ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

小林誠さんに遭遇

昨日はT大学柏キャンパスで行われたタウンミーティングに出席。そして今日の午前中はKEKで高エネルギー委員会だったので,タウンミーティング終了後につくばへ移動,一泊しました。

その移動の最中に,なんと3人もの知り合い(?)とばったり出会いました。まず1人目は,電子回路の専門家のIさんという人が電車に乗っているのを目撃。私は知り合いのNさんとホームで電車を待っていたのですが,すると,反対方向へ向かう電車の中にIさんが座っているのです。物凄い偶然があるもんだと思っていると,今度はホームで電車を待っている昔Belleをやっていて今は宇宙線研にいるEさんに遭遇。これだけでも物凄いaccidental coincidenceですが,極めつけにもう一人。Nさん,Eさんとともにホームに入って来た電車に乗ると,目の前にはなんと小林誠さんが座っているのです。

いやー,驚きました。前に飛行機の中で南部さんを見かけたときもそうでしたが,周りの人はそこに座っている人がノーベル物理学賞受賞者だとは全く気づいていない雰囲気でした。しかし,1回電車に乗っただけで,これだけの数の知り合いを偶然目撃したのには本当に驚きました。

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授業ラストスパート

今学期初めて担当した電磁気学IIという授業は,物性っぽい内容で,苦労しているという話は何回かしたことがあるかと思います。しかし,その授業も残りわずか。というか,講義は今週で終わり。来週の試験で全ての授業が終わりです。ということで,授業の準備もラストスパート。試験の問題作りだけです。

が,しかし…。

内容からして,磁性体あたりも問題にしなければならないと思うのですが,全然そのあたりの問題を思いつかないんですよね。面白いな,と思いつくのは電磁波というか,波動方程式というか,その辺ばかり。それでは試験問題として明らかにバランスを欠くので,なんとか磁性体に関する問題を作らなければと思うのですが,これが難しい。

試験問題を作っているはずなのに,自分の中で何が欠けているか逆に試験されているような気分です。。。

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μ→eγの結果など

ここ数日,EPSという大きな国際会議のせいもあって,毎日私の本職である物理の話ばかりになっています。食傷気味のかたもいらっしゃるかもしれませんが,今日もまた物理の話です。今日のは少しインパクトがあるので,すぐに書かずにはいられません。

ちょっと前のエントリーで荷電レプトンフレーバーの破れの話をしました。μという粒子が電子とγ線に崩壊する事象の探索が熱い,という話でした。標準模型では実験の精度を考えるとほぼ起こらないと考えてよい崩壊過程で,もし崩壊があったとしたら,それは標準模型を超える物理現象。たとえばSUSYなんかが有力な候補となります。SUSYが真の理論だった場合の予言値と実験の探索感度がほぼ同じくらいになっているので,かつ,2009年のデータには信号っぽいものが見えている,ということから専門家の間ではLHCと並んで物凄く注目を浴びていました。その結果が,これまたEPSという国際会議で発表されました。

ところが,2010年のデータを加え,統計を3倍(2010年のデータ量=2009年のデータ量の2倍)にしたところ,新しく加えたデータには残念ながら信号らしい兆候がありませんでした。非常に残念です。ちなみに,崩壊比の90%信頼度の上限値は2.4x10^{-12}。物凄い感度です。1兆回に1回あるかどうかという事象を捉えるというレベルの感度です。さらにこの実験(MEG実験)は感度をもう1桁上げるべく,今年,来年とデータ収集を続けるそうですが…今の段階でこれだけゼロとconsistentだとかなりがっかりです。LHCでも標準模型を超える物理現象っぽいものがなかなか見つかりませんが,フレーバーのほうでもなかなか変なモノが見えません。。

ところで,μ→eγほどではありませんが,個人的にちょっとだけ注目していたBs→μμについてもLHCから新しい結果の発表があり,やっぱりというか,結果はゼロとconsistent。tanβの大きなときに感度のあるとされる物理過程で何の兆候もなかった上に,解析でも背景事象の見積もりが甘そうだったCDFの結果に,ほんのわずかな期待をかけていたのですが,これまたダメでした。これ以上実験の感度を上げると標準模型による寄与が見えてきてしまいそうなところまで来ています。

ということで,注目していた結果がことごとくネガティブになりちょっとガッカリしていますが,そんな中,今日は大学,というか物理学科内のセミナーでT2Kの話を聞きました。内容は,これまた少し前にこのブログでも取り上げたν_μがν_eに振動した事象の発見(兆候の発見)に関するものでした。これまで結果だけを斜め読みしただけで,解析内容を深く追っていなかったので,今日のセミナーは非常に興味深く聞くことができました。6事象の振動候補事象があるのですが,それらの詳細については全く知らなかったので非常に勉強になりました。

まあ,ポジティブなのにこしたことはありませんが,たとえネガティブな結果だったとしても,最新の注目結果に接するのは非常にドキドキわくわくします。物理をやっていて面白なぁと感じる瞬間であり,醍醐味です。

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科研費いろいろ

新聞等でも報道されているように,今年度の科研費は交付額の7割しか今のところ振り込まれていません。申請額ではなく,”交付決定”額の7割です。第3次補正予算で減額されるおそれがあるので,当面7割しか振り込まないのだそうです。

ということは,色々なソースから知っていましたが,紙ベースで数値が自分のところに送られてくると,振り込まれた金額の少なさに愕然としました。単に私がバカなだけなのですが,頭の中で数字を思い浮かべるよりも,目で数字を見たらほうがショックが大きかったです。ただ不幸中の幸いは,科研費をフルに使って人を雇っていなかったことです。一昨年までは自分の科研費をほぼ全額投入で研究員の雇用経費と出張費にあてていました。もしそういう状況だと,3割も減額されたら大変なことになります。そういう雇用問題は発生していないんでしょうかね。

一応,補正予算で減額される恐れがある,ということなので減額決定ではないわけですが,どうなるのか当たり前ですが非常に気になるところです。しかし,震災が大変なのはわかりますが,その痛みは公務員だけにかぶらせるつもりなんでしょうか。民間ではボーナスが上がったというニュースを聞きましたが,ボーナスが上がるどころか給料は減らされ(るんでしょうか?),研究費も突然ストップ。なかなかに素晴らしいガス抜きですね。

そんな暗いニュースに修士課程の学生の出張旅費が心配になり,KEKに助けを求めようとしていた矢先に,ATLAS日本グループ全体で出していた大型科研費が採択されたというニュースが飛び込んできました。EPSでそこそこ話題性のある結果を発表したタイミングと重なり,久々の嬉しいニュースです。採択されたという事実以外は,交付予定額も知らないのですが,とにかくまあめでたいことです。

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EPSのハイライト

いつEPSの結果をここに書けるのか自分でもよくわかっていなかったのですが(=ATLASグループとして結果を公表したと正式認定されるのがいつなのかわかっていなかった),今朝受け取ったメールを見ると,もう結果を口外してもいいようなので,今日は,ハイライトを簡単に説明してみます。

