ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

授業をやって思いついた雑感

週末はゼミ旅行でしたが,旅行中ずっと雨で,登山中止。毎年恒例のカートも中止。ということで,特になにか書くような出来事もなく,ダラダラと過ごしてきました。それなのになぜか疲れて,昨日の晩から今朝にかけては大量に寝ました。

ところで,研究室旅行初日の金曜は,午後に授業があったために,私は一人で夜移動しました。その授業というのは,物理学実験。火曜日に担当しているのと同じ実験内容で,今回はロー・パス・フィルター。抵抗とコンデンサを自分たちで半田付けしてフィルターを作り,出力/入力比を入力の周波数特性を測定する,という基本的なものです。同じ物理学実験の授業内で幾つかのテーマがあり,今回のロー・パス・フィルターを含む電気回路というテーマは私にとって初めてです。でもって,そのロー・パス・フィルターをやるのは先週が初めて(火曜日が初めて)だったので,滑らかに実験を進められるか多少心配はあったのですが,わりとわかりやすい内容だったせいか,順調に学生さんは実験を進めてくれました。

その金曜の授業では,私にとってはちょっとした驚きがありました。というのは,クラスの大半,約3/4程度が女子学生だったのです。今までは,工学部,あるいは基礎工学部の学生さんを今まで対象にしてきたので,女子学生比率は極めて低く,学科によっては20%くらい女子のいる場合もありますが,通常は2,3%。物理学科も似たようなもので,私にとってはそれが普通だったので,教室に入ったときは面食らいました。なんというか,物理の実験をやり,半田ごてを使う女性がこんなにいるというのは,ある意味そうあるべき,いや,私はそうなって欲しいと常々思っているわけですが,なんだか不思議な光景でした。

ちなみに,そのクラスは医学部の保健学科というところの学生でした。正式名称はわかりませんが,放射線技術,臨床検査技術,看護,という3つの専攻があり,金曜のクラスは,放射線技術専攻と臨床検査技術専攻の学生が半々でした。放射線技術は男女半々くらい,臨床検査のほうは女性100%でした。ただ,学生に聞いたところ,臨床検査専攻にも男子学生は数人いるそうで,女子だけというわけではないそうです。

しかし,物理をやる女子学生が増えて欲しいといつも思っている私は考え込んでしまいました。なぜに,こういう非対称が生じるのか,と。バリオン数非対称ほどではありませんが,かなりのものです。サハロフの3条件ばりに,こういう非対称を説明する社会学(?)の教えというのはないものなんでしょうか。文学部と物理学科を比べてるわけではなく,同じ理科系のジャンル内でこのような非対称が生じるというのはよく考えると結構不思議です。というか,文学部とかでもこれほど女性比率が高い学科ってあるんでしょうか。

この非対称を目の当たりにして思ったのですが,女性比率が極めて高い,いや男性比率が極めて低い保健学科の人々は,私が女子学生に物理に来て欲しいと思うように,男子学生に保健学科を目指して欲しいと考えてるんでしょうかね。いや,だから何だというわけではないのですが,ふとした疑問です。

それから,あまり関係のない方向へ話が行ってしまいますが,私たちの大学の学部別で,女子学生比率と女子教員比率のアンバランスの大きいのが薬学部です。女子学生比率が高いのに,逆に,女子教員比率は理学部なんかよりも低いという不思議な世界です。詳しいことは知りませんが,一説には,薬学部に入った女子学生はその後研究者を目指す人はほとんどいなくて,ほぼ全員が薬剤師を目指すとか。もしそうだとしたら…薬学で研究者を目指す男性は,他の分野で研究者を目指す男性よりも有利なんでしょうか。いや,まあ,そんなことないんでしょうけど,女子学生比率と女子教員比率のアンバランスが生じている分野というのは,何かあるのかなと勘ぐられてしまう可能性はありますよね。

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明日から研究室旅行

タイトルのように,明日から研究室旅行です。とはいえ,私は明日の午後3,4,5限にピンチヒッターでの授業があるので,夜に車で一人で移動,現地で研究室のメンバーに合流する予定です。

行き先は兵庫県のどこか。これから調べます,というか,どこか聞いたのですが忘れてしまいました。神戸と姫路の間くらいを北に上った山で,Y研究室恒例のキャンプ場に泊まります。しかし,今回の旅行の一番の心配は天気です。天気予報によれば,狙ったようにこの週末は雨。しかも,予報通りの天気にここ数日なっているのが気になります。

とはいえ,天気ばかりは心配しても人間の力ではどうにもなりませんから,雨なら雨で楽しむ方法を考えないとなりません。悪友たちとの旅行なら,天気が良くても悪くても1日中酒を飲んで過ごせるのですが,研究室の学生さんたちとの旅行ではそれは無理そうなので,何か別の方策を練らないと…。

まあ,そういうわけで,しばらくエントリーは休みになります。

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電流と電子の移動速度

今学期は学部2年生相手に電磁気学の講義を担当しているということを何度か書いたことがあります。真空中ではなく物質があるときで,自分の専門とは程遠いため(私の勉強不足が原因なのは当然ですが),理解のレベルがそれほど深くないこと,面白いサイドストーリーを知らないこと,から授業は若干苦戦しています。特に,90分の授業はハッキリいって長いですので,授業内容に関係のあるちょっと面白いネタを休憩代わりに入れたいのですが,そういう良いネタが見つかりません。って,やっぱり,勉強不足だからですよね。。

そんな電磁気学の授業ですが,前回の授業では数少ないネタ(というより基本?)が炸裂しました。電流による電子の移動速度が物凄く遅いという話です。私も初めて聞いた時は驚きましたが,無茶苦茶遅いんですよね。授業のために自分で計算したので一桁くらい余裕で間違っているかもしれませんが,1mm^2の銅線に1A流れているときの電子の移動速度は100μm/sくらいしかありません。ちょっとビックリですよね。

