ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

様々な不正

大学入試の問題を試験開始直後にyahooだかの質問サイトに投稿していたというニュースには驚きました。携帯を軽く使えるくらい試験監督はさぼっているのか、そもそも試験監督の数が少ないのか、あるいは、携帯ではなく、隠しカメラのような本気の(?)不正技術を駆使していたのか、色々想像を巡らしてしまいますが、色んな意味で驚きです。

この騒ぎのしばらく前に、私たちの大学の医学部で発覚した研究費の不正使用に関する報告が公開されました。その内容のあまりの酷さに驚いたばかりで、大学関係の不正事件ばかり目にしているようで、なんだかすっきりしない心持ちです。しっかし、その医学部の不正は色んな意味で酷いです。金額の大きさにびっくり。目的にびっくり。そして、そんなに激しく不正されていたのにチェックできていなかったことにびっくり。と、本当に驚きました。これだけ無茶苦茶されたら、大学としては経費の使用に付いて一段と厳しい検査を入れるのは仕方ないと感じると同時に、毎回のことですが、それによってルールを守っている人の面倒が増えることが腹立たしいです。にしても、医学部では物品の購入や出張旅費に関して、何の確認もなかったのでしょうか。不思議です。大学全体でルールが厳しく(めんどくさく)なりましたが、肝心の医学部では本当に厳しくなったのか気になるところです。

ところで、こういう不正事件で思うのは、そういうズルをした人というのは後ろめたさというか、罪悪感というか、そういう感覚はあるんでしょうかね。後ろめたいと感じつつやってしまうのか、そういう感覚はもはや麻痺しているのか、聞いてみたいところです。いずれにしても普通の人だと、ズルして金銭や試験の結果など表面的にプラスがあっても、自分の気持ちがすっきりしないからズルしない、というのがズルをしない一番大きな理由ではないでしょうか。バレたときの罰則うんぬんの問題ではないですよね。だとすると、その後ろめたさみたいな感覚は人間に備わった不思議な不正防止抑制機能(?)ですね。

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ここ数日

Hくんが絡んでいたトップクォークの断面積測定関連の解析の嵐が過ぎ去りつつあり、私にとってはその点に関しては穏やかな日々になりつつあります。実際に解析をしているHくんは、私にあれしろこれしろと言われて、未だに発狂しそうなのかもしれませんが…まあ、私の学生ですから、私の目を盗んできっと適宜休んでいるでしょう。

解析が一段落しても私の雑事はあまり減らず、年度末に特有の忙しさに追われています。解析で発狂するならいいですが(?)、私は書類書きとそれに関連した資料集めで発狂しそうでした。昨日めでたくそれは終了。さらに昨日から今日にかけて行っていたイレギュラーな学会運営関連の調整ごとが2つ片付き、すっきりとした気持ちで、今日の学部4年生の卒業研究発表会に臨めました。いや、私がすっきりした気持ちで発表会に臨んでも別にいいことはないんですけどね。ははは。

その発表会、研究室の4年生は非常に良い発表を行いました。時間がなくて説明をすっきり纏めきれなかった部分はありますが、全体的に、自分たちでちゃんと考えて、色々な計算を行い、検出器を作り、そして解析を行ったということが発表を聞いている人にしっかり伝わってきました。何度も何度も書いていますが、私たちの研究室では4年生は、修士課程以上の学生とスタッフがやっている実験とは独立に、スクラッチから彼らだけで小さな実験を行います。往々にして、その研究室が行っているプロジェクト(私たちの場合KOTO実験とATLAS実験)の下請け的な研究をただやらされているだけ、という研究・発表に遭遇しますが、私たちの研究室の4年生にはそういうところが全くありません。ひいき目は入っているかもしれませんが、彼らに伝えた通り、本当に良い発表、そして研究内容でした。お疲れさま。

というわけで、卒業研究発表会で機嫌を良くした私ですが、今日はもう一つ良いことがありました。

他大学の3年生の学生さんが研究室の見学に来たのですが、話をすると、私のブログを見たことがあるとか。素粒子関連の言葉をググり、私のブログにひっかかり、そしてY研究室がATLAS実験をやっていることを知り、本研究室に来たいと考え始めたのだそうです。いやー、マジで嬉しいです。このブログを始めたきっかけは、若い学生さんに少しでもATLAS実験、ひいては素粒子物理学実験の面白さを伝えたいと思ったからなので(最近は単なる日記と化していますが)、そういう人が現れてくれたことは素直に嬉しいです。あとは、その学生さんに頑張って院試をクリアしてもらわなければなりません。こればっかりは私にはどうすることもできないので、こっそりと応援するしかありませんね。

と、気持ちが高揚した日だったのですが、その後は、物理学専攻の定例の教室会議に出て心が沈み、さらにオフィスに戻ってくると、提出しなければならない報告書があることに気付き、さらに心が沈み…今日は精神状態の浮き沈みの激しい1日でした。

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LHCの近況とか予定とか宣伝とか

LHCの運転再開が迫っています。というか、LHC自身は動き始めました。先週土曜日に今年最初のビーム。ただし、本当にビームを入れて回しただけで、衝突はおろか、加速もさせていません。これからしばらくは加速器の調整が続きます。3.5TeVまでの加速、もっと低いエネルギーでの衝突、その他様々なパラメータの調整が続き、ビーム衝突+物理のデータ収集は3月14日に再開予定です。

一方で、物理解析が忙しいというのはここ最近何度も書いていることですが、再開へ向けての検出器の準備もぼちぼち進んでいます。滞りなくDAQが走るかテストしたり、宇宙線による事象を収集したり、壊れている部分を修理したり、モニター用のソフトウェアをアップデートしたり、等々、こちらのアクティビティも徐々に上がっています。

さて、そんなLHCですが、去年の名古屋と大阪でのアウトリーチ活動に続き、その第3弾を神戸でやります。3月19日(土)、場所は神戸大学です。くわしくはこのサイトをご覧ください。講演者は若干変わりますが、大阪でのイベントと同様、CERN現地とのテレビ会議接続があります。講演よりも、現場の雰囲気、研究者との会話などが好評でした。今回もそれをお楽しみいただけるのではないかと思います。