今回の目玉はヒッグス探索です。今持ってるデータの大部分を使った結果を発表しました。残念ながら「ヒッグス発見」と大々的にいえるほどのexcessはなかったのですが,150GeVよりも少し下に,2.5σ程度のexcessがあります。ただ,H->WW(->lνlν)という崩壊モードが一番の寄与を与えるのですが,topとZ+jetsは大丈夫かなぁという一抹の不安はあります。私たち自身がttbarの解析をやっていて,Z+jetsの評価に過敏になっていることと,H->WW探索の信号と似たトポロジーを持つttbar事象数が期待値よりも若干多めに出ている,というのが不安の根拠です。特に後者は,ttbar断面積の真の値うんぬんではなく,実際に観測している事象にオーバーラップがあり,それが期待値よりも大きいのですから,ヒッグス探索における背景事象としてttbarが上向きに振れている可能性があります。まあ,なんにしても,ヒッグスかどうかという熱い議論がグループ内ではされていまして,本当にエキサイティングな時期になってきた,というのが変な実感です。

H->WW以外だと,H->γγは上ブレしてるところもありますが,まだまだ統計のflucutuationの範囲内。あと,自分で気づいてなくてポジティブサプライズ(?)だったのが,H->ZZ(->llll)の感度です。130-140GeVくらいだとH->γγと良い勝負になるのには驚きました。やっぱり,レプトンは強いんですね。

個人的には湯川を測りたいので,もうちょっと軽くないと困るのですが,ないよりはあったほうがよい。いやでも,変な質量領域だと後でやることがなくなってしまう。いやでもないよりは…と変な思考ループに入ったりするのですが,まあそれはさておき,これくらいの質量領域にあるっぽいというのがあると,色々想像や妄想を膨らませることができて楽しめますね。あと,湯川を測りたいという個人的な希望から質量は120GeVかそれよりも軽いといいな,軽いはず,と意味不明なバイアスが自分自身に入っているので,150GeVとか言われるとバックグラウンドではないかという色目が入っていることはご承知おきください。

ちなみに,CMSも150GeVよりちょっと下は若干のexcessがあるようですが,ATLASほどは上ブレしていないようです。

ヒッグス以外だとやはりSUSYでしょうか。しかし,SUSYにはまだその兆候がありません。ということで,今日はハイライトと言いつつ,ヒッグス探索の状況だけのエントリーになってしまいました。

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EPS開幕

締め切りに次ぐ締め切りに追われていた物理解析ですが,それは,今日から始まるEPSという国際会議(ヨーロッパの物理学会なのですが,日本の物理学会と違い国際会議)に結果を公表するためでした。私たちのグループのHくん,N大学のOくんとともにやっていた解析も,3日前に無事グループ内の承認ステップを全てクリアし,解析者そしてもう一人の解析コーディネータのT(アメリカ人)とともにようやく一息ついた感じです。

しかし,今回のEPSではそれなりに色々な結果が発表されます。トップグループは公表する結果を会議にさきがけて全て公開していますから,その結果を言ってもよいのだと思いますが,探索系のグループはまだ結果を公開していません。ですので,ここで探索系について何かを書くことはできませんが,今が一番エキサイトな時期だということは間違いありません。私の場合はもちろんATLASの結果は知ってるわけですが,他の実験グループの結果は知らないので,たとえば,昨日,一昨日書いたように,LHCbの結果などは非常に気になっています。あともちろん,ライバルのCMSの結果も。

この会議で発表された内容をいち早く知りたいかたは,「EPS 2011」くらいでググればサイトが見つかります。講演に使われたスライドもそこにアップロードされるのではないかと思います。

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tanβ

今日は昨日の話の軽い補足です。

スタンダードモデルの枠内では,Bsがμμに崩壊するのはflavor chaning neutral currentですから,ペンギンダイアグラムなどの高次のプロセスとなり,崩壊比の予測値はオーダー10^{-9}と非常に小さくなります。ところがSUSYでtanβが大きいと崩壊比が大きくなれます。ということがこの解析の売りだと昨日書きましたが,これについてもう少し説明を試みます。

スタンダードモデルではヒッグス二重項が一つですが,SUSYではヒッグス二重項が最低2つ必要です。スタンダードモデルでは反粒子とカップルするのをヒッグスの複素共役で済ませているのですが,それをやると超対称性が保てないためにヒッグス二重項が最低2個必要になります。現象論的には,ヒッグスが1個だと三角異常項を抑制できなくなるので,異常項をキャンセルさせるためにもやはり最低2個のヒッグスが必要になってきます。

ちょっとややこしくなったのでまず大事な点をまとめると,SUSYの場合は最低ヒッグス二重項が2個必要。3個以上あっても(たぶん)いいのですが,普通は簡単なモデルを考えますのでヒッグス二重項は2個と仮定します。2 Higgs Doublet Modelを略して2HDMと呼びますが,2HDMが必ずしもSUSYだというわけではないので,2HDMの一つがSUSYという位置づけです。

さらに2HDMは大きく2つに分類できて,タイプ1とタイプ2があります。タイプ1では,ヒッグス二重項のうちの一つがフェルミオンと結合し,もう一個はフェルミオンとは結合しません。フェルミオンに質量を与えるのは二重項のうちの一つだけというシナリオです。一方タイプ2では,二重項の一つがフェルミオンのupタイプ(uクォークたち)にだけ質量を与え,もう一方がdownタイプ(dクォークや荷電レプトンたち)に質量を与えるとします。スタンダードモデルでは一個だった真空期待値が2個になると考えるわけです。SUSYはこのタイプで,2HDMタイプ2ということになります。

ようやくtanβになりますが,一言で書くと(って,定義なのでこれ以上書きようありませんが),tanβは,2個の真空期待値の比です。片方をv_u(uクォークたちと結合するほう),もう片方をv_d(dクォークたちと結合するほう)をするとtanβ=v_u/v_dです。ちなみにスタンダードモデルの真空期待値vに対してv=sqrt(v_u^2+v_d^2)となるように規格化します。

じゃあなぜこのtanβがBsの崩壊比に大きな影響を与えるかというと,フェルミオンの質量にはm=Yvという関係があるからです。mは質量,Yは湯川結合定数,vが真空期待値です。mは既知ですから,スタンダードモデルの枠内では,vもわかっていますからYも予言されています。だからこそ,模型が正しいかどうかを試験するためには,ヒッグスが見つかった後にYを測ることが重要で,私の研究テーマもモロにここです。

ところがSUSYの場合,先に書いたようにvではなくてv_uだったりv_dが真空期待値で,その比がtanβと言っているのですから,tanβの大きさ次第で湯川結合定数がスタンダードモデルの予言からズレてきます。tanβが大きければ,スタンダードモデルに比べてv_uが相対的に大きくv_dが小さくなりますから,upタイプクォークの湯川結合定数が小さく,downタイプクォーク(と荷電レプトン)の湯川結合定数が大きくなります。bクォークやμとヒッグスとの間の結合が大きくなるということです。

Bs→μμではbクォークがヒッグスを飛ばして,そのヒッグスがミューオン対に崩壊するという寄与がありますから,tanβが大きくなるとこの寄与がスタンダードモデルに比べてがっつりと大きくなります。なので,SUSYでかつtanβが大きければ,スタンダードモデルの予言値よりも崩壊比が大きくなることが期待されているというわけです。ただまあ,昨日も書きましたが,ヒッグスの探索結果などからそんなにtanβは大きくないだろうという予想もあって,今回の結果は微妙なんですね。

