FC2ブログ

ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

小さな実験

昨日ちょこっと書きましたが、数人でやれる実験で、かつPRLに載るような論文を書ける実験を発案・実施するというのは、大きな夢です。色んな意味で大きな夢で、まずはそういう実験を発案できる人というのは非常に限られているわけで、そういう1人になれるというのは物理屋として単純に憧れます。

一方で、LHC/ATLASのような大きなプロジェクトに携わっているのは、やはり、そこで展開される物理に強く興味があるからです。物理のインパクトだけ考えたら、エネルギーフロンティアは王道だと思っています。小さな実験の魅力というのは、物理のダイナミクスさではなく、自分たちで全てを決められる、そういう実験屋としての魅力だと考えています。もちろん、莫大なインパクトを持った小さな実験というのは理想ですが…そこまで無謀なことは考えていません。ということで、自分の描く理想というのは、LHCのような物理のインパクトも規模も大きいプロジェクトをやりつつ、こじんまりとした実験を数人でやる、という感じです。

というようなイメージを想い描く実験屋は多いでしょうし、実際、そういう形態をとっている研究グループもあります。と、ここで必要なのは、やはりリソースです。特にヒューマンリソースが大きな壁です。つまり、最初に挙げた物理屋としての能力だけでなく、それなりに大きなグループを作れるだけの腕力がなければなりません。

というわけで、自分の描く理想というのは果てしなく遠いわけであり、また、そういう人物をほとんど知りません。大講座制の大学の親分は複数のプロジェクトをやっていますが、だからといって、極めて小さな実験を自分で発案推進しているという人はあまりいません(と思います)。はい、そうです。そんな人滅多にいないわけです。だからこそ、果てしなく遠い夢なわけです。

そんな中で、私は面識ありませんが(残念なことにすでに他界されています)、コンピュータ相手に「察しろや」と言ったか言わなかったかは定かではありませんが、LEP、ポジトロニウム、バルーンの実験をやっていたOさんというのは凄い人だったんだなぁ、と感嘆します。LEPは置いとくとして、それ以外の2つも真にオリジナルかどうかは私は知りませんし(私から見たら歴史みたいなものなので)、似たような実験の発展なのかもしれませんが、その後も脈々と続き、トップレベルの結果を出していることなどを考えると、やっぱり凄いなぁと感じてしまいます。

会って話をしたことがないのが残念です。

研究 | コメント:3 | トラックバック:0 |
| HOME |