学生の退屈具合というのは,授業してればヒシヒシと感じるわけですが,このときばかりは眠そうな学生も目を覚ましてくれてたように感じます。ちなみに,非相対論的な運動エネルギーが温度だと思った場合(自由電子が理想気体だと思った場合),常温での自由電子の移動速度は100km/s程度。これも光速には遠く及びません。

じゃあなんで,いわゆる電気の伝わる速度が光速に近いのか,というと電磁波を勉強,理解しないとなりません。いやまあ,イメージ的には,ところてんのように,電子の団体さんが一斉にちょっとだけ移動することで電位差が生じ,その電位差の伝わる速度,つまりどれだけ「一斉に」ずれるかという尺度が光速なわけですが,そのイメージをさらに一歩進めて理解するには電磁波をやらないとなりません。私の授業ではまだ電磁波をやっていないので,先の授業の宣伝も兼ねていました。そのときに学生さんがこの話を覚えていてくれるとよいのですが。

ところで,今日は研究室の4年生と卒業研究の予備実験。というか,今回で2回目ですが,実験というより実験のための基礎をレクチャーしたり,実際に手を動かしたりしてもらっています。ちょうどよかったので同じ話をして,実際にlemoケーブルを伝わる信号の速度を測ってもらいました。はい,1mが5ns。業界標準ですね。

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LHCや解析の近況

LHCのルミノシティは順調に上がっています。一昨日にはとうとう10^{33}を超えました。それに伴い,トリガーがキツくなってきていますが,今わたしたちがトップの解析で使っているシングルレプトントリガーは,電子が20GeV,ミューオンが18GeVで踏みとどまっています。ちなみに,それに合わせてオフラインの解析では25GeVと20GeV以上を要求。このルミノシティだったら,よく頑張っているように感じます。

収集したデータは今年だけで約380pb^{-1}。そのうち160pb^{-1}くらいはすでに解析に使われて,色々と結果を見せ始めています。なかでも注目は,2つのγで作る不変質量分布でしょうか。少し前に,ATLASがヒッグスを発見したのではないかと世間を騒がせたことがありましたが,そのデマ(?)を払拭するためなのか,早々と結果をアップデートし公表しました。まあ,当然,どこにもピークはないのですが,いい加減な解析結果が世間を一人歩きしたことを上層部は相当許せなかったんでしょうね。

いずれにせよ,順調にデータが貯まり,私たちの解析も夏に向けてまた忙しくなりつつあります。今回も私はトップの断面積測定グループの1つの取りまとめ役となり,N大学の人々と大阪ATLASグループのHくんを中心としたグループでなんとか結果を出そうと頑張り始めています。そのためのミーティングもぼちぼち始めているのですが,そこで感じたことは,細やかな気配りのできる人とそうでない人がいるということ。

EVOというコンピュータを利用したテレビ会議システムをよく使うのですが,その会議システムは予約が必要で,予約した時間からしか会議を始められません。私たちの常識としては,会議を実際に始める30分前から(予約システムの最小単位が30分)予約をするのですが,解析グループの取りまとめ役の相棒がEVOを予約すると,必ず会議を開始する時間からしか予約をしないのです。いや,別に実際問題として大きな支障があるわけではないのですが,ある意味常識として普通に思ってたことが行われていないことに違和感を感じたのでした。

EVOが安定していて接続すれば誰もがすぐに始められるのなら,オーバーヘッドは不要なのですが,ネットワークの問題やらコンピュータの音声の設定やらで,多人数が接続する時は誰かがすぐに始められないことが多いんですね。それを防ぐために少し前にログイン。接続が正常であることを会議開始前に確認するのが,私の身近にいる人々の無言のルールなのです。学会とかの発表のときに,前もってプロジェクターが使えるか確認するのと同じような感じです。EVOに前もって繋いでおこうとしない人は,学会発表などでも前もってテストしないんでしょうかね。

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驚きの中学生

昨日のエントリーでも書いた通り,午前中は中学生の訪問を受けました。当初の予定は3人でしたが結局4人。どの子も非常によく勉強しているので驚きました。まずは,私がよくする一般向け講演の内容をかいつまんで説明したのですが,質問が多く,その質問もちゃんと的を得た質問をしてくるので感心しました。なかでもリーダー的な(?)子は,一般向けの素粒子・宇宙の解説書を相当読んでいるらしく,中学生とは思えないような質問を連発してくれて,非常に頼もしく感じました。この先どういう分野に進むかわかりませんが,将来が楽しみな中学生たちでした。

今日は,その後,電磁気学の講義とATLASグループのミーティングをこなし今に至っています。

その合間を縫って,サボっていた宿題を一つクリア。しばらく前に書きましたが,ATLASグループ内での国際会議での発表者の候補者選びの仕事で,ひたすらエクセルに向かうという作業をこなし,ようやく自分のノルマをクリア。それを担当者に送って,ホッと一息ついています。

合わせて,とある原稿書きも昨日でほぼ終わらせたので,心の重荷が2つ取れて,かつ,元気の良い中学生たちに会い,今日はなかなかに心が軽くなりました。これで今日の残されたノルマは解析のミーティングだけとなりました。勢いに乗って上手くミーティングを進められるとよいのですが。

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中学生の訪問

一般向け,高校生向け,高校の先生向け,など,専門家以外を対象にした講演を最近はよくするようになりましたが,明日は中学生3人が私を訪ねてきます。修学旅行の一部として,自由研究として勉強してきたテーマについて専門家に会って話を聴く,という趣旨で,愛知県からわざわざやってきます。もともとは,修学旅行先が東京でICEPPのKさんを訪ねる予定だったのが,地震の影響で修学旅行先が関西に変更。それに伴って訪問先が私のところになったようです。

その中学校が教育熱心なのか(教育大の附属中学です),修学旅行で研究期間を訪問するだけでも私には驚きなのですが,あらかじめ彼らが勉強したことをレポートとして私のところに送ってくれて,その熱心さには頭が下がります。そのレポートの内容も,どこでどう調べたのか中学生とは思えないほどしっかりしていて,自分が中学生だった頃を思い出すと恥ずかしくなります。

