ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

アイドリング状態

10月から続いていた濃密なスケジュールをこなし,その最後の〆ともいうようなワークショップを終え,昨日と今日はアイドリングのような状態です。1月になると修論の追い込みと学部4年生の卒業研究の追い込みで忙しくなり,その後も年度末特有の忙しさ+学会で3月末までバタバタするのが毎年のパターンとなっています。ということで,それに備えるべく(?),年始まではしばしのんびり過ごすつもりです。

そうだ,宣伝を2つ。

一つ目はサイエンスカフェのお知らせ。1月11日(金)に工学院大学というところで行うサイエンスカフェに招待されました。詳しくはこちらをご覧ください。サイエンスカフェというのは初めての形式なのでちょっと戸惑いもありますが,逆に初めてのことなので新鮮で楽しみでもあります。講演会とは違うスタイルなので,話の誘導のための最初の短い講演をどのようにやるのか,休みの間にでもゆっくりと考えるつもりです。

もう一つは,大阪ニュークリアサイエンス協会というところの主催のシンポジウムでの講演です。1月21日(月)に大阪大学中之島センターで複数の講演が行われるのですが,その中の一つとして私も話をします。こちらについては,ウェブ上の宣伝サイトを見つけられなかったのですが,そのうち告知されるのではないかと思います。こちらは,確か40分程度の講演です。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

濃密な一日

今日は極めて濃密な一日でした。いや,昨日も光センサーに関するワークショップはあったのですが,ワークショップと理学研究科内でのヒアリングが今日は重なってしまったので,精神的な負荷が若干重めな一日でした。しかも,大量のコーヒーを作るなどの準備のために,いつもより2時間近く早い朝7時過ぎには大学に来たので,余計にそう感じます。とにかく,2日間の研究会とヒアリングを無事終えることができて安心しました。

その研究会ですが,コーヒー作りに追われて(?)落ち着いて話を聞けなかったのは残念ですが,浜松ホトニクスの人のレビュートークなど,素人の私にとっては非常に勉強になる講演が数多くありました。参加者のみなさん,Nさん,Yさん,お疲れさまでした。そして,裏方として運営を手伝ってくれた研究室の秘書さんと学生さん,本当にありがとうございました。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

オタク心をくすぐられまくる

今日は光センサーのワークショップ1日目。色々な話があって非常に面白いワークショップですが,素人の私にとっては,浜松ホトニクスの人の話がレビュー的な内容で非常にわかりやすく,凄く勉強になりました。それだけでも参加できた甲斐がありました。

が,しかしっ。今日はそれ以上にインプレッシブなことがありました。

将棋観戦オタクを自称する私にとっては,今晩はクリスマスプレゼントをもらったような気分です。というのは,若手として将来を嘱望されている四段の棋士の方のお父さんと話をすることができたのです。

って,何を言ってるかわかりませんよね。その四段の方は物凄く若くしてプロ棋士になった人で,確か2年くらい前に史上数人目(5人目くらい?)の若さでプロデビューを果たしました。それくらいの若さでプロデビューを果たした過去の人というのはタイトル保持者まで登り詰めた人ばかりで,将棋の世界では次世代の第一人者の切符を手に入れたような,それくらい期待されている人なのです。

で,その人のお父さんが今日のワークショップに参加していたのです。懇親会から2次会へ流れている途中,そのお父さんと一緒のグループだったのですが,私は当然そんな事実は知りませんでした。しかし,私が将棋好きだということを知っているNさんがその事実を教えてくれて,私のミーハー心はもうパンクしそうでした。

いやー,もう,これからはその人のことをおもいっきり応援します。まずは,頭ハネをくらわずC1へ昇級できることを祈っています。

[2015年12月14日修正]
趣味 | コメント:0 | トラックバック:0 |

恒例の発表会

昨日は,大学の高エネルギー物理グループの2つの研究室合同の恒例年末発表会でした。どちらの研究室も学生数が増えており,1日で終わらせるのは無茶なくらいの厳しいスケジュールでした。ということで盛況な発表会,と言いたいところなのですが,学生からの質問やコメントが少なくて活発な議論があったとは言えないのがちと残念なところです。確かに質問するのが難しい発表も幾つかはありましたが,まあ,とにかくもうちょっと元気があればよりよかったなぁ,という印象でした。その中で,「まじっすか?」が口癖のTくんは光っていました。あれくらい元気な学生がもう1人か2人いると,それだけで発表会の雰囲気は大きく違ってくると思います。来年はさらに盛り上がることを期待しています。

と,偉そうなことを言ってる一方で,私自身もこの発表会にあまり集中できていませんでした。ここ数日,とある書類作りでバタバタしている上に,25,26日の準備,と言っても配布資料を作ってプリントアウトくらいなのですが,が間に合わっていなくて,その準備をしたりしていました。いや,もう少し早く,せめて一日前に準備しておけばいいことなのですが,準備していた書類の事務への提出締め切りが一昨日。それを提出した一昨日の夜に準備しようとしていたのですが,書類提出後に事務から修正依頼が来て,昨日の朝まで応対が続いてしまいました。なかなか思うように物事は進まないものです。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

余った給食

ちょっと前に,給食を作っている人たちが余った給食を食べていたということがニュースになっていました。学生たちとの昼飯時に話題になったのですが,世知辛い世の中ですねぇ。だいぶ前に,市役所で飲み会をやってることが大きく問題になってるというニュースがあり,そのときも同じようなことを書いたような記憶がありますが,いやー,息の詰まる社会です。窒息しそうです。最近はマスコミ関係者の知り合いが少しできたので,今度機会があれば話をしてみたいですが,社会部の人というのはそんなにも息苦しい社会を作るのが楽しいのでしょうか。

