ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

移動日

今日は大阪への移動日。昼前の便でジュネーブを発ち、アムステルダム、成田を経由して大阪には日曜の晩に着くというスケジュール。ジュネーブに来る時同様、アムステルダムでの乗り継ぎに莫大な時間があるので、今回もまた移動に24時間くらいかかりそうです。

今回の出張の大きな目的は、修士課程の学生の発表につきあうことと、博士課程の学生の研究方針を決めることでした。修士課程の学生の発表に対する聴衆の反応は悪くなかったし、博士課程の学生の研究方針に関しても、私が望む方向性で現場の人のサポートを取り付けることができたので、出張としてはまずまずの収穫があったように思います。あとは、決まった方針に沿って、博士課程の学生がどれだけ頑張れるか、どれだけvisibilityを上げることができるか、が問題です。

一般的に博士課程在学時というのは、人生の中でも一番の踏ん張りどころだし、一番集中して研究をやれる時期だと思います。今話題にしているHくんもまさにそういう時期なので、体を壊さない程度に頑張って欲しいところです。

来週からはまた大学での生活に戻ります。こちらにいる間、4年生実験はリモートで(メールのやりとりで)指導していました。大学にいるポスドクの人に相当手伝ってもらったのかもしれませんが、NaIという結晶に粒子が入射した時の発光量を測定できました。卒業実験に備えての予備実験で、来週からは別の結晶での光量を測り、どちらの結晶を最終的に使うか決めることになりそうです。

それから、授業の嵐のために、4年生対象、修士課程の学生対象、の両方のゼミをしばらくやっていません。来週からはなんとか定常通りゼミを復活させたいです。


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陽子の速度

数日前に、「天使と悪魔」の冒頭で出てきたCERNでのシーンで、LHCで陽子が光速の99%にまで加速された、うんぬんという話題を書きました。それと関連のあるネタなのですが、LHCが設計通りの7TeVまで陽子を加速できたときの速さを計算してみました。

陽子の質量を0.938GeV、運動量が7000GeVとするとβ(=速度÷光速度)が0.99999999102になりました。つまり速度は光速の99%ではなく、99.999999102%です。ちなみに、LHCが動いていない現状での世界最高エネルギーはTevatronの1TeV(ホントは0.98TeVですが、面倒なので1TeVとします)。この場合の陽子の速さは光速の99.9999560%です。99.9999560%が99.999999102%になったと言われても凄さがピンと来ません。が、7TeVの陽子の速さは「光速ー時速10km」で、1TeVの陽子の速さは「光速ー時速475km」なので、その差は時速465kmということになります。光速に近いところ(=質量が静止質量に比べて非常に大きくなっている領域)で時速にして465kmも差があるというのはやっぱり凄いですね。

別の見方で、LHC加速器内に蓄えられているビームのエネルギーがどれくらい凄いか考えてみます。

陽子が1個だけだとそのエネルギーはもちろん7TeV=7×10の12乗eVです。このエネルギーというのは陽子という日常生活からは想像もできないような超微細な粒子1個のエネルギーですから、日常生活のスケールからすると全然凄くありません。よく使われる例ですが、蜂のような虫の運動エネルギーを考えてみるとわかります。質量が1g、飛ぶ速さが1m/sと仮にすると、その運動エネルギーは3×10の15乗eVになります。なんとLHCのビームエネルギーの500倍にもなります。

ですが、加速器というのは陽子(あるいは電子)を1個だけ加速するわけではなく、無茶苦茶たくさんある粒子をビームとして加速します。LHCの場合だと一声10の14乗個の陽子がリング内に蓄えられています。ということで、加速器リングないに蓄積された陽子のエネルギーだと1つのビームあたりで7×10^12×10^14eV=7×10の26乗eVです。単位をジュールに直すと、およそ10の8乗J。これがどれくらいのエネルギーに相当するか暇な人は計算してみてください。100トントラックが時速100km以上で走ってるときの運動エネルギーだったり、航空母艦が最大戦速度で進んでいる時の運動エネルギーだったり、戦闘機が離陸だか着陸するときの運動エネルギーだったり、、、いい加減に例をあげていますが、まあ、とにかくそういうレベルの莫大なエネルギーになります。

というわけで、例えば、ビームを軌道上に保持するための超伝導電磁石がクエンチ(超伝導状態から常伝導になってしまう)して、ビームがビームパイプのどっかに当たったとしたら、その当たった部分が強烈なダメージを受けてしまうわけですね。なので、そうならないための安全対策も加速器では非常に重要になるわけです。