ただ個人的には,今回の結果が信号だと非常に嬉しいです。SUSYの間接的証拠という業界に対してのインパクトもありますが,私が狙っている物理テーマをある意味サポートする結果だからです。上記の状況とあわせ,解析内容からも客観的には信号とは考えづらいのですが…LHCbの結果待ちです。

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B_s --> mu mu

実験が終わりに近づいてきたからなのか,CDFからまたアグレッシブな結果が発表されています。

B_s --> mu mu を発見(?)したくらいの勢いで結果を発表しています。arXivに載ってる論文の最後の一文を引用します。"Although of moderate statistical significance, this is the first indication of a B_s --> mu^+ mu^- signal." だそうです。hep-exの1107.2304 です。FermilabのWine and Cheese Seminarでも先週話しているようです。

この論文のタイトルがSearch for...だったので,こんなにアグレッシブな内容だと気づかずチェックしていなかったのですが,昨日の研究室ミーティングの論文紹介で学生のMさんがこの論文を取り上げてくれて,それで知りました。タイムリーな論文を紹介してくれてよかったです。

ところで,測定した崩壊比は1.8x10^{-8}で,スタンダードモデルの約1桁上。tan(beta)がデカイときにenhanceされるというのが売りのモードなわけで,早速理論屋はこの結果に基づいてじゃんじゃん論文を書いているようです。mSUGRAだとtan(beta)が50くらいになるとか,まあ,色々な論文が出始めています。ヒッグスのττへの崩壊探索の結果と矛盾してるわけですが,それはどちらが正しいかはわからないので言いっこなしにするとして,論文,あるいはWine and Cheeseセミナーで使われたスライドを見ると,今回の結果がfirst indicationと言われてもなかなかに納得しがたいものがあります。

この解析に限らず何かを探す時は,探している信号が現れるであろう領域(信号領域)と,control regionと言って信号はいないことが期待され,かつ,そこにどういう素性の事象がいるのかがわかっている領域とに分けて,control regionにいる事象がが自分たちの理解で再現できるかどうかを確認します。いや,探索だけでなく測定でも同様にcontrolregionを使い,解析の信頼度を高めます。

この解析でもそういうcontrol regionが設定されています。そこには信号が現れてはならないはずの領域です。現れないはずの領域になんらかの事象があるということは,自分たちの背景事象への理解が間違っているということを意味するので,contol regionの事象数が自分たちの予想と合っていることを確認するのが重要です。そこにexcessがあれば,背景事象数の見積もりを間違っていることを意味するのですから。

で,今回の解析のcontrol regionにはかなりのexcessのある領域があり,しかもそれが,ハドロンをミューオンと間違えたときにexcessがありそうな領域なんですね。いやもちろんハドロンのfakeかどうかはわかりませんが,そのexcessが信号領域のexcessよりも多いので,first indicationと言われても俄には信じ難い,という反応になってしまいます。

高エネルギー物理業界にとってはこれが信号のほうがもちろんいいので,W+dijetのときのようにDzeroに結果を否定されないといいのですが…この結果を確認できないというDzeroの結果がまたPRLに載ったりしないことを祈ります。って,今回の解析は7fb^-1使っていますが,Dzeroはすでに6fb^-1で否定的な結果を出しているんですね。ということは,Dzeroが結果をアップデートすることはしばらくないでしょうから,次に出るとしたらLHCbでしょうか。彼はすでに2010年に取得した37pb^-1でCDF,Dzeroとほぼ同じくらいの感度を持っているようですから,この夏に出すであろう結果で今回のCDFの結果には白黒つけられますね。

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mu mu" dc:identifier="http://oskatlas.blog71.fc2.com/blog-entry-1039.html" dc:subject="研究" dc:description="実験が終わりに近づいてきたからなのか,CDFからまたアグレッシブな結果が発表されています。B_s --> mu mu を発見(?)したくらいの勢いで結果を発表しています。arXivに載ってる論文の最後の一文を引用します。"Although of moderate statistical significance, this is the first indication of a B_s --> mu^+ mu^- signal." だそうです。hep-exの1107.2304 です。FermilabのWine and Cheese Seminarでも先週話しているようで..." dc:creator="ExtraDimension" dc:date="2011-07-20T14:41:55+09:00" />-->

うどん作り

週末は物理解析の結果を纏めた解析ノートの締め切りに追われ全く休めませんでした。プラス,シフトもありましたし。昨日くらいは休めるかと思って大学に来なかったのですが,家でメールをチェックすると,対応せざるを得ない事柄が続発。結局家でずっとらっぷとっぷと向かい合っていました。しかし,私が家にいると子供がじっとしていられません。物凄い勢いでチャチャを入れて来ます。仕方がないので,子供を遊ばせるために(?)人生2度目のうどん打ち。

昔,研究室旅行で体験したうどん作りに感化されて1回だけ家でうどんを打ったことがありました。そのときは,小麦粉や塩の計量はもちろん,踏む時間も測り,どれくらい踏めばよいかわからないので,違う時間踏んだセットを幾つか作りました。結局,どれもそこそこ美味しく,店で買ったあるいは食べるうどんよりも格段に美味しくできました。

今回は2度目ということもあって前回よりもだいぶざっくりとした作業工程です。粉と塩の量は測りましたが,寝かす時間や踏む時間はいい加減。こんなんで食べられるうどんになるのかと少しだけ心配しましたが,ゆであがったうどんは,やっぱり美味しい。店で食べるものよりもはっきり言ってかなり美味しいのです。素人がこんだけいい加減に作っても店で食べるのよりも美味しいって若干不思議です。逆に言うと,流通してるうどんってどうやったらあんなに(相対的に)美味しくないものになるのか考え込んでしまいました。作るのは難しくありませんが,多少時間がかかって面倒だというところがポイントなんでしょうかね。

これだけ簡単に美味しいうどんが作れるとわかると,次にチャレンジしたくなるのがそば打ち。今日の昼飯どきの会話でも蕎麦のほうが難しいのではないかという意見がありましたし,イメージ的にはそば打ちのほうが難しそうなのですが,実際のところどうなのでしょうか。そのうちまた,子供と遊びがてらチャレンジしたいと思っています。

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シフト中

と言っても,CERNにいるわけではありません。いつも通り大学のオフィスです。

大型実験にありがちなデータクォリティモニターのシフトというやつで,コントロールルームにいる必要はなく,どこでやってもいいという負担の少ないシフトです。私は昨日と今日がそのシフトで,そのために大学に来ているというわけです。昨日は,解析関連のミーティング,EPSという会議に出す結果をATLASグループとして承認するかどうか,というのが行われていたので,私も当然それに参加。その前後は,解析ノートの最終的な仕上げのために忙しくしていたので,その合間にやるデータクォリティチェックという作業は,隙間の時間にやる仕事としてはわりと効率的でした。

ところが今日は,このランをチェックしなさいというノルマが課せられているのですが,肝心のデータがまだプロセスを終えておらず,何のチェックもすることができません。ATLASなんかは収集するデータが膨大ですし,そのデータを処理するのも超強力なコンピューティングパワーを持ってしても莫大な時間がかかります。そこで,その日収集したデータを全て処理する前に,データの一部分を素早く処理し,各検出器に異常がないか確かめ,あるいは,そのチェックで得られた情報をもとにフィードバックをかけて,未処理になっている大部分のデータの処理を開始します。