お前も公務員みたいな立場だからそんなこと言ってるんだ,と言われるのかもしれませんが,うーん,それにしても,どうせ捨てる余った食べ物を食べるのってそんなに悪いことなんですかね。物凄い高級料理の残りでそれを毎日食べて昼食代(?)を物凄く浮かせているとしたら,ちょっとは羨ましい話だとは思いますが,でもそれは羨ましいということであって,どうせ捨てちゃうものなら食べた方がもったいなくていいな,と貧乏性の私は思ってしまいます。はい,腹八分目には十分達しているのに,勿体ないからと無理して最後の残りを食べてウエストをどんどん膨らませているのは私です。

しかも,こう言ってはなんですが,余った給食の残りを少し食べたくらいでは金額的にはミクロですよね。いやまあ,どっかの坊ちゃん嬢ちゃんが通う私立の学校では違うのかもしれませんが,少なくとも公立の小中学校の給食がそんな高級食材を使っているとは思えません。そんなミクロの話を新聞やニュースで扱うというのが驚きです。

価値観の違いなんでしょうけど,私なんて,食事を残す人間を見ると腹立ちますもん。そういう人に比べて人の残したものを片付けて食べてる人のほうが立派くらいに感じてしまいます。報道のポイントはそこではなくて,捨てるものとはいえ,公のものから(ミクロな)利益を得たというところなんだとは思いますが,それにしてもそんなに大きく報道することなんだろうか,という感じがします。いや,ホントに世知辛い。

日常 | コメント:2 | トラックバック:0 |

米長邦雄永世棋聖

将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖が昨日亡くなりました。残念だし,寂しいことです。

私は自分では将棋を指しませんが,プロの将棋はよく観戦します。おそらく,そのルーツは,おそらく小学生の頃に見始めた日曜日の朝のテレビでの将棋対局だと思います。今もこのシリーズは続いていて,日曜に仕事がないときは今もその放送を見ています。まあ最初の頃はそんなに本気で見ていたわけではありませんが,そこそこ熱心に見始めた頃は中原・米長時代だったので,なんというか物心ついたときの強い将棋指しの代名詞がその二人でした。

その後も米長さんは将棋だけでなく各方面で色々ご活躍され,才能のある人だなぁと憧れにも似た気持ちで見ていました。現役を引退されてからは,会長として将棋連盟の運営に尽力されて,多くの敵を作ったり問題も起こしたりしたようですが,日本の「決められない政治」とは正反対で強力な実行力で色々な業績を残しました。という印象を少なくとも私はもっています。

現役引退前は盤を前にして戦い,引退後は連盟運営という政治のために戦い,彼の人生は休み無しの戦いの連続だったんだろうなと思います。おそらく私だけでなく,ディープな将棋ファンの多くは似た印象を持っているのではないでしょうか。これだけ激しく戦い続ければ,他の人よりも激しく疲れ,69歳とはいえ実年齢で同じ年の人よりも遥かに消耗していたことでしょう。そう考えると,ようやく休むことができたということなのかもしれません。

たぶん,このブログを読んでる方は将棋には興味がないので,私が今日書いていることは物理の説明以上にチンプンカンプンかもしれません。けど,時代を作った巨人が逝くというのは寂しいということだけはわかってもらえるのではないかと思います。私にとっては、山田康夫,渥美清,この二人が亡くなったときと同じ寂しさです。

趣味 | コメント:0 | トラックバック:0 |

名刺

名刺って偉大です。数年前まではほとんどといっていいくら無用のものでしたが,ここ2、3年は名刺の有り難さをひしひしと感じるできごとが多いです。誰がいつから使い始めたのか知りませんが,お役立ちグッズですね。

先週末も,数人の人の名前と連絡先を調べなければならなかったのですが,名刺を貰っていなければ限りなく難しい作業でした。もし,名刺をなくしていたらと思うとゾッとします。パソコンのバックアップは常にとっていますが,そのうち名刺のバックアップもとろうかと思い始めました。

しかし,マナーを知らない私にとって奇異に映るのが,名刺を両手で受け渡しする人が多いことです。あんなに小さいものを,しかも自分の名前と連絡先が書いてあるメモなわけで,それを両手で渡すのって変だなぁ,っていつも思ってしまいます。と言いつつ,相手に両手で出されたものを片手で受け取るのもなんなので両手で受け取らないとならないのかなぁ,と悩んでしまいます。

ただし,私の数少ない経験にもとづくと,年配の人は両手で受け渡しをしないか,両手だったとしてもなんというか物凄い有り難いものを受け渡しするような感じではなく,さりげなく,サクッと名刺の受け渡しをしてる印象があり,逆に若い人は物凄く丁寧な扱いをしているという印象を持っています。よく知りませんが,ビジネスマナーとか言って,そうするように強制されているのかもしれませんね。私には,わけのわからん言葉遣いをはじめ,ビジネスマナーと世間で呼ばれていることに理解不能なことが多いので,その一つなのかもしれません。

それはさておき,情報の交換と記録という意味で,本当に名刺って偉大です。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

勘違いの起源

突然ですが,勘違いってなんでしちゃうんでしょうね。

あ,勘違いといっても単なる記憶違いのことじゃなくて,自分の能力,技量,器量,容姿等々に対する自己評価が第3者との評価の間に大きな乖離が生じるという勘違いについて,です。受験のように数値だけが価値判断基準となるような場合ですら勘違いしてしまう人がいるくらいなので,日常生活ではあらゆるところに勘違いの危険性が潜んでいます。私なんて自他ともに認めるジャイアンなので,勘違いの危険性どころか,日々の生活の支えが勘違いなのかもしれません。

