ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

福岡出張など

まったくもって今さらな宣伝ですが,明日は九州大学での一般講演会です。名古屋,大阪,神戸と続いたシリーズ第4弾,このシリーズのラストです。福岡ではまだアウトリーチをやったことがないので,最近慣れてきた一般向け講演会ですが,新鮮味があり楽しみです。

その後,大阪には戻らずに明後日早朝にはCERNに向かいます。前期は週に授業が3つ。コマ数にすると5コマも入っていたため平日は全く身動きがとれず,1回もCERNに行けませんでした。CERNに行けないだけでなく,毎週末国内出張をしてたと感じる月も何回かありました。とほほ。

しかし,前期に授業を詰め込んだおかげで,後期の授業は1つだけ。それも3週間に1回担当が回ってくるという軽いものなので,ようやくまとまった日数出張できるようになりました。というわけで,来週のATLASグループの collaboration meeting に行ってきます。

今回ちょっとだけ気になるのが台風の進路。日曜早朝に福岡から成田へ飛び,その後ジュネーブへ向かうのですが,日曜に台風が上陸しそうな気配。それよりも早く福岡→成田→と移動できるとよいのですが。。

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徒弟制度

私が知ってる高エネルギー業界の人事は透明で,自分の周りには研究者村の古き悪しき慣習である徒弟制度的なものはあまり見られない,とこのブログで何度か書いたことがあります。特定の教員,特定の研究グループ,というか特定の大学,にはそういう傾向が多少ある気がしますが,概ねそういうことはあまりないなぁと思っていました。自分たちの研究室や仲の良い友人たちの属する研究室を見ても,卒業生は自分たちとは関係のない実験に送り出すことを目指し,外から新しく人を採用する場合は新しい血を入れる傾向が強いと,これは今でも感じています。

でも大学教員になって6年。大学にいると,他分野ではそんなことなくて,世間で批判を受けるムラ社会,徒弟制度的な研究分野がまだまだあるんだなぁ,と思う出来事にかなり遭遇してきました。医学部と病院の関係はグループ会社みたいなものだというのは以前からよく聞いていましたが,そういう系列会社....じゃなかった学閥的なものが色々なところに残っているものなのだな,と最近は感じるようになりました。

そういう分野にいる人たちにはきっと彼らなりの論理があるんですよね。これまた私がよく主張してることですが,一口に研究といっても分野によって要求される資質,書ける論文数,その他あらゆる面で大きな違いがあります。だから,人を雇う場合の基準も私たちとは全く違う考え方をするのが実は合理的なのかもしれません。なので,どういう理屈でそういう社会になってるのかは興味のあるところです。

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ウェブで何かを調べたとき

自分の講演スライド等が上位でひっかかることがあります。他の大学で集中講義したときの資料,大学での授業で使ったスライド,そしてこのブログの記事が検索にかかることがたまにあります。というか,素粒子物理関係で何かを調べた時に,わりとよく検索にかかります。

そんなときの私の心境は複雑です。私の作ったいい加減な資料や,毎日垂れ流している駄文中の超いい加減な解説を役立ててもらっていて有り難いことだと思う一方,がっかりもします。だって,自分で作った資料や,自分の記事でわかる内容だったらはじめから検索したりしませんから。まあ,備忘録としての役割は果たしているのかもしれませんが,そうではなくて何かわからないことがあって検索してるのに,自分の作った資料や記事がヒットしても役に立ちません。想像してください。「おっ,これならわかるかも」と期待をこめてクリックして開いたPDFが自分のスライドだったときの私の落胆ぶりを。

と,そんな訳で自分の資料やブログが検索にかかると微妙な心持ちなのですが,同時に恐ろしいなぁという気持ちにもなります。

というのは,ウェブ上での議論だけなのかもしれませんが,参考文献としてウェブの記事を引用してくる人がたまにいます。たぶんそういう人は真面目な人で,引用元を示したんだからその人の主張には裏付けがあると言いたいのでしょう。でもウェブには誰でもどんな情報も載せられるわけで,トンデモ情報が氾濫しています。そんなトンデモ情報を参照元として示されても...と思うわけです。トンデモ情報という意味ではテレビのワイドショーなんかもその典型ですが,テレビよりウェブのほうがたちが悪いと思うのは,ウェブの情報収集がテレビに比べると能動的なところです。