そんなわけで,明日は中学生の対応というプチイベントが私にはあるのですが,先週は聴牌った1週間だったために,明日の授業の準備が終わっておらず,また,原稿の締め切りが過ぎたのに校正作業が終わっていないために,ちょっと焦りつつ仕事をしています。

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飽和

飽和しているのは液体ではなく私です…。

彦根でのスクールを終えて1週間経ちますが,いまだに書類書きをしたりしています。これだけの人数を集めて,旅費の手配までするという経験が初めてだったのですが,金が絡むと手続きが段違いに面倒になって大変だということを学びました。でもまあ,あれだけ楽しかったので,これくらいは仕方ありませんね。

今日はそれ以外に,大学院から私たちの研究室に来ようという学生さんと会って話をし,4年生と今年度初めての予備実験,ミーティングを2つに,とある原稿書き。プラス原稿書きに関する打ち合わせ。留学生とのマンツーマンミーティングを終えて,今はまた別のミーティングに参加しています。

いや,もうホント詰んでます…。
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意外な読者

数日前に,意外な方からこのブロブへの書き込みを貰い驚きました。どうやってこのブログに辿り着いたのかは謎ですが,私なんかよりずっと偉い人なのでちょっとビックリしました。以前も,意外な(=ウェブサーフィンしてるような若手ではない)人からブログを見てると言われ驚いたことがありますが,みなさん,いったいどうやってこのブログに辿りついているのですか?ググったときに上位に来るような検索ワードがあるので,それで見つけるんですかね?

逆に自分のことを考えてみると…あまり多くのブログを読んでいないうえに,読んでる幾つかのブログは全部将棋関係。新たなブログを発見するということがないので,どうやって新規ブログを開拓していくのかあまり想像できません。

しかし,驚くのは,書いてる私よりもこのブログの内容に詳しいことがたまにいることです。よく話題に出てくるYくんもですが,他にも私自身が忘れた内容を覚えている人にたまたま出会います。会ったことのない方でこのブログを読んでくださっている方も相当数いるでしょうから,実は,私よりも私のブログの内容に詳しい人は結構いるのかもしれません。

が,なんでこういうことが起こるんでしょうね。書いた方が読むだけよりも覚えると思うのですが,手書きと違ってキーボードに向かって入力するのでは,読むよりも記憶に残らないんですかね。いや,まあ,私が何も考えずに脊髄反射で日々駄文を垂れ流しているから,というのが大きな理由なのかもしれませんが。

ただ,仕事とかでメモを取るとき,ラップトップでテキストにメモるよりも,ログブックに手書きしたほうが,メモの内容をよく覚えられるような気がします。気がする,だけで全くの嘘かもしれませんが,同じことを将棋の羽生名人(名人防衛危ういですが)も言ってました。将棋界のスーパースターを引き合いに出すのは無理があるかもしれませんが,とにかく同じようなことを前言ってました。

将棋の研究の一つとして,棋譜並べというものがあります。昔の対戦を再現して,手の善し悪しを考え,もっと良い作戦がないかを考える,という作業です。この際に,彼が言うにはコンピュータではダメで,やはり盤上に駒を並べて動かさないとダメだと言ってるんです。コンピュータでも同じことはできます。盤面を再現,駒を動かすのはマウス操作。でもダメだと言うんですね。駒を触る手の感覚が重要だとかなんとか,そんな内容でした。

それと似たような話をもう一つ。何かの原稿を推敲,校正するときに,コンピュータのスクリーン上でやるよりも,紙にプリントアウトして読んだ方が間違いを多く発見できる気がしていて,この話をしたら,Y教授も全くの同意見で驚きました。

って,もはや,何を書いているのかわからなくなってきましたが,まとめると,私はデジタルグッズがあまり好きじゃないってことなんでしょうかね。

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浮き沈み

先週末は研究会が大いに盛り上がり,充実感いっぱい。ところが,一昨日はかなり打ちのめされるような私にとっては非常にツラい出来事に遭遇。その前日までが盛り上がっていただけに,その落差に実はかなり凹んでいました。

が,今日はプライベートで非常に嬉しいニュース。さらに,研究関係でもまだおおっぴらにはできないのですがちょっとした嬉しいニュース。ということで,精神的に落差の大きな日々が続いています。人生山あり谷ありとはよく言ったもんですね。

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エセ科学

学会誌最新号に「水からの伝言」に関する記事が載っていました。私はこの話を全く知らなかったので,非常に興味深く読みました。一番の驚きは,エセ科学の代表みたいな話なのに,それを真に受けて道徳の教科書に題材として使われているということでした。

水からの伝言がどういう話か簡単に説明すると,水に向かって「ありがとう」と言い聞かせると,水が凍った時の結晶が美しくなり,「ばかやろう」などの汚い言葉を投げかけると,結晶が汚くなるという内容です。はい,完全にトンデモ系の話です。

でも,この話を真に受けた教育関係者が,さらにワンステップ論理を飛躍させて,人間の体は水が大部分を占める。よって,投げかけられた言葉によって水(の結晶)が綺麗になったり汚くなったりする。だから,汚い言葉を使わないように,と教科書の中で訴えるのです…。

酷い話です。もしこんな道徳の教科書をうちの子供が持って来たら,モンスターペアレントになって学校に怒鳴り込みそうです。言葉遣いをしつけるために,なんでそんな嘘っぱちの話を教科書に入れるのか。というか,このネタを道徳の教科書に入れた人,それを信じて道徳の題材として使ってしまった小学校の教員がいる,ということが悲しくてなりません。

学会誌の記事は,そういう教員の方々の話も取り入れられていますし,トンデモの典型である「水からの伝言」を題材にして,トンデモ系とどうやってつきあって(?)いくかが書かれていて,私にとっては非常に教育的でした。特に,私がなるほどと感じたのは,そういうエセ科学の人たちと科学的,論理的な話をしてはならないということでした。そもそも相手は科学ではないのだから科学的な議論はできないし,同様に論理が通じないのだから説得することは不可能。ただ間違っているというのが正しい,そんな内容でした。