そんな勘違い野郎の私を驚かせるようなこともたまには起こります。周りからお荷物だと思われている団体があったとしましょう。私自身はその団体のことをよく知らないので,その団体に関する評価は善くも悪くも,私以外の人から聞いた評判にもどついているとしましょう。で,その評判は,非常に多岐に渡る人から聞いているにもかかわらず,一様に悪い評判ばかりだったとします。でも,その団体の人と話をすると,彼ら自身は非常に頑張っていて周りと比べても優秀さが目立つ存在だという認識を持ってることがわかる,なんていう経験はありませんか。

しばらく前にそういう場面に遭遇して,私はハングアップしました。二の句を継げなくなるという言葉がありますが,そのときほどその慣用句がぴったりだと思ったことはありませんでした。

自分が周りからお荷物になってる状態って,人は敏感に感じると思うんですよね。感じていてもそれを認めないという態度を取る場合は結構あるかと思います。意地や根性で頑張るというのはそういう状況のときかもしれません。しかし,心の底から,第3者の評価と真逆の自己評価をしてしまうという勘違いはなぜ起こってしまうのでしょうね。

私が思いつくパターンは2つあります。一つは,判断基準が大多数とは全然違っている場合で,もう一つは,自分(たち)にだけ甘い判断を下してしまう場合です。判断基準は個々人の趣味みたいなものなので,それが多くの人と違っているのだったら,これ以上何も言うことはありません。でも怖いのは,自分たちに対してだけ甘い判断をしてしまう場合で,それがなぜ起こってしまうのかを考えるのは自分自身の勘違いを無くすためにも大切だと思い考えてはみたのですが,なかなかこれが原因だという決定版を探し出すことができません。

周りに迷惑をかける,問題を起こす,そういう勘違いを自分ではなるべくしないようにしたいものです。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

色々な仕事

昨日に引き続き今日も自分的には充実した一日でした。午前中は,修士課程の学生のHくんとともにKEKのスタッフ+業者の人を交えてのテレビ会議。Hくんが作ろうとしている電子回路基板についての打ち合わせで,専門家でない私にとっては非常に勉強になりました。そして午後は昨日に引き続き,4年生の卒業研究を手伝いました。昨日壁をこえたと書きましたが,まさにそれが壁で,今日も色々な試験をして検出器の挙動を調べ,その振る舞いが理にかなったものであることを確認し,研究内容としてはかなりの進捗がありました。

というわけで,今日も研究中心の業務となりました。で,明らかなのは,研究中心の業務だと物凄くストレスフリーで,これも昨日書きましたが,雑務に埋没してるときに比べて桁違いに充実感があります。研究者って研究をやってればよくて楽しそうと思われるかもしれませんが,ある意味それは真実で,研究してる研究者ってのは本当に幸せだと思います。でも,どれくらいの時間を研究に使えるのかが実際には大問題で,今の仕組みだと頑張って研究をすればするほど雑務が増えるので,なんというかジレンマですね。

一方,明らかに研究者は稀な職業です。多くの人はモノを作ったり売ったりするのが職業で(なんか,小学生の社会の授業みたいですね),今日も色々な業者の人と会ったり,実際には会わなくてもメールで多くのやり取りをしました。午前中に打ち合わせをした人は,電子基板を製作する人で,基板を作るために日々奔走しています。深夜とんでもない時間にメールがしょっちゅう送られてくることからも,彼がどれだけ忙しく働いているかわかります。

それから,大学には多くの営業の人が出入りしています。今日も何人かの人が私のオフィスを訪ねてきました。もちろん,それが販売に直結するわけではありませんが,こちらが何か必要になったときに連絡することがあるから重要な業務なんだなぁ,と最近は実感するようになっています。それから,ここ数日メールでやり取りをしている業者の人は,なんというか全然商売っ気がないんですね。とある製品一式を頼むと,その一式に含まれるこれはどこそこで買った方が安いとか教えてくれて,私の無知をいいことに高い製品を売りつけようとしないのです。それだけではなく,その人にとっては時間の無駄になってしまうのではないかというようなこちらの質問にも丁寧に答えてくれて,買うこちらが恐縮してしまうような人柄なのです。いや,人柄ではなく,そういう商売・営業のやり方なのかもしれませんが,とにかく,同じように物を売るにしても色々なやり方があるもんだなぁ,とつくづく感じるここ数日です。

研究が楽しいという話から完全に話が変わってしまい,まとめようがなくなってしまいました。って,日々まとまってない戯れ言を垂れ流しているだけですが,今日のは本当にとりとめのない思いつきの羅列となりました。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

4年生研究進捗状況

今日は充実感漂う一日となりました。午前中は,修士課程の学生とゼミ。午後はシリコン検出器関連の週例ミーティングにテレビ会議で参加。Hくんがやっている研究内容について濃い議論ができてそれなりの収穫がありました。その後,特別研究員のJと珍しく研究に関する議論。大学にいるはずなのになかなか会って話をする機会がないのですが,今日はそれなりに話ができました。

そして,今日のメインイベントは,4年生の卒業研究です。

2、3日前に書いたように,今年の研究テーマでは,シリコン検出器を動かすのがなかなか大変で,ハードウェアが揃った上に,信号読み出しに必要なソフトウェアとファームウェアの基本形は先輩の遺産を使えばよいのですが,それでも4年生にとっては前に進むのが大変で,ここしばらくは足踏みをしていました。ちと専門的になりますが,センサーからの信号読み出し用のASICのconfigurationができずにいました。