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休講

出張していなければ、今日は講義がある日でした。3週前は台風のために全学が午前中休講。私の講義は午前中なのでそれに巻き込まれて休講。それに引き続いて2回目の休講です。しかし、今学期は木曜日に祝日が重なったり、大学祭の休日が重なったりしないために、2回休講になっても、例年よりも講義の回数が多くなりそう。ということで、安心して休講にすることができました。

そういえば、私は月曜日の講義を(実験も)担当していませんが、ハッピーマンデーの制度ができたおかげで月曜は講義の回数が少なく、休講を出しずらいという話を聞いたことがあります。確かに月曜だと、それぞれの学期で2、3回は祝日に重なってしまいそうですね。

講義以外の1年生相手の実験の授業は、カリキュラムが統一的に組まれているので休講を出すことができません。しかもその授業を3つも担当している私は極度に出張しずらい状況なのですが、今回のように無理して出張する場合は、他の曜日を担当している(同じ授業が曜日をずらして複数回行われます。受講する学生数が多いので)教員と交代してもらうことになります。ですが、私の場合担当が複数あるので他の教員に交代してもらうことも難しくて、1つの授業は交代ではなく、私たちの研究室のY教授にピンチヒッターをお願いしました。そうか、その授業が今まさに行われている頃です。

先週は、今週のために交代してもらった授業も含め、実験の授業が12コマ、講義が1コマありました。プラス、科研費等の書類の締め切りに追われていたのでフラフラになりながら毎日の業務をこなしましたが、それに比べると今週は天国です。無視していた風邪の症状は悪化してるような気もしますが、体感的なしんどさは非常に和らいできました。週末、日本に帰る頃にはだいぶ体調が良くなるのではないかと思います。ただ、私の場合、気をつけなければならないのは飲み過ぎですね。明日、明後日と飲みに行くのですが、飲み過ぎないように注意しないとなりません。


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早くデータが欲しい

ミーティングに出ると思うのですが、LHCのビーム衝突データが待ち遠しいですね。何を今更というコメントですが、現場に来て、色んなミーティングで発表を聞くと強くそう思います。というのも、データがないがために、そこまでやるかというくらい色んなことを調べたり、そういう研究テーマを捻り出すか、というような発表が結構あります。発表も研究内容もクオリティが悪いわけではないのですが、それをやったからって、ヒッグスやSUSYを探すのにより有利になるとか、そういう話ではないわけです。

例えば、すごーく頑張ってある特定の検出器のある部分の調整をしたとしましょう。ある段階までは何らかの測定精度を上げるのに役立ちますが、あるところまで来ると、その測定器の調整をいくら頑張っても別の原因のために、最終的な測定精度を上げることができなくなったりします。検出器の性能をフルに発揮させるという意味では確かにやる価値があるのかもしれませんが、物理解析の結果には影響を与えない、というようなこともあるわけです。普通はそんなことをやりませんし、そういうことをやる前にデータが来て、もっと他にやるべきことがたくさんできてしまいます。ところが、LHCでは人が多い上にデータがないので、そういう物理結果に影響がないと思えるようなところまで研究を進めている場合があります。こういう状況を目の当たりにすると、冒頭に書いたような当たり前の感想を持ってしまいます。

しかし、何度も書いていますが、博士課程の学生とかポスドクの人にとっては死活問題です。タイムスパンの長い高エネルギー実験の世界では、テーマ選びがどれくらいの期間でD論を書けるかを決めるわけですが、これだけ実験が遅れることを予想するのはなかなか難しいのではないかと思います。とりわけ、何事も予定通りに進む日本で生まれ育った学生には、予定がどれくらい遅れるかを予想するという作業は難しいのではないかと思ったりします。
…なんて書いていますが、実は他人事ではなく、自分の学生やポスドクもそうですし、自分自身にも影響があります。タイミングよく(?)今が科研費申請の時期なので思うわけですが、これだけの遅れを想定して研究計画を立てるのは至難の業です。

今度こそは本当にビーム衝突が始まって欲しいです。ちなみに、現段階ではトラブルの話は聞こえてこないので、予定通り11月中旬から末頃にはビームをLHCに入射できるのではないかと思っています。