私もそうですが,ウェブサーフィンするときってみんな自分が面白いと思うサイトや,共感できるサイトの記事を読むわけですよね。自分が受け入れ難い意見を書いてるブログを修行として延々と読んでる人というのは滅多にいないのではないでしょうか。つまり,自分にとって心地良いと感じる情報だけを収集してる恐れがあるのではないかと思うのです。一方テレビの場合,のど元過ぎればなんとかというやつで,しばらくすると凶悪事件も,ゴシップも報道されなくなってしまいます。ウェブの場合には,反対意見を言うコメンテーターもいません。

というわけで,ウェブで集めた情報というのは自然とバイアスの強くかかった情報になっている可能性があります。そこら辺を配慮しつつ,加減しながら(?)ウェブの情報を拾っていかないと,知らず知らずのうちに無茶苦茶偏った情報と意見が刷り込まれてしまう危険性があるのですが,さきほど書いたように,ウェブのブログネタなんかを引用元にしてしまうような人はそういう認識を全く持っていないような気がして,恐ろしいことだなぁと思ってしまうのです。自分の主張を補完するための偏った情報収集になっているのではないかと。

ですから,何が言いたいのかというと(高エネルギー総会でのYさん風),このブログで私が書いてることは完全なフィクションかもしれないので,いつも眉につばをつけて読んで欲しいということです。って,誰もそんなに真剣に読んでませんよね。あはは。

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実験屋魂

私たちの研究室から最寄りの男子トイレでは,4箇所ある小用の便器のうち1箇所がしばらく前から故障しています。洗浄のための水が流れっぱなしになったり,まあ一言で言うと流れるべきタイミングで水が流れるだけでなく,本来なら止まるべきタイミングで毎回きちんと水が止まらないという症状でした。大学事務には連絡してあり,一度は修理に来た気配があったのですが,問題は解決せずという状態が続いていました。

そんなある日,というか昨日ですが,Y教授がドライバーを持ってトイレへ向かったと思ったら,今度は,人が立っていることを感知するセンサー部分を手に持って学生と私が話をしているところへ戻ってきました。実験屋魂が疼いて仕方なかったんでしょうね。センサーの設定等に異常がないか確認,その後,センサーの反応がおかしくないかまたトイレに戻り,色々と反応を試します。それでも症状は変わらず,設定等では解決できないセンサー故障の気配。

しかし,ここで問題追求を実験屋はやめません。となりの便器についてるセンサーと(配線を順次)交換し,本当にセンサーがだめなのかどうか確認を試みます。すると,元々となりに着いていたセンサーでも水の流れは止まらず,逆にもともと疑っていたセンサーは隣りの便器だと正常に動作します。ということで,問題はセンサーではなく,水量をコントロールする電磁弁と特定。問題がどこにあるか特定できたことに実験屋的には満足して,そこで作業は終了。まあ,それ以上は部品を変えるしかないので私たちにやれることはありませんからね。

こういうデバッグを楽しげにやれるY教授はじめ私たちはみなバカだなぁ,と笑ってしまいました。こういうデバッグ作業を楽しいと感じる人は実験が好きなんでしょうね。

ちなみに,トイレには風で手を乾かす装置が着いているのですが,その装置を使っている時間の長さでHくんが私を特定していたのには大笑いすると同時に,実験屋の重要な素養である観察眼の鋭さをこいつは持っているなと感じたのでした。

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マニュアル人間

もうかなり前のことになりますが,息子と二人で街を歩いていた時,携帯電話加入のキャンペーンのようなものに遭遇しました。何度もこのブログでも書いているように,私は携帯電話が大嫌いでこの世からなくなればよいと思っている変わり者なので,通常ならばそんなキャンペーンには見向きもしません。

しかしその時は,着ぐるみと,大きなサイコロによる抽選という罠(?)に息子がひっかかり,やむなくそのサイコロを振り,景品をもらうために店の中に連れて行かれ...あー,面倒なことになったな,とちょっとだけ思ったわけです。息子の分と私の分と2種類の景品をもらい,当然次はこうきます「ところで,今どちらの携帯をお使いですか?」と。

あー,やっぱりそう来るよな,と思いつつ私は正直に答えます。「携帯嫌いなんで持ってません。」

心の中では「そう言わず,この機会に一度ご検討されてはいかかでしょう?」みたいな二の手が飛んでくると予想してました。だって,せっかく店の中にまでまんまと引っ張り込んだのですから。