私もまた講演します。前回は運営と講演の両方だったので大変でしたが、今回は真面目なYさんがきっちりと運営をやってくれるので、私はお気楽に講演だけやらせてもらいます。何のご利益もありませんが、怖いもの見たさという言葉もありますから、生ExtraDimensionに興味のある方もぜひお越しください。この前初めて会った人に聞きましたが、ブログと生ExtraDimensionの印象はだいぶ違うようです。その違いを楽しめるチャンスかもしれません。

事前登録はなしでも空いていれば大丈夫ですが、大阪のときは早々と満員になりましたので、興味のある方にはとりあえず登録しておくことをお勧めします。個人情報を入力する必要なくて、ただクリックするだけですから。

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今度は卒業研究発表練習

修論発表が終わったのがつい最近だと思っていましたが、すでに2週間前なのですね。CERNに行ったり、解析コーディネーションに時間をとられていたら、もう、4年生の卒業研究発表会が間近に迫っています。明後日が発表会、というわけで、今日第1回の練習会をしました。

ただし、第1回と書きましたが、1回目にして発表の構成やスライドの作り方はかなり纏まっており、解析内容をアップデートしたり、マイナーチェンジはありますが、発表としてだいたい形になっており、第2回目があるかどうか微妙なところです。学部生にしては非常によく纏まっていました。

あとは、解析の追い込み。統計量が少ないのはいかんともしがたいのですが、解析で落としているイベントも結構あるので、イベントセレクションのチューニングでもう少しイベントを救えないか、色んな人からのアドバイスをもとにもう少し頑張ってみる価値はありそうです。

それにしても、Iくんも言ってましたが、私たちの研究室の4年生は、毎年、そこら辺に落ちている物を使い検出器を自分たちで作るところから実験を行うのですが、最後にはなんとか実験としての形ができあがります。予算ほぼゼロ、ある物だけを使って実験するという究極の制約の中で検出器を作り上げるというのは、とても良い訓練・経験であり、かつ、最後になんとか体裁を整えられるバイタリティは見事です。去年もそうでしたが、今年の4年生も大きく頼もしく成長しています。

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お墨付きを与えるミーティング

昨日の晩に日本に戻って来ました。

そして今、トップクォークグループ内で私たちの解析結果を承認するかどうか、というミーティングにテレビ会議で参加していたところです。ある程度は予想してましたが、その予想以上にあっさりとした議論で、めでたく、ほぼ made in Japan (名古屋と大阪)の結果でグループからのお墨付きを得ました。あとは会議に向けての細かな仕上げです。解析していた学生さんたち、そしてTくん、お疲れさまでした。

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移動日

今日は日本へ帰る移動日。昼過ぎにCERNを経って、家に辿り着くのは日本時間の日曜の夜。毎回のことですが移動日は一日が長いです。

今回の出張はいつになく忙しく、1週間が本当にあっという間でした。実際に解析をやっている学生さんたちが頑張っているからなのですが、とりあえず、グループ内の締め切りにそれなりのクオリティの結果を出せる見込みが立ち、ちょっとだけほっとしています。

しかし、安堵感に浸る暇もなく、私の目の前には処理しなければならない書類書きが課題として積み上がっています。と言っても前々から積み上がっていたわけではなく、2日前に大学から連絡があり、来週半ばには締め切りというタイトなスケジュールでの書類書きです。しかも割とヘビーな内容なので、ちょっと気合いを入れて書かなければなりません。

それともう一つの気がかりは、学部4年生の卒業研究。ようやくミューオンの寿命を測定できて、ミューオンっぽいものを捕まえることに成功。あとは、磁石を使ってプラスとマイナスの電荷を分けるという段階に到達しています。が、アクセプタンスが大きくないのでそれなりの時間データ収集を行う必要があり、来週の卒業研究発表会に備えて、もう少し多くのデータを集める必要があります。上手く分けられるといいのですが、どうなることか。楽しみ半分、心配半分といった心持ちです。

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物理結果公表への道のり

解析のミーティングと言ってもどういうものかイメージがわかない。という至極まっとうな意見をEくんに貰ったので、実験グループ内で、物理解析の結果を公表するまでのプロセスを紹介してみようと思います。

ATLASぐらいのサイズの実験になると、Tevatronでもそうでしたし、コライダー規模だと、物理のテーマごとにグループが分かれています。ヒッグスグループ、SUSYグループ、トップグループ、SUSY以外かつ標準模型枠外の物理グループ、標準模型物理グループ、などなどに分かれているのが標準的かと思います。自分の興味ある物理グループに顔を出せばいいので、お互いがexclusive orになっているわけではありません。私みたいに、指導する学生が違う物理テーマに興味を持っている場合は、その学生のテーマに応じて首を突っ込みます。プラス、自分自身の興味ある物理テーマにも。

さて、ここからさきは、今私が激しく活動しているトップグループ内での解析を例として説明します。

実験データは巨額の予算と莫大な人的資源を投入して得られるわけですから非常に貴重です。ですから、勝手に一人で解析して、その結果を公表されるということは色々な意味で許されません。実際問題として、収集したデータだけでは解析に必要な物理量に精度よく焼き直せませんから、一人で解析するというのはほぼ不可能です。ですから、上記のように分けられた物理グループのどこかで活動することになります。

ただし、その分類だけではすでにグループが大き過ぎるので(1つのグループが数百人です)、さらに細分化されたグループが幾つも存在します。トップクォークグループなら生成断面積の測定、トップクォークの質量、などなど幾つかのグループに分かれます。この段階で1つのグループが数10から100人程度でしょうか。さらに、トップクオークの生成断面積測定グループなら、その手法、あるいは終状態によってグループ分けされます。この段階で1グループ10人前後のチームですかね。

