ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

大掃除

今日の午後は大学の研究室の大掃除でした。明日から始まる新年度に備え、新しく入ってくる4年生と修士課程の学生が気持ちよく研究室に来られるよう、ゴミ箱と化していた学生部屋と実験室をみんなで片付けました。当初は、捨てられない大型の備品が多く(大学の備品はどんなに古くても、どんなに価値がなくても、勝手には捨てられません)、頑張ってもそんなに綺麗にはならないのではないか、という意見もあったのですが、やってみるとビックリ。見違えるように綺麗に片付きました。

「やればできる」「You can do it」というどこかで聞いたことのあるフレーズが頭の中をぐるぐると回っています。いやー、ホントやればできるもんですね。これで、新しく入ってくる学生の占有スペースもきっちり確保できました。


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電子ボルト

LHCで3.5+3.5TeVでの陽子陽子衝突に成功したという話を、多くのニュースで見かけます。これだけ報道されると、ちょっとでも故障したらまた騒がれるのではないかと心配な一方、多くの人に知ってもらえるという意味でやっぱり嬉しいものです。

ところで、新聞等で7TeV、すなわち7兆電子ボルトのエネルギーに到達したと報道されていますが、一般の方は、この「7兆電子ボルト」という表現をどう感じるのでしょうね。7兆ってあるからとりあえず凄いって思うのでしょうか。まあ、7兆はいいとしても電子ボルトという単位でピンとくる人はきっといませんよね。そこで、その単位を説明してみます。

一言でいうと、電荷1を持った粒子の電位を1ボルト上げるエネルギー、ということになります。これじゃあ、説明というより定義ですが、ボルトの単位がJ/C(ジュール/クーロン)だということを理解してる方なら、電子ボルトでちゃんとジュールという単位になってることがわかるかと思います。電子は1.6x10^{-19}クーロンですから、1電子ボルトは1.6x10^{-19}ジュール(またはクーロン・ボルト)という日常生活の感覚では非常に小さなエネルギーです。

単位について高校生の物理を思い出して説明すると、エネルギー(あるいは仕事)は「力」x「距離」ですよね。荷電粒子に働く力はF=qEという式を思い出してもらうとわかるように、「電荷」x「電場」です。ということは、エネルギーは「力」x「距離」=「電荷」x「電場」x「距離」です。さらに電場の単位を考えると、ある距離離れた2地点での電位差(単位はボルト)正確には電位の位置微分、なので、電場の単位は「電位」÷「距離」になります。ということは、もとから整理すると
エネルギー=「力」x「距離」
     =「電荷」x「電場」x「距離」
     =「電荷」x「電位」÷「距離」x「距離」
     =「電荷」x「電位」
となって、単位がクーロン・ボルトになっていることがわかります。つまり、ジュール=クーロン・ボルトとなっています。

では、7兆電子ボルトがどれくらいかというと、1電子ボルトが1.6x10^{-19}でしたから、7x10^{12}x1.6x10^{-19}=1.1x10^{-6}ジュール、つまり、約100万分の1ジュールです。その辺を飛んでる虫の重さを1グラム、速度を1m/sとして運動エネルギーを計算すると5x10^{-4}ジュール。とういことで7兆電子ボルトのエネルギーって、その辺の虫の運動エネルギーの500分の1にしかなりません。こう書くと全然凄くない感じがしちゃいますね…。

でも、虫を構成する陽子の数を考えたらどえらいことになります。虫が水みたいなものだと考えると1モル18グラム。よって、1グラムは1/18モルなので、水分子が6x10^{23}/18=3x10^{23}個あることになります。水分子1個に陽子の数は10個、中性子の数は8個あるので、核子という意味では虫は18x3x10^{23}個=5x10^{24}個の陽子、あるいは中性子を持っています。ということは、陽子あるいは中性子1個あたりのエネルギーに直すと虫の場合、5x10^{-4}/(5x10^{24})=10^{-28}ジュールにしかなりません。それに比べて7兆電子ボルト(=10^{-6}ジュール)がいかに大きいかわかっていただけるかと(?)思います。

さらに、LHCで何が凄いって7兆電子ボルトというエネルギーよりも、加速器に蓄えられているエネルギーの総量が凄いです。今は1個の陽子が3.5兆電子ボルトですが、その陽子が片方のビームにつき10^{10}個くらい今は加速器内にあります。最終的にはそれぞれのビームに3x10^{14}(だったかな?)個のビームが蓄積される予定です。ビームのエネルギーもそれぞれ7兆電子ボルトまで増加される予定なので、ビームあたりのエネルギー総量は10^{-6}ジュールx3x10^{14}=3x10^{8}ジュールというとんでもないエネルギーになります。よく使われる比喩では、航空母艦が最大戦速で航行してるとき、あるいは大型ジェット旅客機の発着時のエネルギーに相当します。なので、加速器の一部が故障して陽子ビームがどこかにぶつかれば悲惨な事故になってしまうのは当然だったりします。というわけで、故障しても、装置が壊れないようなプロテクションシステムというのがLHCでは本当に大切なんですね。

(いい加減な計算なので、どっか違ってるかもしれません。数字をあまり真面目に捉えないでください。あくまで概算。目安と考えてください。)


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とうとう

数時間前にようやく3.5+3.5TeVでの衝突に成功しました。

とりあえず当ててみたというレベルですが、順調に実験が進んでいることを再認識できて、めでたいことです。これからビームを絞り、陽子数を増やし…物理解析に値するデータを貯めるのが楽しみです。重心系で7TeVあれば、SUSY(っぽいモノ)の有無くらいは近い将来言えるはずですから。


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雨の降り始めの匂い

最近、突然の雨が多くありませんか。ま、多いか少ないかはどうでもいいのですが、雨の降り始めって独特の匂いがしますよね。毎度のことなのですが、私が言い出しっぺで研究室内で議論になっています。

私は土ぼこりの匂いに近いと感じていました。出身地が冬に空っ風が強く吹く地域で、子供の頃に校庭とかで遊んでいると土ぼこりまみれによくなりました。そのときの匂いに似てると感じていたので(勘違いかもしれませんが)、雨の降り始めは雨粒が大気中の埃を巻き込んで落ちてくるせいであの独特の匂いがするのではないかと、となんとなく考えていました。ところが、Hくんがどっかで小耳に挟んだ話では、雨の降り始めは酸性度が高いのでアスファルトを溶かしているのだというのです。えー、それじゃあ降り始めだけはなんとしても頭を守らなくちゃ、ということに一瞬はなったのですが、みんな同じような反論を持ちました。