ところが....私の回答があまりに予想外だったのか,応対をしたその店員は「え,あ,あの,そうなんですか」とだけ返事をして,その後何にも言いません。わりと立派な景品をもらったので,もっと粘り強く勧誘されるかと思っていたもので,その返事に拍子抜け。こちらとしては景品をもらっただけで何の勧誘も受けずにその場を立ち去っていいものか逆に心配になり「これで帰ってもよいのですか?」と尋ねたところ,イエスの返事。

うーん,何だったんでしょうか。私の回答がマニュアルになくてハングアップしたとしか思えない反応でした。最近は何事にもマニュアルがはびこり,マニュアルやhow to モノなしに生きていけない人間が増えてるみたいですが,本当にそういう人が世の中にはたくさんいそうだと感じた出来事でした。

....あるいは,単に私が怖かったのか??

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神戸でのアウトリーチ

昨日の神戸でのアウトリーチはなかなか盛況でした。ご来場くださった方,ありがとうございます。講演会+パネルディスカッションというスタイルは新しい試みでしたが,流れというか企画的にはまあまあ上手くいったのかなと感じました。ただ,難しいのは,お客さんの嗜好は多用なのでディスカッションの内容が全員の希望を満たすことは不可能で,どうしても最大公約数的なお題について議論することになり,その辺りの調整は今後の課題なのかもしれません。それにしても,Yさんの司会ぶりは見事でした。アイデアを出しっぱなしの私と違って,パネルディスカッションでのお題や進め方をきちんと準備してくるし,かつ,滑らかなしゃべり。出たとこ勝負の私とはエラい違いでした。

来週は巡回シリーズの最後となる福岡での講演会です。福岡でも多くの方にお会いできることを楽しみにしています。

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Sさんに狙われ,今度はOさんに?

明日は神戸大学でのアウトリーチです。お近くの方はぜひ足をお運びください。と,一番重要なことを書いたので,また例によりくらだないことをダラダラ書きます。

一時期,そうですね,2、3年くらい前に,物理学科のS教授に狙われているなぁと感じていたことがありました。学生相手の様々な催し物,大学と高校との間の連携に関する企画,雑誌の記事執筆,等々,狙い撃たれている感じがしていました。つい最近もM1のTくんからこんなことを聞きました。学部生が企画する物理学科縦断合宿という行事があるのですが,その企画を当時主催していたTくんは,私のオフィスに(かわいい彼女と一緒に)その合宿に参加して欲しいと頼みに来ました。裏事情を知らない私は女の子の依頼を断るわけにはいかないのでTくんの熱意を感じてその合宿に参加したわけです。その時は,Tくんたちは教員全員に依頼をして回っていたと思っていたので,熱心だなぁと思ったんですね。ところが,私のところに参加依頼しに来るように勧めていたのはS教授だったというのです。いやー,今になると合点がいきます。

とまあ,そんなことを感じていたことがあったのですが,最近はなんとなくO教授に狙われているような気がします。だいぶ前に,文科省だったかの研究者の意識定点観測のためのアンケート依頼というものが私のところに来たのですが,理学部全体で2、3人にしか当たらないという低い確率の中私が選ばれたのは,どうもO教授のチョイスだったみたいなんですね。それから,先月は大学の広報誌にATLAS関連の記事を書いたのですが,これももしかするとO教授の推薦だったりするのかな,と少し勘ぐり始めています。というのは,箕面FMというローカルラジオ局に大阪大学が月一でやっている番組があるのだそうですが,今度はそれに出演依頼が来たのです。しかも,O教授の推薦で。

狙い撃ちされるというのは,注目してもらっている証左ですから決して悪いことではなく,むしろ有り難いことだと思っています。次は大学総長あたりに狙い撃ちされ,その見返り(?)として大きな研究費を総長裁量経費とかなんとか言ってポンとくれないかなぁ,と妄想している私は病気かもしれません。ははは。

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D論初稿の初稿

博士課程の学生であるHくんは今博士論文を書いています。彼の解析結果はN大学のOくんの結果とあわせて2本の論文になっていますので,それらの結果をもって博士論文にしてもよかったのですが,鬼のような指導教員がそれでは博士論文として認めない。ATLASグループの公式解析手法だけでなく彼オリジナルの解析も含めなければダメだ,と主張したため,今年前半はボトムクォーク起源のジェットを同定する確率の測定などに取り組み,解析の内容を濃いものにしてきました。大体の結果は春に得られ,夏にはほぼ解析を終了しました。で,今はひたすら博士論文を書いているというわけです。