周りの先輩たちも色々アドバイスはしてくれますが,それでも少しキツいかと思い,昨日,今日と空いている時間に私自身でASICのspec sheetを読み,かつ,過去に自力でスクラッチから読み出しシステムを作り上げたOくんに幾つか質問をして,読み出しASICの勉強をしました。で,今さっきまで4年生と一緒にあれやこれやと試したところ,ちゃんとconfigできました。いやー,めでたい。これで,全てのシステムがほぼ動いていることを確認できて,かつ,4年生が使うハードウェアに特有の設定もできていることがわかったので,あとは本当に4年生達自身が地道にソフトゥエア整備してくれればよい段階に入りました。

ここが一つの山場だと思っていたので,それをクリアできたのは本当にめでたいです。というわけで,今日は充実感漂う一日となったのでした。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

光検出器のワークショップ

今月の25と26日に私たちの大学で光検出器に関するワークショップを行います。そのウェブサイトはこちらです。

なんで突然こんな宣伝をしているかというと,私も世話人の一人として名を連ねているからです。というか,私たちの大学でやるので,まあそのホスト役なのです。でも,高エネルギー業界の人だと首をかしげたくなるかと思います。私は検出器に関してはシリコンが専門ということになっていますから,光センサーのワークショップというのは畑違いな感じがするのではないでしょうか。

ではなぜ...と説明しようかと一瞬思ったのですが,面倒なのでやめます。そんな経緯よりも,真の主催者YさんとNさんから高エネルギー物理業界の人々に流されたメールを読んで知りましたが,光センサーの専門家ではない私からすると,講演者が錚々たるメンツです。ホスト役としては準備ごとがあって面倒ですが,聴衆としては話を聞くのが楽しみなワークショップになりそうです。というわけで,興味のある方はぜひ参加登録をお願いします。締め切りは一応14日となっています。

しかし,私は最近このテの催し物のお世話係が増えています。自分が真に言い出しっぺのものもありますが,そうでないものが急激に増えてきています。だから何だというわけではありませんが,せっかくやるからには講演の内容が面白くて,議論が盛り上がり,多くの人の研究の役に立つような催しになって欲しいです。と,書いてて思い出しましたが,今,IくんがやってるMPPCからの信号読み出しボードの開発の種は,この研究会からでした。昔,そういうものがないか探しているときに,K大学のKさんから,昔にあったこの研究会でそういうボードについての話題があったと教えてもらい,それが今の研究のきっかけとなったのでした。そうだ,そうだ。実際に研究会が役立った生き証人が私自身なんですね。では,恩返しの意味でも今回のワークショップを盛り上げないとなりません。

って,私が実際にやってるのは,(宴)会場の確保とコーヒーの手配くらいなのですけどね。ははは。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

4年生の研究テーマ

研究室の4年生の卒業研究がいよいよ本格的に始まった感があります。テーマ的には例年通り宇宙線を使って,その性質を探るというものですが,アプローチが今年は斬新です。というか,チャレンジングです。

テーマは宇宙線中のミューオンの電荷比の測定で,一昨年Hくんたちがやったのと本質的には同じテーマです。しかし,いつもはシンチレータ+PMTのみを使いなんとか頑張るというのがポイント(=分解能が測定誤差に与える影響を学ぶ)だったのに対して,今年は,シリコンストリップ検出器を使ってみる,という方向で動いています。動いている読み出し装置があるわけではないので,全くのブラックボックスを使って粒子の位置を測定し,飛跡を再構築するだけというのではなく,読み出し装置を自分たちでなんとか準備しなければならないという難しさがあります。まあ,実際には,HくんやOくんをはじめとするATLASグループの修士課程の学生が代々(?)やってきたことを応用するので,スクラッチからやる必要はないのですが,それにしてもfirmwareをそれなりにいじり,softwareをそれなりにいじり,ということを短期間でやっていかなければならないので,まずは信号読み出しに壁があります。

で,実際にどういう検出器を使うかというと,ATLAS実験のシリコンストリップ検出器として使われているものと全く同じものを使います。KEKをはじめとする日本のいくつかの研究機関が開発と建設に携わり,そのときに作ったスペア(あるいはプロトタイプ)が残っているので,それを借りて4年生実験に使わせてもらっています。例年は,研究室に落ちている(?)シンチレータの切れ端なんかを使って実験してるわけですから,それに比べると今年は豪華絢爛な装備です。検出器本体だけでなく,その周囲の信号読み出しボード,ソースメータ等々,周辺機器も色々と必要ですし。

そんなわけで,テーマが決まり,ってテーマが決まったのはかなり前ですが,検出器やら周辺機器やらも全て手に入り,いよいよ4年生が頑張る番になりました。方向性として新機軸なので,指導教員の私としてもドキドキものです。どうなることか。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

LHCとATLASの近況

年内のLHCの運転は残りわずかとなりました。物理ランはほぼ終了。23fb^{-1}ちょいのdeliverted luminosityに対して,ATLASグループが記録した積分ルミノシティは21.7fb^{-}でした。年初の積分ルミノィティの目標をほぼ達成したLHCも凄いですし,90%以上のefficiencyデータ収集をしたATLASも十分及第点がつけられると思います。特に,bunchあたりの陽子数がすでに設計値を超える過酷な状況でのデータ収集でしたので,それも加味して,実験グループ全体がよく頑張ったという印象を持ちます。

今週残りは,ビームをより絞ったテスト運転,bunch間隔を25nsに縮めてのテスト運転,これらが予定されています。そして来週にはシャットダウン。来年の初めに重イオン衝突はありますが,陽子陽子衝突はしばらくお休みです。2013年と14年は長期のシャットダウン。LHC運転再開予定は2014年終わりごろですが,予定は未定なので実際にどうなるのかはやってみないとわかりません。