今私がコーディネーター役をやっているのは、トップクォーク対が崩壊した後、2個のレプトンを残すという終状態を使ってトップクォーク対の生成断面積を測ろうというグループです。私の学生のHくんやN大学のOくんが激しく頑張っていて、彼らの解析結果をメインの結果としてなんとか採用できそうというのが現状です。なんでこんなこと書くかというと、この細分化された末端の一番小さな単位でもオーダー10人の人間が凌ぎを削っています。メインとなる実働舞台は10人くらいですが、サポーターも含めると20から30人になり、この細分化されたグループ内での勢力争いに勝たないと自分たちの解析結果がグループのお墨付きを得た結果として取り上げられません。なので、まずは、日々のこの戦いに勝つことを目標に私たちは日々格闘しています。

というわけで、日々の解析ミーティングというのは、このグループ内での解析の方針決定するための詳細な打ち合わせが中心になります。12月からたびたびテレビ会議でやっていたのは、この段階のミーティングです。

さらに、このグループ内での結果が纏まり、それを国際会議などで公表するためには、3段階のステップを経ます。まず最初は、解析結果をレビューして解析に問題がないか、間違いがないかを確認するための審査員的なメンバーが5人前後招集されます。私くらいの年代のスタッフがこの役に回ることが多いです。こういう内部審査員的な仕組みはどこの実験グループでも作っていて、ATLASグループでは彼らのことをEditorial Board (EB)と呼びます。

12月と先週から今週にかけて激しく行われているのがこのEBとのミーティングです。解析チームのコーディネーターとEBのメンバーが集まってミーティング。そこで、解析の問題点の指摘、ここをこうしたらいいのではないかという提案、はたまた足を引っ張るのが目的としか思えないイチャモン、などなど、色々なことを言われます。解析コーディネーターの重要な役割は、解析に有用な、解析を改善する意見を取り入れ、イチャモンをいかにいなすかです。全くscientificではない言いがかりもつけられますので、それらを全て取り入れて解析しようとするのは時間の無駄ですし、解析の質を落としますので、ここでEBと上手く折り合いをつけられるかどうか、というのは実動部隊の負担を減らし、かつ、解析の質を上げるために重要になってきます。

今週CERNに来てるのは、もう一人のコーディネーターと詳細な打ち合わせをしつつ、EBとのミーティングに備えるためでした。また、EBには事前に解析の報告をしなければなりませんので、解析結果をレポートして纏めるのもコーディネーターの役割です。

EBとのミーティング、解析の修正・変更、レポートのアップデート、そしてまた、EBとのミーティングというように、EBがほぼ満足するまで、この過程がループされます。実際には、今回の場合のように、国際会議での結果公表を目指している場合、ある段階でそのループを打ち切らなければなりませんから、締め切りを設けて、ラストスパートをかける、ということになります。

EBからの注文をクリアしてお墨付きをもらうと、次は、物理グループ内でのレビュー。今回の場合だと、トップクォークグループ内に結果を公表し、グループ内からの意見を求め、必要があれば解析をやり直したり、レポートの修正を行うことになります。この過程を経て、最終的にはグループ内で結果を公表していいかどうかというミーティングを行います。このミーティングが本来なら今日のはずだったのですが、解析が遅れたために、来週月曜に変更になってしまいました。

それはさておき、この物理グループ内でのお墨付きをえると、最終段階がATLASグループ内への公表です。ここで致命的な反対意見が出なければ、ようやく、実験グループ外に「ATLASの」結果として公表できることになります。

説明するだけでこれだけ長くなるのですから、実際に、結果を出すまでには、延べ時間で莫大な時間が費やされています。解析の審査も何重にもなっていて非常に厳しく、専門雑誌の査読で受ける審査よりも相当厳しいチェックが入っています。正直、雑誌に投稿して返ってくるコメントというのは、グループ内での審査に比べたら大したことありません。そもそも、グループ内での審査を受ける前の段階。つまり、末端の解析チームでメインの解析結果となるのが厳しく、そこで勝ち残らなければ、雑誌はもちろん、グループ内の審査ですら受けられません。こういう状況で日々を過ごしている人間からすると、雑誌に論文を投稿したとか、雑誌に論文が載ったといって喜んでいる人たちを見ると、平和ボケしてるなぁ、と思ってしまいます。

おっと、最後は毒になってしまいましたが、こんなペースで物理解析というのは進んでいます。最初に書いたように、枠組み自体はコライダー規模の実験ならどこも同じだと思います。ただ、ATLASの場合は、人数が各段階で1家が近く大きいという違いがあるかもしれません。

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一難去って

また一難です…。

昨日の解析reviwerとのミーティングは、身構えていたほど難癖をつけられませんでした。というか、イチャモンメールに書いてあったとおりのイチャモンをつけられたのですが、私が反論したら、他のreviwerが私の意見に同意してくれて、いわゆる場の空気が私の後押しをしてくれて(相転移が起きました。ははは)、Scientificではない議論に突入することなくその場を凌ぐことができました。

で、順調に再度の締め切り(今日の午後です)までにマイナーな修正をして終わり…と思っていたのですが、大問題が発生。私たちの解析に使うべきcalibration constantが予定通りに更新されず、結果を出せません。。。その最新のconstantを使ってもう一回解析をやり直せばほぼ終了という結論(=先のreviwerとのミーティングでの結論)だったのですが、その肝心のconstantがまだ出てません。

担当するグループのリーダーから大文字でTODAYには全てreadyだという力強いメールが一昨日から昨日にかけての夜に流れていたのですが、30時間以上経った今も音沙汰ありません。いやー、参りました。今日は、解析グループのリーダーたちを説得して、締め切りを遅らせてもよいという確約を貰うために頑張る1日となりそうです。

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一段落したと思ったら

解析ノートの締め切りが昨日でした。相当バタバタしましたが、解析をやってる学生さんたちの頑張りでなんとかクリア。昨日の晩は少しだけほっとして、今日の解析reviewerとのミーティングに臨もうと思っていましたが、今さっき起きてメールを見ると、どう考えてもイチャモンとしか思えない要求が来ていて腹を立てているところです。