そうです。アスファルトの上でなくてもあの匂いはするような気がします。都会ではアスファルトのないところは少ないですが、私が生まれ育った地域ではアスファルトやコンクリートに覆われていない土地がたくさんあります。山の中で遊んでるときとかもやっぱりあの匂いはした気がするんですよね。という感想を多くの人が持っていて、酸性雨アスファルト溶解説はあまり支持を得られていません。

とはいえ、ふとした疑問があってもすぐにググらずに議論するのが好きな人が多いために、未だに決定版はありません。そのうち誰かがググるのでしょうが、私にとっては子供の頃から不思議に思っていたことなので、ググって正しい説を見つけてしまうのになんとなく勇気が要ります…。


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そろそろ3.5+3.5TeVでの衝突

3.5+3.5TeVでの衝突が間近のLHCです。Media Dayと称してマスコミを集め、今日初めて3.5+3.5TeVでの衝突を行うと大々的にCERNでは宣伝していました。宣伝だけではなく、3.5TeVでも数日前から安定なビームを得られるようになっていて、実際面での着々と準備が進んでいました。予定では確か今から数時間後くらいに初衝突があるはず。

ということで、LHCの状況をウェブでチェックすると、確かに両方のビームが3.5TeVで安定して周回しているようです。それぞれのビームが2バンチ。陽子数は今のところそれぞれ1.9E10と1.5E10。ただ、陽子数のヒストリーを見ると、通常は長い寿命を保っているのですが、ときどき、ガクッとビームロスしてるときがあります。なので、何らかの調整を行った時にそういうことが起こったのだと思いますが、衝突させるときには陽子数は変化しているかもしれません。

いやー、いずれにせよ、楽しみです。現場にいたらもっと興奮するんだろうなぁ。


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新年度近づく

新年度が近づいて、静けさが破られつつある感じがします。って、私が新入生研修旅行のための事務手続きをしているからなのかもしれませんが…。

大学の入学手続きが終わり、物理学科の新入生の数がほぼ決定。女子学生数と男子学生数の比が約1:10。女子比率がもっと増えて欲しい感じがしますが、まあ、こんなもんでしょうか。これらの情報が手に入ったので、あとは大学に発行してもらう書類がもう一つ揃えば、最終的な宿泊申し込みを済ますことができます。申し込みの締め切りが迫っているのに申し込みできないという日々だったので、これが済めば精神的にだいぶ楽になります。

新年度を感じさせるのは大学入学者だけではありません。留学生も4月からやってきます。最初の半年は基本的に語学を勉強してもらうのですが、来日するのは4月早々なので、初顔合わせの段取りも進んでいます。というか、大学の留学生センターというところが色々話を進めてくれています。どういう人なのか会うのが今から楽しみです。

さらに研究室内では、修士の学生だったTくんがどうやら引っ越したようです。先週金曜の飲み会後会っていないのですが、今日は誰も彼を目撃してません。机の片付け方が微妙なのですが、これだけ月末ですからきっと引っ越したんでしょうね。新しい環境でも元気で頑張って欲しいものです。しかし、自分が直接指導した学生がこの業界を去るというのは、結構寂しいですね。去年修士を修了した学生は、分野を変えてまだ同じ大学にいるので、こういう感覚を持つのは今年が初めてです。


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のんびりとした週末

週末は久々の連休。というか、久々の休み。おもいっきりのんびりと過ごしました。土曜は家でゴロゴロして過ごし、日曜は家族と一緒に近所の公園で散歩。草花や池の生物たちに癒されました。

ところで、日曜に行った公園というのは万博記念公園なのですが、非常に大きくて色々なものがあるのに驚きました。何度か行ったことあるのですが、昨日ほど足を伸ばして園内を横断したことがなかったため、広さを実感したことがありませんでした。桜の季節で入場者は無茶苦茶多かったと思うのですが、敷地が広大なため、全然混雑した感じがありませんでした。しかも、いつも入場していた正門ではない入り口までなら、家から歩いて15分もあれば十分だということも私は知りませんでした。のんびりしたい人にはお薦めのスポットです。


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アウトリーチの準備

やりたくない事務仕事の逃避行動として、プレゼンテーションに関する本をちょっと読んでしまいました。逃避行動でやることって通常よりも面白く感じることないですか。普段はしたくもない勉強だったりするのに、あまりにもやりたくないことがあるために勉強したくなっちゃたり…。

今回もその典型で、今やる必要は全くないのに、その本に感化されて発表用のスライドを作りたくてたまらなくなりました。近い将来に発表や講演があるわけではないのですが、とにかく何でもいいから、という感じで3月のアウトリーチ活動で使ったスライドを弄り始めました。6月の大阪での講演にもしかしたら使えるかもしれませんが、まだ誰がどういう講演をするのか煮詰めていないので、本当に使うかどうかは不明。ということで、まさに逃避行動ですね。

アウトリーチ活動といえば、6月の準備をぼちぼち始めています。大阪市立科学館の広報を通じて宣伝してもらうための資料を送ったり、ウェブサイトを作り始めたりしています。まだ中身はありませんがウェブサイトはすでに公開しているので、どこにあるかは書きませんが、このブログ読者の方なら簡単に見つけられるのではないでしょうか。もう少し中身を充実させたら、大学の広報にも知らせて宣伝してもらうつもりでいます。それからもう一つ大事なのがポスターとパンフレット作り。アウトリーチ活動に興味があるという博士課程の学生のMくんに敢えて任せているのですが、どんなものを作ってくるか楽しみです。


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送別会

昨日は、近々大学を去る人々の送別会でした。初めは修士課程を修了して民間企業に就職するTくんを誘ってこじんまりとやるつもりだったのですが、次の就職先が決まった研究員と、もう一人別の理由で大学を去る学生の送別会を兼ねることになり、研究室みんなでの送別会になりました。