シャットダウン中のATLASグループの主なアクティビティの一つは,IBLと言う名前のピクセル検出器を,現存するピクセル検出器のさらに内側に設置するということなのですが,そのIBL製作が大幅に遅れていることが気になります。プロトタイプモジュールのデキが悪くて(bump bondingの歩留まりが非常に低い),いまだに試作を重ねるというような状況です。モジュールというのは,シリコンセンサーと読み出しASIC(集積回路です)を張り付けたものだと考えてもらえばよく,そのモジュールを構造体に組み込むことで検出器の一塊となります。

Bump bondingというのはセンサーと信号読み出しASICを電気的に繋ぐ部分で,昔からこの接合が難しく歩留まりが悪いというのが問題でした。そのために,センサーとASICを一体型としたシリコン検出器を作りたいというのがこの業界の共通の夢というか目標で,今も多くのシリコン検出器開発はその方向を目指しています。

おっと,少し先走りましたが、そんなわけで今年のLHCの運転は順調に終わりを迎えることができそうです。ここしばらくは,多くのグループ(=上記のIBLその他の検出器の作業に直接的に絡んでいないグループ)にとっては,これまでに収集したデータの解析が主なアクティビティとなります。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

ウェブでの問い合わせ

仕事内容の中で重要な地位を占めるものに,競争的資金の獲得と,その資金をどのように使うか考えることがあります。資金をどのように使うかを考えるかというのは,どういう研究を進めるのかと直結しますから,研究内容を考えているということに実は非常に近いのかもしれません。その中でより具体的にお金の使い道を考えるにあたって,物品を買う場合は,その物品の値段が幾らくらいか当然のことながら知らなければなりません。

また,競争的資金の獲得にあたっては,色々な機会に応募をしなければなりません。その申請書の中には,政治家のマニュフェストと違って具体的にどういう予算の使い方をするのか書きます。ここでも,物品が必要な場合には幾らくらいするのか知らなければ申請書を書けませんので,やはり,モノの値段を知らなければなりません。

というわけで,物品の値段を調べるということに,無視できない時間を費やすことがあります。特に問題なのは後者です。前者の場合は,ある程度の値段をすでに調べてから申請書を書いていますから,おおよその値段の見当はついています。それをもとに,欲しい品物を取り扱ってる会社に見積もりを取り,似たような製品がある場合には,性能と値段を比べて最終的な判断。というように,道筋がハッキリしているのであまり困ることはありません。ところが,後者は結構大変です。

自分の経験にもとづき,値段のおよその見当がついていれば問題ありませんが,そうでないモノというのも研究遂行上たくさん必要になります。特に,やったことのない研究をすれば,毎回そういうモノに出逢います。日常生活品ならばシャンプーはいくらくらい,ジュースはいくらくらい,...というように,大体の目安がつきます。ところが,実験に使う器材って全く値段の見当がつかないものばかりです。100平方メートルのクリーンルームを作るのに必要な費用,とある大きさのブロック塀を壊して捨てるのにかかる費用,全く作ったことのない仕様の電子回路を作るのに必要な費用,あるいはその回路に使用するICの値段,などなど経験がなければ全然値段の予想のつかないことがあります。

こういうときは,知っていそうな人に話を聞くというのが一番速いのですが,身の回りにそういう人がいないときはウェブサーフィンをとりあえずします。縦割り行政のお役所と同じで,大学というのもかなりの縦割り。自分の研究室の人に聞くか,せいぜい隣近所の研究室の人に聞くのが精一杯で,きっと物理学専攻内のすべてのスタッフ,あるいは理学研究科内のすべてのスタッフに質問することができれば,あっというまに解決するような話なんだと思いますが,そういうことを簡単に訊けるような仕組みがありません。

そういえば,グーグルだったかな,違っているかもしれませんが,アメリカの有名IT企業ではエレベーターかなんかの壁に質問のメモを貼っておくのだとか。自分の連絡先を添えて。それに答えられる人がそのメモを見たら,質問主に連絡をするのだそうです。自分の馬鹿さ加減をさらけ出す質問というのは大抵の人が質問しづらいと思いますが,物の値段だったり,どこで自分の欲しい物品を買えそうか(そうです,値段の前にそもそもどこで自分の欲しい物品を買えるのかすらわからないことが多いのです),そういう単純な質問なら恥ずかしくないのでサクッと質問できるはずで,それなりに機能するのではないかと思うのですが,ダメですかね。あったら凄く便利だと思うのですが。

脱線した話をもとに戻すと,そんなわけで物の値段を調べたり,その物をどこで買えるか,ということを調べるのにウェブを使うわけですが,これがイマイチなんですよね。イマイチだと思う理由は色々ありますが,まず,値段はほとんどの場合わかりません。価格.comに載ってるようなものだったら調べる前から大体の値段の想像がつくわけで,私たちが探す物というのはもっとマニアック(?)です。欲しい物を取り扱ってるサイトを見つけたとしても,掲載されている品物リストに値段が載ってることというのは非常に稀です。正確な値段は当然見積もりを取らなければわからないのですが,おおよその値段でいいから,100%の誤差がついていてもいいから(それでもオーダーはわかりますから)値段を書いといてくれると嬉しいのですが,そういうケースは稀です。

でもって,ここから先は値段を調べることに限った話ではありませんが,ウェブから質問フォームみたいなのがあってそこから問い合わせる場合がありますよね。あれもイマイチじゃないですか。住所やら電話番号やら色々書かされた挙げ句に,回答が来るのが物凄く遅く,しかも結局は電話で話をしないとわからない,なんていうことありませんか。だったら質問フォームなんか作らずに最初から電話で聞け,と書いておいてくれればいいのに,と思うわけです。さらに最悪なのが,メールアドレスも収集されるときです。第3者には見せてないのかもしれませんが,広告メールが送りつけられてくるだけで十分うんざりします。