この期に及んでevent selectionに難癖をつけらました。ごちゃごちゃ言ってますが、要は、大きなグループがそれを使ってるんだからそれに従え、という明らかなイチャモンです。でも、それをやろうとしたら、解析を全てやり直さないとなりません。event selectionを変えて万一感度が少し上がったとしても(その可能性が低いのでイチャモンなのですが)、解析をやり直したらバグを仕込む可能性があるわけで、そんな危険を冒す必要性が全くありません。外に結果を出すには、感度が少しでもいいほうがいいには決まってますが、それ以上に、結果が間違っていないことが大切です。

という怒りのメールを今送ったのですが、腹の虫が収まらないので、直接会って話をしろとも要求中。

と、こう書いてもどれくらいのイチャモン度がわからないでしょうから、私の印象をわかりやすい例にたとえると、どこかの島の近辺で海上保安庁の船に自ら突進しておきながら賠償請求をするのと同じくらいの理不尽さです。。。とほほ。

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SUSY最新結果

ATLASの最新結果が、arXivに今日出てましたね。持ってるデータを全部使ったものです。
残念ながら見つかっていません。暗黒物質だとfavorされる軽いところは除外。暗黒物質がSUSYだとすると、パラメータ領域が相当絞り込まれます(mSUGRA)。
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今週はCERN

さきほどCERNに到着しました。今週は解析関係の重要な締め切り日があり、かつ、結果を公表していいかどうか、という重要な打ち合わせがあるはずなので、それらに備えて、私にとっては色々なことが重なりちょっと厳しいスケジュールなのですが、1週間ほどCERNに滞在することにしました。逆に言うと、この1週間で解析が少し落ち着いてくれないと後々までダラダラと続いてしまうので、ここで集中的に物事を進めて今の解析を一段落させたい、という意図もあります。

ただ一つ気になるのが4年生の卒業研究。宇宙線中のミューオンの電荷の測定をテーマとして、検出器は一通り作り終えたのですが、それぞれの検出器の較正やゲイン・閾値の調整等々を系統立ててやっていなかったことが響いて、若干苦労しています。夏休み頃に予備実験としてやったミューオンの寿命測定を再現することができず苦戦中。デバッグしようにも、検出器1つ1つの情報を定量的に抑えていないので、順序立ててトラブルの原因を1つ1つ潰していくということがなかなかできません。

検出器の数が多いので面倒だということはわかるのですが、(一般論として)数多い検出器を地道に調整・構成することが、最終的な検出器の性能を決めることになります。ということを過去に何度も言いましたが、やはり、身をもって経験しないと言ってることが骨身に沁みないのでしょうね。数日前に「言われたことをやっとけばよかったと実感した」と4年生の1人に言われました。体感するタイミングが少し遅かったかもしれませんが、そういう実感を得ないよりは遥かにマシです。というか、普通は言われただけではなかなかわかりませんよね。演習問題みたいなものでしょうか。説明を聞いてわかったと思っても、知識や理解が骨や肉となるには、繰り返し演習問題を説かないとなりません。実験も同じで、聞いただけではダメで、失敗も含めて経験値を上げることが大切なんでしょうね。

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シリコン検出器と質量分析とのコラボ

昨日までの3日間、KEKからIさんという人が質量分析グループとの共同実験のために私たちの大学へ来ていました。Iさんは、私たちも参加しているKEKの新型シリコン検出器開発グループのメンバーで、学生がよくお世話になっています。というわけで、実験の目的というのは新型シリコン検出器関連なのですが、質量分析グループとの共同研究というのはちょっと斬新です。測定器開発や工学系では他の分野の人との共同研究というのはよくあることなのかもしれませんが、測定器開発の専門家ではない私にとっては珍しい経験です。って、別に私が実験に参加してたわけではありませんが。

質量分析というのは、その名の通りイオンの質量を測ることでそのイオン種を同定することで、色々な手法があるようですが、私たち理学研究科のグループではイオンの飛行時間(と運動量?)を測ることで質量を求めるという方法を使っています。素粒子物理学でも粒子種の判別によく使う技術です。彼らの応用の一つとして、試料にどういう物質がどのように分布しているかを調べる、ということがあります。たとえば、試料にレーザーだか紫外線だかをぶつけると、それによって試料からイオンが飛び出します。そのイオンがどこに飛んでいったかを測定し、また飛行時間によりイオン種を特定すれば、試料のどこにどういう物質が分布しているのかがわかります。

イオンの場所の測定では、今よく使われているのがマイクロチャンネルプレートというものだそうです。よくわかっていませんが、イオンや電子をとある材質(PMTの光電面みたいなもの?)に入射させ、そこで生成される光電子を増幅させて検出します。イオンや電子がぶつかる物質には細かいメッシュがあり、出てくる光電子の位置を測定することでイオンの入射位置がわかるということらしいのですが、イオンや電子を入射させて光電子が出てくるというところは、私にはよくわかっていません。

それはさておき、とにかく測定の肝はイオンの入射位置(=マイクロチャンネルプレートから飛び出してくる電子の位置)と飛行時間の精度の高い測定です。電子の位置の測定には蛍光板などを使っていたようですが、今度はそれをピクセルに置き換えよう、ついでに、ピクセルに入射する時間情報もわかれば、上流でイオンを検出しておけば飛行時間も測れる。そんな検出器があるといいな、というのが今回の共同研究の話の始まりでした。その実現に向けて、今あるプロトタイプ検出器でマイクロチャンネルプレートから出てくる電子を検出できるか試してみよう、とうのが昨日までの実験の目的でした。

電子の検出というは私たちにとっても日常ですが、何が違うって、電子のエネルギーが私たちが普段相手にしてる電子ととてつもなく違います。私たちが相手にしてるのはGeVオーダー、低くてせいぜいMeVオーダーです。とこらが今回の検出対象の電子はkeV。ということで、シリコン検出器(+センサーと一体化された読み出しIC部分)を突き抜けることは到底不可能。なので、ICがないセンサー部に直接電子を入射し、keVの電子に対してちゃんと検出器が反応するかどうか、というのが今回の実験目的でした。