私たちの研究室には酒の強い学生が少なく、また、通常だとそんなに飲まないので、あまり乱れることはないのですが…昨日は激しかったです。二次会どころではなく、誰を送別するためだったのかもわからなくなるような異常な盛り上がり(?)でした。まあ、たまにはこういうのもアリでしょう。みんな、お疲れさまでした。


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Caps Lock

キーボードのCaps Lockキーを使ってる人っているんでしょうか。少なくとも私の周りには国内外ともに不要だという人ばかりです。でも、これだけ堂々と配置されてるのですから、なんらかの分野・職業の人には重要なんでしょうね。

別にCaps Lockがあってもいいのですが、そのおかげでControlキーが虐げられているのが納得いきません。非常によく使うキーなのに、Iくんみたいな特殊な人を除いては、かなり押しづらい位置にあります。で、当然多くの人がやってるのはCaps LockとControlの入れ替え。あるいは私みたいに、Caps LockをControlに変更するだけで、Caps Lockは無しという設定にしてる人もそこそこいるようです。

なぜそんなにControlが重要かというと、当然、カーソルの移動等で多く使用するからですが、冷静に考えると世間一般というか、Windowsに駆逐されている世界ではかなりのマイノリティなんでしょうか。って、あれ?よく覚えてませんが、WindowsでもアプリケーションのコマンドってControl+なにがしか、だったような…。だとすると、カーソルの移動に使わないまでも、Caps Lockよりは需要が多いような気がするのですが、どうなんでしょう。

ところで、Linux/Unix系のユーザーで、カーソルの移動にControl+なんちゃらを使わず、カーソルキーを使うという人が身近にいたのには驚きました。はい、これもIくんです。ソフトウェアの編集作業って実際には文字を入力するより、圧倒的にカーソル移動のほうが多いですよね。なので、自分の場合デフォルトで左小指はControlを押しっぱなしだったりします。今のように文字を入力する場合はもちろんaの上に置きますが。カーソル移動のためにキーボードの定位置から手を動かすのは私には耐えらません。

で、さらに私みたいな人は手をなるべく動かしたくないので、マウスを使う回数も他の人より少ないのではないかと推測します。Macの場合だったら、なるべくcommand+なんちゃらで済ませます。ラップトップなのに、外付けのマウスを使ってる人も私には理解不能で、ベクトルが逆向いてるなぁ、とよく感じます。私の場合、GUIがそもそも嫌いで、コマンドラインで作業をするのが好き、ということが私の嗜好の根源なんだと思いますが。

いやしかし、こういう話をすると、人それぞれが強い好みを持っていて、毎回熱い議論になるのは笑えます。


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ミーティングの連続

ミーティングに終始した一日でした。午前中は、午後イチの新入生研修旅行に関する秘書の人たちとの打ち合わせに備えて、資料を整備。そして、その打ち合わせは、予算の話が面倒くさくて予想以上に疲れました。どういう形で領収書を貰わないとならないか、立替払いの経費をどうやって処理するのか、大学からどういう形で予算が出るのか、等々、約1時間の短い打ち合わせでしたが、私は相当神経をすり減らしました。

次にあったのが、ATLAS日本グループでシリコン検出器をやってる人たちとのミーティング。これまた予算関連の話でしたが、例年通り(?)私はキレてしまい、まともに議論に参加できませんでした。人間として修行が足りません。それに比べてTくんとJくんの落ち着いていること。過去に実害を被っているかいないかでエキサイティングの度合いが大きく違うのだと思いますが、彼らのおかげで纏まらないまでも議論が進んだという感じです。

さらにその後、似たようなメンバーで熱い議論。前々から重ねていたややこしい問題だったのですが、それがなんとか解決(たぶん)。今まで激しく議論していたのでかなりヘロヘロですが、良い方向に話が纏まって一安心です。長ーいことこういう方向に持っていこうと頑張っていたことなので、小さいですが達成感があります。これで、少しは研究しやすくなって、私たち日本人シリコン検出器グループがより強力になれるのではないかと思っています。


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4年生研究室配属

4月から4年生になる学生さんたちは、各研究室に配属されます。たぶん、どこの大学でも同じではないでしょうか。ただし、研究室の形態が大学によって異なります。3年生までは基本的に講義を受けるだけ(実験も含めて、決められたカリキュラムをこなすので受け身です)でしたが、研究室に配属されると研究を行うことになります。もちろん、最初のうちは実験装置の取り扱い方や研究の進め方などを学んでいき、最終的には研究という形になります。あ、あと、ゼミもありますね。

その研究室配属が昨日公表されました。基本的には各研究室の常勤スタッフの数以下に大体なるように振り分けられますが、希望者が多い研究室には(?)、スタッフの数を超えて配属されることもあります。3年生の仲間内でのアンケート調査によると人気が高かったということなので、我々の研究室の常勤スタッフの数3人を超える4人、あるいは5人を期待していましたが、結果は微妙。アンケート結果を見て希望する学生が減り実際には希望者数がそれほど多くなかったのか、配属を決める委員会での議論が私たちには伝わってこないので、どういう経緯でこうなったのかわかりませんが、新規配属者3人、再配属者1人の合計4人でした。

まあ人数はさておき、また4年生と実験やゼミをやれるのが楽しみです。って、新年度は誰が4年生の担当になるのかとか、修士課程の学生のゼミを誰がやるのかとか、まだ決めてませんでした。Yさん、Tくんと相談して決めないとなりません。

ちなみに今まで知らなかったというか勘違いしていたのですが、3年生から4年生になるときの研究室配属の決め方が思っていたのと違って驚きました。70人くらいの人間が複数の希望を出しているのですから、それをどう振り分けるのかというのは数学的に非常に難しい問題で、成績等も考慮しようとしたら、とんでもなく複雑な作業になるでしょう。結局のところ手作業になるんだと思いますが、その手作業が閉じられた場所で行われているとは思っていませんでした。大学院入試の場合のように、各研究室の教授が集まった場所で行われているのだとばかり思っていました。まあ、入試のスコア(=筆記試験と面接)のような明確な基準がないので、実質教授が集まっても議論のとっかかりがなく、今のスタイルになっているんですかね。