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学生の発表

今回の出張の大きな目的の一つが修士課程の学生がミーティングで発表するので、それに立ち会うこと。ATLASの荷電粒子飛跡検出器は3つ(ミューオン検出器を除く)あるのですが(Inner Detectorと総称されます)、今週は、その3つの検出器グループが1週間に渡って重点的に会議をするID weekと呼ばれるミーティング週間でした。このID weekでこれまでの研究内容を発表するのが当面の目標で彼は頑張ってきましたが、その発表が初日の昨日ありました。

多くの日本人にみられるように英語に不安を抱える彼は、発表前に異常に緊張していました。普段は人を弄るキャラなのですが、今日は朝から「緊張してる」とずっと言い続けて、それ以外の発言がないほどでした。学会発表でもそうですが、私の場合、若い学生の発表は自分が発表するよりも緊張します。しかも、緊張というのは伝染するので、今回は私も内心では結構緊張していました。

で、発表。緊張しながらもちゃんと張りのある声で発表できて、英語での発表のデビュー戦としてはまずますでした。いっつも学生に言っていますが、英語がヘタクソでも内容が面白ければちゃんと人は話を聞いてくれます。今回の発表も、わざわざ大きなミーティングで発表させようと調整したくらいなので、人を惹き付ける研究内容だと思っていました。案の定、発表の後にたくさん質問やらコメントが出て熱い議論になりました。ということで、発表は成功。今回の出張の目的の一つは達成されました。

ところで、学生の発表にはcontroversialな内容も含まれていました。というか、発表内容の方向づけ(=研究の方向づけ)は私がするのですから、私がそういう方向へ持って行ったわけなのですが、それが熱い議論をもたらしました。そういうときに面白いのが人間模様です。controversialな提案に対してイギリス人のsoftware coordinatorが強く反対すると、今回の発表内容とは直接関係ないのですが、前に私と一緒に仕事をしていたイタリア・スペイン・ドイツ連合は私の意見をサポートしてくれるのです。

大きな実験グループ、それも国際協力型の実験になると、こういうことがよくおこります。Collaborationというのは名ばかりで、その中では戦争が繰り返されていています。で、日本人のグループと違うのは、どっちかが撤退するまでその戦争が続くことが多いです。落としどころを探る、みたいな面があまりなくて勝ちか負けなんですね。いや、もちろん、落としどころを探すこともあるのですが、一般的にはケリがつくまで戦い続けることが多いです。日本人の多くはこういう戦いが苦手、というか、戦いたくない人が圧倒的に多いので、大型国際協力実験を経験すると、あるいはその内情を知ったがために、大型実験を避けるようになる人が結構います。KEKのKさんからヤクザ呼ばわりされる私みたいなタイプの人間でないと、やっていくの大変なんでしょうね。特に小さな実験から移行してきた人にはツライものがあるかもしれません。私の場合、やってる実験の規模が徐々に大きくなってきたので、それで適応できているという面があるのかもしれません。逆に、学生時代の最初の実験が大型実験の場合は免疫ができて大丈夫なんでしょうかね。どうなんだろう?書いていて疑問がわいてきました。

まあ、それはさておき、孤立した部隊ではなく支援してくれる人々がそれなりにいてくれるのは心強い限りです。ただ、今回の論点に関しては相手の言うことも一理あるので、お互いが納得できる形に持って行くのがいいかな、と考えています。

さて、今回の出張の残りの目的は、数多くあるミーティングに出席して情報収集することはもちろんなのですが、これからのATLAS Osakaグループの戦略を立てるために、特に博士課程の学生の研究方針を固定するために、何人かの人と相談をすることです。これから数日間は、ミーティングの合間を縫って人と話をするのが仕事になりそうです。


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CERNに到着

昨日の夜23時くらいにCERNに着きました。今回はいつもよりちょっとだけ長旅で、家を出てから宿舎に着くまでまるまる24時間かかりました。途中トラブルがあったわけではなく、アムステルダム乗り継ぎの際に、待ち時間が4、5時間というフライトしか取れなかったからです。通常だと待ち時間2、3時間のことが多いので、その分を考慮に入れると、旅自体はいつもと同じかいつもよりもスムースでした。しかも今回はoverbookingでpremium economyというエコノミーよりもちょっと広い席にただでアップグレードされたので、成田・アムステルダム間がいつもよりもだいぶ楽でした。なにしろJALのエコノミーは世界一(?)狭いですからね。