ちょっとは手伝いをしたかったのですが、私は会議と、それから解析のコーディネータの仕事、正確には解析ノートの改訂版の提出期限が昨日だったために、それに向けて全精力を注ぎ込んでしまい、全然手伝いはできませんでした。2日間の準備の後、昨日の夕方ようやく測定をしてみるという段階で、野次馬として見に行けただけでした。ま、手伝わなかったことが幸いしたのか、検出器はイオンを出すとガンガン反応して、実験はとりあえず成功ということで、Iさんは3日間を締めくくれました。お疲れさまでした。

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M山さんの本を読み終えて

ようやくM山さんの本を読み終えました。感想を一言でまとめると、何事もポジティブな表現が大切だなぁ、ということを再認識しました。すみません、物理の内容ではなくて…。

わかりやすい喩え、わかった気にさせる(?)説明のキレは素晴らしいのですが、M山さんのトークの上手さを嫌と言うほど知ってるので、そういう点に関してはそれほどの驚きはありませんでした。しかし、そういうところではなくて、科学が、物理学が過去にどれほど大きな発展をして、これからも面白い謎が山ほどあって、ワクワクするような新発見があるに違いない、とおもわず思ってしまうような、そう思わせる書き方というのは見事でした。なんと言っていいのかわかりませんが、非常に前向きな視点なんですね。うじうじしてる所がないというか、楽しくて仕方ないというか、細かなテクニカルな点ももちろん素晴らしいのですが、全体を流れる前向き姿勢というのは、人に科学あるいは物理を説明する立場の人間としてぜひ見習おうと思いました。

まあ、本に限らず、何事もそうですよね。後ろ向きな人というのは人間的な魅力に欠けますよね。逆に、少しくらいアホでも前向きな人というのは人を惹き付けます。何かを説明するときも、その説明していることに興味を持って欲しかったら、前向きな説明をしなくちゃならないんだということを強く感じました。

ところで、M山さん得意の色々な比喩がいたるところで使われていましたが、一つ印象に残ったのがあります。不確定性原理の説明に、金庫から金を借りるという喩えを使っていました。金額が大きい時はすぐに返さないとバレルが、わずかの金額ならバレるまでに時間がかかる。エネルギーも一緒で、エネルギーが大きい時はすぐにそのエネルギーを返さないとならないが、小さい時は多少融通がきいてすぐに返さなくても大丈夫。そんな説明です。

なるほどー、とおもわず唸ってしまいました。よく考えるとそれだけでは本質はわからないのですが、なんとなくわかった気になってしまいませんか。いや、もちろん、不確定性原理の本質なんて、私が理解してるとは思えないですし、そもそも「原理」ですから直感的なイメージが掴めればよいのかもしれません。だからこそ、直感的にわかってもらうにはどうしたらいいかと説明する時に悩むのですが、M山さんの比喩は流石としか言いようがありません。

と、ごちゃごちゃ書きましたが、面白い本でした。

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判定会議とか

2日間の修論発表会が終わりました。その後、教員はお楽しみ…ではなく、恐怖の(退屈でたまらない)判定会議なるものをやっていました。物理学専攻と宇宙地球専攻の教授、准教授がほぼ全て揃う珍しいイベントです。そこでの議論内容は書けませんが、とにかく退屈です。いや、自分の学生や、自分が副査をしていた学生に関しては、退屈では全くなく、何かコメントしたりする必要もあるので真剣です。が、修論を提出した学生についてやるわけですから、自分の全く知らない学生についての議論が会議の大部分を占めることになり、かなり苦痛状態に陥ります。でもまあ、卒業とか入学という大事な判定に全員の承認が必要というのは一理あるので、非効率かもしれませんが、見識ということで納得しています。

そんな催しを教員がやっている裏では、学生たちは学生たちでイベントをやっていたようです。修士課程の学生ではなく学部の3年生の話なのですが、裏研究室紹介なる催しを今日やっていたようです。4年生になると研究室配属になりますが、その希望を出すシーズンで、先週は各研究室の教授が研究室紹介と称して研究内容を3年生に説明する催しがありました(去年、Y教授のピンチヒッターとして登場し、研究室旅行の話、いえ、カートの話ばかりを私がした催しです)。今週は、3年生達が各研究室を自由に見学に来る期間が設けられているのですが、これらは一応オフィシャルな企画。一方で、学生は学生たちだけで研究室情報の入手を図っているようです。

今日の企画は、各研究室の4年生に研究室の紹介をしてもらうというものだったらしく、私たちの研究室の4年生もその準備をしていました。さらに、この催しと並行して、学生たちだけでアンケートを取り、どの研究室に志望者が多いか少ないかを彼らなりに調査しているようです。私たち物理学科では基本的に配属先研究室は学生の希望。ただし、配属学生の数はほぼ均等になるように調整されます。その調整方法の詳細は私も知らないのですが、基本的には成績が優先されるらしく、まあとにかく、希望が多い場合は自分が希望する研究室に行けないという可能性があります。そこで、学生同士で希望調査を行い、希望を出す段階でそれなりの調整を試みようとしているらしいのです。

ちなみに、気になるのは自分たちの研究室の人気ですが、去年のような無茶な人気はありませんが、まあ、例年程度といった希望者数のようです。そして次に気になるのは、学生たちが何を基準に研究室を希望するか、です。上記からもわかるように、先輩の影響というのはそれなりに強そうです。それから、おそらく一番強い影響力を持っているのは、3年時の専門科目で教授が授業を担当したかどうか、です。ここで言う専門科目というのは、量子力学や電磁気、物理数学といったコアな科目ではなく、自分の専門に近い講義のことです。たとえば、物性の教授が3年時に物性っぽい授業を担当、あるいは素粒子の教授が素粒子っぽい授業を3年時にやると、圧倒的にその研究室の人気が高くなるようです。まあ、厳しくやりすぎると逆効果になるときもあるようですが、大抵はポジティブに働いているみたいです。

最近の物理学科は素粒子原子核系の人気が今ひとつなのですが、素粒子原子核関係の教員がそのような授業を3年生相手にあまり担当していないからではないか、というのが学生たちからの意見でした。そうは予想していましたが、カリキュラムは私の力では変えられないしなぁ…うーむ。