最近もこのてのことで脱力することがありました。長いフォームに答えて,会員登録。会員登録が済んだ後でよううやく「値段つき」のカタログをダウンロード可能。ようやくの思いでダウンロードしたカタログを見て愕然としました。数ベージにわたるカタログには,製品のリストがあるにはあるのですが,値段が載ってるのは私でも想像がつくような品物だけ。しかもそれが一つだけ。もうほとんど詐欺ですよ。いや確かに値段載ってましたよ。一つだけ。でも,これってありなんでしょうか。値段を載せられない事情というのはよくわかります。でもそれなら,人を騙すようなことはせず,本当に値段のわかる問合せ先をきっちりと教えて欲しいです。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

インフラはただではない

少し前に,トンネルの天井(?)が落ちてくるという惨事がありました。運が悪いというだけでこういうことがあるのかと,本当に恐ろしくなります。しかし,もっと恐ろしいと思うのは,その原因が老朽化かもしれないということです。色々な要素があって原因を一つに絞るのは難しく,どういう事故調査の結果発表になったとしても,やはり老朽化はその一因として否定できないんじゃないかなぁ,と思ってしまいます。でもそうだとすると,古いトンネルや橋なんてたーくさんあるわけで,いや,ホントこわいです。事故原因の究明もですが,とにかく,なるべく多くのトンネルの点検をして欲しいものです。

この事故で感じるのは,ってか,日々色んなところで実感していますがインフラはただではないんですよね。とりわけ,クオリティの高いインフラを整備するのは非常にコストがかかります。色んな意味でのセーフティファクターが大きくなければならないわけで,それには,最低限必要とされる仕様にセーフティファクターそのものを大きく入れておくことも必要ですし,日々のメインテナンス代も莫大に必要です。前に,ILC関連の人から聞いた話ですが,ILCの候補地は電力がいかに安定して供給できるかどうかということもサイト選びに含まれているのだそうです。それも,私たちが考えるようなレベル(日本なら大丈夫だけど発展途上国では無理だろうみたいなレベル)ではなく,日本国内ですら,分母になる総電力量がある程度大きな電力会社の管轄地でないとダメなんだそうです。

段々言いたいことに迫ってきました。電気代が大幅値上げされたために,理学研究科ではこのままだと大赤字になるそうで,夏と違った目的で節電要請が来ています。突然,千万円単位の赤字になりそうなんだとか。ただでさえオフィスは寒くて,ホッカイロやら毛布を持ち込んでいるというのに,さらに節電って,もう本当に頭にきます。一般家庭の場合は,電力会社が値段を変更したくても勝手に変更できません。国だかの認可が必要です。ところが,事業所への電力費は勝手に値上げできるんだそうです。なので先行値上げ。しかも値上げ率がデカイのです。一般企業はホント泣きたいでしょうね。

で,この値上げは当然のことながら燃料代。3000億円だった燃料代が9000億になっています。ちなみに,関西電力のトータルの予算規模は2兆円強で,その中の3000億が9000億になったのですから(総費用が2兆円強→2兆7000億),そりゃあもう半端な負担ではありません。ついでだったので,ちょっと調べてみたら,2兆円の費用のうちの半分近くが減価償却,メインテナンス費用,購入電力代。人件費は10%にも満たない2000億円弱。頑張ってももう費用をそれほど削れません。もし原発を動かさずに全部火力発電にしたら,それでは発電量が足りないのでしょうが,もし仮にそうしたとしたら,事業所の電気代はおそらく2倍くらいになったんでしょうね。これも別の意味で恐ろしい話です。

そんなわけで大学は節電要請されてるのですが,理学研究科の場合,昼と夜の電力消費量があまり変わらないのだとか。ってことは,昼夜を問わず動かし続けなければならないよう実験設備が大方の電力を消費してるということになります。つまり,人間がいる昼間の間に節電しても効果は非常に小さいわけですね。ということがわかっていても節電要請しなければ赤字ですから仕方がありません。でも,ということは,研究活動を低下せざるを得ないということになります。そうです。企業同様,大学もギリギリの財政でやりくりしてるので,節電というのは研究活動の低下に直結する死活問題です。

昨日だか一昨日にも書きましたが,将来的に原発を廃止したいという考えは極めて自然だと思うのですが,いや,もちろん逆の考えをする人がいても,そういう考え方もあるかと思います。でも,いずれにしても,デカイ減価償却を必要とする設備(=原発)を国の政策として作ってしまった以上,その寿命分は設備に仕事をしてもらわなければあまりにも無駄です。そういえば,書いてて思いましたが,脱原発を主張する人と,地震前までエコとかCO2とか騒いでた人たちには相関があるんでしょうかね。

日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

本ほぼ(?)完成

Tくん,Yさん,そして私の3人で共同執筆していた本がようやく完成(?)しました。クエスチョンマークがついているのは,最後は,校正原稿をチェックしてその修正・訂正を編集者に送りましたが,最終的な完成版を私たちがまだ見ていないからです。にもかかわらず,すでにウェブでは検索にひっかります。驚きです。タイトルについても,幾つか案を出しましたが,それについても私たちに最終決定は知らされることなく,でも,アマゾンとかにはすでにタイトルつきで先行予約が始まっています。知らぬは著者ばかりなり。自分たちの周りでコトが物凄い速さで進み本当に驚きました。ちなみに,ググってみるとアマゾンはいいのですが,紀伊国屋のサイトの紹介では私の名前が落ちてます。うーむ...。