その彼の論文の初稿の一部,全部ではなく数章分の赤ペンチェックをしばらく前から始めました。学会前に2章分くらい見て,その後時間がなく残り1章分が未読のまま私の机に置いてあります。今週,来週にかけてはそれを読むことを自分に課しているのですが,私にとっては初めての博士論文指導なので今まで気付いていなかったことに幾つか気付いたりします。

一つには,今まで何本も修論の指導はしてきましたが,それに比べるとやはり博士論文というのは内容が濃く,書いてる本人は当然なんでしょうけど,読む側も修論に比べるとかなり気合いを入れないと読めません。自分が博士論文を書いたときは書くペースが速くて指導教員を困らせた(?)のですが,今になってみると,仕事の合間に論文原稿を読むわけで,当時の指導教員の苦労がよくわかるようになりました。

しかし,初めての博士論文指導は楽しみです。なんてことを言ってる場合ではなく,残りの章とアップデートバージョンをHくんから貰う前に,今持っている章を早く読んでコメントしなければなりませんね。ははは。

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ピクセルの読み出し速度

学会が終わって一段落したこと,その重要性を再認識したこと,新学期が始まっておらず私のスケジュールが若干空いていること,という背景から昨日と今日はJくんがやっているピクセル読み出しについてたくさん議論をしました。最重要課題はデータ読み出し速度の向上で,まずは,どういう操作がどれだけ時間を使っていて,何がボトルネックなのかを調べる必要があります。

ということはだいぶ前からわかっていて,学会前からずっとJくんの課題だったのですが,Jくんは学会だけでなくその前の週は国際会議のポスター発表に行っていたため,研究を進める時間がありませんでした。しかし,ダブルHくんのアドバイスと手伝いのおかげもあって,ここ数日でなんとなく納得のいく測定結果を出せました。予想通りといえば予想どおりの結果だったのですが,定量的に測定したことで次のステップとして何をやればよいのか少しだけ明確になりました。

ところで,私たちのグループではシリコン検出器からの信号読み出しをハードウェアのメインプロジェクトとしてやっているのですが,私はテクニカルなことは全くわかりません。そんな指導教員のもとで着々と学生が結果を出してくれるのは本当に素晴らしいです。最年長のHくんがこの方面に滅法強く頼れる存在で,かつ,毎年各学年一人づつ程度の割合でシリコンからの信号読み出しをやる学生がいたので,技術継承が非常に上手くいき,その結果,何にも知らないアホな指導教員がこれやろうと旗を振るだけで学生がちゃんと結果を出してくる,というこの流れは本当に大切にしたいです。

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今月の一般向け講演会

ヒッグスらしき新粒子発見を受けて,先月末に名古屋,そして大阪で一般向け巡回講演会の第1回と第2回をやりました。大学院入試や学会があったので少し間が空きましたが,第3回と第4回が近づいています。今週の土曜日22日が神戸,そして来週の土曜が福岡となります。以下にそれぞれのウェブサイトのURLを書いておきます。

http://www.research.kobe-u.ac.jp/fsci-epp/Higgs2012/
http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/index.php?OutreachHiggs2012

お近くのかたはぜひ足をお運びください。これら2回の講演会は講師を4人にして,話す内容を今までの担当者と変えます。今までに話を聞いたことのある方でも,また別の印象を受けることができるかもしれません。それから,神戸では新しい試みとして,講演のあとにパネルディスカッションをやることになりました。7月の大阪でニコ生中継のときの反省から,いきなりのパネルディスカッションでは話を理解しづらいのでまずは講演をして,その後,講演内容にある程度沿った形でパネルディスカッションをやってみることにしました。時間さえあれば理想的な形式だとは思うのですが,聴衆の方が疲れきらない時間内に収めることができるのかがポイントになりそうです。

これらの講演会とは別に,11月にも私は一般向け,というより高校生と大学生限定の講演会を行います。去年佐賀でやった平成基礎科学財団主催のやつです。今回はDVDを作るとかでコピーライトを非常に心配していて,スライドにある図全ての使用許諾を取るとかで,9月初旬を締め切りとして講演で使うスライドおよび全ての図の出典リストの提出を求められていました。しかし,まあ,ずぼらな研究者の生態を知ってる方なら予想つくかと思いますが,講演の2ヶ月も前に発表内容が準備できてるわけありません。というか,そういう依頼があったことを私はおもいっきり忘れていました。