私がやっているデータクォリティのシフトは,データの一部分を使って素早く検出器の挙動をチェックする,という段階に対応します。私はシリコンストリップ検出器というのを担当しているわけですが,同じようなことをしている人間が各検出器+αいて,全員のOKが出ているデータのみが物理解析に使われることになります。ですが,今日は,その一部分のデータ処理が終わっていないために,検出器の振る舞いをチェックしろと言われてもできない。データ処理を待っているというわけです。

連休に大学にやって来て,チェックすべきランが山積みだったらやる気おきますが,ただ待ってるだけというのは力が抜けます。ちなみに,LHCは先週メインテナンスのために運転を休止していて,今週はそこからのリカバリー状態です。一昨日あたりから物理データの収集を始めていますが,ルミノシティが低い上に,安定してビーム衝突している時間も短いので,収集したデータそのものも非常に少ないです。ですので,より一層やる気が上がりません。自分のシフトの時は,いや,別にそうでなくてもなのですが,ガンガンデータを取っているとき,取れるときのほうがシフトのやり甲斐があります。

って,ホントにいつになったらexpress streamのプロセス終わるんだろう…。

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日々,これなんだろ,と不思議に思うことが色々ありますが,たまに新聞で見る消費税だかの議論を読んでいつも不思議だなと思うのは,日本では消費税の税率が何でも同じという点です。米やパン,トイレットペーパーといった生活必需品と,バカ丸出しのブランド品,性能の10%くらいしか使っていない高級外国車等々の税率が同じというのは摩訶不思議です。

収入が少なければ支出を抑える。支出を抑えられないなら収入を増やす。というのが当たり前の原則だと私は考えているので,それを国に当て嵌めると,増税するか歳出を減らすかのどちらかを今の日本は選ばないとならない,と非常に単純に考えます。借金を踏み倒すのは許せません。たまに毒を吐いていますが,税収に比べて無茶な社会福祉をやっているのですからこれを減らすのは当然だと思うし,とてつもない借金があるのですから増税もやむを得ないと考えてしまいます。消費税を上げるのも仕方ないとは思うのですが,トイレットペーパーとベンツの税率が同じというのはやっぱり変だと感じてしまいます。

それから不思議なのは,相続税の税率の低さ。そもそも控除額が大きくて億近いウン千万円までいかないと税金ってかからないのですね。で,日本の平均では10%が税率なんだそうです。パンの税率と親だか祖父母からもらう金の税率がほぼ同じ。私なんて相続税100%でも全く困らない人間なので,常々相続税を100%にしたらいいのにと言っているのですが,そういう数字を真面目に調べると冗談抜きで相続税100%くらいにしろよ,とか思っていまいます。それこそ,富の再分配です。きっと,税金になってしまうくらいならと死ぬ前に使ってしまうでしょうから,景気刺激策にもなります。

そういえば,年収の分布ってlogを取ると正規分布になるとか。あ,いや,どういう形だったかはよく覚えていませんが,普通の給与所得者の分布っていうのは,ある関数形をもっているのだそうです。ところが,全ての人間の年収の分布をとると,日本の場合年収2000-3000万円くらいのところまではその関数形で,それより上はベキ分布になるのだそうです。つまり,年収2000万円というのは羨ましい限りですが,そこらへんまでは頑張って高給取りになった人たちなんですね。ところが,それより上は,そういうまっとうな方法ではない方法で金を稼いでいる人たちというわけです。で,そのベキ分布になってる人たちの人数と,相続税を払っている人の人数というのがほぼ同じなんだそうです。そう,つまり,資産家が普通の分布から乖離した年収を得ているということらしいのです。

資産家が年収も桁外れに高いってあまりに当たり前のことになってしまいますが,やはり,釈然としません。頑張って働いた人が金持ちになるのなら納得いきますが,親から金をもらった人でないと人並み外れた金持ちにはなれないということを言ってるのですから。やっぱり,相続税100%にすべきです。

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役立っているもの

研究費には色々な使い方がありますが,その使い方は当然のことながら研究分野によって大きく違います(たぶん)。しかも,研究費と一言で言っても,財源によって使い方に制約があります。一番制約がないのが運営費交付金と呼ばれるもので,教育,研究の最も基盤となるべき財源です。毎年ほぼ一定の金額が配分され,什器を買おうが,研究室の工事をしようが,不正使用でなければほぼなんでもありです。

これに対して強い制約はあるものの,これがなければ研究なんて実質やってられない,というのが競争的外部資金の代表である科研費です。医学,薬学,工学などの分野では,企業との共同研究や,企業系の財団からの補助がたくさんあるようですが,私たちのような基礎科学の分野では,頼れるのはほぼ科研費だけと言っても過言ではありません。ところで,「基礎研究」という言葉は曲者で,理学系,物理系でも,私たちから見ると全然基礎研究には見えない分野もあって,そういう工学っぽい分野ではやはり科研費以外にも財源があるようです。

この科研費ですが,これには使い方に強い制約があって実は結構厄介です。色々あるのですが,たとえば,先の例に挙げたような什器などは買えません。あと文房具も買えません。大学などの研究機関が揃えるべきものであるので,ある研究を補助するための資金としては適切でないという論理です。まあ,その論理は正しいので仕方ないのですが,何も考えずに研究に使うものだからと何か買ってしまうと後で厄介なことになったりすることもあります。

それはさておき,研究費で買って物凄く役立ってると感じてるものの一つがテレビ会議システムです。とある事情により,昨年度の後半はわりと資金が潤沢だったので,おもいきって自分個人用にオフィスに小さなテレビ会議システムを買いました。モニターとカメラが一体になっているもので,持ち運びができるくらい小型なのですが,これは圧倒的に便利です。ミーティングルームに大きなテレビスクリーンとともに会議システムはあるのですが,ミーティングルームは多くの人間の共用なので必ず使えるわけではなく,不定期のミーティングだと結構使えないことがあります。

ところが,私はテレビ会議が異常に多いので,毎日2つ3つ,しかもじゃあ今からやろうといった具合で超不定期にミーティングが入るので,ミーティングルームのテレビ会議システムだけではとてもやっていけませんでした。最近はEVOがよく使われるのですが,やはり,EVOには色々不具合があるんですね。タダだから仕方ないのかもしれませんが,画像,音質ともにMCUを使ったテレビ会議システムに比べると不安定です。そして,私が一番嫌いなのは,EVOを使っているとコンピュータが異常に遅くなることです。

Threadが100個以上走り,CPUが100%とかに平気でなります。前にも書いたことありますが,熱処理が今ひとつだったMacBook Airでは,EVOの使用はほぼ不可能でした(最新のがどうなのかは知りません)。私のはMacBook Proなのですが,それでも非常に重くなって,熱くなって,長いミーティングをEVOでやるのはかなり避けたい感じがしていました。

ですから,テレビ会議システムはまさに天からの恵み。本当に役立っています。本来,研究費の全てをそう感じるような使い方に充てなければならないことはわかっていますが,それにしても,ここまであってよかったと思う買い物は珍しいです。