他の大学ではどうやって決めているんですかね。昔はくじやじゃんけんで決めていた大学もあったらしいですが、今はどうなっているのでしょう。成績でかっちり切っているという大学もあるようですし、色々なやり方があるということは、大学院に行く時は成績が良ければ自分が好きな研究室に行けるので、その時に頑張れということなんでしょうかね。それまでは、ある意味、色々な経験を積むべしという思想なのかな。


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物理学と切手収集

高エネルギー総会というものに出席した方は、タイトルだけで私が何を書こうとしているのかわかると思います。

高エネルギー物理学研究者会議総会というものが学会期間中に毎回開催されます。高エネルギー関係者なら誰でも参加できる会議です。そこで、大物Kさんが「物理学以外は博物学と同じだ。昆虫採集みたいなものだ。」というナイスな発言をしました。するとこれまた大物のSさんが「ラザフォードは『科学は物理学と切手収集だ』と言った」というコメントを返したんですね。会場大爆笑。

物理を、特に素粒子、エネルギーフロンティアをやってる人間には少なからずそう思っている人が結構いるのではないでしょうか。かくいう私もそれに近い印象を持っています。もちろん、博物学や昆虫採集や切手収集を否定するわけではないのですが、物理以外ってみんな同じに見えちゃうんですね。物理でも分野によっては、博物学としか見えない分野もあります。たぶん、しばらく前に書いた内容とかぶるのですが、素粒子物理は深さ方向にベクトルが向いている学問なのに対して、それ以外の分野って多かれ少なかれ広がりを膨らませる方向にベクトルが向いている(ように見える)から、そう感じてしまうのだと思うのですが…自分が感じていることをKさんが言い、それをラザフォードが言ってたというのは、どう表現していいのかわかりませんが、とにかく興味深かったです。

そういえば、私も高校生や一般向け講演でよく使う表現に「素粒子物理学は考古学だ」と言うのがあります。全く同じことをこれまた大物のMさんがどっかの委員会で言っていたのを聞いて、みんな考えてることは同じなんだなぁ、と1人でニヤニヤしたことがあります。

学問を分類しようとしたら色々な分類の仕方があって面白いですね。


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物理学会4日目

昨日は、物理学会の最終日、4日目でした。

午前中に私の指導する学生2人の講演がありました。シリコン検出器の開発関連の研究をしている修士課程の学生。そして、CERNの現場で研究を行っている博士課程の学生の2人です。修士課程の学生は、学会発表が初めて。ということで、見てる私も緊張しましたし、本人も前日からかなり練習を積んでいたようです。そのおかげか、喋りは非常に滑らかで堂々とした発表でした。質問に対する回答は、ちと的を外した受け答えもありましたが、全体的にはそこそこちゃんと答えていたように感じます。初めての学会、かつ、修士課程の1年生ということを考えれば、全体としてしっかりとした講演だったでしょう。

博士課程の学生は現場でのシリコン検出器に関する研究内容の発表でしたが、相変わらず落ち着いていて、全く危なげのない講演、質疑応答でした。学生の講演を聞くのは自分の講演以上に緊張する私ですが、彼に限ってはもうあまり緊張しません。それくらい信頼していますし、実際の研究も講演も既に1人前の研究者としてやっていけるようなレベルに達しています。彼には結構厳しい要求を出していますが、その要求に応えてよく頑張ってくれています。

そんなわけで、私たちの研究室の学生はしっかり練習した甲斐があってか、みんなしっかりした講演を行ったと思います。お疲れさま。


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宇宙背景輻射とBモード

学会3日目の昨日は、午前にセッションがなく午後だけでした。

その午後はCMB(宇宙背景輻射)の偏極測定に関するセッションにずっと出ていました。宇宙がダークマターやダークエネルギーで満たされていることを検証し、かつ、その量を精度よく決めたのがCMBの測定で、最近盛り上がっているのは、そのCMBの偏極(宇宙背景輻射というのは光子、つまり電磁波です。その電磁波が特定の方向に振動してることを偏極と言います。)を測るというものです。正確にはあるパターンの偏極(Eモード)はすでに観測されているのですが、別のパターンの偏極(Bモード)が観測されておらず、それを測定しようという実験です。

なぜ、そのBモードを測定したいのかというと、インフレーション宇宙論の協力な検証の一つになるからです。というのは、インフレーションというのは時空が爆発的に広がることで、そのとき重力波が生成されます。その重力波がBモードという特殊な偏極を作ると予想されているので、Bモードの観測は宇宙誕生直後の原始重力波の検証、すなわちインフレーションの証拠となるのだそうです。さらに、Bモードの存在を確認するだけでなく、その大きさを精度よく測ることができれば、インフレーションのモデルなどに制限を与えることができる、ということでビッグバン宇宙論の研究として最近非常に活発な分野です。

今まで日本には宇宙論の理論屋はいたのに、国内で実験は行われていませんでした。そこに、KEKのHさんが新しい実験を立ち上げたため、人気のある分野となっています。


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物理学会1日目と2日目

一昨日から学会に来ています。まず、岡山大学のキャンパスの広さに驚きました。面積そのものが驚くほどということはないのかもしれませんが、キャンパスは住宅地にあるんですね。何にもないところならいざしらず、住宅地にこれだけのキャンパスを確保しているのは凄いです。建物の密度が低く、キャンパス内に芝生があったり、ベンチがあったり、と、いかにも大学のキャンパスという感じで私は非常に気に入りました。

さて、学会はというと、一昨日はKaonをやっている多くの学生が、そして昨日の午前はATLASをやっている博士課程のMくんが、講演を行いました。みんな練習の甲斐があっていい発表だったと思います。特にMくんの場合は私が指導しているので、例のごとく(そうは見えないのかもしれませんが)ドキドキしながら講演を見守っていました。が、そんな心配は不要で、安心感のあるしっかりした発表でした。質疑応答も安心して聞いていられました。

講演内容で興味深かったのは、ブラックホールの直接観測と重力波の検出のセッションでした。強い重力場中での一般相対論の検証という意義があるのですが、天文の方の講演では、天文学をやってる人間に取ってはすでに20世紀中にブラックホールを観測したことになっている、というコメントがあったのが強く印象に残っています。光などを吸い込む見えない天体がある。その天体の質量・密度は、周りの光などを吸い込む速度から、非常に大きいことがわかる。そんな高密度の天体はブラックホール以外にはありえない。だから、ブラックホールを観測したのだ、という主張なんですね。それはそうなのかもしれませんが、物理をやってる人間はそんなこと言いません。直接検証していないのですから、あくまでブラックホール候補のような気がします。そういう天文のロジックでいいなら、我々もすでに色んな未知の粒子を発見してることになってしまいます。