その催促をされたのが先週の学会初日。その後もずっと出張続きでしたから当然対応することができず,今日の午後からようやくスライドを作り始めました。前回とほぼ同じ物を使おうと思っていましたが,出典不明の図表が結構あって,自分で図を描くなど,予想以上に大掛かりな作業が必要となっています。先方の担当者の方には本当に申し訳ないことなのですが,どうにもこうにも手が回りません。この2、3日中に,せめて図の出典リストだけは固定させるべく頑張っているところです。

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シリコングループ会合

今まで,ATLAS日本シリコングループの会合でした。基本的にスタッフが集まり,将来計画について忌憚のない意見交換を行い,ざっくりとした方針を決めました。私以外の人たちは,学会4日間,ATLAS日本グループ会合2日間に続けての出張+移動でお疲れだったと思いますが,非常に有意義な会合をすることができたと自分では感じています。決定内容は,まあ,それはそれしかないだろうということだったかもしれませんが,各研究期間の代表+KEKの実働部隊のスタッフがほぼ全員集まって議論を交わす機会というのはこれまでありませんでしたので,そういう意味でみんなの考えていることが少しでもわかったという意味で有意義でした。

身近なところでは,SEABASという汎用読み出し基板を使った研究が大事であるということを再確認し,大阪グループの研究方針を考える参考という意味でも役に立ちました。数日前のエントリーで書いたようにJくんが頑張ってくれているのですが,日本グループの命運を握るくらい重要なテーマなので,なんとかマンパワーを集結させたいところです。

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日経の新聞記事

先月は読売新聞の科学欄にヒッグス関連の記事が載り,そのための取材を受けていたというエントリーを書いたような記憶がありますが,先々週は日経新聞の「迫真」というコーナーでもヒッグス発見を取り上げてもらいました。確か月曜から金曜までの5回続きで,私のことを2回目で少し記事にしてもらいました。

その記事を読んだ2人のEくんからもメールで言われましたし,自分で読んでも思ったのですが,新聞記者さんは流石に文章が上手く,私のことがあまりにカッコよく描かれていて驚きました。というか,いや,本当にお恥ずかしい。私のことを知らない人があの記事を読んだら,私が物凄くカッコよくシブい人物だと思うに違いありません。プロジェクトX風味なんですね。記事から受けるであろうイメージが実物とかけ離れているので,その記事を読んで赤面しそうでした。

一昨日,昨日のATLAS日本グループのcollaboration meetingで会ったCERN常駐組の若手とも話をしましたが,テレビの取材のときもやはり非常にカッコよく映像を撮影していくんだそうです。マスコミで描かれる人物像というのは作られたもので,実際とはかけ離れていることもあるんでしょうね。

いやしかし,ホントに文章はカッコよく,プロの技でした。

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春の学校と同じ会場にて

ATLAS日本グループのcollaboration meetingで滋賀県の琵琶湖畔に来ています。今年の5月に春の学校をやったのと同じ会場です。

昨日の夜は,学生の発表。晩飯後だったので時間があるからか(?)ヘビーな議論でした。今日は,将来計画に向けてどのような活動をしていくのか議論,プラスお金の話など。1日中会議というのは,これまたなかなかヘビーです。

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京都産業大学で学会

火曜から明日金曜まで京都産業大学で物理学会が開かれています。私もそれに参加するため,連日,片道2時間弱かけて通っています。京都の人には申し訳ないのですが,京都はどこに行くにも不便で個人的にはあまり近づきたくない街です。交通手段はバス,しかもどこへ行っても混雑。研究会や学会の類いが京都であるとそれだけでテンションが下がってしまいます。しかも,今回の京都産業大学というのは京都のなかでもかなり不便な場所で,毎日電車のなかでなんでこんな不便な場所でやるのだろう,と意味のない自問を繰り返しています。

それはさておき,今回の学会はなんとなくですが,やはりヒッグスフィーバーでしょうか。特に理論の人々にその傾向が強く見られる気がします。私自身は,ヒッグスとコライダーというシンポジウムセッションでLHCでのヒッグス探索の将来展望という難しい発表が昨日あり,それを終えて今日はホッとしているところです。結果をしゃべるのは簡単ですし,その結果が興味深いものであればなおさら発表は簡単なのですが,将来計画という漠然とした内容を話すのはなかなかに難しいものなのです。