ある意味当たり前なのですが,私たちはそういうエセ科学を前にすると,ついムキになって論理的に反論しようとしたりしちゃうんですよね。たとえば,水の結晶と言ってるけど,それは氷の表面についた霜の結晶です。ですから,もともと「ありがとう」と聞かされていた水でもなければ「ばかやろう」と言われていた水でもありません。その辺の空気中の水分が凍ってるわけです。でも,こんな説得は何の役にも立たないんですよね,きっと。相手は幾らでも言い逃れ(?)するわけです。未知の相互作用は無限に持ち出せますから。ですから,説得なんてしちゃいけないというわけです。

しかし,この話で私が一番腹立たしいのは,大人にこの話をするのはまだ構いません。普通の人だったら,怪しいと感じるでしょうから。しかし,小学校低学年の子供はそういうわけにはいきません。この前研究室のメンバーで昼飯を食べながらこの話題になり,何歳くらいから学校の先生の言うことを疑う,疑えるようになったかということを議論しましたが,多くは小学校の高学年になってからではないか,という話になりました。逆に,低学年では教員は神です。子供に何か「なんで」と質問すると,「先生がそう言ってたから」という答えが返ってくることがあります。論理的になぜかを理解できているのではなくて,先生が言ったことだから,なのです。ですから,そういう子供たちにエセ科学を植え込む小学校に対しては腹が立って腹が立って仕方ありません。

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提言とか

提言と言っても私からのものではありません。このブログでも何度か取り上げている高エネルギー物理学将来計画検討小委員会からの提言ですが,このページの2011年4月19日からダウンロードできます。この提言は,提言の中に書いてある通り,委員会から何かを強く提案しているという内容ではありません。高エネルギー物理学という分野からの意見を聞く,議論を行うための叩き台という意味合いが強いです。これをもとに,委員会内で閉じるのではなく,これから分野全体で議論を行えたら,というのが狙いです。ですから,何か意見がある方は,私でなくても構いませんので,お近くの声を掛けやすい委員にぜひ意見をお寄せください。

また,6月25日に東大でタウンミーティングがありますので,参加可能な方はそちらにも足を運んでみてください。なお,公式にアナウンスされていませんが,タウンミーティング的なものは6月25日だけでなく,その後にも幾つか行う予定です。現在,日程調整や参加者の調整を行っている段階なのでまだアナウンスできないのですが,そのうち公式なアナウンスができるようになったら,このブログでもアナウンスします。

さらについでですが,上記のウェブサイトには委員会の議事録,それにプラスして委員会の初期に行っていた勉強会のスライドも公開されています。書く分野を代表する人を呼んで話を聞いたので,非常に勉強になるスライドが多いです。高エネルギー物理の現状を知るには非常に良いサイトなのかもしれません。1年半から1年ほど前なので,若干情報が古くなってる部分があるかもしれませんが。。

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盛況x2

13,14日の彦根でのスクールは大盛況でした。学生さんの発表は口頭,ポスターともに質問が多く非常に盛り上がりました。初めての企画でどれくらいの人が集まるのかわからなかったので1泊2日で企画しましたが,これだけの盛り上がりを見せるなら,質疑応答の時間を増やしたり,ポスターセッションの時間を増やしたり,学生の講演数そのものを増やしたり,宴会の時間を増やしたり…と,色々もう少しゆとりを持たせられるよう,2泊3日にしてもよい感じでした。また,講師の講演も興味深いものが多く,私にとってはとても良い勉強にもなりました。ただ,学生さんにとっては少し(かなり?)難しかったかもしれません。しかし,これも,日程が詰まっていたために講師の講演の時間が少なかったということが一因としてあります。大抵の講師は学生さんに説明をするといっても,自分たちの実験の宣伝(=説明)をしますから,どうしても学生レベルの説明時間が少なくなってしまいます。もし来年以降もこの催しがある場合は,全体的にもっと余裕をもった日程にすべし,というのが今回の教訓でした。

でもまあ,反省点を数え上げたらキリありませんが,全体としては大成功の企画だったと感じています。また来年,なんとか2回目をやりたいと思っています。

と,非常に盛況だった彦根から京都へ昨日の夕方移動し,今日は朝からスタッフだけを集めて別の研究会。これも無茶苦茶ゲリラな研究会でしたが,予想以上に面白い議論ができて,こっちの企画に関しても大成功だったと勝手に思っています。同年代くらいで同じような立場の人間が集まり,言いたいことを遠慮せずに言いあって議論できる研究会というのは非常に楽しいものでした。こちらもまた,そのうち第2回をやりたいものです。

参加してくださったみなさま,お疲れさまでした。

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早起き

スクールの準備が終わっていなかったのに昨晩は晩飯を食べに行かなければならなかったので,今朝は少し早起きしていつもより約1時間早く大学に来ています。まあ,いずれにせよ,彦根に向かうために,8時半くらいには大学を学生と一緒に出発する予定ではあったのですが。

そしたら,大学に到着するのが研究室のOくんとほぼ一緒。彼も8時半出発組なわけですが,それにしても早起きなのにびっくり。学生とは思えません。早起きは三文の得といいますが,何か良いことがあるといいですね。

ということで,今日の更新はこれだけです。

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知らないことの多さ

彦根でのスクールは,明日,明後日に迫っていますが,前日の今日もまだその準備に追われています。一昨日まで忘れたいた案件が幾つかあり,そのために今朝はホテルと交渉。さらに,本来はもっと前にやっておくべき様々な準備を満足にやっておけなかったツケが回ってきて,今日は修士課程の学生とゼミをやった以外は,雑用だけに追われた1日でした。

しかし,今回,外部からの人を呼んで研究会を行うにあたり,色々と学んだことがあります。人を集める企画の運営ノウハウはもちろんのこと,私は事務処理に関して非常に疎かったので,知らないことが多くて驚きました。

たとえば,出張時に車を使うのは結構難しいのです。今回は機材を少し運ばなければならないし,学生も一緒に行くので車で行けば交通費を抑えられると思って車での移動を申請したのですが,そのためには普段の出張と違いなんちゃら申請書を提出。その後事務とのやりとりが何度かあってようやく許可を貰えました。交通費を安く抑えられるので何の問題もないと思っていた私はかなりアマアマでした。って,なんで安く上がる移動方法を大学は嫌うんでしょうね。事故でも起こした場合の補償問題がややこしくなったりするからなんでしょうか。

それから,これは前々からよく注意(?)を受けていたのですが,用務内容に「講演」という言葉があると,日当と宿泊費が減額,もしくはゼロになるそうなんです。「講演」=誰かに依頼され謝金が出る,という定義らしいのです。辞書には載っていない独自の言葉の定義があり,それも大学教員は学ばないとならないらしいです。

なんてことを書きつつ,明日の準備をまだしているのに,今日,明日行われているお偉いさんの会議の接待(?)として晩飯をつきあわなければならなくなってしまいました…。ネットワークやらパソコン,そして,会議室の机,椅子の並べ替えというザ雑用をこなしただけではまだ足りないようです。うーむ。

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ガス抜き

中国では民衆のガス抜きのために,国というか共産党によって,対日感情がコントロールされているという話をよく聞きます。日本でも同じようなガス抜きはよくありますよね。毎度毎度周期的に出てくるのが公務員イジメ。それ以外で突発的に発生するのが何か問題を起こした会社や組織。記憶に新しいところでは東京電力だったり,焼き肉屋だったり。ただ,日本が中国と違うのは,ガス抜きに使われる対象が国や政権によって決められているのではなく,マスコミということでしょうか。

いや,酷いなぁと思ったのは,東京電力に対する主婦のコメント。電気代が少し上がるのは仕方ないが,東京電力の社員の給料を減らせ,という内容です。そういう考え方を持つこと自体私には理解不能なのですが,それをマスコミが取り上げて公に報道するのには,大いに見識を疑います。問題起こしたら給料減らせ,というのは典型的なガス抜き,感情論ですよね。「私は◯◯が嫌い」という単なる嗜好の意思表示を全国に流しているに過ぎません。問題を起こした組織を壊すのは気持ち良いでしょうが,仮に,今東京電力を解体して従業員を全員クビにしたら,今抱えている多くの問題を放置するということになるわけです。そんなことできるわけありません。

すでに,経営陣だかなんだかは給料ゼロになってて,もう誰もこんな組織のトップになんてなりたくありません。従業員だって,働いて昇格したら給料が下がるのですから,モチベーションが上がるわけありません。感情論に走る人々のガス抜きに東京電力の社員を使えば,それによって問題解決が遠のくという発想がマスコミにはないのでしょうか。今やるべきは,優秀な人材が東京電力に集まるような環境作りなのではないかと思うのですが。。

というような最近の議論と景気問題に関して感じることが幾つかあります。

前にも同じようなこと書いたことありますが,マスコミの情報にみんながみんな右向け右という国民性だと,民主主義が正しく機能してないと思います。民主主義って,色んなベクトルを持った考え方があるからこそ,正しい方向性を見出せるんだと思いますが,焼き肉屋を虐めればみんなで寄ってたかって虐める人々だけでは,民主主義とはほど遠い気がします。誰かが何かを言ったときに,必ず誰かが反対するような組織,団体でないと民主主義の良いところが出ないのではないかと思います。

それから,景気が悪いからと国の支出を抑えろ,問題があった組織の人間の給料を下げろ,というのも私には理解不能です。景気と国の支出の関係に関しては,信者じゃなくてもケインズの言ってることを少しは見習って欲しいです。いや,ケインズの経済学が正しいかどうかは私は全く知りませんが,彼流の考え方を少しは勉強して欲しいといったところです。物理屋流に言うと,金もエネルギーも保存ですから,景気を良くするには国の支出を増やして流動性を高めるしかないと思うのですが,なぜかマスコミの好みは公務員の給料削減。無駄の削減と言いますが,結局は役人を代表とする公務員の数減らしが趣味です。そういうことは景気が良いときにインフレ抑制でも兼ねてやるべきで,不景気でデフレという今やるのは真逆なんじゃないですかね。公務員の給料でも,土建屋でも,金を出せば,その金は金融市場の血流となるわけですから。あ,ただし,国債になっちゃう貯金や,海外の投資は禁止しないとなりませんね。

別に公務員じゃなくてもいいのですが,誰かの給料が増えて,その増えた分を消費に回せば経済の活性化になります。しかし,財務が痛んでいる民間企業にその最初の一撃を加える力がないのであれば,国が代わりに最初の一撃を加えるべく公務員の給料を増やす,というのがロジカルには正しい経済政策のような気がするんのですが…。あ,研究費でもいいのですが,研究費は海外に流れる資金が増えてしまい,国内産業の発展のためには単に給料のほうがいいのではないか,と何の根拠もなく思ったりします。でも,そういう議論にならないのは,ガス抜きと妬みという感情が議論を支配してしまうからなんでしょう。

問題があった組織の人間の給料を下げることに関しても,その組織を完全に解体してもいいのであれば(=初めから存在価値がないのですから),給料をいくら下げたも構いませんが,単なる処罰感情では片付けられない問題を抱えている場合に,感情論だけで話を進めるのはちょっと…という感じです。

何らかの問題を抱えている時,問題を起こした人への処罰感情だけに支配されると,建設的,論理的な議論はできません。マスコミには,ガス抜き対象を設定するのではなく,感情論ではなくもっと建設的に物事を考えるよう人々に訴えて欲しいです。

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今年度初採点

新学期が始まり,この学期私は低学年共通教育の電磁気学の講義と物理学実験を担当しているのですが,今日は初めて物理学実験のレポートを採点する日でした。と言っても,必ず今日しなければならないというわけではないのですが,採点は実験をやる共通教育棟という建物にある物理事務室内で行うのが基本で(=レポートをなるべく持ち出さない),となると,必然的に授業のあと,それも実験が早く終わった日になるべく片付けるしかないということになります。

今日(と来週)の授業のテーマはオシロスコープの使い方で,説明を真面目に聞く学生が多かったからか,大学に入学したばかりでモチベーションの高い(早く帰りたい?)1年生だからなのか,例年の私の経験よりもだいぶ早く全員がテーマをクリア。時間ができたので,提出されていたレポートの採点を始めたというわけです。

今までも物理学実験は何年か担当していましたが,その対象は1年生の後期。で今の担当は1年生前期。このわずかな違いが大きいのか,採点したレポートの中身はいままでとだいぶ違いました。まず一番の印象は,誰かのレポートのデッドコピーが少ないということ。油断すると2,3人を除いてほぼ同じレポートという悲惨な状況が生じることがあるのですが,今回はほぼ全員がオリジナル。オリジナルなだけにあまりにもデキの悪いものもあるのですが,とにかく自力でやったことが垣間見えます。まあ,レポートを書く練習という意味合いが大きかったテーマなのでオリジナル作品が多かったということもあるのでしょうが,それにしても,半年過ぎると誰かの(ウェブなどで出まわっている)レポートを写せばいいという考え方が根付いてしまっているとしたら,大学教育の崩壊と私は感じてしまいます。

ただ,あまりにデキの悪いものを書くよりも模範となるようなレポートを写した方が勉強になるという考え方も確かにあって,実際,無茶苦茶なレポートよりも写経のほうがまだマシだと言う教員もいます。私みたいに俺流が好きな人が実は教員の中でも少数派なので,レポートを写す学生が増殖しているのかもしれませんね。

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気が重い週

今週は週末に彦根と京都での研究会を控えていて,それは非常に楽しみなのですが,それ以外では,雑用がてんこもりで気が重い1週間を過ごすことになりそうです。

まずはその手始めが,しばらくなかったATLASグループ内での国際会議発表者選びに関するミーティングと作業。今日もこれからそのミーティングがあります。そして,その次は,色んな国からちょっと偉い人たち大学に来て会議をするのですが,そのための準備。彦根でのスクールのように自分がやりたい研究会,あるいはやることに意義を見出せる会議ならやる気出ますが,これは完全に頼まれ仕事。IP addressの設定から始まりコンピュータ関連の環境設定の準備をしているのですが,面倒臭さとモチベーションの低さから効率の悪いことこの上なしです。そして極めつけが,科研費の報告書。今週一杯が締め切りなのですが,13日からスクールですのでそれまでに仕上げて提出しなければなりません。書類書き,これまたモチベーションの低い仕事で泣きそうです。

とまあ,これ以上書いても愚痴しか出て来そうにないので,今日はこの辺でもう終わりにします。

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時間割

うちの息子は4月から小学校に通い始めました。何気なく彼の時間割を見ると,週25時間の授業のうち,国語関連が8時間だったか9時間あり(国語が6時間か7時間+書写+読書),その一方で算数が4時間しかありません。図工と音楽もそれぞれ2時間づつあって情操教育に合計4時間。ちと納得がいきません。

物事を論理的に考えるための基礎が数学であり,算数です。また,論理には言葉を用いますから,国語も必要です。私は,大学入試で理系文系に関わらず数学と現国だけでいいくらいに思っていますので,国語が多いのは構いませんが,それにしても国語が8時間か9時間あるなら,それと最低同じくらいは算数をやって欲しいのですが,なんでこんなに算数の時間少ないんでしょう。

テレビのクイズ番組とかを見ても,国語だか漢字の問題ばかり。テレビ番組は視聴率を取ることを大抵目的にしてますから,算数・数学嫌いの人が多いという現状から,問題がそういう傾向になるのはある意味仕方ありません。が,なぜに,学校が,それも人の嗜好を左右するような立ち上がり時期の小学校で算数の比率がこんなに低いのか,不思議というか,納得がいきません。

というか,あんまり考えたことありませんでしたが,小中学校のカリキュラムの決定や,どういう教員を採用するかって,実際にどこでどういうプロセスで決まっているのでしょうか。市町村の教育委員会なるものが決めているのではないかと思うのですが,実際,誰がそのメンバーで,どういう議論がなされたのか,というのはどこでわかるんですかね。いや,頑張って調べれば情報公開されているのかもしれませんが,なんか…すごーくダークなイメージです。

って,大学教員も外部の人にとっては同じくらいダークなのかもしれませんが,少なくとも自分の近隣分野では,実績を上げた人が順当に採用されていると(多少のfluctuationはありますが)私は認識しています。それに比べて,教員に誰が採用されるかはお互いブラックボックスなのではないかと思うのですが,その辺はどうなっているんでしょうね。

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委員会とか

高エネルギー物理将来計画検討小委員会を終え,大阪に帰る途中です。

この委員会はその名の通り,この分野の将来計画,それも10年後に何をすべきか考えて答申を出すことを任務としています。最初の1年間くらいは,世界中で行われているプロジェクトの勉強会。それを踏まえ,この分野の人々で将来計画について議論してもらうための叩き台という意味の提言を数ヶ月前に出しました。議論の叩き台を出したわけですから,今度はその叩き台をもとに高エネルギーだけでなくその周辺分野の人々も議論に加わってもらうべく,タウンミーティングを企画しています。

このタウンミーティングは春の学会でその第1回を行う予定でしたが,その学会が中止になったために,代わりを6月25日に東大で行います。その後も,テーマを細分化したり,ターゲットとする周辺分野を絞ったミーティングを予定していて,今日の委員会ではそれらのミーティングをどのような形態で行い,どのように進めていくがが主な議論となりました。

ところで,将来計画を考える上で最も重要な指針を与えるのがLHCの結果です。これから行う一連のタウンミーティングを含め,秋の学会での企画まで議論したのですが,LHCの結果いかんでは内容の大幅修正もありうるわけで,というか,何かが見つかる見つからないに関わらず将来計画はLHCの結果に引きずられますから,LHCの結果には本当に多くの人が注意を払っています。

そのLHCですが,ここ数日はメインテナンスのために物理データの収集を行っていませんが,今年の運転再開後のLHCは非常に調子がいいです。Tevatronのルミノシティを超えたあとも順調にルミノシティが上がり,今までのところ最高で9x10^32近くに達しています。また,4月から5月初めにかけての約1ヶ月間で~250pb^-1のデータを収集。この分なら年内に1fb^-1を超えるのは確実。うまく行けば2fb^-1に到達しそうな勢いです。さすがにそれは無理かもしれませんが,2012年末までには最初聞いた時には楽観的過ぎないかと思えた5fb^-1も夢物語ではありません。というか,十分現実的ですね。

というわけで,何か見つかるとよいのですが,とりあえず早くヒッグスは何とかしたいですね。最近の議論では,Tevatonのリミットは理論計算が甘くて,本当は160GeV付近も排除できていないのではないか,なんていう話もあります。160GeV付近だったらLHCには十分感度ありますから,興味深い話です。

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谷間

ゴールデンウィークの谷間ですが,大学は,普段通り授業があり,普段通り学食が込んでいて驚きました。いや,驚いてはいけないのかもしれませんが,授業に来ない学生が多くて,休日並みとまではいかないまでも,普段より少しは空いてるかと思っていたのですが,そんなこと全然ありませんでした。

そんなわけで,学生も普段通りの生活に戻っているようですが,私も今日から日常へ戻っています。しかも,明日は東京への出張。久しぶりの委員会活動なのですが,久しぶりだと東京まで委員会のためだけに出張するのはなかなか憂鬱,というか,面倒です。いや,委員会で議論することは重要な任務ですからいいのですが,その数時間のためだけに大阪と東京を往復するというのは,微妙です。

ゴールデンウィーク中はアクティビティが低かったのでブログに書くようなネタも少ないのですが,その中での注目(?)は,物議をかもした物理学専攻の院試の案内ポスターの改訂版候補ができてきたことです。今回は,前回の教訓を踏まえ(?)パスワードを知らないと見られないようにしてあります。作り直したことはもちろん,担当者の人々は色々大変ですね。

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車に関連した雑感

待つこと数年。駐車場をようやく確保できたので,先々月自動車を買いました。それに関連した雑感を幾つか…(当たり前の感想ばかりですが)。

車庫証明,車を買う時にだけ必要という謎のシステムですが,これは誰を潤すためのシステムなんでしょうか。自宅から歩いて数分。駅へ行くよりも遠いのではないかと思われる場所に民間の駐車場を見つけ申し込もうとしたのですが,車庫証明のためのなんちゃら承諾書が必要だと言うと,とてつもない金額を要求され,じゃあ辞めると言って,宿舎の駐車場が空くのをひたすら待っていました。この経験からだけだと土地を持ってる人,不動産屋などを潤す仕組みかと思ってしまいますが,でも,そのために車庫証明が必要になっているとは思えません。名目上は,車を保有するには保管場所が必要ということなんだと思いますが,それなら,車の購入時だけでなく,常に保管場所を確保してることを証明させるのが筋。軽自動車も車庫証明要らないし(5月7日修正:都市部では車庫証明みたいなものが必要だという指摘を受けました。),釈然としないシステムです。

車は買ってみたものの,大阪のような都市部で車を運転するのが嫌いなので,通勤は今まで通りモノレール。買い物とかにも車をほとんど使わないのであまり経験値が増えているわけではありませんが,久しぶりに日本で車を運転してみての(バイアスばりばりの)感想がいくつかあります。

まず1つ目。理解不能なのが自転車の右側通行の多さ。完全に逆走ですよ。真っすぐ前から走ってくるのはまだしも,横道から出てくる自動車にとっては危険きわまりありません。だって,横道から出てくる自動車は当然左側通行ですから,本線をまっすぐ走っている自転車が左側通行なら横道から出てきた車に接触するまでの時間が右側通行に比べて圧倒的に長いです。そもそも,左側通行してれば自転車から車が見えやすいし,車からも自転車を見つけやすいです。ところが,右側通号の自転車はその逆。車からも見えないし,自転車からも車は見えません。今までは歩行者の立場で,自転車のマナーの悪さに憤ることが多かったですが,車を運転してみるとここでもまた自転車に腹を立てています。自分が元々チャリダーだったので,マナーの悪い自転車が多いのは悲しいです。

話は飛びますが,ドイツに長いこといた人から聞いた話ですが,ドイツでは交通ルールの遵守が厳しくなされていて,たとえば,横断歩道は完全に歩行者優先。って,日本でも信号のない横断歩道では歩行者優先のはずですが,歩道に人が立っているからと止まる車を見たことがありません。横断歩道が歩行者優先というのはドイツだけではなく,ドイツ以外のヨーロッパ,アメリカでも日本よりは守られています。ところが,ドイツの凄いのはこの先。何m以内に横断歩道があるのに,横断歩道のない場所で道を横断して歩行者と車が事故ったとします。日本だと間違いなく車に非があることになるでしょう。ですが,ドイツでは歩行者の過失。車に傷ついたりしたら轢かれた歩行者が補償を要求されることすらあるのだそうです。この話がどこまで通用するのかは知りませんが,とにかく,ルールは厳格に適用するのがドイツ流らしいです。

それに比べると日本は難しいですよね。道路交通法上のルールの適用はいい加減。そのルールよりも,赤信号皆で渡れば怖くないではありませんが,多く人のやってることが実際上のルールとなっています。ダブルスタンダードの典型で,単細胞の私にはそのルールに付いていくのが非常に難しいです。

それから,高速道路を運転しての感想。追い越し車線をゆっくり走って後ろの車をイライラさせるのは,なぜ,白いワンボックスと,白いクラウン,セルシオ,ベンツなどの高級車なんでしょうか。はい,もちろん,数少ない事象数ですし,私の主観バリバリです。他にも後ろの車を苛つかせている車はもちろんいますが,白いワンボックスと白い高級車が圧倒的に多い気がします。どうせ勝手なことを書いてるので,さらにいい加減な推測をしちゃうと,こういう車の運転手と,電車の中でふんぞり返って座り足を組んで邪魔な人と相関があるような気がしてなりません。

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研究費の行き先

修士課程2年のEくんが,近々CERNに出張することになりました。彼と今日昼飯を食べているときに,航空会社をどこにすればいいですかね,と軽く質問を受けました。私の基本方針は,常識の範囲内でなるべく安いのを探し,あとは自分の好み(航空会社のサービス,器材,経由地など)で好きにすればよい,というものです。

私たちがよく利用する旅行代理店は,幸か不幸か,言わなくてもかなり安いチケットを提示してくるので,そこに任せちゃえば楽でいい,という考えがあります。それから,とにかく安いのを探せとなると,探す労力が得られる対価に対してとてつもなく大きくなってしまいますし,南回りなど無茶な経由地を使うのも微妙な感じです。さらに,他の大学では,学生とは思えない贅沢なチケットを選ぶ学生がいることもあるのですが,貧乏に慣れている大阪のATLASグループの学生は,言わなくても非常に安いチケットを探して来るので(資金を集めるべき立場にある私が偉そうに言うことではないのですが),わざわざ安いのを探せと念押しする必要がない。というのが常識の範囲内で,と言える根拠です。

そういうわけで,常識的なチケット代の相場を教えて,あとは好きな航空会社を選べばよいとアドバイスしたのですが,一つだけ前から気になっていることがありました。

フェルミ国立研究所にいたときは,出張時に航空会社はアメリカの航空会社を使うよう指示されていました。というか,研究所にトラベルオフィスなる部門があってそこでチケットを手配するのですが,そうするとアメリカの航空会社が勝手に優先的に選ばれます。ただ自分で探すよりも割高だったり,アメリカ以外の航空会社のほうが安いことがあるのですが,それでもアメリカの航空会社優先でした。それこそ,値段の差が2倍くらいにならないと(?),アメリカの航空会社になりました。

賛否両論あるでしょうが,研究費は,国内への資金供給,土木工事などの公共事業という意味合いもあるので,その立場に立つと,多少高くても国内の産業に金を使えというのは理にかなっています。たとえば,研究遂行のために日米間を1往復しなければならない。その1往復の航空チケットが国内会社で15万円,外国の会社で10万円だったとします。このとき,研究費の裁量権を持っている人にとっては10万円のほうがもちろん嬉しいです。差額5万円を別の旅費に回せるかもしれませんし,実験機材を調達できるかもしれませんから。

しかし納税者の立場から考えると,どっちがいいのか悩んでしまいます。研究費の原資が税金だとすると,10万円で済む方が税金少なくて済むから嬉しいような気もします。しかし,10万円のチケットを買うと税金を払っている納税者にはリターンがありません。というか,実際には,販売ルートのマージンや国内人件費などがありますから,極めて少ないリターンしかないというべきでしょうか。ところが15万円のチケットだと払った税金が企業の収益としてまるまる納税者に戻ってくることになります。だとしたら,研究費の無駄云々を議論して,もっと研究費を抑えられるかどうかを議論するよりも,使われた研究費が最終的にどこに還元されていくかを考えなければならないことになります。

もちろん,この説明は,航空チケット代の還元される先を非常に単純化してしまっているので,実際にはこんなに話は簡単ではないのでしょう。チケット代がどのように,再分配されていくのか詳細に調べないと,本当に国内の納税者が得なのがどちらなのかはわかりません。でも,ナイーブには国内の航空会社を使った方が納税者たる国民に還元されるような気がするのですが,そういう金の流れになっていないのですかね。フェルミというか,アメリカではそうだと考えられていたからこそ,多少高くてもアメリカ国内の航空会社を使わされていたのだと思っていたのですが,日本ではそういう話を全く聞かないので,ちょっと不思議に思っていました。

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角運動量はベクトル

子供を連れて姫路科学館というところへ行ってきました。同じように子供を連れて行って楽しい施設としては,大阪市立科学館がもっと近くにあります。しかし,大阪市立科学館へは何度も行ったことがあるのでたまには違う所へ行ってみようと思い,少し遠出しました。

規模が違うのか,経営形態が違うからなのか,学芸員さんたちの趣味が違うのか,あるいは違いがあって当然なのかもしれませんが,市立科学館とは若干違った趣がありました。ただ,どちらの施設にも大きな共通点が一つあります。それは,子供を(だけでなく大人も?)対象にした,手で触れる科学オモチャに多くのスペースを割いているところです。発電機を手で回して電球をつけたり,てこの原理で重い物を運んだり,等々,仕組みはわからなくても子供的には動きがあって面白いものがたくさんあります。

その中で今日私の目を引いたのは,角運動量がベクトルであることを体感できるオモチャです。実は大学でも原子核実験施設のFさんはこの手の実演グッズ作りに熱心で,同じ物を自作しています。どういうものかというと,まず自転車のリム,スポークそしてハブを使い,軸を両手で持てるように加工したホイールを用意します。これだけでも実は角運動量を体感できます。両手でそのホイールを持ち,誰かにそのホイールを勢いよく回してもらいます。回転する軸が水平のときは力を感じないのですが,それを右か左に少し傾けると物凄い力が手にかかります。

Fさんも最初はこれを使って角運動量によって受ける力を体感させていたのですが(私たちの研究室にも同じ物が実はあります),さらなる進化がありました。そのままだとホイールを手に持っている人は力をまさしく「感じる」ことができるのですが,他の人にはわかりませんし,視覚にも訴えてきません。そこで,ホイールを持ってる人が立てる円盤を用意しました。円盤の軸は鉛直で,左右に自由に回転できます。この上に乗って,前の段落でやったのと同じことをやれば,そうです。水平に持っていたホイールの軸を傾けることで,そのホイールを持っている人が回転を始めるというわけです。

これは見た目にわかりやすく,アピーリングな実演で,大学生に(大学教員に?)も評判が良いです。それと全く同じものが今日行った科学館にあったのです。私的には心の中で「おーっ」と思ったのですが,残念なことに小学1年生になったばかりの息子は,私が四苦八苦して説明しているのを全く無視して円盤を回転させるのに夢中。いや,角運動量の説明はなかなか難しいです。

が,しかし,この角運動量を視覚化するオモチャ,なかなか面白いです。

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