この話で思い出したのは、二酸化炭素と地球の温暖化を結びつける気象学者のロジックです。二酸化炭素の増加と気温の上昇には相関がある(ように見える)。二酸化炭素以外に観測されている気温の上昇を説明できる原因が見当たらない。だから、二酸化炭素の増加が温暖化をもたらしている、というのが気象学者の主張です。

ブラックホールの話も二酸化炭素の話も正しいのかもしれません。けど、どちらも間接証明なんですね。私たち物理学者から見ると。ヒッグスの存在を仮定して、様々な観測量を精密測定すると、ある質量のヒッグスが存在した場合の予言と非常に高い精度で一致したとします。だからといって、ヒッグスを発見したという物理学者はいません。実験で仮説を実証できる物理学と、それが不可能な天文あるいは気象学では、アプローチの仕方が違うのはわかります。私が感じる大きな違和感もその違いに起因しているのだと思うのですが、でもなぁ…自分たちが知ってることだけが全て正しいというのが前提になってるというのは、やはり理解しがたい解釈です。


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3.5TeV

LHCのビームエネルギーがとうとう3.5TeVに到達したようです。2本のビームを両方3.5TeVまで加速することに成功。そのときのライフタイムは約100時間だったそうです。いやー、素晴らしい。もうちょっと先になるかと思ってましたが、これなら3.5+3.5TeVの衝突も近そうです。楽しみです。


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大規模研究計画

日本学術会議から「学術の大型施設計画・大規模研究計画ー企画・推進策の在り方とマスタープラン策定についてー」という提言が一昨日公表されました。そのニュースを昨日新聞で読んだのでブログに書かなくちゃ、と思っていたのですが忘れていました。今朝メールを読むと、高エネルギー分野のメーリングリストにその知らせが流れていて思い出しました。要旨・本文資料へのリンクをはっておきます。どちらもPDFです。

能書きはどうでもいいから、世間にはどういう大型研究計画があるのかを知りたいという人は、資料の最初に課題一覧を見るとよいのではないでしょうか。その一覧の後に、各課題の説明が2頁づつあります。素粒子原子核分野からは、Bファクトリーのアップグレード、J-PARCのアップグレード、国際リニアコライダー、ハイパー(?)カミオカンデ、そしてRIBFと合計5個の実験計画がリストアップされています。素粒子原子核という一括りですが、RIBFは原子核、J-PARCのアップグレードは素粒子と原子核の両方、それ以外が素粒子実験計画ということになります。前に書きましたが、高エネルギー委員会ではこの提言の内容についての議論が多くなされてきました。J-PARCは素粒子と原子核双方のコミュニティからの意見を集約しなければならないので、そこが一番面倒だったかもしれません。読まれるとわかるかもしれませんが、微妙に不自然なとこがあったりします。

こういう資料は、自分の専門以外のところ見るのが面白いです。計画の数や予算など全体を眺めると、日本の学術の中に置かれた高エネルギーの立場というか性質が見えてきます。逆に個々の研究内容を眺めると、自分の専門以外でどういうことが研究されているのか純粋に好奇心から興味深いです。

以下個人的な感想ですが、伝統的にボトムアップ型の素粒子業界にどっぷりと浸かっているので、トップダウンの匂いを感じる研究計画というのには違和感を感じてしまいます。特に、民主党政権になってから、ある特定の分野について潤沢に資金が投入されているようですが、それと被る研究に対してはあまりいい印象を持てません。妬みというのもあるのかもしれませんが、それ以上に気になるのは、何度も書いてきていますが科学に対する過信です。原理は完全に理解できていてそれを応用するには資本の集中が必要、というような、実用化を目指す商品開発のような応用(というより技術といったほうがいいような)開発ならトップダウンもアリだと思うのですが、適用限界がそれほど広くない中で確立された理論や考え方に基づいてトップダウン方式で研究を進めるということには違和感を感じてしまいます。しかも、適用範囲がどれくらいかを理解しているその分野の科学者ならいいですが、適用範囲や、確度(という科学における概念)を理解していない政治家やお役人が、どういう研究を進めて行くか決めるというのは非常に不思議で、かつ、危険な気がします。


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今日も

今日も学会のリハーサルでした。しかも、朝10時から今までずっと、です。嫌いな作業ではないとはいえ、流石に疲れ果てました。博士課程のIくん以外が全員再チャレンジだったわけですが、それでも一人1時間はやはりかかってしまいました。でもそのおかげで、もう少し喋る練習をする必要はあるかもしれませんが、どの人の発表内容も本番に臨んでも問題ないくらいに練られてきました。

短いですが、今日は疲れたのでこの辺で終わります。


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修士課程入学者

昨日に引き続き今日も学会発表のリハーサルで盛り上がって(?)います。Kaonグループの学生が4人練習を行いました。普段は非常に温厚で、私と違って怒ることが全くないY教授ですが、ネガティブな発表内容、というか発表の仕方が続いたために、珍しく今日は不機嫌でした。そもそも講演の流れ云々の前に、リハーサルを行うという段階で全然準備ができていない人がいるのですから、Y教授だからあれくらいで済んでますが、普通の教員だったらキレています。

そういえば書いてて思うのですが、学生を怒らないY教授に変わって学生に雷を落とすのは最近私の役目になっているような気がします。前の助教だったHさんがいたときは彼がその役回りを引き受けてくださっていたのですが、今その役目を担えるのは研究室の中ではどうやら私だけのようです…。

結局、昨日今日と10時間以上費やして学会のリハーサルを行いましたが、その第2弾を早速明日やることになりました。今週はやはり学会週間です。

そんな学会週間ですが、隙を見て例の新入生研修旅行の打ち合わせなどを行っています。面倒も面倒なのですが、日が近づいてくると準備に何か抜けがないか不安になってきます。何回か担当していれば段取りがわかってますからルーチンワークで処理できて、そういう不安は小さいのでしょうが、初めてだとその辺の効率も非常に悪いです。慣れてしまえば難しい仕事ではないですから、誰か担当の人を固定してその人が毎年やるというのがいいと思うんですけど…それを教員が引き受けるのは厳しいものがあります。で、結局今のスタイルになってるんでしょうね。