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色々な科研費

競争的外部資金のソースには厳しく目を光らせているつもりでしたが,気づいていなかったソースがあることを知りました。それも科研費に。

と言っても普通のやつではなく,外国人特別研究員を受け入れる場合に限り応募可能という種目です。金額も非常に小さいのでなかなか気づかないとは思うのですが,今日事務から,外国人特別研究員の受け入れ教員に向けてその旨がアナウンスされ,その存在を初めて知りました。

金額は少ないのですが,その申請書も普通の科研費と違って非常に簡略。全部で2ページという簡素さです。全部で,ですから,実際に研究目的や計画を書く欄は2/3ページ程度しかなく,書くのは楽ですがこれで判断できるのだろうかという短さです。逆に,応募する側では,短くてもアピーリングな内容にしないとならないわけで,量は少ないですが,作文はなかなか難しそうです。

外国人特別研究員という制度自体もそうですが,こういう特例的な科研費があったり,二国間交流とか,特定国派遣とか,学振には国際交流の細かいソースがたくさんありますね。小さいのだけでなく,私も恩恵にあずかっている比較的大口もありますし,制度的には国際交流を促進しようとはしているんでしょうね。ただ実際問題としては,海外に行って研究する時間を作れる研究者があまり多くないのでしょうけど。

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院試とか

理学研究科の大学院入試の願書締め切りが今週で,その願書には卒業研究で何をやるか書かなければならないそうで,研究室の4年生から相談を受けました。相談は受けましたが,今の時点で何をやるかなんて決まっているわけもなく,って,私がそう開き直ってはマズいのかもしれませんが,とにかくまだ決まっていないので何かアイデアを捻りださなければなりません。まあ,予定でいいということなんで,何か書けばよいのでしょう。

去年,あるいはその前にはそんなのなかったような気がするのですが,これの狙いはなんなんでしょうね。あ,いや,これまた,実施してるのが自分の所属している理学研究科ですから誰かに聞けばわかるのだと思いますが,隣りの研究室の教授も「そんなのあるの?」と言ってたという話なので,きっといつの間にかできた項目なんでしょうね。

しかし,願書に書くかどうかは別として,今年の4年生に何をやってもらうかはそろそろ真剣に考え始めたほうがいいかもしれません。去年は候補に挙がりませんでしたが,その前の年はポジトロニウムの寿命測定が候補に挙がりました。が,寿命があまり長くない放射線源を買わなければならず,納期が間に合いそうにもないということと,コストパフォーマンスが今ひとつということから,その実験は見送りました。この手の実験だと,線源の確保に時間がかかるので,いずれにせよ早いとこ計画を立てないとなりません。

ちなみに,院試は8月最終週,というか,9月第1週。1ヶ月半後に迫っています。受験する学部生にとっては,ラストスパートの時期ですね。いや,人によっては,いよいよ勉強を始めるという場合もあるのかもしれませんが。ははは。

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電磁波のエネルギー

午前中のミーティングでの文献紹介をやっつけ仕事でクリア。昨日書いたように,まさにお茶を濁したような内容でしたが,とにもかくにもノルマを果たし,最近の締め切り地獄からようやく解放されました。

昼飯の後は,物理学実験のレポートの採点。前期の授業が先々週で終わり,残りの業務は提出されてきたレポートの採点だけとなっていました。それをまあ大体終わらせ(大体というのは遅れて提出してくる学生とか,再提出を要求したりもするので,完全には終わっていないという意味です),今オフィスに帰って来て一息ついているところです。

物理学実験の授業も一段落ですが,通常の講義の電磁気学も後少しで終わりです。来週は休講,再来週に講義をもう1回やって,その次の週に試験で終わり,という流れです。初めての担当だったこともあり,準備にはそれなりに苦労しましたが,それなりに面白い再発見もありました。電流に付随する伝導電子の移動速度が遅いにも関わらず電磁波はちゃんと(真空中なら)光速で伝わって行くことや,電磁波のエネルギーが空間を伝わっていくこととか,直感的には理解し難い,イメージし難いことが起こっているというのがわかるのは面白いものです。

以前,ブログのコメントにもあった気がしますし,友人のEくんにも言われたのですが,閉回路において,電磁波のエネルギーが導線ではなく空間を伝わるというのはなかなかに興味をそそる話なので,いつかブログに書こうと思っていました。というわけで,締め切り地獄からの解放感もあって今日はその話を簡単に書いてみます。

電磁波のエネルギーといえば,ポインティングベクトルです。一言で言うと,電場と磁場のエネルギーの時間変化を出そうとすると,ジュール熱とそれ以外が出てきて,ジュール熱以外の部分をポインティングベクトルと定義(?)します。つまり,熱として消費されてる部分をさっぴいた後の電磁波のエネルギーの流れで,電場と磁場に直交します。

で,面白いのは,ポインティングベクトルが運ぶエネルギーを具体的に考えた場合です。たとえば,導線に電流が流れているとします。完全導体はだめです。いや,ダメかどうか知りませんが,私には難しくてわかりません。普通の,抵抗をちょっと持った導線を考えると,とある長さで,その抵抗に応じた電圧降下があって,つまり,電場やジュール熱が発生します。次に,導線の表面あたりでポインティングベクトルを考えると,電場の向きは電流の方向。磁場の向きは導線をぐるぐる回る方向。ですので,ポインティングベクトルの向きは導線の半径方向中心に向かいます。で,ポインティングベクトルは単位時間単位面積あたりのエネルギーの移動ですから,とある長さの導線に対してどれくらいのエネルギーが流れ込むかというと,それがちょうどその長さの導線が消費しているジュール熱になります。つまり,ジュール熱になるエネルギーって導線内部ではなく,外側から運び込まれているっぽいんですね。

あるいは,コンデンサに電荷を送って充電してるときも面白いです。平行板コンデンサ(計算が簡単になるように,私は2枚の円板を使いました)を考えますと,電場は板に垂直な方向になりますよね。電荷が蓄積されればだんだん電場が強くなります。充電中は変位電流もありますので,電場を囲むように円還状(?)に磁場も発生します。そうです,上の導線の例と同じで,ポインティングベクトルは円板の外側から中心に向かう向きになります。でまた,同様にエネルギー収支を数えると,ポインティングベクトルとして平行板コンデンサの側面からコンデンサに流れ込んだエネルギーが,コンデンサに蓄えられたいわゆる電気エネルギーと同じなんです。

いやー,びっくりじゃないですか。どうも電磁場のエネルギーって導線内ではなく空間を伝わっているみたいなんですよね。不安だったので授業の前に幾つかの教科書をひっくり返すと,たとえば,有名なファインマンの教科書にも全く同じ記述があります。なので安心して授業でも学生にこの話をしたのですが…それはさておき,もし空間を電磁場のエネルギーが伝わるのだとしたら,exactにどういうpathになるのか謎です。同軸ケーブルとか導波管はいいですけど,単なる導線で作った閉回路とかだとどういう流れになるんでしょうね。電源近くからなんでしょうか。なかなか不思議な問題です。

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お茶を濁す

授業の準備と授業の合間を縫って,細かな修正を終え,ようやくビームテストのプロポーザルを完成させました。本日めでたく提出。そしてその後は,ATLAS大阪グループの定例ミーティング。そして,国際スクール設立に関する電話での打ち合わせ,と,休む間もなく予定が詰まっているのですが,明日を乗り切れば少し楽になりそうです。なぜ明日かというと,火曜の定例研究室ミーティングでの文献紹介が私の番だからです。