きっと今頃印刷が行われていると思うのですが,そんなわけで,先週末から一昨日くらいまでにかけては,驚きの速さで物事が進みました。特に本文以外の場所。表紙や自己紹介,そして帯,それらがあっという間に出来上がりました。しかし,私のミスで帯についてはかなり冷やっとしました。とある有名人に帯のコメントを無理矢理頼んだところ,なんとOKの返事をもらい,それで油断してたら最後の最後に物凄いスピードで仕上げが進んだため,帯の締め切りには到底間に合わないような状況になってしまいました。ところが,編集者に指定された締め切りの約1時間前に帯を頼んだ人からコメントをもらい,まさにギリギリセーフ。もうダメだと思って諦めていたので,余計に嬉しさひとしおでした。

さて,そんな本のタイトルは「ヒッグス粒子の見つけ方 質量の起源を追う」です。企画をきちんと理解していなかった私は一般書のつもりだったのですが,出版社では教科書,あるいは参考書的な位置づけで売るらしく,値段はあまり安くありません。でも,確かに,易しい教科書に書いてある内容に近いことを数式をなるべく使わずに説明したつもりなので,ブルーバックスとかよりは詳しい内容になっているかと思います。それを読んでからアウトリーチの講演会に来れば,内容をバッチリ理解できるのではないかと思います。興味のある方はぜひ。

はい,今日はおもいっきり宣伝でした。発売は年内のはずです。

研究 | コメント:1 | トラックバック:0 |

爆笑の選挙公約

選挙ですね。昔はあまり興味ありませんでしたが,最近は年をとったのか流石に興味があります。いえ,選挙がなくても,政策には常に興味があります。と書いててなんですが,若いうちから興味を持ってきちんと考えて投票するべきだったと,ちょっとだけ反省してます。

それにしても,選挙公約だかマニフェストだかしりませんが,各政党の宣伝文句には爆笑ものの政党が結構ありますね。投票者に媚びることしか書いてなくて,それだったら一層のこと,税金ゼロ,原発と言わずあらゆる発電所を廃止して電気は輸入,子供のいる家庭には月々100万円,無職の人にも月々100万円支給。誰も働かずともあらゆる人が暮らしていける社会。これくらい言ってもいいのではないかと思ってしまいます。財源のことなんて全く触れずにやりたいことを書けるのって凄いです。私たちの世界なら実験をやるのに,その成果や面白さだけではなく当然コストを見積もり,そのコストパフォーマンスから実験計画を推進するのかしないのかが決まります。一般企業でも,コストの見積もりのない企画なんてありえませんよね。でも,国の政策に関してはコストなんて無視してやりたいことだけやれるのですね。

あと,減税,原発廃止,バラマキの3点には相関関係があったりするのも面白いです。まあ,減税とバラマキは同じことを言い換えてるに過ぎませんが,原発廃止との相関というのは興味深いです。ついでに言うと,原発廃止なんて声高らかに言わなくても,将来的にはきっと原発減っていくと思うのです。だって,事故が起こる前から危険だということは誰の目にも明らかで,なんで原発があるのかというと,コストの観点から現状それが企業をはじめ多くの人にとってオイシいと信じられているからです。コストというのは,稼働させるための費用だけじゃなく,今までの設備投資や人件費等々も全て含めたコストです。たとえばもし,太陽光発電でもいいですし,地熱発電でもいいですし,そういう発電であらゆる電力を賄えてしかもコストが安いなら議論の余地なくそっちへ移行します。ただ,現在はまだそうなっていないわけですね。逆に言うと,将来的にはそういう発電によるコストが原発に比べて安くなる日が遅かれ早かれ来るわけで,問題はそれがいつぐらいになるかということです。私自身はそういう技術開発に関して全く知識がないので予想もできませんが,2030年代には原発を廃止とか言われると,黙っていてもその前には原発は旧技術になってないだろうな,とツッコミを入れたくなります。

話は冒頭に戻りますが,選挙に多くの人が行かない,あるいはちゃんと考えて投票しない,こういうことが繰り返されているから結果として政治家がどんどん劣化してるわけですよね。隣りの部屋のTくんが言ってたように,おもいっきり社会を変えるには結局のところ武力しかないのかもしれませんが,少なくとも今の日本で政治家がバラマキ一方で真面目に政策を考えないのは,そういう政治家を好む国民が多数を占めているからだと思うのです。もちろん,今回の選挙一回,あるいは数年かけたくらいでは,今と同様ダメダメ政党が多いのかもしれませんが,長い年月をかければ変えることができるのではないかと思ったりもします。ただし,今のままでは絶対に無理で,やっぱり教育が鍵を握っていると思うのです。社会の授業で議席数だか何歳から立候補できるかとかそういうくだらないことばかり教えてないで(あ,いや,それもちょっとは大切かもしれませんが),小学生くらいのときから,自分だったらどの政党に投票するか,なぜそういう投票をするのか,そういうことを議論して自分で考えさせる,もっと言うと少なくとも選挙の大切さを叩き込まないと政治は良くならないと思うんですよね。

自分を振り返ってみるに,20歳になって投票できても,それまでに,各政党ごとにどういう政策を持っているのか,国家財政がどのように決まり,どのように使われているのか,まあ一言で言うと国家がどのように実際のところ運営されているのか,そういうことを学ぶ機会はなかったように思います。それで,誰かに投票しろと言われても,ほぼランダム,あるいは芸能人に投票するくらいしか思いつきません。と,書いてて思いましたが,実は学校でもちゃんと教えていたのですかね。偉そうに書いてきましたが,よく考えると,社会で何を学んだのか全く覚えていないので,もしかしたら教えていたのに私がちゃんと話を聞いて理解してなかっただけの可能性もあります。うーむ,どうなんだろう。でも少なくとも,選挙をシミュレートして自分で考えるなんていう授業はなかったと思うのですが。