おっと、それから今メールをチェックしていて気づきましたが、ようやく修士課程の入学者が決まったようです。大学院の入試は夏ですから合格者は当然何ヶ月も前に決まっていたのですが、入学手続きはわりと最近で、それまでは入学者が確定しません。複数の大学の修士課程に合格してる学生もいるので、入学手続きを済ませるまでは本当に誰が入学してくるのか確定にはならないというわけです。

で、私たちの研究室には3人配属されることが決まりました。同じ大学でも違う研究室からだったり、別の大学出身者だったりするので、私は3人とも面識がありません。いや、1人はたぶん私の授業を受けていた学生だと思うので、3人と面識がないというのは言い過ぎです。が、いずれにせよ、研究室に配属されていた4年生ほど濃密な接触はなかったので、どんな学生さん達なのか会うのが非常に楽しみです。


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女性限定の公募

以前、東北大学の物理学科で女性限定の教員公募がありましたが、今度は奈良女子大学から同様の公募がありました。前回同様、公募ってこんな感じなんだよ、ということでその文面を引用します(ただし、個人名などは私が削除してます)。

女性研究者、女子学生が物理の分野に増えることに賛成なので、こういう動きが各大学で広まって欲しいものです。ただ、実際問題としては、大学教職員が利用できる保育所をもっともっともっと増やすことのほうが、女性研究者の底辺を広げるのには役立つのかもしれませんが。とにかく、何もしないよりは前進ですよね。

引用開始 ----->

奈良女子大学理学部物理科学科 女性教員公募

奈良女子大学は「女性教員の採用促進に関するアクションプラン」(平成20年10月1日制定)において、
男女雇用機会均等法の第8条に定められた「女性労働者に係る措置に関する特例」を踏まえた
教員募集等により、女性教員の一層の採用促進を図っています。
 奈良女子大学理学部物理科学科はこの方針に則り、女性教員の公募を以下の通り行います。
本学では、若手研究者養成支援経費(個人への支援)や女性研究者養成加速支援経費(部局への支援)
などの研究支援制度を設けており、採用される方はこれらの対象となります。


1. 募集人員:助教1名

2. 専門分野・担当:観測的宇宙物理学(高エネルギー天文学の実験および観測)
  ABCD教授と協力して研究を進めていただくとともに、
  講義・学生実験などを通して学部や大学院の教育に貢献していただきます。

3. 応募資格:博士の学位を有する、または着任時期までに博士の学位を取得見込みの女性の方

任期:なし

5. 着任時期:平成22年10月1日以降のできるだけ早い時期

6. 応募書類:
 1) 履歴書(出産、育児等の休職期間があれば記入すること)
 2) 業績リスト(査読誌、総説、著書、プロシーディング、その他に分類。
         その他には外部資金獲得状況、招待講演リストを含むこと)
 3) 主要論文別刷り5編以内(コピー可)
 4) 研究業績概要(A4版2頁以内)
 5) 研究計画概要(A4版2頁以内)
 6) 教育の実績(TA,RA等を含んで良い)(A4版1頁程度)
 7) 奈良女子大学に於ける物理教育に対する抱負(A4版1頁程度)
 8) 推薦書2通又は照会可能者2名の氏名と連絡先

7. 留意事項:
 1) 選考の必要上面接をすることがあります。
 2) 選考後、応募者には結果を通知すると共に、応募書類を返却します。
 3) 応募書類に含まれる個人情報は、本選考以外の目的では使用しません。

8. 応募締切:平成22年6月21日(月)(消印有効)

9. 書類提出先:
 〒630-8506 奈良市北魚屋西町 奈良女子大学理学部物理科学科 EFGH
 ※封筒に「応募書類在中」と朱書きし、宅配便または簡易書留で送付してください。

10. 問い合わせ先:
 〒630-8506 奈良市北魚屋西町 奈良女子大学理学部物理科学科 JKLM
 Tel/Fax: XXXX, E-mail: YYYY

<----- 引用終わり


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リハーサル

ミーティング三昧の一日でした。午前中は研究室のミーティング。午後は予告通り、今週末に迫った学会での発表者のリハーサル。いやー、疲れました。でも、逃避行動ばかり起こしてしまう雑用と違って、学生の練習に付き合うのは非常に楽しいです。いろんなツッコミで議論が膨らんで楽しいです。

今日リハーサルを行ったのは、ATLASをやってる博士課程の学生。Kaonをやってる助教。ATLASをやってる博士課程の学生。Kaonをやってる博士課程の学生…のはずでしたが、準備ができていないという理由で明日に延期。Kaonをやってる博士課程の学生。ATLASをやってる修士の学生。Kaonをやってる修士課程の学生。ということで7人、いえ6人でした。明日は、Kaonをやってる学生4人のリハーサルが待っています。10分の講演ですが、練習は一人平均1時間強。明日も5時間近くかかるかな。

しかし、リハーサルを行っても、まだ中身ができていない人もいるので、さらなるリハーサルがあるかもしれません。予想通り今週は学会リハーサル(プラス雑用)週間になりそうです。


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雑用山盛り

引き延ばし続けていた物理学科の新入生研修旅行の事務手続きですが、いよいよやらないとならなくなってきました。

企画、準備はまだいいのですが、金が絡んでくる話は非常に面倒くさいです。100人近い団体の収支を合わせつつ、ややこしい大学の手続きを踏み、宿泊代、宿泊施設での食事代、弁当代、その他を全ての支払い…素粒子物理学者じゃないとできない、素粒子物理学者向きの仕事なんですね、きっと。お金の計算にラグランジアンを計算する必要があるのかもしれません。