って,落ち着いている場合ではありません。今さっき始めたばかりで,明日の午前中のミーティング時に間に合わるには自分がそれなりに知っていることしかありません。ということで,CDFvsDzeroで火花を散らしている(?)W+jjでdijet分布にexcessがあったか,なかったか,という話をやります。論文を斜め読みしただけではそれほど面白くありませんが,FermilabのWine&Cheese seminarというFermilabの中での最重要コロキウムでのお互いの発表は,というか,後からそんなexcessないと言ってるDzeroの発表はなかなかagressiveで結構楽しめます。あ,いや,楽しんでいる場合ではなくて,早く纏めないとなりません。

しかし,こういう自分の仕事っぷりを見てると「お茶を濁す」という言葉が浮かぶのですが,なんでやっつけ仕事のことをお茶を濁すって言うんでしょうね。おっと,そんなことはググればわかるのでしょうから,余計なことを考えていてはいけません。集中せねば…。

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なんとか

いくつかの締め切りに追われているということを最近しょっちゅう書いてきましたが,なんとかすべての締め切りに間に合いそうです。

まず解析の結果ですが,EPSという国際会議の前までに論文の原稿を仕上げてATLASグループ内の承認をもらってしまおうというのが当初の予定でした。しかし,最後の数日で論文に入れる予定の3つの解析のうち一つが間に合わないことが判明。その1つを落とした内容で,論文ではなくconference用に纏めた(=実験グループの外にも公開される)解析ノートに急遽変更しました。この変更作業のための時間は1日半くらいしかなかったので,本当によく間に合いました。ちなみに,論文に入れる予定だったという3つの解析のうち,メインの2つ,かつ,ちゃんと時間に間に合った解析はそれぞれOくんとHくんによるもので,topグループのdileptonの解析はかなり日本人が牛耳っています。

そして,11日締め切りが,雑誌への寄稿と,ビームテストのプロポーザル。雑誌への記事は編集者(?)とのコミュニケーションに激しく苦しんでいるとお伝えしましたが,とにもかくにも原稿は完成しているので,これも一段落。

ビームテストのプロポーザルの仕上げは昨日,今日とやっていますが,それもほぼ終了。明日は,月曜で,いつもの通り私は朝から夜までほとんど時間を取れない日なので,今日の段階のものを明日提出するつもりです。とにかく短期間のやっつけ作業でしたが,忙しい中現地RCNPを見学に行き,親切な加速器の方々に色々話をしてもらったおかげで,なんとか形にはなりました。と思っています。あとは,プロポーザルに書いた通りの準備が間に合うか,というのが次の心配事,というか頑張らなければならないことになってきます。

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不思議な判決

色々なところで話題になっているようですが,小学校の校庭からサッカーボールを間違って道に蹴り出してしまった子供の親が1500万円の賠償金を求められた裁判結果は,非常に不可解です。最初の報道のときに,どういう論理でそうなったのか説明して欲しいものだと思っていたところ,数日前に,なぜそういう判決になったか,みたいな記事があったのですが,中味は私にとっては意味不明というか,判決理由については解説されておらず,謎は謎のままです。

子供のボール遊びに過失を問われて突然1500万円というのは,晴天の霹靂というか,隕石にでも当たったというか,道で突然怖い人に金をふんだくられたような,とてつもないアンラッキーです。子供が悪意を持って道行くバイクを狙ったとかならわかりますが,新聞を読んだ限りではそういうことはなさそう。むしろ,子供が起こす事故などに対する損害賠償保険に入っていたがために,保険屋とバイクでこけた年寄りの遺族との交渉がうまくいかず裁判になったということが強調されていました。

それから,マスコミのいつもの論調として,柵を高くするなどの安全対策を行っていなかった学校の責任が問われないのが不思議,的な見解がありました。なんでもかんでも,国や市,公務員のせいにしたがるマスコミのほうが不思議です。

しかし,本題というか,元の疑問に戻りますが,本当に理解不能な判決です。アメリカなどでは学校の近くは,物凄く制限速度が厳しく設定されています。スクールバス近辺なんて,走る地雷みたいなもので,止まっているクスールバスを間違ってでも追い抜こうものなら瞬時に捕まってしまいます(学校の近くでは警察がよく張っています)。あ,いや,問題は,捕まるかどうかということではなく,それくらい子供に対しては配慮しています。そこまでやれとは言いませんが,普通,校庭や公園の近くの道では,運転する方が何か出てこないか注意するのが普通なんではないでしょうか。その注意を怠るような人間は,車もバイクも運転する資格がないように感じます。

余談ですが,最近私は車を運転するようになったわけですが,日本の運転慣習にはヒドく違和感を感じます。色々あるのですが,その中で特に気になるのが,広い道でも狭い道でも,市街地でも住宅地でも同じくらいの速度で走る人の多さです。ぶっちゃけ,広い道ではみんななんでこんなに遅いんだろうと感じるのですが,住宅地では,なんでそんな早さで走って怖くないんだろう,ってくらい速いです。ほとんど速度差ないんではないだろうかというような走りです。人やモノが飛び出してこなければもちろんそれでいいですが,住宅地を飛ばす人というのは,人を轢くことなんて怖くないんでしょうかね。他にも信号無視が多いとか,ヘッドライトを暗くなってもつけないとか,本当に違和感多くて運転嫌いになっています。

おっと,話をもとに戻しますと,さらにバイクで転倒して入院。それが死亡との一因と認められたというのも,ビックリです。普通だったら,サッカーボールごときのせいでこけて怪我なんて,という感じですし,さらに怪我したとしてもせいぜい骨折程度と思ってしまいます。サッカーボールで死んでしまうような運転技術の人間に運転する許可を与えている団体や,そんな人間にバイクを売る企業の責任を問うて欲しいものです。歩く,じゃなかった,動く凶器,狂気です。

こんなところで私が怒りをぶちまけても仕方ないのですが,一番可哀相だと思ったのは,当事者の子供です。聞くところによるとこの裁判にすでに6年だか7年かかっているとか。校庭でサッカーをやってボールを外に蹴り出してしまっただけで,こんな一生ものの精神的負担を負わされるなんてあまりに可哀相です。金の問題ではなく,一生凹んだ気持ちを植え付けられてしまい,それが可哀相で仕方ありません。

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RCNP見学

EPS(ヨーロッパ物理学会)という国際会議が2週間後から始まり,そこで結果を発表するには今日までに解析結果をまとめて,内部審査員や,物理解析グループの承認を得て,解析ノートをATLASグループ内に配布しないとなりません。これがあまりに厳しいスケジュールで,解析してるHくんやOくんは倒れそう。私もこの1,2週間はキレキレでこの解析関連の仕事をこなしています。