日常 | コメント:1 | トラックバック:0 |

お話するvsお話しする

3人で共同執筆中の本の校正が佳境を迎えています。まだ書いてるのかという声が聞こえてきそうですが,今月中の発売を目指してまさにラストスパート。って,実際にスパートをかけてるのは執筆者ではなく編集者をはじめとする出版社の人々で,物凄い勢いで依頼が来ます。土曜,あるいは日曜に校正原稿が送られてきて,月曜の朝にはその校正原稿に対するさらなる修正案を出すよう求められたりしています。先週末は,たまたま出張がなかったからよかったようなものの,CERNあたりへの移動だったら全く対応不能でした。

それ以外にも,表紙,目次,さくいんをはじめとする本文以外の部分の製作が凄い勢いで進んでいて,本の出版のリズムとはこういうものなのか,というように今まで知らなかった事を学んでいます。いや,最初の原稿を提出するくらいの時までは,凄いのんびりしてるなぁと正直感じたんですね。その後の1回目の校正あたりもさほど急いでいる感じはしませんでした。むしろ,執筆している私たちが年内発売と言ってたけど間に合うんだろうか,という印象を受けていました。ところが,2回目,そして今回の3回目の校正あたりから急にスピードアップ。その速度差に驚いています。

おっと,前置きが長くなりましたが,校正原稿のチェックをしていて,3人の執筆者,特にYさんと私の間で熱い議論が巻き起こりました。「お話する」と「お話しする」のどちらを使うべきか,についてです。ホントは切羽詰まっているのだからそんな議論してる場合じゃないんですけど,好きなんですよね,こういう類いの話が。

私の主張はこうです。って,もちろん理由は後付けで,今まで私がそうしてきたからなのですが,「お話する」を主張しました。「話」は動詞か名詞かによって送り仮名を変える例外処理をすべき漢字だと理解しています。話を聞く,ヒッグス探索について話す,のように。お話は,話という名詞に何と解釈するのが正しいのか知りませんが,ちょっと丁寧な表現で「お」を付けたものだと解釈して,依然名詞。つまり,「お話する」は「お話」という名詞+「する」という動詞で構成されていると考えました。

ところが,Yさんは「お話しする」派。メールでのやりとりなのでホントのところどう考えていたのかはわかりませんが,教科書を出版している会社のウェブサイトの説明内容に沿った意見でした。その内容とは,「お話し」は「話す」の連用形と考える。なぜかというと,「お聞きする」「お送りする」などの例から,動詞の連用形と認めたほうが妥当だ,というのです。だから,教科書では「お話しする」と表記する。ただし,私の解釈のように「名詞+する」と考えても間違いではない。

うーん,しかし,私のようにお上から言われてもすぐには納得しないタイプの人間は,その説明ではまだ納得できません。というのは,動詞の連用形として使われている例に使われていた漢字は,「話」のように名詞と動詞のときで読み方の違う漢字ではないのです。だから,動詞の連用形として使っているのか「名詞+する」として使っているのかわかりません。また,偉い人が何か喋っているさまを丁寧に言おうとしたら,正しい敬語・尊敬語を知らないのでその辺は許してもらうとして「お話しなされる」みたいな使い方はアリかな,と思います(これは,さっき学生たちと議論して納得したことです)。それだったら確かに動詞の連用形ごもっともと思うのですが,自分で人に何か説明する場合には,そういう使い方変ですよね。

とまあそんなわけで,何の役にも立たないことを楽しく考え続けています。しかし,難しいですね。言葉には数学とかと違って例外処理が多く,かつ,そのルールが明確じゃないことも多いので。

日常 | コメント:2 | トラックバック:0 |

役人の言うポンチ絵

ポンチ絵っていったら普通は概念図みたいなもの,つまり,詳細は必要なくて重要な原理や仕組みを説明するための簡略図のことだと私は思っていたし,普段生活していて,というか仕事をしていると,周りの人もその意味でポンチ絵という言葉を使っていますが,役人は違う意味でポンチ絵という言葉を使うものなのでしょうか。

政府や省庁が何らかのガイドラインとか,指針とかいってよく資料を配布しますよね。Exclusiveにパワーポイントで作成したと思われる非常にセンスの悪いごちゃごちゃとしたスライドで,昔,私は,その役割が今ひとつ理解できないでいました。発表に使うスライドだとしたらゴチャゴチャし過ぎていて,聴衆はそんなスライドの中身を見て理解できるわけないし,どうせ配布する資料ならば言葉でもっときちんと説明すればいいし,いったい何のための見た目の悪い資料なんだろうと思っていました。

ところが,どうも,そのごちゃごちゃしたスライド風な絵(?)のことを役人はポンチ絵と呼ぶのですね。確かに物凄い複雑な処理を瞬時にこなせる人にとっては,ごちゃごちゃしていても概念図であってポンチ絵なのかもしれません。でも私にとっては,単に見る気の失せる資料なんですよね。あ,いや,自分が見る気が失せるだけなら見なければいいので問題はないのですが,今度はどうもそのポンチ絵なるものを自分で作らなければならなくなって,それで困っています。

昔,何かの委員会で学術会議に提出するポンチ絵を一枚作るということになったときに,私がそんな見た目の悪いごちゃごちゃしたものなんか誰も見ないだろうという発言をしたら,委員長の人から,役人に提出するいわゆるポンチ絵というのは誰も見ないようなごちゃごちゃしたもののことなんだ,という説明を受けて,へーそういうものなのかと思ったことがありました。そしてまた最近もポンチ絵を提出するということになると,近所の研究室の教授から,ポンチ絵というものがどういうものであるのか説明してもらったところ,やはり先の説明と同じなのです。

ってか,そもそもポンチ絵のポンチって何なんでしょうか。あ,いや,グーグル先生に聞けばわかることなんでしょうけど,意味不明な言葉です。

大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |