ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

連休

故あってこのゴールデンウィークは大学を休んでいます。って,休日・祝日なのですから,誰に断ることなく休んでもいいのですが,何か特別な理由がないと連休を取らない私は間違いなく病気なんでしょうね。しかし,そのおかげで子供と遊べて,リラックスした日々を過ごせています。

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物理学科の人々 ~ その1

明日からゴールデンウィークです。私たちの大学は,ゴールデンウィーク中毎年いちょう祭なる催しが行われます。春の小学園祭みたいなもの+各学部でオープンキャンパス的なことをやります。今年は2,3日で,より多く企画が行われるメインは3日になっています。お近くのかたは遊びにきてはいかがでしょうか。

そのいちょう祭ですが,大学,あるいは研究室がどんなところかがわかるだけでなく,かなり変わった職種である大学教員をおちょくりに来るいい機会でもあります。別に私たちの大学に限った話ではありませんが,色々な大学で今はオープンキャンパスが行われています。そのオープンキャンパスを個性的な人々と接触できる機会と捉えるのも面白いかもしれません。

実際,私が接している周囲の教員の人々も個性的で魅力的な人がたくさんいます。理学部,それも物理学科に限定されてしまいますが,話していて面白いなぁと感じる人が何人もいます。その中でまず思いつくのが素粒子理論教授のKさん。素粒子理論と関係あるかどうかは定かではありませんが,とにかく,異常に何でも知ってる(?)んです。どういう話題になっても,その話題に関連する小ネタがビシバシ飛び出しますし,有名人のエピソードに詳しいこと詳しいこと。まさに歩く百科事典であり,プロジェクトX的な話を色んな有名人について語れそうです。学生いわく,講義もそういうネタが飛び出して非常に面白いそうです。おまけに,物理の講義内容もわかりやすいそうで,私もその講義を受けてみたいです。

私が普段付き合いのある人は素粒子原子核関係が多いので,どうしても分野に偏りはあると思うのですが,それにしてもKさんに限らず,素粒子理論は他の分野を専攻としてる人よりも個性の強い人が多いように感じます。みなさんすごく賢いのは明らかなのですが,なんというか,脳が特定の方向に特化チューンアップされてるような感じなのです。その特定の方向でCPUが稼働した時は物凄い馬力です。

それに対して,物理が凄くできるだけでなく,何をやっても仕事が凄くできそうな人代表が物性理論の同じ研究室に所属する教授と准教授であるOさんとAさん。Oさんとは物理について議論したことはあまりありませんが,物理学科長として会議をビシバシと進めていく様子は,大学教授というよりエリートサラリーマンといった感じ(いつもスーツ来てますし。ははは。)。変な表現ですが,大学教授をやらせておくのは勿体ない(?)くらいです。Aさんとは物理の話をたまにする機会があったのですが,この人なんでこんなに物理デキルの?と思うくらいよくできます。しかも,事務処理能力も私より遥かに高そう。さらに悔しいことに,物理学科の中では容姿も1,2を争っているのではないかと思います。というわけで,私が身近に接する人の中で「凄いなぁ,この人」度の上位に位置しています。

と,ネタに困って,周りの教員ネタを出したのですが,自分で書いてて確かに面白い人がたくさんいるな,と思ってしまいました。今回をその1としましたが,その2,その3もあるかもしれません。あ,しかし,この話題では普段からよく登場するY教授は取り上げませんでした。個性派代表で,幾らでも書くことあるのですが,この企画は普段ブログに登場しない人を取り上げるつもりです。その続きがあるかどうかは謎ですが。ははは。

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AMS-02打ち上げ

昨日のエントリーに,反ヘリウム発見と聞いて宇宙線かと思った,というコメントがありました。それで思いついたのが,AMS-02がいよいよ打ち上げられるというニュース。よし,今日のブログネタはこれだ,と思ったのですが,RolfHeuerに先を越されました。RolfというのはCERN所長なのですが,29日に最後のスペースシャトルで衛星軌道上(でいいのかな?)に運ばれるという内容のメールがCERNユーザー全員に送られていました。

って,まあ,私のニュースのソースもCERNですから,所長のほうが情報に通じていて当然なのですが,なんか,ちょっと悔しい気分です。

そんなことはどうでもいいのですが,AMS-02というのは,宇宙線のスペクトラムを測る,とりわけ反粒子のスペクトラムを測ることを主眼とした人工衛星上の検出器です。もう10年近く前に完成して,スペースシャトルで打ち上げられる予定だったのですが,名前忘れましたが,スペースシャトルの事故があったために打ち上げが大幅に遅れていました。ようやくスペースシャトルが再開され,積み荷リストに載った。でもスペースシャトル計画は打ち切り。どうなるんだろう。いや,最後のシャトルに搭載されることが決まった。という紆余曲折がありました。その最後のシャトルの打ち上げが29日に迫っています。実験関係者にとっては待ちに待った日がやってきた,という感じでしょうね。

AMS-02という名前からわかるように,この検出器は2代目で,先代のAMSは,様々な宇宙線スペクトラムを測定しましたが,先に書いたように,反陽子と陽電子という反粒子の測定に特徴があります。特に注目されたのが陽電子のスペクトラムです。1年,いやもう2年くらい経つでしょうか。PAMELAという同様の実験で,陽電子の量が予測値よりも多い。すわ暗黒物質か,という結果を報告したことがありました。AMSはそれよりも10年近く前の観測で,PAMELAほどではありませんが,やはり陽電子の量が思ってるよりも多いという結果を報告していました。なので,もっと性能の良いアップグレード版でより精度の高い測定を目指したのがAMS-02でした。

ちなみに,このブログでも以前取り上げたことありますが,PAMELAの結果というのはなかなかに解釈不能で,暗黒物質ではなさそうというのが世間のコンセンサスです。さらに,電子と陽電子の区別はできない(電荷を識別できない)がエネルギーと角度分解能の高いFERMI/LAT衛星というので電子のスペクトラムが精度よく測定され,ますますPAMELAの観測が暗黒物質ではなさそう,というように理解されています。が,しかし,陽電子のスペクトラムは高い精度の測定で追試されていませんから,AMS-02の反粒子に対する観測というのはなかなかに興味深いです。

ところで,宇宙空間に打ち上げられた人工衛星でそれなりの運動量を持った粒子の電荷を識別するのは一苦労があります。電荷を識別するには磁場が必要です。かつ,高い運動量の粒子を曲げて電荷を識別しようとしたら,強い磁場と,粒子の曲がり具合がわかる程度の大きな磁場のかかった空間が必要です。地上の実験なら大きな電磁石を使えばいいという話ですが,人工衛星はロケットで打ち上げるわけですから,大きさにも重さにも厳しい制限がかかります。宇宙線のスペクトラムの測定では人工衛星ではなく気球を使ったものもあるのですが,その制限は気球実験でも一緒で,軽い電磁石(超伝導電磁石)で強い磁場を作る技術が必要となります。

さらに,AMS-02には粒子種の識別のために複数の検出器が組み込まれていて(TRD, RICH, TOF, ACCくらいがparitcle IDのためにあったような。。),人工衛星のプロジェクトの中でもかなりのビッグプロジェクトだと思われます。そんな検出器を作り,ビームテストまで繰り返していたのですから,無事打ち上げられることになって本当によかったです。29日が楽しみですね。

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反α

アメリカのブルックヘブン研究所という所で行われている(んですよね?)RHIC実験の一つ,STAR実験チームが反α線を発見したという記事を読みました。原子核物理に激しく疎く,素粒子に慣れ過ぎている私にとっては反粒子はあまりにも当たり前ですが,エネルギースケールをちょっと下げて原子核レベルにまで来ると,α線の反粒子(=反陽子2つと反中性子2つの束縛状態)ですら見つかっていなかったのですね。今さらながらに,この宇宙は物質優勢なんだなぁ,と変な感慨に浸ってしまいました。

ところで,原子核の世界ではα粒子のことを4He(4は上付き)と書くのは普通なんでしょうか。これだと,素人の私なんかはヘリウム原子と勘違いしてしまいます。しばらく前に,CERNで反水素原子の合成に成功したって話題になって凄いと思っていたのに,今回の記事を最初に別ソースで見た時は,反ヘリウム原子ができたのかと驚いてしまいました。

今回のような記事を目にして,反粒子が当たり前という視点を忘れると,やはりバリオン非対称(宇宙には反物質がほとんどなくて物質だらけということ)というのは,研究するに値する不思議な現象だと再認識します。レプトジェネシスがどーたらこーたらとか,暗黒物質の量がどーたらこーたらとか,宇宙論と絡めたこの辺の話はやはり面白いです。

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責任能力と飲酒運転

責任能力を争う云々という裁判の報道を見ると,疑問に思うことがあります。

何か事件を起こしても責任能力がないということで,有罪にならない場合があります。賛否両論あると思いますが,とにかく,責任能力がなければ罪を問えないのが日本の法律のようです。この前提に立つと,以下のような場合にはどうなるのか疑問なのです。

飲酒運転で事故を起こしたとします。当然,重い罪に問われます。法律上の量刑だけでなく,社会的に抹殺されるのが今の日本社会でしょう。しかし,車を運転する予定も必然性も全くない状態で酒を飲んだとします。体調でも悪かったのか,激しく酔って記憶を無くすくらいの泥酔状態になってしまいました。そしたらなぜか夢遊病者みたいにふらふらと歩き出し,歩くだけならよかったのですがなぜか車を運転してしまいます。その結果,事故。この場合って,実際上は証明ができないのでただの飲酒運転ですが,原理的には責任能力がない状態に陥り,その後,車を運転するということもありえます。飲酒運転したことは事実ですから道路交通法は有罪ですが,責任能力がない状態での事故,それに付随した人的物的ダメージに対して責任を問えるのでしょうか。

もちろん,先にも書いた通り,車を運転するつもりがなかったことを証明することできないでしょうし,裁判は論理だけじゃなくて慣例みたいなもの,あるいは世間の空気で有罪か無罪か,あるいは量刑が決まりますから,私が書いた例はきっと有罪になると思います。が,私が疑問なのは,責任能力の有無で罪かどうか決まるのならば,原理的には上記の無茶な例も無罪になってしまうのではないか,という点です。

酔っぱらうことを目的として(?)酒を飲んだ=心神喪失状態になることを目的として飲んだ,場合には,すでにその段階でアウトかもしれませんから,それで車を運転して事故れば完全にアウトでしょう。けど,くどいようですが,ぐでんぐでんになることを予見できないような飲み方で,かつ,車を運転する予定が全くないという状況で,体調でも悪かったのか完全に酔っぱらってしまって…という状況で,その状況を証明できたとしたらどうなるのか,というのが疑問です。

また,少し違った例だと,小さな子供が殺傷事件を起こしちゃった場合とかって,罪の行方ってどうなるんだろうって疑問に思ったりもします。

いや,責任能力云々を言い始めると,落ちてきた隕石に当たるような危険(=怒りを向ける先がない事故)がそこかしこにあって,毎日が油断ならないなと思ってしまうのでした。

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電話勧誘

大学の自分のオフィスで仕事をしていると,ときどきセールスの案内の電話がかかってきます。一番よくかかってくるのが,節税のために不動産,多くの場合はマンション,に投資しませんかという勧誘です。私はこの電話勧誘が大嫌いです。私にとって腹立たしい内容満載なのです。

まず,突然の電話で自分の思考を中断させられるのに腹が立ちます。やむを得ない理由で電話せざるを得ない場合もあります。そういう内容ならば仕方ありませんが,私にとっては邪魔でしかない電話ですから,その電話によってせっかく集中していた仕事を中断させられるのは相当迷惑です。

次に頭にくるのが,その話し方です。短いやり取りの中にも私は複数腹立たしい点があって,まず,見知らぬ人と会話するわけですから,いきなり人の名前を訊いてくることにカチンときます。まあ,これは電話の場合にかぎり,相手の名前を確認してから(間違い電話でないことを確認してから)自分の名前を名乗るということもありますから,それだけで文句を言うわけにはいかないのですが,普通は,人に名前を尋ねる時は自分から名乗るのが礼儀ですよね。なので,電話嫌いの私はこのヘッダー部分だけでもイライラしてしまいます。

そして,さらに追い打ちをかけるのが,なかなか本題に入らない所です。普通人に何かを説明する場合は,要点を簡潔にわかりやすく説明できるように心がけます。ですが,彼らは逆です。すぐに切られないように(会話してる時間の長さででも給料が決まってくるのでしょうか?),内容が不動産の勧誘だということがわからないように会話を進めてくる場合が多いです。8割がた勧誘だとわかっても,残り2割の不確定要素があれば,必要な電話かもしれないので切れませんよね。彼らはそこを狙ってきていて,自分の時間を無駄にされる思いと,もともと私がせっかちであるために会話の中で要点をまず言ってくれないとイライラするという性質のために,二重に腹が立ちます。

さらになぜか癇に障るのが,そういう勧誘のオペレーターってチャラチャラした話し方の人が多く,彼らに「◯◯先生」と呼ばれると「お前に先生と呼ばれる覚えはない」と言ってやりたくなります。検出機器のセールスの人はそんなことないのですが,不動産の勧誘のオペレーターの喋り方はどうも生理的に受け付けられません。

でもって,まだ腹を立ててるポイントがあります。私は節税対策というものが好きではありません。私も生命保険の控除を受けている身ですが,節税のために保険に入ろうと思ったことはありません。扶養控除に関しては,子供は働けませんし,未来の日本の重要な納税者たちですから,子供のための控除というのはアリだと思います。ただでさえ少子化ですから仕方ないかと。しかし配偶者控除は微妙です。配偶者が何らかの理由で働けないなら話は別ですが,配偶者が働いている場合と働いていない場合で税金が違うのって変だなぁと思ったりします。おっと,ポイントから外れてきたのでまとめると,税金は公共サービスを受けるための原資ですから,基本的にみんな喜んで納めろ,と思うのです。なので,節税対策のためにマンションなんて言われると,思わず説教をしたくなってしまいます。しかも,大学教員にそんな金があると思っているのでしょうか,彼らは。馬鹿にしてるんでしょうかね。

とまあ,短いやり取りのなかで腹を立てるポイント満載なのですが,私はそれなりに丁寧に対応しています。いや,丁寧な喋り方ですぐに切ってしまうのですが,相手がなにか喋っていても。なんで丁寧に対応するかというと,乱暴な対応をすると向こうが腹を立てて,無言電話などの嫌がらせをしてくることもあるらしいのです。そういう被害を受けた話を聞いたことがあるので,腹は立てるのですが,説教はたれずにいつも丁寧に瞬時に切ります。

あと,思うのは,あんな電話をかけてきて不動産買う人っているのでしょうか。オペレーターの人件費の無駄だと思うのですが,色々な会社からしょっちゅうかかってくるということは,それなりに効果があるのでしょうか。なかばオレオレ詐欺みたいなもので,金持ちのお年寄りとかには思わず買ってしまう人がいるのでしょうか。でも,彼らは私たちが大学教員であることを知った上で電話してきてますから…大学教員でも節税好きな富裕層というのがいるのかもしれませんね。

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ルミノシティ新記録

LHCは先月ちょこっと7TeVの物理データを収集し,その後は,ルミノシティを上げるためにバンチ数を増やすための調整。その調整が終わり,最近また物理データの収集を再開しました。ルミノシティは調子よく上がり,とうとう5x10^{32}cm^{-2}s^{-1}近くにまで到達したようです。CERNの所長からも世界記録達成というメールが流れました。あ,ハドロンコライダーでの世界記録です。電子・陽電子ではBファクトリーが遥か先を行ってますので。

まあ,つまり,陽子・反陽子コライダーのTevatronを抜いたということです。でも,Tevatronの場合は反陽子を作ってますから,同じハドロンコライダーとはいえ,直接比較するのは微妙な気もします。

でも,ルミノシティが上がるのはもちろん大歓迎。この分だと今年中にfb^{-1}オーダーのデータ量に到達しそうですし,2012年いっぱい走れば,ヒッグスについて何かいえるくらいのデータを貯めるというのが現実的になってきました。数日間走っただけで,去年1年分のデータ量を軽く超えています。

そうそう,ヒッグスといえば,ATLASからとんでもない内部情報が外に漏れました。オフィシャルな結果とはあまりに程遠く,最近取ったデータを素早く解析した結果をグループ内にゲリラ的に流したのですが,一切の検証のないその結果を誰かがブログだかtwitterに流し,その内容があっという間に世界中に広がりました。私たちの研究室のM1の学生までもがそのリーク内容を知っていて,インターネット上での情報の一人歩きの速さには改めて驚かされました。

ただ,内容を書くと私も情報をリークしたことになってしまうので書きませんが,そういうゲリラ的な発見を目指した解析があるのは健全で,最初から制限を与えることを目的とした解析よりは正常だなぁと思ってしまいます。怪しい結果を出すべく(?)ガンガン解析し,それを内部の多くの人の目によってチェック。解析が改善されていくというのが,本来あるべき姿だと思うのです。標準理論の呪縛にとらわれて,無いと決めて解析するのは不毛です。

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Four leptons

少し前に新聞紙上を賑わせたCDF実験での「未知の新粒子発見か」というニュースについては、多くの専門家+私の見解をこのブログに書きました。あの内容を発表するということは、Tevatron実験はこの秋に終わることになっているのですが、内部にはまだ延々と実験を続けたいという動きがあるのですかね。怪しいモノを発表して、その確認、追試のために実験の延長が必要、みたいな筋書きを描こうとしてるのではないかと勘ぐるわけです。もちろん、勘ぐっているのですから、何か確証があるわけではありません。

しかし、実は彼らはもっと怪しい、いや、もう少し信憑性のある(?)未発表の結果を持っています。研究仲間から聞いていたのですが、lepton4つで組んだ不変質量分布にピークらしきものがある、という噂です。CDF実験では4事象、同じTevatron実験のDzero実験でも2事象、同じようなところにイベントがあるというのです。今日は学内の理論屋の人にもその話について意見を求められたのですが、その結果はまだ公表されていませんし、私には内部情報を知るソースを持っていないので答えようがない、というのが正直なところです。

ということで今日はお願いです。このブログを読んでいる心優しいTevatron関係者がいましたら、この怪しい事象に関する情報提供をお願いします。こっそりと教えてくだされば、この場で内容をバラすなんていうことはしませんので、たぶん。ははは。ぜひよろしくお願いします。

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途中経過

先日宣伝した5月13-14日のスクールの申し込み状況ですが、当初想定していた(目標としていた?)50人に到達しました。ホテルは50人で仮予約してあるのですが、すでに50人を超えてしまっています。ただ、その日はまだホテルの客室には空きがあるそうなので、引き続き参加申し込みを受け付けています。参加を考えている方はお早めにどうぞ。(残りわずかと言って物を売るセールスマンと全く同じ手口ですね。ははは。)

それにしても、意外と申し込みが多くてよかったです。参加者が企画運営側の人間ばかりだったら寂しいと心配していましたが、その心配は杞憂に終わりそうです。いやー、当日が楽しみになってきました。

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イベント山盛り

今日はイベントが山盛りの1日でした。

午前中は定例の研究室ミーティングの前に、物理学科を訪問しているマレーシア大学の人々を相手に研究室の紹介。Y教授が出張でいないための代役登板となりました。相手にしたのは素粒子理論と高エネルギー物理の人たちだったのですが、専門的な内容にはそこまでついてきてもらえなかったので、時間を消化するのに一苦労でした。初対面の人でも専門分野の話ができればすぐに時間は潰せるのですが、そうではない初対面の人と1時間近く話をしなければならないというのは、結構大変です。となりの研究室のKさんなんかはこういう対応が得意そうですが、私には甚だ向かない用務でした。

その後は定例ミーティング。そして午後はまるまる物理学実験の授業。今学期は工学部の学生に対する授業なのですが、1年生ということで彼らはまだ偏微分をよく知りません。それなのに誤差伝播の法則や、多変数の場合の最小二乗法を教えなければならない、という無茶なカリキュラムで、後期よりもだいぶ大変だということがわかりました。後期になると一応偏微分がどういうものかはわかってくれていますので。ということで、実験の授業なのに講義というか説明をたくさんしたので、喉がカラカラです。今夜は(も?)ビールが美味そうです。

さらにその後、今日は、私たちのグループに前いたUさんと仕事の打ち合わせ。と言いつつ雑談でも盛り上がり、ここも1対1の会話なので喋りまくり。

というわけで、なかなかに予定がぎっしり詰まった1日でした。

とはいえ、ミーティングの前後とか、細切れの時間が10分とか15分発生します。こういう時間を有効利用できるといいのですが、多くの人は細切れの時間をどうやって使っているんでしょうか。たとえば今私が片付けたいと思ってる仕事は、来週(というか毎週ですが)の授業の準備、新M1の研究内容を考える上で必要な情報収集、具体的には、私にとっては未知のタイプのシリコン検出器に関する勉強とその開発状況の把握、そして、とある記事の原稿書き、などをすぐに思いつきます。しかし、これらの仕事を10分間、あるいは15分間だけするというのは私には結構難しいです。

授業の準備や知らない検出器の勉強をしようと思ったら、それなりに時間を気にせずやれる状況でないと未熟者の私は集中力不足で何も頭に入りません。原稿書きでは何かを書くことはできるかもしれませんが、集中してしまうと10分くらいはすぐに経ってしまうので、授業を控えてる、ミーティングを控えてる、というような状況ではとても手をつけられません。

そうなると結局、細切れの時間はほぼデッドタイム。詰まらない事務処理だったり、細々としたメールの返信程度にしか使えません。デキル人というのは、そういう時間をどうやってマネージメントしてるんでしょうね。

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イメージを伝えたい

月曜3限は電磁気学IIという授業。先週に引き続いての2回目です。今回は、何はなくともマクスウェル方程式ということで、続き物の前半である電磁気学Iという科目でやったはずのマクスウェル方程式の復習をやりました。まあ、電磁気学の授業なんて、私自身が一声20年ぶりですから、自分自身のリハビリ・復習ということでマクスウェル方程式をやったのですが、自分の理解の浅さも手伝って、教えるのはやはり難しいものです。

理論屋が好きそうな難しい教科書をやっているわけではないので、数学的に難しい操作があるわけではなく、式を導出するだけならそれほど難しくありません。しかし、その式の意味する物理的描像を伝えるのはなかなかの難問です。たとえば、∇・E=ρ/εという式があります。この式を見ると私は、電場、というか私のイメージ上は電気力線、が点電荷から湧き出てる様子が浮かびます。その湧き出てる量が電荷によって決まるというのはある意味当然というか、直感的にイメージしやすい描像です。ところが、それをそういうイメージを持ってない人に説明するのはそれなりの難作業になります。微小体積dVを考えて、∂E/∂x・dxdydz + ...とやって、左辺は湧き出しだよね、と図を交えながら説明しますが、式の変形や導出と違って、私が想起するようなイメージを本当に学生が持ってくれたのかどうかは確かめようがありません。でも、そのイメージがなかったら、観測・実験による法則と単なる数式のいじり方を知ってるだけで、「物理」がわかった、とは言えないと思っちゃうんですよね。というわけで、なんとか数式の持つ物理的イメージを学生に伝えようと試行錯誤しています。

ということを考えつつ、また別のことも考えます。

物理の人間から見ると、数学科のスタッフの教える数学というのは格式ばってるというか、物理の理解に必要なツールと言う意味合いから外れた数学だという印象を受けます。私が実験屋だから余計にそう感じるのかもしれませんが、一般的にそういう印象を持つ物理の教員は多いのではないかと思います。それと同様に、工学部のスタッフと話をすると、物理学科の教員の教える物理というのは、工学部の人の望む物理とは若干違うという意見を聞いたりします。つまり、工学部の人が学びたいのは物理そのものではなく、物理によって導き出される法則だったり、その応用の仕方(ナンチャラ問題を解くみたいな)だったりして、私が苦労してる部分なんてどうでもいい部分、とまでは言いませんが、さほど重要ではないと考えられている可能性があります。

でも、そういう可能性はありますが、私は工学部ではなく理学部物理学科の教員ですから、前述のようにやはりイメージを伝えることに腐心したい、と考えています。ちなみに、講義の対象は工学部でも理学部でもない、その中間(?)の基礎工学部・化学科。微妙なんですよね、どれくらい私たち物理に近いのか。

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愉しみ色々

話をわかりやすくするために二元化するというのは、よくある手法であるはが、実際にはそれほど話は単純ではない、ということがあります。が、やっぱり二元化したくなっちゃうような局面ってよくありませんか。

私たちの研究室のボスであるY教授(ところで、常連さんならわかるかと思いますが、私は彼のことをY教授なんて呼んだりしてません。普通にYさん、下手するとTちゃんと親しみを込めて呼んでいます。それくらい親しみのある存在なので、逆に「Y教授」とこの業界ではある意味おちょくった呼び名で書いています。)は、誰か他の人のために何かしてあげるのが好きな人です。ある意味、根っからの教育者です。なんでも疑問に思い、実践して納得してみるところは根っからの研究者、実験屋ですが、今日は、サービス精神が旺盛というところにスポットを当てています。

まあ、とにかく、他の人の仕事が楽になるようなことをするのが好きなんですね。お世話になってるかたもいるかもしれませんが、科研費の申請書のLaTeX化なんかはその典型例です。最近は申請書だけでなく、報告書の類いもmacroをガンガン作っています。さらに、毎年この時期には、学内外の様々な報告書の類いを書かなければなりませんが、それらを作るためのmacroを最近は作っているようです。たとえば、論文リストをとあるフォームで作っておくと、それを読み込んで、それぞれの報告書に応じたフォーマットに整形する、というmacroを作っていて、他の人の仕事の簡略化(もちろん、後々自分の仕事も楽になるわけですが)の手伝いをしようとしてます。

上記はわかりやすい典型例なのですが、とにかく、人のために何かする、困ってる人を助けたい、そういう気持ちの強い人です。だからこそ、研究者としての魅力を置いておくとしても、人間的に多くの人から好かれています。なので、誰かが他の人の足をひっぱってやろう的な発想をすることを彼は非常に嫌っています。

一方で、世間には、人の揚げ足をとってやろう、人の邪魔をしてやろう、といつも狙っていて、文句を言って謝らせることに快感を覚えるようなタイプの人も多くいませんか。不思議です、そういう人の精神構造が。でも、妬み、僻をパワーにして生きてる人って確実にいますよね。特に匿名時、あるいはインターネットの社会ではそのパワー爆発です。ゴシップ好きも全てとは言いませんが、油断してると、愉しみの根源は妬み、僻、恨みパワーと同じなのかもしれません。

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新メンバー

私たちの研究室のATLASグループの新メンバーが決まりました。修士課程1年生が、Kaon実験グループかATLASグループか、ということが決まったわけですので、Kaon実験グループの新メンバーが決まったことも意味します。

今年度は4人新M1がいますが、1人はマレーシアからの留学生でATLASをやるという研究計画で国費留学生となりやってきていますので、議論の余地無くATLASグループ。他の3人も普通は学生が希望した通りの実験をやります。ただ、全員がどちらかの実験を希望した場合には、何らかの調整が入ります。この辺の事情は、去年の今頃、ゴールデンウィーク前後のエントリーに書いた記憶があります。

今年はどうなったかというと、3人のうち1人はKaon希望、1人はATLAS希望、もう1人は決めかねる、という希望(?)状況。それぞれKaonとATLASを希望している学生の割り振りはすぐに決まりますが、スタッフの間で長いこと議論になったのが、両方の実験をやりたいと言った学生の処遇です。かなり長いこと(数日間?)Y教授、Tくん、そして私の3人で議論して、ようやく結論が出たのが今週の初め。結局、私の希望が通った形でその学生はATLAS実験をやることになりました。

ということで、今日はその3人を集めて、どういう研究をするかの提案。幾つか可能性を示して、何をやりたいか考えてもらうことになりました。過去の先輩たちの頑張りのおかげで、私たちのグループが得意とする研究内容が幾つか育っています。なので、基本的にはそれらを発展させるような研究内容で、私としても今までよりも何をしてもらったらいいか、より具体的にアイデアが生まれます。

Uくんが就職して、3月から今まではミーティングが私を入れても5人だけで若干寂しかったのですが、来週からはもっと賑やかになりそうです。

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クレートコントローラとか

一昨年度の4年生実験ではCAMACのクレートコントーラが何度も壊れて困ったのですが、昨年度の実験ではそういうトラブルに見舞われませんでした。ところが最近、マレーシアからの留学生とマンツーマンでそこら辺の器材の使い方を教えつつ、宇宙線中のミューオンを捕まえようとしていたところ、クレートコントローラが壊れました。一作年度はまさに悪夢で、原因は、バスラインに変な信号を出してるADC(だったかな?)があって、そいつのせいでクレートコントローラの特定の部分を壊していました(うーむ、何を壊していたのか覚えていません。。)。単に壊れただけなら構いませんが、そのときのように他に悪者がいると厄介です。悪夢再び、とならなければよいのですが。

話題は変わりますが、5月13(金)14(土)日に滋賀県の彦根で「なんちゃらの学校」的な催しを行います。なんちゃらの部分は、夏とか冬という言葉が入ることが多いのですが、今回は何と呼べばいいのかわからず、とりあえず春の学校と呼んでいます。

企画・立案から始まって場所選び、そしてホテルの仮抑え。Tentativeなプログラムを考えようやく全国的に(?)宣伝できる段階となりました。昨日はhecforumという高エネルギー物理屋が入っているメーリングリストに宣伝を流しました。その催しがこれ。ここで宣伝して参加者が増えるかどうかわかりませんが、せっかくなので(?)宣伝しておきます。興味のあるかたはぜひご参加ください。ちなみに、この催しは私一人でやってるわけではもちろんなくて、いつも一緒にやってるメンバーその他、色々な人の協力のもとここまで話を進めてくることができました。

さて、今日はもう一つあります。

大学の、いえ正確には理学研究科物理学専攻の大学院入試の、宣伝用ポスターで今日は大盛り上がりでした。面白いポスターだな(面白いというのは、ギャグとして面白いという意味です)と私は感じたのですが、内部の人間の間でかなりの数のメールのやりとりがありました。実物をお見せできないので説明が難しいのですが、ポイントはギャグとして面白いvsジェンダーバイアスがかかっている、という構図です。

本当に色々な意見が飛び交い、詳細を説明できないのが残念ですが、なかなかに楽しめました。ということで、そのやりとりはそれなりに楽しめたのですが、私が一番強く感じ事は、世知辛い世の中にどんどんなっていくなぁ、ということでした。普段の言動から驚きはなかったのですが、そういう世知辛い世の中にしていこうという人たちが身の回りにもたくさんいることを再確認しました。

この件で驚いたのは、この内部情報がtwitterで外部に漏れていたことです。漏れているという情報は伝わっていたのですが、漏れた先のとある人から連絡があったのには驚きました。連絡は直接ないけど、私よりもこのブログに詳しいYくんあたりも、きっとこのニュースを知ってそうです。

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反復練習

唐突ですが、日本の最先端の研究のオリジナリティのなさを、子供の頃に画一的な訓練をたくさんさせたことに帰着させる、させたがるマスコミの風潮は理解に苦しみます。そもそも、日本の研究にオリジナリティがないかどうか、という議論は置いておくとして、今言いたいのは、詰まらない単純な計算を繰り返す、といった反復練習は何かを真に理解するには不可欠で、詰まらないからという理由でそれを子供にやらせないのは子供の才能の芽を摘むことになるのではないか、ということです。

当たり前のことかもしれませんが、一緒に研究をやっていてアイデア豊富な人というのは、研究内容をより深く理解している人のことが多いです。その内容をあまり知らない人が荒唐無稽なアイデアを提示し、それが実際に素晴らしいアイデアだった、なんていうことはドラマでもない限りあまりありません。内容を深く広く理解しているエキスパートが、やっぱり、いつも鋭いアイデアを出します。

受験勉強だって同じですよね。知ってるだけじゃダメで、真に理解しているほうが圧倒的に得点に結びつきます。

うまく説明できないのですが、「知ってる」から「わかる」に変わる瞬間ってありませんか。たとえば、何かの公式があって、それを覚えていて、どのように使えば問題が解けるかはそこそこ知っていたとします。その公式がどのようにして導き出されるかも知っていたとします。けど、それらは単なる記憶で、同じような問題を繰り返し繰り返し解いていると、あるとき、「あー、この公式が言ってるのはそういうことかっ」と膝を打ちたくなるような瞬間が来る、みたいなことないですかね。

もちろん、その「わかった」と思える瞬間が来るまでに要する時間に個人差はあるのかもしれませんが、いずれにせよ、その境地に達するには反復練習が欠かせないと思うのです。あ、ただし、数学とか物理は、他の学問と違って(?)、今勉強していることの礎になっている部分を「わかって」いないと、その境地には達するのが難しいという特徴はあるかもしれません。

別の表現だと「身に付く」ということなのかもしれません。毎年学部の1年生を相手に物理学実験という授業を担当していますが、驚くことの一つに計算の要領の悪さがあります。ちょっと複雑な数値計算があったとします。因数分解が「身に付いて」いれば、考えなくても、まさに脊髄反射というヤツですね、その後の計算が簡単になるように数式をばらします。もちろん彼らも、その式を変数にしてよく見る因数分解っぽい表現にしてあげると、因数分解できるのですが、そういうヒントを出さないと自らは因数分解しないんですね。因数分解が骨身にしみ込んでいないのかなぁ、と思ってしまう瞬間です。

で、こういうのって、まさに王道はなくて、ひたすら我慢。というか、ひたすら同じような問題を反復練習するしかないと思うんですよね。世の中には、反復練習しなくても真にわかったり、身に付いたりする人がいるのかもしれませんが、少なくとも私はそういう人に出逢ったことがありません。理論屋でも実験屋でも、凄いなぁと思う人にはしょっちゅう出逢いますが、彼らに共通しているのは強靭な足腰。少し話をしただけではわからないのですが、何かの問題を議論すると、最終的にはみな凄い計算力を持っています。それくらいの計算力を持つくらい反復練習しないとならないんだなぁ、とよく感じます。

日本人以外も全く一緒です。反復練習で身につけた体力は、競争をするためのスタートラインに立つ資格のようなもので、もし本当に日本人にオリジナリティが足りないとしたら、それは反復練習をし過ぎたからではなく、そこからの勝負に負けているのではないか、というのが私の感じるところです。いやもしかしたら、反復練習で身に付けた基礎体力が負けているのではないか、とさえ思ってしまいます。

しかも、悲しいかな。こういう反復練習で体にしみ込ませる作業は、子供の時でないと相当難しいです。その時期に鍛えておかない、というのは勿体ないです。多少誤解させる書き方だったかもしれませんが、色々なことを詰め込ませろと言ってるわけではなく(いや、それも良いことなのかもしれませんが)、平易なことでいいので、それを繰り返し繰り返しやらせるというプロセスが大切なのではないか、と思ったのでした。

そういえば誰かが上手いことを言ってました。「すぐに身に付くことは、すぐに役に立たなくなる」というような内容で、激しく同意したことを覚えています。

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御侍史

世の中には自分の知らないことが多くてたびたび驚きますが、昨日もそういう驚きに出逢うチャンスがありました。

タイトルの「御侍史」という言葉。私は昨日まで全く知りませんでした。同様の言葉に「御机下」という言葉もあるのだそうです。ウィキペディアをそのまま引用すると

###引用開始###
医師への手紙では「先生」の後に「御侍史(おんじし)」や「御机下(おんきか)」をつけ「○○先生御侍史(御机下)」とすることが多い。
###引用終わり###

なんだそうです。その意味を詳しく知りたい方はさらにググってもらうとして、まあ敬称なわけですが、「先生」だけでは足りなくて、さらにそんな物凄い言葉をつけるとは…。研究者、学者の世界も浮世離れしてるところが多々ありますが、医療業界もかなりのものですね。ただ、ググっていてひっかっかった説明には、医師自身もそんな言葉を使われるのに当惑しているケースもあるということで、感覚が麻痺しているわけではなくて、とある業界の特殊なしきたりということなのかもしれません。

それにしても、そんな言葉が存在し、いや、日本語に自信があるわけではないので存在するだけなら驚きませんが、そんな言葉がごく当たり前に使われている世界・社会があるということに本当に驚きました。

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新学期

新学期がいよいよ始まりました。いつから新学期かというのはよくわかりませんが、先週までは受講登録や新入生に対するガイダンスなどだけで授業がありませんでした。その授業が今日から始まったので、キャンパス内で見る学生数がいきなり増え、正確な定義は置いておくとして感覚的には「いよいよ新学期」という感じでした。

私自身の授業担当は、今学期は月曜の電磁気学の講義と、火曜午後の物理学実験の2つです。というわけで、今日は電磁気学の講義第1回目でした。とはいえ、今日は初回だったのでガイダンス的なことばかり。成績の決め方、授業の内容などを学生さんたちと話しあったりもしました。本格始動は来週からということになりますが、若い学生さんが大人数(約90人の受講者)なのでその熱気は凄かったです。あ、ちなみに、受講学生は基礎工学部2年生の化学科で、専門科目としてではなく昔の一般教養の延長線上にある授業です。専門科目以外の講義は初めてなので緊張感がありますが、自分の勉強にもなりそうで楽しみです。

明日はの午後は物理学実験ですが、初回は毎回ガイダンスと班分けで終わりなので、すぐに終わるはず。これまた来週から本格的な授業開始ということになります。

それにしても、学生の戻ったキャンパスは本当に賑やかで、活気に溢れています。

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Fermilabでのニュース

先週の月曜だか火曜に、FermlabのCDF実験グループが怪しい現象(=新粒子っぽいもの)を発見したという結果を公表し、私たちの間ではちょっとした話題になっていました。が、あまりに結果が怪しく、論文もちらっと眺めては見ましたが、背景事象のふらつきとしか解釈できず、こんなものを特別セミナーまでやって宣伝するのか…という感想を持っていました。

その後、何人かの人にも尋ねられ、なんでこんなに話題になっているのかと訝っていましたが、朝日新聞(?)がこの話題を取り上げていたのですね。いいか悪いかは別としてせっかく話題になっているので、少しだけ解説してみます。

すごく単純に言うと、彼らはW粒子の生成される事象中に新粒子らしきもの(?)を発見したと言っています。Wが生成されるときにその粒子が生成されるというのは、Wとの結合がある、ということを意味しています。さらに、その新粒子はjet2つで組んだ不変質量分布にピークを作っているという主張なので、2個のクォークに崩壊しているということを意味しています。また、そのピークの位置は150GeV前後、すなわち謎の粒子の崩壊による事象だとすると、その粒子の質量は150GeV前後ということを意味しています。

しかし…です。Wとの結合はあるのにZとの結合はないのです。つまりZ+jet事象中にはそのような共鳴のピークがありません。さらに、共鳴状態らしきものを作っているjetのフレーバーの割合、bクォークが多いか少ないか、というのも背景事象と変わりありません。まず疑う、というか期待するのはヒッグスですが、標準理論の枠内では全く説明がつきません。150GeVという質量だとクォーク対に崩壊する確率は低く、もしクォーク対に崩壊するとしたらbクォーク対の割合が多くなければなりませんが、今回の観測は、予言される確率よりも断然多く、bクォークも増えていないということで全く説明がつきません。標準理論を超対称性を入れて拡張しても、この辺の事情はあまり変わらず、ヒッグスという可能性は非常に小さいです。

では、こんな現象を説明する標準理論枠外のモデルがあるというと、それもありません。Wには結合するが、Zには結合しないなんていうものはちょっと考えられないのです。しかも、レプトン対には崩壊せず、クォーク対にだけ崩壊する、という制限まで加わり、何か怪しい現象が観測されると現象論の理論屋さんはそれを説明するモデルをすぐに論文投稿したりしますが、今回はそういう動きもほとんどありません。

さらに実験的には、CDF実験と同じFermilabのテバトロン加速器で実験を同様の実験を行っているDzero実験では、そういう現象を観測していません。また、テバトロンで生成できる粒子ならLHCでも生成できるはずですが、少なくともATLASグループ内ではそういう謎の共鳴があったという話は出てきていません。

という幾つかの事実から、私も含めて、普通の人は背景事象のふらつきだろうな、と解釈します。もちろん、私たち人類がまだ知らない現象が起こったのを捉えた、のかもしれませんが、そう考えている人は極めて少ない、という状況です。

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大阪での驚き

昨日の新聞記事で取り上げられていたのですが、大阪、というか関西では理髪店に行くと、自分で顔を洗う(洗わされる?)んですよね。数ヶ月前に、ウン10年ぶりに理髪店に行ったのですが、そのときに「はい、どうぞっ」と言われて、何がどうぞなのか全くわからず気が動転したことを思い出しました。

あまりに久しぶりの理髪店なので記憶が定かではありませんが、髪を切ったあと、シャンプーと髭剃りが普通はありますよね。で、最後は熱い蒸しタオルで顔を拭いてもらう、というのが私の中では標準的な手順です。シャンプーと髭剃りの順序が逆かもしれませんが、ポイントは、最後は蒸しタオルでサッパリする、というところです。ところが、この前行った理髪店では、その最後のプロセスのところで「はい、どうぞっ」と来るわけです。全然意味がわからなかったので反応できずにいると、「顔は洗いませんか?」と店員さんが言うわけです。ダメダメな私はそれでも意味がわからず、何で顔を洗わなくちゃいけないんだ、とばかりに「あ、いや、いいです。」と断りました。

でも、どういうことなんだろうと疑問が渦巻いていましたので、周りのお客さんを観察していると、最後は皆自分で顔を洗っているんですね。それも、凄く普通に、作業の流れの中で自然に洗っています。もう、ホント驚きました。こんな店があるのか、と。

という経験があって、昨日の新聞記事を読むと、ようやく合点がいきました。大阪から中国地方にかけては、最後は蒸しタオルではなく客が洗顔する、というのが標準なんだそうです。所変われば、と言いますが、これには相当驚きました。昔、大阪に住んでいたことはあるのですが、そのときは理髪店に行ってなかったので、このギミックは知りませんでした…。

ちなみに、私が大阪で心底驚いたことのもう一つは、ワイシャツのことをカッターシャツ、あるいはカッターと呼ぶことです。クリーニング屋さんで初めて「カッター」という言葉を聞いた時は、全く何を言ってるのか理解不能でした。自分の聞き違い、あるいはクリーニング屋さんに入ったと思ったけど、それは白昼夢で文房具屋さんに入ったのかと思ったくらいです。

大阪、凄いです。

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交付内定

いやー、よかったです。待ちに待った吉報が届きました。申請していた科研費がめでたく交付内定となりました。

この科研費は今年度からの3年間。プラス、もう一つの別財源が来年度まで。ということで、この2つを合わせれば、潤沢とは言えませんが、今年度と来年度はなんとか凌げそうです。この申請が採択されなかったらかなり厳しいということが最近わかってきたところだったので(=別財源が思っていたほど潤沢ではなさそうということが判明してきた)、とにかく嬉しいです。

実は他の研究機関では結果が知らされている、ということを昨日聞いていたので、昨日は仕事になかなか集中できませんでした。私たちの大学は、この手の学振からの通知が研究者のところに届くのがいつも遅く、ドキドキ感を演出してくれます。

で、毎回のことですが、研究者への通知は遅く、申請書の提出締め切りは早いんですよね。交付内定を今日貰い、交付申請書の提出締め切りは明後日。この明後日というのは大学、というか理学部(?)、の締め切りで、学振の締め切りは28日。私たちが申請書を書くために与えられる時間は2日間。事務が提出するまでの時間は20日間…なんなんでしょう、この差は。(ちなみに私がイライラするのは、その書類がwordあるいはエクセルだから、ということもあります。じゃなかったら、もう少し優しくなれるのですが。。。)

事務に提出した書類をチェックする時間が必要なのはわかりますが、それにしても、これだけの時間が必要だとしたら、事務の人不足、人材不足は深刻です。上納金の間接経費はどこに消えているんでしょう?理学部に納められる間接経費だけでも相当数の人員を雇用できると思いますし、間接経費って本来そういう目的で設定されていると思うのですが、どこにどうやって使われているのか本当に謎です。

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初顔合わせ

午前中の研究室ミーティングでの論文紹介は、自分が過去にどっかの講義で使ったSUSYのイントロを交え、ATLASでの最新のSUSY探索に関する結果をやりました。論文への踏み込みは甘かったですが、SUSYのイントロをそれなりに楽しんでもらえたようで、少なくともIくんは興味を持って聴いてくれたようで、なんとかピンチを切り抜けました。

午後は、楽しみにしていた(?)新4年生との顔合わせ、プラス新M1も含めた研究室のガイダンス。まだ最初なのでどんな学生なのかはわかりませんが、元気がありそうで安心しています。これで研究室に在籍する学生数は総勢20名。その内訳は、学部生4人、修士課程8人、博士課程8人。バランスも良いですし、学生が多いのは活気があって良いですね。

話題は飛びますが、そのガイダンスのあとY教授と助教のTくんは東海村のJ-PARCへ向かいました(向かったはず?)。地震以来立ち入りできない状態が続いていましたが、いよいよ実験ホールへの立ち入りが許可されたらしく、スタッフだけでまずは現地へ行き、彼らの実験で一番重要なCsIカロリメータにダメージがないかをチェックします。揺れによる物理的なダメージも心配ですが、そのカロリメータに使っているCsIはTlドープされたものではなく潮解性があるので、乾燥状態が保たれているかどうか、というのも心配事の一つのはずです。大きなダメージがないといいのですが。

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講演とりあえず終了

どういう内容にしようかずっと悩んでいた放射線講習での講演(の第1回)はとりあえず終えました。反応が良かったのか悪かったのか判断に苦しむ反応で、今日の反応を見て第2回の講演内容を調整しようと考えていたのですが、結局次回どうすればいいかも自分の中で決められず、ということになってしまいました。でもまあ、とりあえず第1回を終えてホッとしています。

と、安心してたら、忘れていたことがありました。明日の研究室のミーティングでの論文紹介は私が担当でした。幻の学会トークの審査員として、幻の講演者たちのスライドを今日はずっとチェックしていましたが、そんな場合ではありませんでした…。

来週から授業が始まるのに新しく担当する講義の準備も全然できておらず、先日の研究会以後は少しはゆっくりできるかと思っていましたが、相変わらずというか、落ち着かない毎日を過ごしています。

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学会発表の内部審査

年度代わりの週末のせいか、今週末は静か(=メールが少ない)です。私もゆっくり休もうと思っていたのですが、例の放射線講習会での講演の準備と、幻の学会発表の内部審査に追われています。

ATLASのルールでは、学生以外はATLASオフィシャルの結果しか各国での学会でも見せることはできません。が、学生の場合は、国ごとのATLASチームリーダーがお墨付きを与えれば、オフィシャルでない結果を見せてもよいということになっています。

ATLAS日本グループには、そのお墨付きを与えられるリーダーというのが2人いるのですが、その2人が学会ごとに講演者の発表内容をチェックするのは大変だし、現実的に無理なので、3人の内部審査員を設け、その3人がレフリーとして発表内容をチェックするということになりました。

その3人の中の1人が私なのですが、ご存知のように春の物理学会は中止になったので、この役目は今回はなしかと思っていました。ところが、学会が、学会のウェブサイトにスライドを登録したことをもって講演が成立したこととする、というお触れを出したので、口頭発表はないのにスライドだけは公開しなければならないということになりました。ということは、解析結果を外部に公表することになるので、やはり審査は必要。

というわけで、口頭発表なしのスライドだけを眺めて内容に問題がチェックする、という不思議な作業を行っています。。

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