冒頭に書いたように明日まで学会ですが,その後の3日間はATLAS日本グループ関係の会合が学会とは独立に続きます。土日は全体会合,月曜は私が音頭をとってシリコングループだけで別途ミーティング。というわけで,ここしらばらくは出張続きです。

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院試合格者発表

物理学科の院試の合格者が先週金曜日に発表されました。何人かの話を聞くと,今年はY研究室,そして素粒子原子核実験系の志願者が多かったとか。その志願者の多かった中で,5人の学生がY研究室に合格しました。もともと研究室にいる4年生3人もすべて無事Y研究室に合格。Y研究室の4年生が全員そのまま修士課程で同じくY研究室に進むというのを,私は初めて見た気がします。あ,いや,他の大学院を受験している学生もいるので,全員が同じ研究室に進むことが決まったわけではありませんが,それにしても,全員がY研究室をそのまま志望するというのは実は稀なケースです。修士課程に進まなかったり,他の研究室,あるいは他の大学へ行くという人が毎年一人はいたのですが,そういう人がいなかったというのは,そもそもY研究室の人気,特に3年生から4年生への進学時にすでに人気があったのですかね。

合格した5人がこのまま私たちの研究室へ来るのかどうかわからないので,ここしばらくは別のドキドキ感を教員は味わうことになります。いずれにせよ,合格した人おめでとう。

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恒例の練習会

今週はまるまる午後を2回,研究室の学生の学会発表練習会に費やしました。学会の前の恒例の催しですが,今回は発表する学生が多いので2回に分けてもかなり濃密なスケジュールでした。大幅な修正を必要とする4人(?)は月曜に2回目のリハーサル。できれば2回目は避けたかったのですが,結局約3分の1が再チャレンジということになりました。

この練習会は学会直前ということで毎年2回あります。ほぼ毎回のように学生たちは発表しますから,各人がどれくらい実力をつけているのかを定期的に見ることができる機会となります。その進歩ぶりが人によってばらついているのは当然なのですが,その進歩度合いは,気のせいか,個々の学生が日々どれくらい真剣に地道に努力を続けているかと強く相関があるように見えます。いえ,たぶん気のせいではなくて,努力は人を裏切らないとよく言いますが,どんな道でも頑張れば頑張ったぶんだけ成果を得たり,成長することができるものなのでしょうね。そういう意味では,半年に一回の定期試験のようで,この練習会というのは恐ろしい催しです。

今回私にとってインプレッシブだったのは,Jくんです。前回は初めての学会発表だったこともあり,何度も修正に修正を重ねやっと形になりましたが,今回はいきなりの発表でも本番で通用するくらいのクオリティに仕上がっていて非常に感心しました。この調子で頑張って欲しいものです。

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オリンピック関連

ロンドンオリンピックを見て色々思ったことを,今頃になって書きます。

私は基本的に自分の興味のある競技しか見ません。といっても,子供の頃からスポーツ観戦ファン(?)だったので,色々な競技にあり,結構幅広い競技を見ます。しかし世の中には普段スポーツをあまり見なくて,それこそルールすら把握していないスポーツが多々ある人もそれなりに多いのではないかと思います。でもそういう人の中にもオリンピックになると俄ファンになって熱狂的に応援する人がこれまた多かったりするのではないかと思います。なぜそういうことが可能なのか私にとっては謎です。

ルール,いやもっと言うと,その競技の見方をわからない競技を見て楽しめる人というのはどこを見て楽しめるんでしょうか。生で見る場合は,ルールや見方がわからなくても,単に見ただけで圧倒されるということも多々あります。子供の頃,テレビで見てたらたいして凄くないと思っていたのに,生で見たら,とてつもなく速い球を投げ,とてつもなく切れのいい変化球を投げているプロ野球選手を見て驚きました。陸上競技を始めて見たときも,あまりの速さに空いた口が塞がりませんでした。中距離走でさえ常人の全力疾走を遥かに超える速さで走り続けるのを見て,とても同じ人間とは思えませんでした。でもこの凄さって生で見ないと全然伝わりません。なのでテレビ観戦するとなると,それなりに競技のポイントをわかっていないと私の場合全く楽しめません。金を賭けないと家畜が走るのを見ても面白くないのと同様でしょうか。