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修論が一段落して

私たち物理学専攻の修論発表会は今日、明日の2日間行われます。研究室で修論を提出する3名の発表は今朝で、今3人すべての発表が終わりました。彼らはようやく一息というところです。お疲れさま。

一方で、並行して進んでいた4年生の卒業研究はこれからが大詰めです。発表会まで2週間ちょっとですが、データ収集に時間がかかるので、そろそろ本番用のデータ測定を開始したいところです。予備的な測定を繰り返し、検出器の動作チェック、測定方法が間違っていないか、などを調べています。今日あたり、それなりに統計を貯めたデータを見せてくるはずなので、それを楽しみにしているところです。

修論、卒業研究ともに、大学での例年通りの進行状況なので、それほど心配はしていません(でした)が、今一番の懸案事項は、3月の国際会議に向けた解析の進行具合。12月にラッシュがありましたが、その第2弾の波が押し寄せて来ています。今度はいよいよ最終結果を出さなければならないのですが、解析自体も遅れていますし、幾つかの点で解析方針の決定をできないでいるのが(特に、解析グループのリーダーとして)大問題です。

というのも、1つのテーマを複数で解析して結果の整合性を確認していくのですが、その結果が一致しないために、決断をくだせないでいます。はっきり言ってしまうと、常に信頼性の低い結果を出している人間が、いつも同様、信憑性の低い結果を出しています。ところが、その結果を出している人間は大きなグループに属しているため、その結果をリーダー裁量で却下するのが難しいという事情があります。一言で言ってしまうと、強大な政治力に邪魔されているわけです。Scientificに納得させることもできると思うのですが、それには、相手がギブアップするまで色々なデータを出し続けないとなりません。原理的には可能でも、実際問題としては、特に今のようにデッドラインが迫っている時期にはScientificな議論で相手を納得させるのは至難の業です。

それともう一つ、信頼性が低いと思う結果を却下しない理由が別にあります。最近、改めて身にしみたのですが、普段役に立たないことしか発言しない人の意見というのは、「あー、あの人が発言してるなら意味ないことに違いない」というようなバイアスを自然とかけてることありませんか。それで痛い目に遭いました。とある人間のコメントが結構重要なことだったのですが、その人の普段の発言から重要ではないはずだ、と意図したつもりはなかったのですが、そう感じてしまったのですね。もし違う人からのコメントだったら、もう少し深く考えてみたと思うのですが、とにかくその発言者は、解析の本質とは離れたどうでもいいことばかりネチネチと言う人だったので、そのコメントをほとんど無視していました。それが最近になって、解析に影響を与える重要なコメントだったことがわかり、大きく反省している、というのが、信頼性の低い結果しか出してこないとはいえ、その結果を普段のバイアスで却下するのはどうか、と考えている面があります。

とまあ、ぐちゃぐちゃ書いていますが、修論は終わったものの、全然気を抜けない日々がこれからも続きそうです。毎朝、解析の議論をするメールが山ほど届いているのを見ると、ホントうんざりしま。現場にいて自分も解析をしていれば、そういうことないのですが…。

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色々な続き

一昨日の第1回目に続き、修論発表練習会の2回目でした。2回目なのでもう少しあっさりと終わるかと思いましたが、昼飯後に初めて今終了。1人平均2時間弱かかっています…疲れました。

さて、昨日のエントリーで書いた匂いの話ですが、その後、調べたり、人と話をして幾つかわかりました。

まず、匂いを分類するメカニズムですが、私が昨日書いたおもいつきの2番目、というのが今の定説らしいですね。それぞれの匂い分子に対応した検出器があるというのがもともと定説。ところが、最近になって、1つの検出器が匂い分子によって違う反応をするという説が唱えら論争(?)になるも、結局、もともとの定説に落ち着いた、ということをかみさんに教えられました。たまたま、そういう話の本を読んだそうで、どういう仕組みなんだろうという話をした瞬間に答えられて、エラく拍子抜けしました。

しかし、匂いを分類しようと思ったら物凄い数の専用検出器が必要ですよね。いったい、何種類くらいあるんでしょうね。味覚は5でしたっけ、7でしたっけ?それくらいでなんとかやってますが、そんな数では到底無理っぽい気がします。色んな検出器からの信号の強さを組み合わせて判断するとしても、とてつもない種類の検出器が必要そうです。

もともとの疑問、日向臭い匂いはなぜか、ということに関してはググってはみましたが、今ひとつハッキリしません。私が立てた嫌な予想と同じように水分の化学変化という説もあれば、埃、蚤の死体、など色々な説がありました。脱臭剤でも研究してる専門家に聞けばすぐなのでしょうが、私の身の回りにはそういう人いません。軽くググった情報では、掲示板にある書き込みだけで、根拠が明確に示されていないので、どの説が正しいのか判断しかねました。

ただ、驚いたことが一つあります。妻も私も両親も兄弟もみな布団を干した後の日向臭は好きなのですが、色々調べると、世の中にはあの匂いが嫌いな人が結構いるということを知って驚きました。人間の感覚って本当に人に依りますね。

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日向臭

布団や毛布を天日干しした後って、いわゆる、日向臭いという匂いがしますよね。私は臭いとは感じず、むしろ、なぜか懐かしい心地がして良い匂いだと感じるのですが、それはさておき…あの匂いはなぜ発生するんでしょうね。

ということを考えると、そもそも何で人間(動物)は匂いを感知できるのか、と無知な私は考え込んでしまいます。視覚だったら、目のセンサー部分が波長に応じたエネルギーの励起を受けて電気信号を発生。それが脳神経に送られて…となんとなく想像がつきます。けど、匂いの違いって、そもそも何なのかさえも、よくわかっていないことに気付いてしまいました。

鼻で空気を吸って感じるわけですから、まず、匂いのもとは気化していて、それが鼻腔にあるなんらかのセンサーを刺激しているんですよね。じゃあそのセンサーはどうやって気化した物質を検知するのか、という部分はいくら考えても私にはブラックボックスです。匂いのもととなっている物質がセンサーとなっている細胞で(?)化学反応を起こし、最終的には電気信号が発生して脳に刺激を与えるのでしょうが、化学音痴の私にはその肝心の部分は考えるきっかけさえありません。