さらに,来週月曜日に2つの締め切りを抱えていて,ホントに個々最近は意識朦朧としています。

その締め切りの一つが,数日前にも書いたような気がしますが,ある雑誌の記事の原稿。これはだいたい仕上げ終わって,編集者,印刷関連の人と連絡を取っている段階。しかし,私のコミュニケーション能力のなさから,相手の言ってることを全く理解できず,ちょっと暗礁に乗り上げている感じです。TeXでいいと言われたので,texのソースファイルを送ると,開けないのでテキストファイルを送ってくれと言われるのです。が,送っているのはtexのソースファイルなんですからテキストです。「開けない」という言葉の意味がわからないので,どういう状況か細かな質問を送っているのですが,返ってくる返事はとにかくテキストファイルを送れの一点張り。しかも複数の人から同じようなメール。私の質問に返事をしてくれないことには何が起こっているのか理解できません。さて,どうしたものか。

で,もう一つの重要な締め切りがビームテストのプロポーザルの提出です。これも来週月曜日,とtriple coincidenceなのです,この週末に。しかも,この計画は前々からやりたいとは思っていたものの準備の進みが今ひとつなので,本当にやろうということになったのは今週に入ってから。バックアッププランを入れてなんとかやろうということになりました。それをATLASの解析と並行して進めていて,今日の午前中は実験する場所の下見のために吹田キャンパスにあるRCNPに行ってきました。どういうところかわからないとプロポーザル書くの難しいですから。やはり,実際に行ってみるとどういうことをやるか,やれるか,イメージがわいてくるので,時間さえあれば少し書きやすくなりそうです。

忙しい中わざわざRCNPまで行って来たのは,RCNPの加速器の人の話を聞き,テスト実験をする際に間に入ってもらうという意味合いもあります。現場で誰も知らなかったら実験やれませんし,サポートがなければこれまた実験を遂行するのは難しいですから。行った甲斐があったのかどうかわかりませんが,今日説明してくれた人たちは非常に親切で,ビームテストをやれそうな気になってきました。

それともう一つの収穫は,一昨年,私たちの研究室の学部4年生だったKくんに遭遇したことです。1年3ヶ月ぶりくらいでしょうか。本当に一瞬会っただけで,二言三言交わしただけなのですが,元気そうに実験をやってるそうでなによりでした。

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警備員に呼び止められる

もう一ヶ月近く前のことですが,あるエピソードを思い出しました。

何度か,いや,何度も書いていることですが,私たちの大学の理学部は出張などの証明書類を非常に厳しく要求してきます。もともと厳しかったのに,医学部で大きな不正行為があったために,学内でより一層厳しいチェックが課されるようになりました。その「より厳しい」というのはrelativeに厳しくなったということなので,学部によってその厳しさはバラバラです。元々ユルユルだった医学部あたりを理学部並みに厳しくすればいいのに,元々厳しかった理学部がさらに厳しくなったために私たちは色んな事務手続きがとてつもなく面倒になった,ということはすでに何回かエントリーしているところです。

私が面倒だと感じる出張証明関連の手続きは2つあって,一つは,どこか別の大学・研究機関のスタッフに私が出張したということを証明書として一筆書いてもらわないとならないときがあること。日帰りのときや,複数の業務を1回の出張でこなしたときなどに,要求されることがあります。書類にサインをしてそれを郵送してくれと頼むのは,親しい研究者なら構いませんが(私は面の皮が厚いので),そうでないときは結構頼みにくいです。

そして2つ目が,乗った電車すべての切符を持ち出さなければならないときがあることです。たとえば東京への出張で,新幹線の切符を持ってこいというのは話がわかりますし,駅員も新幹線の改札は充実してますから問題ありません。ですが,たくさん利用した地下鉄すべてとか,あるいは,電車ではなくバスを利用することだってあるわけです。あと,自腹でタクシーという可能性だってあるわけですよね。それなのにとにかく電車の切符を全て提出しろと言われます。ロジックうんぬんを言っても話が通じませんから,まあ,とにかく切符を集めるわけです。

で,話がもとに戻り,約一ヶ月前の出張。KEKへ行った時のことです。そのときは,KEKだけでなくICEPPへも行く必要があったので,つくば,東京間の移動があり,東京を移動するのに地下鉄を使いました。切符を持ち出すには駅員さんのいる改札を通って無効印を押してもらうわけですが,私が降りた駅にはたまたま駅員さんがいませんでした。ただいま駅員不在の時間帯です,みたいな案内があるのです。では仕方ありません。切符を自動改札機に通さず無理矢理通ります。すると…

案の定というかなんというか,警備員さんが近づいてきて呼び止められます。これって絶対罠ですよね。駅員さんがいないときに警備員さんを配置してるとしか思えません。それはさておき,CERNに行った時にカルフールで万引きに間違えられたのと違って,幸いなことに事情を説明するだけの日本語力を持っていたので面倒なことにはなりませんでした。あ,いや,面倒というのは疑いが晴れないという意味で,実際には,その後改札とは少し離れた場所にある駅員室まで無効印を押してもらいに行かなければならず,時間的には十分面倒でした。

さて,無効印を押してもらい,かつ,改札を通るための券を用意してもらったので,晴れて改札を出るとさっきの警備員さんが待ち受けていて,地下鉄の券売機で領収書を出せるのでそれを使ってはどうかと親切に勧められました。大学の事務がそれで納得するとはあまり思えなかったのですが,そういう機能があることに気づいていなかったので,その次に地下鉄に乗ったときは領収書を発行して,それを事務で受け付けるかどうか試してみました。って,実際には研究室の秘書さんに訊いてもらったのですが。

その結果はやはり領収書ではだめ。切符を買って領収書を出しても,その後その切符を払い戻しすればいいので,電車に乗った証明としては無効印でなければダメ,という確かに論理的ではある回答でした。はい,確かに論理的にはそうなのですが…そういうことした人が以前にいるんでしょうかね。しょっちゅう言ってるように,不正をする人,マナーの悪い人がいるので,ルールがどんどん厳しくなるし,仕方ないのかもしれませんが,なんだかなぁ,という体験談でした。

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OIST

OISTってご存知でしょうか?いきなり言われてもピンと来ない方がほとんどだと思います。私もその一人でした。

沖縄科学技術基盤整備機構の略称で(あってるかな?),詳しいことは知りませんが,沖縄にでっかい研究所を作ろうという構想です。いえ,構想ではなくすでにできてます。政府だかお役人主導で作られたんだと思いますが,海外の偉い人を集めて国際的な研究所を作ろうということで,そこにいる人たちは海外の人が多く,公用語(?)も英語だそうです。今のところ素粒子物理関連,すくなくとも高エネルギー物理はまだやっていません。ただ,大学院大学も作られる予定で,そこの学長が元SLAC所長のDorfanなので,高エネルギー物理もやりたいなんて言い出すかもしれません。というか,まあ,言い出すんでしょうね。

その証拠に,私が今関わっている国際スクールの設立にもプレッシャーをかけてきました。どこから嗅ぎ付けてきたのか知りませんが,来年秋に日本で第1回を開催するならOISTでやらせろと,私を含め3,4人にメールを送ってきたのです。そもそもこの国際スクールは規模がかなり大きいのでその設立には色んな人のどろどろとした思惑が複雑に絡み合っています。私みたいな何の政治的思惑もない下っ端(Dorfanのメールが送られているのは,私を除けばCERNの所長とかそういうクラスのお偉いさんです)がなぜかそこで踊らされているわけですが,そこにさらにDorfanのような大物の政治的圧力が加わってきたというわけです。明らかに高エネルギー物理を始めるための宣伝です。

しかし,大人というか政治家というのは,私なんかがこれっぽちも考えてないことをいつも考えていて,その方向性は人によって好き嫌いがあるでしょうが,ある意味凄いなと思います。OISTなんてまだ大学院大学できてない段階で,デカいスクールをホストしたいと言ってきてるのです。常に宣伝のことを考えているんでしょうね。って,実はその立場だったら当たり前かもしれませんが。

まあそんなわけで,OISTが何かは置いておくとして,私の悩みの種がまた一つ増えています…。

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カスタマーサポート?