も一つ面倒なのが、この旅行のために出席できない授業がでてきます。物理学科の公式行事なので、授業を欠席することで学生が不利益を被らないようにお願いします、という通知を講義を担当する教員に配布、説得しないとなりません。小中高校の修学旅行なら学校行事ですからそんな必要はありませんが、大学というのは各部局(=ほぼ学部ですね)ごとに独立した運営を行っているのでこういう面倒なことが生じます。もっと言うと、この新入生研修旅行は物理学科の公式行事ではありますが、理学部の公式行事ではないということになります。典型的なお役所的縦割りですね、とほほ。でもまあやらないとなりません。他学部(学科)の教員を説得するのも、きっと物理学者でないとならない能力が要求されるに違いありません。

とまあ、いかに私がこの仕事を嫌がっているかがわかってもらえるかと思いますが、物理学専攻の秘書の方から照会がきています。もういい加減やらなきゃなりません…。

しかし、引率や企画はいいですよ。教育の一環ですから。事務手続きもそれに付随してるから仕方ないのかもしれませんが、それを研究者がやるというのは効率的ではありません。けど、こういう仕事を職員の方にお願いすると賃金を払わなければなりません。一方我々教員ならタダです。で、何でも(一部の)教員がやることになってしまうんですね。うーむ。


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全員集合

CERNに長期出張していた博士課程の学生が昨日無事大阪に戻って来ました。KEKに出張中だった修士課程の学生も大学に戻って来たため、ATLASグループでは非常に珍しく、メンバー全員が大学に集結しました。月曜午後はグループの定例ミーティングなのですが、今日は久々にテレビ会議なしでした。全員が一箇所に集まってのミーティングはあまりに久しぶりなので逆に違和感があったくらいです。

明日は午前中が研究室のミーティングで、午後は研究室全体での学会発表の練習会。長い1日になりそうです。


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南部さんを目撃

昼飯どき例によって研究室のメンバーで学食へ行きました。その帰り、物理学専攻の建物に入ったところで、品の良いお年寄りとすれ違いました。いや、でもどっかで見たことある人だなと考えること0.1秒…南部さんでした。オーラを出していなかったので、というより、むしろ気配を消し去っていたのですぐには気づきませんでしたが、まごうことなきノーベル物理学賞受賞者でした。

私たちの大学から近い所に家があるからなのか、素粒子物理関係の研究室とはわりと繋がりが深く、実際、理論グループの招聘教授になっています(=ということは、原理的には南部さんを指導教員に選ぶこともできるわけですね。実際には、ご高齢なので本人の承諾をいただくのが難しいでしょうが)し、素粒子理論の研究室には居室もあります。そんなわけで、日本にいる際にはたまに大学に顔を見せるのですが、今日のように一人で歩いてる所に遭遇するとビックリしますね。


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営利活動

私たち物理学専攻の建物のエレベーターホール前は、各フロアともに学生、教職員がちょっと休めるようなスペースになっています。コミュニケーションスペースと呼ばれ、弁当を食べたり、コーヒーを飲んで休んだり、学生が何人かで集まって自習できるようなスペースで、有効利用されていると私は感じています。人それぞれの趣味によるのでしょうが、いかにも大学、いかにも研究室、みたいな場所だけでなく、小綺麗な喫茶店のようなくつろげるスペースがあることを好むので、コミュニケーションスペースを結構気に入ってます。

そのコミュニケーションスペースですが、1階と2階は他の階に比べて広く、1階部分にはフランチャイズの喫茶店が入るという動き、噂がありました。他の大学では喫茶店やコンビニがキャンパス内にあることも珍しくありませんし、上に書いたように喫茶店くらいあってもいいと思っていたので、この話を楽しみにしていました。が、(たぶん)採算が取れないという理由でその話は消えてしまったようです。残念っ。

何回か書いていますが、私たちの大学、キャンパスは小高い丘の上にあって、地域住民からは隔離された世界になっています。しかも、キャンパス正門の前を中国自動車道と中央環状線という幹線道路が走っているために、より一層世間から隔離されてしまっています。その結果、学生街みたいなものが小さく、地元との密着具合が弱いような気がします。学生が講義のない時間にくつろげる場所もなく、なんというか大学が無機的なんですね。

そんなわけで、地域住民の人も利用したくなるような店でもあればいいかなぁ、なんて思っていたので、喫茶店計画頓挫が余計に残念に感じています。って、物理学専攻の建物1階では誰もわざわざ来ないか…。もしそういうことするなら、柴原というモノレールの駅のほうですかね。駅前ですし、大きな市立病院の隣ですし、外から入って来やすいような構造になっていれば、そこそこの利用者を見込めるのではないかと思うのですが。

そういえば、大学が法人化されて以降、営利活動的なことも認められているわけですよね。きっと?資金運用をプロに委託してるって聞いたことがあるような、ないような…。詳しいことは知らないので、とりあえず営利活動をしてもいいと仮定すると、喫茶店というのはわかりやすい例の一つですが、大学の特色を生かした営利活動ってできないもんですかね。それで得た利益を教育や研究費にまわせるなら、ちょっと真剣に考えたくなってしまいます。バイトをしたい学生を集めて、家庭教師の派遣とか学習塾とか。いや、まあ、それは大学の理念的に難しいかもしれませんが、何かできないかと私みたいなチンピラは考えてしまいます。最近流行の産学連携とかではなく、もっと商売的なことを。

ちなみに、大学ではどこの大学でも、医学部というか付属の病院が大きな赤字を出していて、医学部以外の人間が頭を悩ませていると聞きます。もちろん、私のような下々の人間ではなく、運営にかかわってる立場の人たちが、ですが。ちょっと驚きますよね。独立法人になったら採算を取れるの医学部ぐらいではないかと思いがちですが、実際には逆なんですね。医学というと、どんな無駄があっても許してしまう、許さざるを得ない雰囲気がありますし、高度医療の核ですから、採算を度外視して医療行為を行わざるを得ないんでしょうかね。だったら、独立行政法人とは切り分けろとい感じもしますが、とにかく、現状ではどこも大きな赤字を抱えているそうです。

おっと、だいぶ脱線しましたが、ホント何かいい方法ないですかね。儲かって研究費を稼げるような事業。かつ、地域住民との繋がりが密接になるような企画。そんな夢みたいな企画あるわけないか…。