それなのに,世の中には競技のルールすら知らないのに熱狂できる人がいます。これって何なんでしょうか。頑張ってる姿に感動する,国粋主義者で日の丸を背負ってる人を見ると応援したくなる,スポーツだからということではなく単なるお祭り好き。色々な可能性を自分なりに考えてはみるのですが,もちろん答えがわかるわけでもなく日々悩んでいます。って,そんなことでは悩みませんが,一体どういう感覚で熱狂できるんでしょうね。

それともう一つ,審判の判定について感じることがありました。人間の判定なので不公平だったり,間違えたりすることがあるのは当然なのですが,それをどう考えて受け入れればいいのか考えました。一つには,最初っから公平なことなんてありえない,間違えることも多々ある,そういう事実を受け入れて審判の判定には文句を言わない,という姿勢もあるかと思います。もう一つはなるべく公平に間違いがないようにやるべきだという姿勢です。でも,どっちつかずの姿勢のシステムが多いですよね。判定に文句を言えて,よくわからないうちに判定が覆ったり,3人の判定で2対1なんていうのを見ると「うおっ,統計誤差が...」と例によって職業病を発病したり,あまりの灰色システムにうんざりすることが多々ありました。これだったら最初から間違える可能性のある判定をそのまま受け入れるべし,としたほうが潔いよなと思うことが多かったです。

公平さを装って全く公平になってない,つまり,審判が無作為抽出されてるとか,統計誤差を加味するとか,そういうことまでやらなければ全然公平にはならないわけですね。あるいは,判定が難しい場合は必ず多人数でのビデオ確認を最初から行うシステムにするとか,やり方は幾らでもあると思いますが,今のシステムよりは遥かに公平性の高いシステムを作ることは可能です。そういうことはしないのだったら,審判は生身の人間だ,判定が不公平なのも間違いがあるのも受け入れる,という姿勢の方がむしろ潔いと思ってしまったのでした。

それに関連してですが,レスリングのルールというか,判定の仕方は興味深いです。判定にクレームをつけると審判団だけでなく大きな画面で会場全体に判定画像を見せるのです。それで判定が公平になるかどうかはまた別の問題ですが,透明性を上げるという意味では画期的です。さらに,延長戦をやってもケリがつかないときはくじ引きでどちらが有利な体勢になるかを決めて,その有利不利のある体勢に組ませて再延長戦を行います。その体勢の差は大きいので,瞬時に技がかかり勝負が決まります。返し技が決まることもありますが,まあ,有利な体勢の方が相当有利です。つまり,勝負の行方はほぼくじ引きで決まるのです。下手な不公平な判定で勝敗を決めるよりもクジに勝敗を委ねるという潔さを私は高く評価しています。

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ATLASとCMSの違い

ATLASとCMSは,LHCでライバルの2つの実験グループなわけですが,よく見ると色々なところに違いがあります。

真面目なところから言うと,検出器は似てるようで設計思想がそれなりに異なります。(データ収集を始めたのはここ数年ですが)長い歴史のある実験グループなので,歴史的経緯を引きずった設計になっているというのが真相なのかもしれませんが,学生に検出器の説明をするときなどは一応真面目に設計理念の違いを説明します。ここで個々の検出器の違いを説明しても仕方ありませんので,ざっくりと私の感想を言うと,ATLASは保守的,CMSのほうがアグレッシブです。あるいは,ATLASはパッチワーク的,CMSは全体が統一されているとも感じます。善し悪しはともかく,同じテクノロジーではつまらないですし,ダブルチェックという意味でも違ったテクノロジーを使うことは大切ですから(同じテクノロジーに基づいた同じ検出器を使うと,2つの実験グループで同じ間違いをする可能性が高まる),設計思想の異なる2つの検出器があるというのは,見識かなぁと思います。

それから,実際のところはよくわかりませんが,大きな実験グループですからorganizationが不可欠,そのやり方が違うとよく言われています。ATLASはどちらかというとみんなが好き勝手やっていて足並みが揃わない。良く言うと多様性が高い。CMSのほうが組織だって物事を進める,悪く言うと自由度がなくてツマラナイ。ってなことがわりと共通の認識になっています。それが本当かどうかはわかりませんが,自分の感じるところでは,ATLASはヨーロッパ的,CMSは非常にアメリカ的な感じがします。

