先方がまだ持ってる,と。

いやー,よかったです。というか,送り返してもらっていないことをすっかり忘れていたので,私的には冷や汗ものです。誰かがその所在を気にしなかったら,ずっと忘れていたかもしれません。特に今年は危険でした。というのも,例年だと4年生がCAMACを使って卒業研究をするのですが,今年は何度か書いているように,CAMACではないDAQシステムを使っているので,クレートコントローラーが壊れた,予備はどこだ?みたいな流れになることがないからです。本当に冷っとするできごとでした。

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モロッコでのcollaboration meeting

連日アルジェリアでおきたテロ事件についての報道が流されています。恐ろしいことです。

臆病者の私は,今年の秋だったかに予定されているモロッコのマラケシュでのATLASグループのcollaboration meetingに行きたくないなぁ,と思い始めています。というか,collaboration meetingをやるのに交通の便が悪かったり,その他実務上さまざまな不便があるところに,有名な観光地だからといってわざわざ行くのは面倒だと常に言ってる私なので,今回の事件がなくても行こうかどうしようか迷っていました。そして,今回の事件があったので,より行きたくなくなっています。

実は,同じ場所でcollaboration meetingを去年だったか一昨年だったかにやろうということになっていました。ところがその時は,アラブの春関連のでもその他の暴動が北アフリカで多発していたため,比較的安全と言われているモロッコでしたが,結局モロッコでやることを中止。代わりにいつも通りCERNでミーティングをやりました。今年は仕切り直しだったのですが,今回の事件をきっかけにまた延期あるいは中止という議論になるのかもしれません。ちなみに,モロッコでもアルカイダ系の犯人によるテロ事件が去年(?)くらいに起きており,それも私がモロッコに行くのをビビっている理由の一つです。

でも,もし安全なところなら行ってみたいですよね,マラケシュ。有名な観光地ですから。それに,モロッコにはなんといってもアトラス山脈があります。ATLAS実験に参加しているからには一目見たいとは思うんですけどね。

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直前ですが

講演の告知です。

タイトル通り,物凄く直前なのですが,明日21日(月)に大阪ニュークリアサイエンス協会という団体の主催で一般向け(?)シンポジウムがあります。詳しくはこのサイトをご覧下さい。全部で7人の講演者が,朝から夕方までという長丁場で講演を行います。正確な時間はわかりませんが,9:40-17:00までの講演会中,私の講演はその最後なのでおそらく16時過ぎくらいからだと思います。

平日にやるということで,一般向けと聞いてはいたのですが,実際にはどういう人達が聴衆なのか私にはよくわかっていません。工学系の人達の集まりみたいなので,企業の人とかが大勢やってくる名刺交換の場(?)という可能性もあります。もし私たちがやっている講演会にすでに参加したことのある方でも,今までの純粋手弁当講演会とは違うタイプの企画と思われるので,ある意味新鮮かもしれません。重ね重ね,平日なので都合をつけられる方は少ないかとは思いますが,もしお時間のある方はどうぞ。というか,私以外の講演が面白そうですので。

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D論の審査

今日の午後はきわめて大学教員らしい過ごし方でした。

まず,昨日書いたように,奮闘を続けているM2のHくんと4年生たちとかなり長い時間一緒に作業をしました。でもって,これこそ大学ならではのことですが,博士課程の学生のD論の予備審査会に出席しました。

私たち理学研究科(というか物理学専攻?)では,博士課程の学生のD論の公聴会の前に,その論文の主査と副査だけが参加する予備審査があります。最低5人の委員からD論の審査員が構成されるので,通常5人委員会と呼ばれています。公聴会を開くにはこの5人委員会をクリアしなければならず,実質上はD論審査に近いものです。

その5人委員会ですが,今日参加したのは素粒子理論の学生の委員会でした。前にも素粒子理論の学生のD論の審査員になったことはありますが,でもやはり,分野が違うと内容を理解するのは難しいです。私に副査の依頼が来るということは現象論の話なので,それなりに理解はできるのですが,肝心の計算のところは私には到底フォローしきれません。というか,素粒子理論でも一括りにはできないので,研究内容に近いことをやっている人でなければ厳しいツッコミはなかなか入れることができません。

今回の学生の研究テーマは Universal Extra Dimension の現象論でしたので,審査員に当然のごとくH教授が入っていました。そのH教授が繰り出すパンチがなかなか強烈で,学生さんはかなりのダメージを受けていましたが(いや,外から見てると大変そうだったのですが,本人がそう感じているかどうかは私にはわかりません),幾つかの課題をクリアすればなんとか次のステップに進めることになりました。

発表と質疑応答,プラス,審査員だけによる議論すべてを合わせて1時間半から2時間の予定でしたが,今回のは3時間以上かかりました。その発表時間というか質疑応答時間の長さに,自分がWilson Fellowの面接を受けにいったときのことを思い出しました。Oさん,お疲れさまでした。頑張って課題をクリアしてください。

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修論と卒業研究の進み具合

修論で忙しいはずのHくんですが,SVX4からの信号読み出しに苦労しています。最終目標により近い電子回路を持つ基板を開発,先週書いたようにKEKでその基板にSVX4をマウントし,さあいよいよ読み出すぞというところでケーブル関連でかなり面倒なトラブル。相当面倒な手作業をこなさなければ修正できない設計ミスがあったのですが,彼は根性でそれをクリア。よし今度こそ,というところなのですが,諸手を上げて喜べるような結果がまだ出ていません。

部分的に成功とでも言えばよいのでしょうか。信号を完全に読み出せないわけではないのですが,理解できない振る舞いがあり,なんらかのコンディションで信号を読み出せなくなる,という状況です。そのコンディションが何かはわかるのですが,でもなぜそのコンディションでそういう振る舞いになるのかわからないという状態がここ数日続いています。修論を書き進めなければならない一方でこういう厄介な問題を抱え込んでしまったので,私も昔の知識を総動員して原因を考えているのですが,まだ解決にいたっていません。でも,色々なことを系統的に調べることで問題解決の網は絞れてきているので,あともう一踏ん張りで問題を突きとめられるのではないかという感じがしています。

ATLAS実験で使っているシリコンストリップ検出器を使った実験をしようとしている4年生は,3人で力を合わせているだけあって,ここ最近は順調に進んでいるようです。学生さんは追い込まれてから本気を出す人が多いわけですが,一つの研究を3人で協力してやっているので,みなが本気を出すとそのパワーはなかなかのものがあります。まだ目は離せませんが,信号読み出しに関しては実験をやれないような大きな問題は,検出器を壊すとかしなければもうなさそうなので,今の調子で頑張っていれば卒業研究発表会までにそれなりのデータは取れそうな勢いです。ただ,指導教員的にはデータが取れないと困る,逆にデータさえ取れればあとは彼らの頑張りに任せるというスタンスですが,実際に実験結果をだすためには,さらに検出器の位置決めや解析など,これまでにやっていないこともこなさなければならないので,そういう意味ではまだまだこれから頑張らなければなりません。

この時期は,学生部屋に行っても,実験室に行っても,高い頻度で学生がいるので,研究室に非常に活気がある感じがします。おまけにATLASグループのHくんだけでなく,KOTOグループの博士課程の学生SくんとLくんもD論を書くために実験現場であるJ-Parcではなく大学の研究室にいるので,最近の研究室はなんというか非常に賑やかです。

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負の温度

少し前に負の温度を達成したとかなんとか,そういう新聞記事をみかけました。先週の工学院大学でのサイエンスカフェでもそれについて質問されたのですが,新聞記事の見出しを目にしただけの私は全然まともなことを答えられませんでした。そんなことがあっただけでなく,研究室の週例ミーティングで行われている論文紹介でも,昨日,Mさんがその論文を紹介していました。

というわけで,どんな論文だったのかちょっとだけわかったので,今日はそれについて少し触れます。ただし,熱力学を全く理解していないので,以下の話については眉唾でお願いします。

まずは,温度の話ですから温度の定義から始めないとなりませんが,上記のように熱力学がわかっていないので数式に頼った薄っぺらい説明をします。状態数の対数だったり,エントロピーのエネルギー微分だったり,色んな定義の仕方がありますが,今回の話でわかりやすいというか,私なりに理解できたのはボルツマン分布によるものです。x = {E_i / kT} として,i番目の粒子の分布確率 p_i はe^{-x}に比例するっちゅうのがボルツマン分布です。ここで,E_iは粒子iのエネルギー,kはボルツマン定数,Tが温度です。

e^{-x}の分布を自分で描いてもらえばわかりますが,Tが小さければ傾きが大きくて,Tが0に近づけば近づくほどエネルギー0の粒子の割合が増えます。逆にTが大きくなれば傾きが小さくなり,T無限大ではE_iによらずe^{-x} = 1になりますから,あらゆるエネルギーで粒子を見出す確率が等しくなります。エネルギーの小さい粒子とエネルギーの大きい粒子もその存在確率が同じなのが温度無限大ということですね。

エネルギー準位が一番小さいときが基底状態と呼ばれて安定なので,外からエネルギーを与えない限りはまあエネルギーの小さい粒子が一杯いるわけです。そこに外から熱を加えるなどするとエネルギー準位が高くなる粒子がいるので,先のe^{-x}の形を思い出すと,Tが大きくなったと考えることができます。別に熱を加える以外の方法でもよくて,光を入射してエネルギー準位をあげたのでもなんでもかまいません。

ここまでをもう一回まとめると,温度Tが0というのはエネルギーが0あるいは基底状態の粒子ばっかりという状態です。温度Tが大きくなると大きなエネルギーを持つ粒子が増える,あるいは励起状態の粒子が増えるということです。でもって,温度無限大は粒子の存在確率がエネルギーに依らず一定,つまり,高いエネルギーを持つ粒子と低いエネルギーを持つ粒子数が同じになるということです。こんなことをごちゃごちゃいうより,exponentialがわかる人ならば,eの肩の係数が温度なのです。

ここからがいよいよ本題で,じゃあ負の温度というのはなにかというと,Tがマイナスなのでe^{-x}の分布を見ると,エネルギーの高い粒子のほうが低い粒子よりも多い状態に対応します。つまり,外からある系にどんどんエネルギーをあたえていって系全体のもつエネルギーが増え,高いエネルギーを持つ粒子数と低いエネルギーを持つ粒子数が等しくなるところが温度無限大で,さらにそれを超えてエネルギーを詰め込むことができると,低いエネルギーを持つ粒子数よりも高いエネルギーを持つ粒子数のほうが増えるので,温度がマイナスになるのです。エネルギーを加えるに従い,温度は+0→+無限大→−無限大→−0と変化するわけです。

簡単のために,エネルギー準位が2つだけだったとします。E0とE1(>E0)の2つのエネルギー準位が存在する系で,全粒子数がNだったとします。温度0はE0にN個の粒子が存在する状態,そこに外からエネルギーを加えるとE1の割合が増えていき,E0にN/2個,E1にN/2個の粒子が存在するのが温度(+)無限大の状態です。さらにエネルギーを加えていき,E1の粒子数がE0の粒子数を超えると温度は負というわけです。

そうです,ちょっと詳しい方ならご存知かもしれませんが,レーザーを発生するときは原子がまさにこのような状態になっていて,反転分布と呼ばれています。高いエネルギー状態にいる原子のほうが低いエネルギー状態にいる原子よりも多くなっていれば,そこに外から光を入射すると(ただし,その光の波長=エネルギーがエネルギー準位の差に等しいときに限る),高いエネルギー状態から低いエネルギー状態に原子が落ちて,入射したのと同じエネルギーかつ位相の光が放出されます。これを誘導なんとか(放出だったか?)と呼び,レーザーではまさにこのメカニズムを利用して位相のそろった強い光を得ています。

というわけで,反転分布自体はそんなに珍しいことではありません。負の温度と呼ぶのはかなりキャッチーだし,今なぜそんなことが話題になっているのかよくわかりませんでした。でもせっかくなので,ちょっとググってみたところ,今回の結果が新しいのは,その反転分布を原子内部のエネルギー準位の励起に関してではなく,運動エネルギーだかなんだかの分布で達成したことらしいです。つまり,エネルギー準位がE0とE1の2つだけしか取りえないならば,上述のようにエネルギーを加えることで反転分布を達成することができてもそれほど不思議ではありません。たぶん,レーザーを発生する際には原子のエネルギー準位に上限があるわけで,逆にいうと,何らかの方法で上限を設けることが重要なのでしょう。

ところが,エネルギー分布を運動エネルギーみたいなものにしたら,上限がありません。エネルギーを加えるとどんどん高い運動エネルギーを持ってしまいますから,いくらエネルギーを外から加えても反転分布になりません。今回の実験では,そういう上限が通常はないような分布に関して,何とかという方法で上限を設定することに成功,その結果としてエネルギー分布が反転分布になっていた,ということのようです。私には全くわからないのでこれ以上解説のしようがないのですが,その何らかの方法というのが革命的な技術ということみたいです。サイエンスに載っていましたが,科学ではなく技術が凄いようです。

それにしても,負の温度というのはやっぱりキャッチー過ぎな感じがします。反転分布だと都合の悪いことでもあるのですかね。

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雪の被害とか

関東地方では雪が降ったみたいですね。ウェブ上の新聞記事には,雪の被害で2人死亡1569人けが,とあります。こういう記事を見ると私だけでなく多くの人が思うのではないかと思うのですが,「雪の被害」ってなんなんでしょうか?

たとえば,雪が降ってる中暇人がその辺を徘徊していてその徘徊中に転んでケガすることを,雪の被害とは呼ぶのは変な気がします。私も子供の頃は雪が降ると嬉しくて,あえてツルツルの路面で自転車に乗って遊んだことがあります。そこで転んでケガしたとしても,それを雪の被害と呼ぶのは変です。逆に,雪下ろしをしないと家が潰れてしまいそうな状況なので雪下ろしをしていた。その途中滑って屋根から落ちるのは雪の被害な気がします。つまり,雪が原因で滑ったことによるケガなどの全てを雪の「被害」と呼ぶのは変だなぁと思うわけです。

さらに,上記の例では2人死亡,1569人がケガとありますが,それは雪が降っていない日に比べてどれくらい有意に多いのかが気になります。雪のせいで滑って転びケガをする人は間違いなくいると思いますが,雪が降っていなくても毎日滑って転んでケガをしている人はたくさんいるはずです。その数字も見せてくれないと,どれくらい多くの人が本当に雪が原因で負傷しているのか判断しかねます。いやだって,1日間か2日間かしりませんが,調べた範囲が関東甲信越地方だそうですから,雪じゃない日にも相当の人が転んでケガしてるんじゃないでしょうか。

ってなことを,職業病の私は考えてしまいますし,研究室のメンバーはみな考えてしまうようで,今日の昼飯どきにこの話題になりました。間違いなくみんな病気です。

それはさておき,北海道には冬靴というものが存在するのをご存知でしょうか。東北や北陸などの他の雪の多い地方にもあるのかもしれません。スタッドレスタイヤではありませんが,靴底が雪上あるいは凍結した路面で滑らないようになっているものがあるのです。私も履いたことあるのですが,普通の靴との違いは驚くほどです。長靴なんかだとその違いはさらに顕著です。しかも,スパイク仕様もあるのです。靴底に野球のスパイクの歯のようなものがあって,それを立てたり寝かせたりすることができるようになっているのです。凍結した路面ではその歯を立てて,そうではない普通の道路を歩く時には歯を引っ込められるというギミックがあるのです。

さらに私を驚かせたのは,お年寄りの使っていた杖です。杖の先って普通はゴムかなんかですよね。北海道でお年寄りが使っていた杖も当然先はゴムなのですが,そこにはやはりアイスピックのようなスパイクがあるのです。これまた先の長靴同様,そのスパイクを立てたりひっこめたりできるようになっているのです。いや私本当に感心しました。

経験のない人だとわからないかもしれませんが,つるつるに凍結した路面はまさにアイススケート場と一緒で,本当に歩くのに難儀します。昔,北海道でスキー場に行くためにスキー用のキャスターバッグを引っ張って歩いていたときの話です。非常に緩い上り坂で,普段なら坂だと意識しない程度の本当に緩い坂なのに,キャスターバッグを持ってるとその坂を上れないのです。周りの人はずんずん歩いていくのですが,私はマンガで描かれるように足は回転するのですが一向に前に進めず,物凄ーく恥ずかしい状態に陥りました。試しにキャスターバッグを持たずに歩いてみても,上るには上れるのですがやはり相当滑って周りの人のようにスイスイとは歩けません。で,後から聞いたのは,地元の人は冬靴なるものがあって,それで滑らないということだったのです。

恐るべし,冬靴(冬杖?)です。

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最近気になり始めたこと

宇宙定数問題というのをご存知でしょうか。場の量子論でおもいっきり単純に真空のエネルギー,宇宙のエネルギー密度と言い換えてもかまいません,を計算すると,宇宙観測から得られているエネルギー密度よりも120桁程度大きくなってしまう,というものです。宇宙論,あるいは現代の物理学上の最大の謎の一つとされています。

しかし,私はこの問題にはちょっと前まであまり関心がありませんでした。真空のエネルギーというのは基底状態のエネルギーのことで,場の量子論では無限個の異なるエネルギーを持った波の重ねあわせとして,とある状態を表現するので,そのエネルギーを足し上げれば当然発散します。が,場の量子論はプランクスケールまでしかせいぜい正しくないとして,足し上げるエネルギーの上限をプランクスケールにする,というのが,真空のエネルギーの計算方法です。

宇宙のエネルギー密度なんて考えない場合,素粒子物理学の教科書的には人間が観測するのは基底状態との差だけなので,基底状態のエネルギーは気にしない,normal orderingというルールに従って基底状態のエネルギーは無視しちゃってよい,ということになっています。別に教科書にそう書いてあるからというわけではありませんが,量子力学というか場の量子論には,人間の都合の良いような定式化というか数学の解釈を行っていることはよくあるので,不思議だなぁとは思いつつも今まではあまり基底状態のエネルギー,ひいては宇宙項問題についてもそこまで関心はありませんでした。ただ,カシミール効果によって基底状態のエネルギー差がマクロな世界でも観測できるというのは凄いと思っていました。場の量子論的効果がマクロな世界で見えるのは驚きです。

ですが,ヒッグスらしき粒子を発見した今,それがもしヒッグスだとするとヒッグス場が実在することになります。そうなると,ヒッグス場のエネルギーというものがやはり気になります。しかもそのポテンシャルの形が宇宙の初期から同じではなく,自発的対称性の破れによって変わっています。ポテンシャル最小を与えるヒッグス場の真空期待値だけでなく,最小であるポテンシャルの値そのものも変わりえます。基底状態の絶対値は無視することにしても,差は観測量になりますから,宇宙のエネルギー密度に大きな変化をもたらします。そう考えると,宇宙のエネルギー密度というのはやっぱり忘れておいてはいかんのかなぁ,と思ってしまうのです。

ま,だからこそ,世間ではダークエネルギーとか宇宙項とかについてさかんに議論してるわけですが,私個人的には場の量子論の考え方を宇宙のスケールにまで適用するのが今ひとつ馴染めていなくて,だからこそ先に書いた宇宙定数問題をあまり気にしていませんでした。重力を量子力学的に理解できてないのに,一般相対論と場の量子論をまぜこぜにしちゃうような考え方が腑に落ちないというか。まあ,私が一般相対論も場の量子論も理解できていないから,宇宙定数問題と言われてもピンとこないのでしょうけど,とにかく,今まではそれほど気にしていませんでした。

が,ヒッグスのポテンシャルを考え始めると,宗旨変えしたほうがいいのかと思ってしまいます。いや,やっぱり,ヒッグスは色々と不思議なことが多いです。

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初のサイエンスカフェ

告知したとおり,昨日の晩は工学院大学でサイエンスカフェに参加しました。自分たちで企画する講演会や解説会はかなりの数をこなして来たので,進行その他のノウハウをかなり蓄積してきていますが,サイエンスカフェというのは未体験だったので,どのように進めればよいのか手探りでした。と言いつつ,普段の講演会のような調子で私が喋りまくってしまい,これでよかったのかなとちょっとだけ不安を感じています。

それにしても,アウトリーチ活動をしたあとに本当に毎回同じことを書いていますが,参加者の方の熱意は凄いです。質問内容から物凄く勉強されてきていることがわかりますし,滑舌の悪い私の喋りを一生懸命聞いてくださるので,本当にやり甲斐を感じます。それから今回の収穫は,コーディネーターだったSさんとその学生のMくんに加えて,カフェ参加者のTさん,Mさんという二人の方と一緒に飲みに行けたことです。サイエンスカフェならぬ,サイエンス居酒屋でした。参加者の生の声,あるいはどういう人なのかがわかり,非常に楽しかったです。

参加者のみなさま,運営のみなさま,色々ありがとうございました。

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今年最初の出張先

KEKに来ています。明日,新宿の工学院大学というところでサイエンスカフェに出るのが当初の目的でしたが,シリコン検出器関連の研究でKEKにHくんが来てること,明日KEKに来る基板作成業者の人と話をしたいこと,さらにいつもはテレビ会議で参加しているシリコン検出器の週例ミーティングにもついでに参加できること,などから1日早く大阪を出てきました。そのおかげで,昼頃着いたのですが,普段はできないような打ち合わせもできて,すでに収穫を得ました。

ですが,Hくんの研究の進み具合は残念ながらそれほど順調ではありません。SVX4というシリコンストリップ検出器用の信号読み出しASICを使った検出器開発を行っていて,その第1弾として,1つのチップを基板にマウントしその信号を読み出すことに成功した,というの4ヶ月か5ヶ月前のことです。次のステップは,複数のチップから読み出せて,かつ実際に作ろうとしている検出器の仕様に合わせるための諸々の電子回路の開発で,そのための回路基板の設計をしばらく行っていました。設計はなんとか終えたものの,部品集めに苦労したりして,ようやく基板ができあがったのが年末。そして今週はチップをその基板にマウントしてワイヤボンディング,ついでに初期テストを行うために,彼はKEKに来ています。

ワイヤボンディングを終えている頃なので,そろそろ試験の結果が出ているかと楽しみにして来たのですが,今のところ基板間の配線の確認に手間取っていて,本格的な試験をまだ開始できていません。今一緒に晩飯に行ってきたところなのですが,彼はこれからデバッグ作業に没頭するはずです。指導教員がのほほんとブログを書いてる間に,きっと,彼は何かを見つけてくれるに違いありません。

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階段の段数

私のオフィスは5階にあり,通常2箇所の階段のどちらかを使います。便宜上,それらを階段A,Bとします。通勤時はエレベータを使わずに常に階段Bを使います。あ,ただし夏の暑いときの上りは汗だくになるのが嫌なのでエレベーターを使います。夏の暑い日のことはさておき,ほぼ常に階段Bを使うので,その段数が,1階から2階,2階から3階の間はどちらも12+12の24段。3階から4階,4階から5階の間は11+11の22段ということを知っています。

その違いはなぜあるんだろう,その差は床の厚さなのか,床から天井までの高さなのか。あるいは,もっとさかのぼって1段の高さは全て同じなんだろうか,等々,気になることはあるのですが,まあ,とにかく違います。

しかし,階段Aについての段数は結構使うわりには昨日まで数えたことがありませんでした。そこで,昨日の昼飯の帰りに数えてみました。1段の高さが階段Bとは違う可能性がありますから,全く同じ段数ではないかもしれません。結果は,階段Bと同じでした。なんというか,味も素っ気もない結果なのですが,とにかく同じなんですね。

ってなことを一人黙々とやってたわけですが,せっかくなので,階段の段数が1階から3階と3階から5階の間で違うことを学生は知ってるのかなと思い,研究室の学生にその話をしてみました。トイレの洗面所で手を乾かす音で私をIDする修士課程のHくんがその場にいなかったのが残念なのですが,ある意味想像した通りの反応でした。博士課程のHくんは気付いてるんじゃなかろうかと思ったのですが案の定気付いていて,その他の学生は気付いていませんでした。が,Hくんが言うのです。階段Aの1階から2階部分は12+12ではなく,13+12だと...。

で,みんなで議論になりました。なぜ,そこだけ違うんだろう,と。そもそも,階段Bと段数が違ってたら床が水平になりませんから,そこら辺どうなっているんだろうという話になりました。私は自分で歩測した直後だったのですが,そこまでハッキリ言われると自分が正しいという自信はなく,うーん,という感じで唸っていました。

そして,今日。当然のことながら測り直しました,学生と一緒に。結果は,12+12で階段AもBも同じでした。

これって,昨日書いたことそのまんまですよね。とある一つの勘違いが問題を複雑化させています。床が水平ではないのか,階段の高さで調節されているのか,そもそもなぜそこだけ違うのか,などなどの疑問,問題が出たわけですが,結局,それらの謎は実在しなかったわけです。実験や,器材のデバッグだけでなく,あらゆるところで同じことが言えるのかもしれませんが,基本的なことを一つ一つ丁寧に積み重ねることが勉強や仕事を効率良く進めるために必要だと身をもって感じました。

にしても,今日数えたときにもとある学生Tくんは12段のところを13段だと数えていました。人間の歩数の測定では10%くらいの誤差があるものなのでしょうか。学生の言葉を借りると,学校の13階段という都市伝説(怪談?)が生まれるのは不思議ではないのかもしれません。

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ラストスパートの季節

昼飯を食べに学食に行くと,冬休みが終わったんだなぁという実感がわきます。学生がいない大学は寂しいですが,食堂その他あらゆるスペースが不足しているので,授業がなく学部生,特に1年生と2年生がいない時期が,施設の面での大学のキャパシティとしてちょうどいいのではないかと思ってしまいます。いや,施設だけでなく,教職員の数もそれくらいの数の学生に対応するのが丁度いいような気もします。

それはさておき,学部生,大学院生ともに最終学年の人にとってはラストスパートの時期に入りました。私たちを例にとると,M2の学生の修論発表会が2月中旬。その1週間前には審査員に修論を提出するのがならわし。4年生の卒業研究発表は修論発表会の1週間後。M2の学生2人と4年生を直接指導している私にとってもハラハラドキドキの季節となりました。

特にドキドキさせてもらっているのが,M2のHくんと4年生です。もう一人のM2のJくんは,できたところまでを論文に纏めるというスタンスなのであまりドキドキ感はないのですが,Hくんは,今まだ結果を出そうと頑張っています。まあ,ぶっちゃけてしまうと,これまでの研究成果でも十分修論に値する内容はあるのですが,彼はそこからさらに一段踏み込んだところまで成果を出そうとしています。というか,修論を書き終えた後もさらにひと頑張りして,一段ではなく二段以上踏み込んだ結果を出そうとしています。どこまでの結果を出せるのか楽しみであり,一方,修論を書き上げる時間があるのか心配,という微妙な心持ちです。

もう一つのドキドキの種は4年生。もう動いてもおかしくないシリコン検出器なのですが,なかなか万歳と言えるようなところにまで到達しません。「こうしてるはず」という仮定のもと実験を進めるのですが,その仮定が間違っていたり,あるいは仮定ではなく確認したつもりがきちんと確認できてなくて,問題を複雑化させるということが積み重なっています。

4年生にかぎらず,研究をしていて問題が複雑になるのは勘違いをしてるときが多いです。とある配線のつもりでデバッグを進めるも問題に到達できず,改めて「つもり」ではなくあらゆる配線を確認していくと勘違いに気付き,それで問題解決ということは非常に多いです。一つづつ順番に系統的に物事を確認していくことが実験を進める上で重要で,そのノウハウをまさに身につけようとしているのが今の4年生なんでしょうね。すでに彼らは数ヶ月前に比べて圧倒的に逞しくなっていますし,卒業研究発表会を迎えるときにはさらに一段と実力をつけているに違いありません。でも,やっぱり...身近で見ている小心者の私はドキドキしてしまいます。

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2013始動

先月29日から昨日まで正月休みを満喫していました。これから忙しくなる年度末に向けて良いリフレッシュとなりました。

というわけで,今日から活動開始。予想通りと言うべきか,論文の添削に追われ始めました。HくんのD論添削に手間取っていて,正月休みの間も少しはやったのですが,私の手元に1章分ほどの原稿が残っています。そんな中,M2の学生のHくんとJくんは正月休みも返上して修論を書いていますから,休み明けの今日当然のようにこれまでに書き上げた分の原稿を持ってきました。嬉しい悲鳴と呼んでいいのかわかりませんが,悲鳴を上げたいのは間違いありません。彼らの書くペースに私の添削速度が追いつかなくなるのではないかとすでにちょっと心配です。

今年もよろしくお願いします。

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