そんなこと言ったら、網膜でどういう化学反応が起こっているかも全く理解していないのですが、光の場合は、網膜上のどこにあるかで場所を特定できますし、波長によってセンサー部分での吸収のされ方、逆に言うと、センサーとなっている細胞のエネルギーの励起の仕方が違いでしょうから、色を特定できるということも、それほど不思議ではない感じがします。ですが、匂いを嗅ぎ分けるということは、気化してる物質の違いを判断しなければならないわけで、それをセンサー細胞がどういう仕組みで行っているのか、かなり謎です。

考えること1分…で、思いつく方法は2つ。

1つは、匂いのもととなっている物質によって、センサーとなっている細胞が発生する信号の大きさ、あるいは時定数が違う。つまり、匂いの違いは、発生する電気信号の大きさと形で判別される。信号の波形と大きさで物事を判断するということは、私の周りでも一生懸命やってる人がいますが(Iくんとか)、その情報で、匂いを分類するというのは相当難しい気がします。しかも、この方法だと匂いの強さの情報を何で判断してるのかわからなくなります。信号の大きさを匂いそのものを分類するのに使ってしまいますから。あ、いや、信号を出したセンサーの数で判断できるか。。。

もう1つは、特定の物質にだけ反応するセンサーを敷き詰め、どのセンサーが反応するかで匂いを判別。しかし、この方法だと、匂いって物凄くたくさんあるので(というか、少なくとも私たちは「日向臭い匂い」というように物凄い細かさで匂いを分類していますから)、とてつもない数(種類)のセンサーを用意しなければなりません。ということで、これもあまり現実的ではないような気がします。

1分考えただけではわかりませんね、やっぱり。ははは。
答えを知りたければググればいいのですが、それではつまらないので、もう少し考えてみることにします。

おっと、話がぶっとびましたが、匂いをどうやって分類しているかは謎のままですが、とにかく、日向臭い匂いというのは明らかにあります。それが何かという話だったので、それについて推理してみると、布団あるいは毛布を構成する物質って、綿、あるいは毛(羊毛、化学繊維)、そして水分くらいですから、それらのどれかが紫外線か何かで化学変化を起こしてるわけですよね。となると、あまり考えたくありませんし、自分は好きな匂いだと言った手前、そうだとあまり嬉しくないのですが、汗ですかね。汗が紫外線により化学変化してる、というのが有力でしょうか。

でもそれだと嬉しくないので、綿、あるいは毛が化学変化を起こしてると考えたいのですが、なんとなく汗よりは化学変化しにくそうな…。やっぱり汗なんでしょうか。でも、もしそうだとすると、毎日、使わずに天日干しを続けたら汗は飛んでしまうでしょうから、そのうち日向臭い匂いがしなくなるはずですよね。一方、綿や毛が消えてなくなることはありませんから、天日干しを続けてもその匂いが常にするなら、布団そのものの生地などが化学変化をしてるということになります。

実験屋としては実験でケリをつけるのが一番。そのうち、かみさんに実験を頼んで…みることはないでしょうね。ははは。

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練習会1回目

修士2年の学生は、修論を提出したのかしてないのか微妙な状態ですが、来週月曜の発表会に備えて、今日第1回目の発表練習会を行いました。修論を仕上げることに全力を出していたので、予想していた通り、3人ともへろへろで準備不足。まあ想定内と言えば想定内。ということで、すでに今日の練習の前から決まっていたのですが、第2回目が土曜日。それまでにはもう少し内容を整理してくれることでしょう。

それにしても、今日の練習会は長かった。5時間くらいかかりました。しかも、その後、研究室のスタッフ3人でひそひそ話…ではなく、いわゆるスタッフミーティング。それが終わって、今度は卒業研究が佳境な4年生と実験内容の議論をしていたら、もうこんな時間になってしまいました。

本当に1日があっという間でした。

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数の暴力

しばらく前に新聞で読んだのですが、日本の経済が成長しない、デフレに喘いでいるのは、国民(=ここではお年寄り)の意志だという意見に思わず膝を打ってしまいました。

国策がダメダメなのは政局にしか興味がない政治家だとよく言われますが、当たり前のことながら彼らを選んでいるのは国民です。また、政局を重要視する政治家は世論調査など、国民の人気を非常に気にします。わかりやすい例だと、消費税増税を含めた財政改革をやろうとすると国民が強く反発し、支持率が下がってしまい、結局、改革を行えません。ここであえて消費税増税と書いています。それなりの所得のある人に対する所得税増税や、扶養控除の廃止とかはそんなに問題なく行えるのに、消費税増税は凄い反発を受けるということがポイントです。

つまり、どういう人の多くが財政改革に反対しているかというと、働く気のない人間と、お年寄りなんだそうです。って、伝聞形にしなくてもまあ明らかですが。さらに、重要なのはお年寄りの反対を受けると政治家は生きていけないということです。団塊の世代から上の人数が多く、しかも、お年寄りが多いのは地方で、一票の格差の大きさを考えると、人口比では比べられないほどお年寄りの意見が反映される選挙制度になっています。

ここではわかりやすい例として消費税を取り上げましたが、年金生活をしている人は、これまた当たり前ですがデフレ、低成長を好みます。それらも含め、その記事の要旨は、日本がデフレと低成長なのは、喘いでいるわけではなく、(本人たちにその意識はないだろうが)数の上で非常に優位なお年寄りの意見が強く反映されている結果で、それを少しでも緩和するためには、司法が頑張らなければどうにもならん、というものでした。この最後の司法が頑張って一票の格差の大きさを是正しなければならない、というのは、よく言われていることですが、それをデフレと結びつけるというのは、私にとっては非常に目新しい考えで説得力のあるものでした。