月曜の夕方は私たちATLAS大阪グループの定例ミーティング。今日もいつも通りテレビ会議でミーティングを行っていました。ところが,こちらの画像をメインカメラから私のPCに切り替えようとしたところ,テレビ会議システムがハングアップ。というか,画面にメニュー画面が現れずコントロール不能に陥りました。仕方がないので機材をリブート(2度)しますが,それでも問題は解決せず。仕方がないので,私の部屋に移動し,私が個人で使っている小さなテレビ会議システムを使いミーティングを続行しました。

とりあえず,その場はそれで凌いだのですが,ミーティングルームにあるシステムを復旧させないとなりません。が,色々いじっても状況は変わらず。そこで,カスタマーサポートに電話を入れます。こちらの状況をできるだけ詳しく,どういう操作にはどういう反応をし,どういう操作には反応がないか,等々を詳しく説明します。ですが予想通り第1次担当者には皆目見当がつかず折り返し電話をするとのこと。まあ,予想通りです。

待つこと約10分。カスタマーサポートから私のところに電話がかかってきます。で,その第一声が「電源タップはどうなっていますか?」でした。意味がわからず聞き返すと,電源ケーブルがコンセントにちゃんと入っているかという質問です…。怒りを抑えて接続してあると答えます。すると次は,「電源が入ってテレビの画像が見えますか?」と来ました。

私には怒りを抑えることができませんでした。さっき,あれほど詳しく説明したことは一個も伝わっておらず,しかも,次々に繰り出される質問があまりにアホ過ぎ。向こうはマニュアル通りに喋ってるのでしょうが,あのペースではこっちの問題を伝えるまでに1時間くらいかかってしまいそうです。

この販売店はその製品を買う時も問題だらけでした。ブログにも書いたような気がするのですが,いくら担当者に連絡を入れてもなかなか反応がなく,見積もりも来ない,納期も定まらない,またなぜそういう状況なのかの説明もなく…といった感じで全く売る気が見られない担当者でした。値段に関してもあまりにも高いので話にならないと言ったらいきなり100万円近く安くなったり,と,色んな意味で本当に理解に苦しむ担当者だったのですが,今回の件も重ねあわせてみると,どうも担当者個々の問題ではなく組織としてダメダメな会社のような気がしてきました。

いやー,それにしても腹が立ちます。結局そんな対応ですから問題がわかるはずもなく,調べてからもう一度連絡しますと言ってからすでに45分くらい経ちますがいまだに電話来ません。予想通りですね…とほほ。

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ビームテストの計画

私が最近多くの時間を使っているのは,大学の授業関連や学生とのゼミ,ミーティングを除くと以下のようなことです。

- 博士課程のHくんがやってるトップ関連の解析コーディネーション。論文書きを含む。
- 始めたのはここ数日ですが,ある検出器の製作計画。
- 雑誌その他の記事の原稿書き。締め切りに追われて焦っています。
- 新しく来年度から開催する予定の国際スクールの設立関連の仕事。

このうち,上の3つは研究関連なので,特に上の2つは自分でも面白くやっています。しかし,4番目の仕事は研究とは全く関係なく,政治だったり,会場の下調べなどのまさに雑用。しかもそれがかなりの大仕事で,未経験者の私にとっては勉強することだらけになっています。

そんななか,シリコン検出器関連のビームテストを計画していまして,その提案書の提出が来週月曜に迫っています。ちなみに,3番目の原稿書きというのも締め切りは来週月曜。間に合うのか甚だ怪しいのですが,とにかく書かないとなりません。

おっと,ビームテストというのは,私たちの場合は開発してる検出器などのテストのために加速器からのビームを使うことを言います。作った検出器の検出効率を測るとか,エネルギーを測定する検出器ならその測定分解能を,粒子の入射位置を測定する検出器ならその位置測定分解能なんかを測ることを目的とします。ただ,目的にかなったテストを行える施設というのはそんなになくて,また,加速器を使うとなるとおいそれといつでも誰でもやれるわけではありません。

そこで,こういう測定をするためのビームテストをやりたい,こういう準備をして,どれくらいの時間,どれくらいのエネルギー,強度のビームでデータ収集を行いたい,ということをまとめた提案書,プロポーザルを加速器を管理している研究機関に提出します。普通は,PACと言って,部外者を含めたいわゆる有識者で委員会を作り,そこで実験計画の採否を決めます。採択されればビームテストをやれる,という流れです。

ということで,PACに提出するためのプロポーザルを書くというのが,今週私に課されたミッションの一つとなっています。研究室内のミーティングの論文紹介もあたっていたような気がするのですが…なにやら今週もクビの回らない一週間になりそうです。

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ちょっと研究

一昨日が解析の原稿提出締め切り,そして昨日は,その解析結果を物理グループ内に承認してもらうための発表を行いました。発表者は一緒に解析をやっているN大学のOくん。CERNから日本に帰って来た直後という厳しいスケジュールでしたが,なんとか無事こなしてくれました。彼が移動直後ということで幾つかコミュニケーション不足な点もありましたが,口頭で援護射撃をすることができて,私たち解析チームとしては大体言いたいことは言えた発表でした。ただ,厳しいツッコミは来ませんでしたが,私たち自身がまだ解析を詰め切れていないと感じる部分があるので,これから素読者とのやりとりをしていく段階でなんとかその問題を解決してから論文を公開したいというところです。

この解析の活動と並行して,シリコン検出器開発のほうで作りたいと考えていた検出器があったのですが,その考えをKEKの人々に提案。それについての議論をメールでかなりやりました。漠然としたアイデアでしたが,その議論で色々な点が具体化され,また何を調べなければならないか,何を考えなければならないかが明確になって,とても有意義な議論でした。実際に手を動かしてモノを作るのは修士課程の学生になるのですが,どんな検出器をどういう仕様で作り,それを作るにはどうしたらいいか,本当に作れそうか,といったことを初期段階で考えるのは私の役目(もちろん中身がより具体化すれば,実際に作業を行う学生が設計を含めて色々なことを自分で考えなければなりません)になります。短い時間ですが,あれこれ考えるのは本当に楽しいです。久々に研究してるなぁという実感がありました。

先の解析もそうですが,何か問題があると研究は面白いです。いや,締め切りに追われてるような状態では別ですが,たとえば解析なら,ルーチンワークのような解析は詰まらないですが,理解できないことがあってその原因を見つけるために,色々調べたり,考えたり,そしてまた調べたり…というのが楽しいです。検出器のアイデアにしても,こうやれば上手くいきそう,いや,ここがネックになって上手くいかない,じゃあこうしたらどうだろう…と考えるのが楽しいんですね。研究が楽しいと感じる瞬間です。

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