ヨーロッパ風とアメリカ風の違いは実験の進め方,グループの運営方法だけでなく,論文にもはっきりと表れています。英語が全然違うし,書き方も全然違います。私はATLASを始める前は主にアメリカでの実験グループに携わっていました。Belleもやっていましたが日本の実験グループにいる外国人は(Belleに限らず)アメリカ人が多いからか,日本の実験グループが書く論文もどちらかというとアメリカ風の書き方が多い気がします。なので,ヨーロッパ風の論文というのはあまり目にすることもありませんでしたし,書くにあたって参考にしたことが全くありませんでした。

そういうバックグラウンドを持った私は,ATLASの論文を読むのが非常にツライのです。見たこともない英単語,あまり目にしたことのない表現,そして何より,受動態一本槍の文章が読みづらくてたまりません。前に,トップクォーク対の生成断面積に関する論文を書いたときは,アメリカ人と私の二人で書いたので最初はアメリカ風味の論文でした。ところが,グループ内の査読でことごとくヨーロッパ風味のATLAS標準に書き換えるように言われ,泣く泣く自分にとっては読みづらい冗長な表現に変えました。

それに比べてCMSの論文は私にとっては非常に読みやすいです。来週の学会で自分にトークのあることに気付き,いえ正確にはY教授の一言で思い出して焦って数日前から準備を始めたのですが,将来の展望に関するレビュートークなのでATLASとCMS双方の論文に目を通しているのですが,CMSの論文の読みやすいこと。慣れの問題なので仕方ないのですが,同じような内容の論文を2つ並べて読んでみると,その違いの大きさに驚いたのでした。

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携帯電話を持っていない人は

大阪府の災害避難情報を受け取る資格がないんですかね。携帯を持ってない人間は災害で死ぬのもやむ無しという判断なんでしょうか。

大阪880万人訓練と称して,あらゆる携帯電話に災害情報メールが送られたそうです。テレビを見てる,ラジオを聞いてる人にしか災害情報が伝わらないのよりも効率的なんでしょうけど,お前は生きてる必要がないと言われたみたいです。ははは。しかも,大学では,そのメールの受信状況を報告する必要があるので各研究室毎に受信状況を知らせるべしという回覧を送ってきました。なんだかなぁ...

うちの実家は田舎だからなのか,災害情報はそこらへんのスピーカーから流れてくる仕組みでした。たとえば家事があればサイレンがなり,どこそこで火事が発生したとか,先ほどの火事は何時に鎮火したとか,そういう放送が流れました。こういう仕組みがあるのはうちの実家のほうだけではないと思うのですが,なんで都会(?)にはないんでしょう。

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週末から昨日

土曜は,住んでる地域の自治会の当番みたいなものが回ってきて,近所の小学校に朝から昼過ぎまで行ってきました。学校が週休2日制になったことを受けて土曜日に小学校の校庭と体育館を遊び場として開放するとかで,その見張り係の担当でした。そんなことしても遊びに来る子供なんて予想通りほとんどいなくて,ただひたすらボーッと過ごしました。教育委員会だか青少年なんちゃら委員だかが主催してるらしいのですが,こういう事業にもわずかながら市の予算が使われ,かつ,お金以上に貴重な私たちの時間を費やすことを強要されてるという現実に出逢うと,論理の無茶苦茶なH大阪市長が大阪府民から支持されていることに妙に納得してしまいます。誰も遊びに来ない学校の見回り係をやらせるよりは,近所の子供たち相手に科学教室でも開催させるほうが,人材の使い方として遥かに有効だと思うのですけどね。私が住んでるのは大学のおんぼろ宿舎なので,科学教室だけでなく,なんちゃら教室を開けそうな人材は山ほどいるはずで,そういう人たちをコキ使いたいならコキ使えばいいと思いますが,もっと有効な使い方があるような。

日曜は,家の片付け。普段家事はカミサンに任せっきりですが,子供を連れてカミサンが外出だったので,たまにはと思い掃除その他の家事プラス色んな場所の整理。いい汗をかいて(?)その後のビールが美味かった。

昨日は,週例のATLAS大阪グループのミーティングの後,急遽学生何人かと飲みにいくことになりました。昔私たちのグループにいたTくんが帰省がてら研究室に遊びに来たので,突発的に飲みにでかけました。久しぶりに会って楽しい話をたくさんしました。

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