で、こういう記事を目にするたびに、国政なども含めたその国の方針や文化(?)など、いわゆる社会を作っているのは、そこにいる人々の多数決だ、という私の持論が強固なものになります。ただし、多数決を取る際には情報が必要ですから、その情報を操作しているマスコミの影響力は大きいかもしれませんが。しかし、マスコミにはバイアスがあるということを理解しないで、マスコミの言ってることを鵜呑みにするかどうかという判断の選択は強制されているわけではありませんから、やはり、国民性で社会が決まると言っちゃってもいい気がします。

上の新聞の例以外でよく感じることは、外国人に比べて極端に競争を嫌う人が多い日本社会では、世界的な競争に勝って、いや別に勝たなくてもいいですが大負けしないで、それなりの成長を遂げていけるとは到底思えません。日本の経済の構造からして、外国との戦いに負ければ成長なんてできないわけで、デフレだか低成長だか知りませんが、それを打破しようと思ったら、私たちが解析で戦っているように、誰もが誰かと戦わなければならないのではないかと、単純に考えてしまいます。でも競争は嫌いなんですよね。だったら低成長、いえマイナス成長を受け入れるしかありません。

あるいは内需拡大をできればいいですが、これも国民の意志で望まれているとは思えません。内需拡大するには、労働力人口増やすのが手っ取り早いですが、子育てに対する社会保障が日本は異常に少なく、そもそも多いお年寄りに対して(色んな意味で相対的に)手厚い保護をしてしまっていて、若い世代に対する社会保障が極めて低いです。これなんて選挙による数の暴力の典型で、内需拡大を望む人がいても、自分たちに対する社会保障の充実を望むお年寄りの意見が優先されます。つまり、国民(=多数派)は内需拡大は優先事項ではないということです。

しかし、払った税金と受けられる社会保障の期待値の比率を年代別に比べると愕然としますね。不平等とはまさにこのとこです。よくマスコミに叩かれ、国民のガス抜きの対象に使われるキャリアな人たちなんて、試験に合格すれば誰でもなれるのですから、機会が誰に対しても平等に与えられているという点で、凄く平等。特権階級でもなんでもありません。が、0歳児はいくら頑張っても60歳にはなれません。生まれてくる時代は選べないのに、年代によって受けられる社会保障/負担が大きく違うというのは不平等以外のなにものでもありません。普通に働いている人が、ヤクザに因縁をつけられ上納金を日々払っているのと同じです。

とまあ愚痴を言うつもりはないのですが(十分愚痴ってますが…)、高齢者と働く気のない人のために働かされている世代がいるという不平等、あるいは低成長は、多数決では国民の意志ということに結局なっているわけで、民主主義である限り仕方ないのかと、がっかりしてしまうのでした。

でも、悪い面だけ見ても仕方ありません。良い面もあるはずです。
…が、それが何か私にはすぐわからないので、これから考えてみます。

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肉の名前

数日前に家で焼き肉を食べました。家で食べれば安いのでたまには贅沢してみようということになり、普段よりは少し上等な肉を食べました。ところが、悲しいかな、安い肉ばかり食べている私は、脂の乗った肉を食べて胃もたれ気味になったのでした。

そのとき思い出したのが、焼肉店ではももをロースという名前で売っていたという話です。どこからどこがロースなのか、カルビなのか、ハラミなのか、きっちりと定義することが難しいからそういう無茶苦茶が成立していたんだと思いますが、パサパサのももを食べてロースだと思えていたのはある意味幸せなんでしょうかね。あ、いや、幸せかどうかは置いておくとして、日本人の肉に対する感度はそんなもんなんでしょうかね。

という流れで思うわけですが、ある物事に対する呼び名(名前)が多いか少ないかというのは、その言語を使っている人のその物事に対する感度の高低と強い相関があるんでしょうね。よく言われる例だと、英語には馬を意味する単語がたくさんありますが、日本語は基本「馬」ですよね。その前に修飾語を付けてどういう馬かは表現できますが、馬に対する感度は日本人の方がやはり低いのではないかと思ってしまいます。

あるいは、嘘か本当か知りませんが、エスキモーには「雪」という単語がないとか。日本語だと粉雪とかぼた雪とか、馬同様、雪を修飾する言葉でどういう雪かを表現しますが、エスキモーにとっては「粉雪」とか「ぼた雪」とかが単語で、私たちが一言で雪と言える物体に対する呼び名が何十もある、と聞いたことがあります。さらに、イタリア人には…おっと、ここから先は書くのを自粛しますが、まあ、とにかく、ある物事を細分化して呼び名が付けられているというのは、その物事に対する感度、分解能が高いことを意味してるんだろうな、という当たり前のことを書いています。よく聞く話ですね。

よく考えると同じことを言ってるのかもしれませんが、逆に、知らない物事でも名前を付けるとわかった気になってしまう、という記述が例のM山さんの本にあって(昨日、やっと読み終わりました)目から鱗でした。知らない野良猫でも、名前を付けるとその猫のことをホントは何も知らないのにどういう猫かわかった気になってしまう。それと同じで、ホントは何か(存在するかも)わからないヒッグス粒子にヒッグスと名前を付けてしまうのは、わかった気になって安心してしまいよくない、みたいなことが書いてあり、おもわず電車の中で「なるほどー」と相槌を打ってしまいそうでした。だから彼はヒッグスのことを暗黒場と呼んでいるのだそうです。どっかのトークでヒッグスのことを暗黒場と呼んでいて、なんでそんな呼び方するんだろうと思ったことあったのですが、その謎も解けました。

おっと、もはや何を書いているのかわからなくなってきましたが、名前というのはその対象を理解する(理解した気になる)上で非常に重要な働きをしてるもんだなぁ、と感じたのでした。

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LHC運転計画

と言っても、正式に所長経由で発表された、という事実以外、数日前のエントリーに比べて何も新しいことはありません。

2012年までデータ収集。2011年は3.5+3.5TeV。可能ならば2012年に8TeV。ルミノシティをなるべく上げる。前回書いたことと何ら変わりはありません。ですが、まあ、正式な決定という事実は重いですかね。

そんなわけで、SUSYが見つかるかどうかはわかりませんが、ヒッグスは(もし存在すれば)ここ2年くらいで発見できるかもしれない、という盛り上がる時期になってきました。

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