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学会とか

今週は全般的に比較的スケジュールの詰まっていない週でした。そのおかげで、異常に効率の悪いWordでの書類書きを終えることができました。いやー、それにしても本当に効率が悪かったです。逃避行動に次ぐ逃避行動でした…。ちなみに、別の書類書きをやはりWordでしなければならなかったのですが、それは私にとっては難し過ぎるWordの技術を要求されていたので、別の人に入力をお願いしてしまいました。Jくん、ありがとう。

Wordでの書類書き以外の心の重荷は、来月に迫った理学部物理学科の新入生研修旅行の準備です。ぼちぼち準備を進めていて、今週は、宿泊先兼見学先である天文台の方にしていただく講演の時間調整を行い、これでようやく2日間のスケジュールを固定できた感じです。あとは、一番面倒くさい事務手続き。それから、雨天時のバックアッププランを捻り出さないとなりません。

というわけで(何がというわけなのかわかりませんが)、私の普段のスケジュールからするとだいぶ余裕のある日々だったのですが、来週からはまた忙しくなりそうです。土曜から学会があるからです。自分で講演するわけではないので自分自身の準備は必要ありませんが、学生等が講演をするので、その準備、練習などで忙しくなりそうです。

それから、昨日は学部4年生のKくんがオフィスに挨拶に来ました。来週月曜に引っ越しですが、この週末は私が大学に行くことができないので、挨拶しに来たというわけです。狭い世界ですからこれからまた会うこともあるかと思いますが、研究室の学生部屋にいつもいた彼がいなくなるのは寂しいですね。今日の暖かさで春を感じましたが、人が入れ替わるのも春ならではですね。新しい環境に移っても、元気で頑張って欲しいものです。


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ログブック

たぶんどの分野の人でもそうしてると思いますが、研究者というのはログブック(logbook)というものを持っています。logを辞書で調べてみると、業務日誌、実験記録、、、そんな訳が出てきます。つまり、日々の研究成果、経過を記録しておくノートですね。こんなことやったとか、解析で得られたプロットとか、研究に関するメモ、アイデアなどなど、研究に関する色々なことを記録しておきます。我々の業界では縁遠いですが、複数の研究者(グループ)がどちらが先に研究成果を出したのかを裁判などで争う時の証拠ともなりうるようなものです。

もちろん人によって使い方はまちまちですし、時代によって使い方も変わってきています。例えば、最近は何でもコンピュータで済ませてしまう傾向があるので、メモなどをノートにとらず、コンピュータ上のテキストファイルとしてしまうこともあります。ですが、私はこと研究に関しては割と手書きで記録を残しています。特に、普通の人ならコンピュータ上で表にまとめるような類いのこと、結果一覧表みたいなものを手書きでノートに記録していて、人に呆れられることがあります。

そんなログブックですが、私は修士課程以降自分がつけたログブックを全て持っています。って、私だけでなく多くの研究者が過去のログブックを大切に保管してると思いますが、私はそのログブックをたまたま見ます。修士課程、博士課程のときはKaonの実験、ポスドク時代はBの実験、Fermilabのスタッフだったときは陽子・反陽子衝突のエネルギーフロンティア実験、そして今がATLASと異なる実験、異なる物理の研究をしているので、過去のログブック、特に学生あるいはポスドクだったときのログブックを見ても今の研究に役立つことはほとんどありません。

でも、そういう古いログブックを見るのです。なんでかというと、ログブックには日付も書いてあるので、修士の学生だった当時、博士課程の学生だった当時、ポスドクだったとき、それぞれの時代の研究の進行速度がわかるんですね。かつ、その時々でどんなことを問題意識として持っていたのか、何につまづいていたのか等々、今ではすーっかり忘れていることがちりばめられています。で、それを見て、学生にハッパをかけるときに「これくらいの速度なら研究を進められるはずだよな」と自分の中で確認するのです。同じ目的で、物理内容とは関係なく、自分の修論や博士論文を眺めることもあります。こんな風にログブックが役立つものだとは思ってもいませんでしたが、残しておいてホントよかったです。

それから、古いアルバムを見るような楽しさもあります。わっ、こんなこと考えてたんだ、と驚いたり、幼稚さに呆れたり、今では理解できない数式が書いてあったり、とにかく、当時とは全くの別人で、自分が書いたとは思えない記述がたくさんあるんですね。記憶力のいい人なら新鮮味がないのかもしれませんが、私の場合何でもすぐに忘れてしまうので、一粒で何度でも楽しめる感じでしょうか。自分が書いた記録なのに全部が全部新鮮で、結構楽しめます。

そんなご利益もあるので、研究に励んでいるかたは、事細かにログブックをつけておくといいかもしれません。


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新幹線の座席の幅

前に同じことを書いたことありますが…新幹線の座席の幅は同じではありません。グリーン車と普通車の違いではなく、普通車の中で違いがあります。

東海道山陽新幹線の座席配置は山側2列、海側3列になっています。その海側3列の真ん中、通路側でも窓側でもない座席の幅は他よりも広いです。測ってないので見た感じなのです、2、3割は広いと思います。真ん中で窮屈にならないようにしてるんでしょうね。

これだけなら別に繰り返して書くネタではないのですが、新幹線などの鉄道(乗り物)ネタに詳しいY教授がその事実に気づいていなかったことがわかって、自分の中では小さな驚きでした。というか、周りにいた人々も気づいていなくて驚きました。いつも山側に座るという人なら気づかないかもしれませんが、海側の3列のどれかに座ったら、真ん中の座席の幅が圧倒的に広いと誰でも感じるかと思っていました。

もしこの事実に気づいていなかったら、次に新幹線に乗る時の座席の幅を吟味してください。あまりの違いに驚かれると思います。


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卒論の添削など

4年生が卒論を纏めようとしています。昨日の晩第1稿を提出して来たので、今朝はその添削をしていました。提出期限があるわけではないのですが、昨日も書いたように一人は他大学へ、もう一人は専攻を変えるので、研究室から姿を消す前に纏められるだけ纏めたいという意図があります。その論文ですが、初めての論文のわりにはよく纏まっていて、卒論としての体裁になるのは間近でしょう。

偶然の一致なのですが、博士課程のMくんが過去半年くらいの解析結果を纏めたノートを書こうとしているのですが、その彼も途中までながら第1稿を今日提出。卒論に解析ノートと、今日は修論以来久々に添削三昧です。


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