さて、CERNに(からの)移動の際にいつも書いているフライト中の映画の話ですが、今回は「Always 三丁目の夕日」を見て、これまたいつも通り大泣きしました。泣くぞ、と身構えて見ているので、食事の時のでかいナプキンを用意しておいて、涙が出ても鼻水が垂れても大丈夫な体勢で見ましたが、もう、ナプキンが足りないくらい色々液体が出ました。「うわー、わざとらしい泣かせるための演出だ」と頭の片隅で思いながら、大泣きしてしまうんですね。自分でも不思議なくらいです。カラオケで叫んでストレス発散するのと同じように、ある種のストレス発散メカニズムだったりするんでしょうかね。

もう一本が、あの「天使と悪魔」。冒頭にCERNが出てくるシーンが一番の見せ場ですかね。我々にとってはつっこみどころ満載で、東大の早野教授でしたか、真面目な回答を(宣伝も兼ねて?科学者の使命として?)発表していましたが、その気持ちがわかりました。まず一番最初…白衣を着ている素粒子物理学者にはなかなかお目にかかれません。科学者=白衣というステレオタイプっぷりにまずは爆笑。

そして、LHCのコントロールルームとおぼしき場所でのシーンなのですが、イベントディスプレイや加速器屋さんがカッコよすぎで、ここは笑うのではなく、おーいい宣伝だと拍手でした。いや、しかし、あんなに簡単にビームを加速できるといいんですけんどね…。ルミノシティ(そういう言葉を映画中では使っていませんでした)が簡単に10^34に到達してるのも素晴らしかったです。ちゃんと取材してるんだなぁ、って。ただ、加速器っておもいっきりナマモノで、世間の人が思ってるほどコントロールできてないんですね。ルミノシティ上げようと思って色々やって、なんかわからんけど、段々ルミノシティ上がってきた、みたいな感じなんですね。実験屋でも加速器屋と一緒に仕事しないとわからないのですが、あまりにも莫大なシステムで、莫大な系なので、人間がビームを完全にコントロールするというのは非常に難しいです。なんかわからんけど、こうやったら上手く行った。こうやったら上手く行かなかった。という、ある種の経験則をもとに、後から加速器の挙動を理解していく、というのが、特に、立ち上げ時の加速器です。

あ、それからこういうシーンもありました。「陽子が光速の99%にまで加速された。」とビームの衝突、反物質の生成を待つシーンです。えっ、99%???加速器はLHCではないのですか?いや、もちろん、反物質作るだけならLHCでやる必要は全くないのですが、ATLASやCMSという言葉まで出てきてるのに、いつのまにか低ネルギーの実験になってます。今、計算しましたが、光速の99%では、陽子の場合運動量7GeV程度しかありません。どっかのLinacかPSでのエネルギーです。LHCでは入射時のエネルギーは450GeVです。

…と、こんなの単なる演出なんだから、ということはわかっていますが、それを分かった上でこっちもツッコみを入れて楽しんでいます。


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とりあえず提出

科研費の申請書を2本、とりあえず提出しました。電子申請なので、いつでもどこからでもネットワークさえあれば提出できるので助かります。これを大学の事務がチェックを入れて、問題がなければ大学から学振に提出、ということになります(仕組みをよくわかってないのですが、そうですよね?)。学振では要求していない大学独自のチェックがあるので、1回ですんなりと申請を受け付けられるということは滅多にありません。少なくとも私の場合…。

そういうことなので、明日からCERN出張なのですが、申請書類一式はPCだけではなくUSBメモリーにも入れて、2重に持って行きます。受理されたわけではないので完全に安心はできませんが、それでも、後は様式の問題だけなので、気持ち的にはだいぶ楽になりました。

そんなほっとした土曜の午後なのですが、しかも明日からの出張の準備をまだ全然していないのですが、今日はSaturday Afternoon Physics (SAP)という高校生向けのレクチャーシリーズの第1回。ということで、今からその準備に行きます。だいぶ前にSAPのことを話題にしたことありますが、繰り返すと、大人でも受付人数に達していなければ参加できると思います。で、今見てみたところ、まだ参加数に余裕があるようですので、お近くの方は1度遊びに来られてはいかがでしょう。


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研究助成金

申請したことすらすっかり忘れていたのですが、某財団からの研究助成に採用されたという通知を受け取りました。と、言ってもそれほど景気のいい話ではなく、私が現在貰っている科研費よりも遥かに少額で、これで安心して研究に臨めるというほどのデカイ研究助成ではありません。でもまあ、不採用よりは遥かにマシなわけで、これでシリコン関係の研究費を少しだけ確保できました。

しっかし、申請したことを忘れていたくらいですから、採用されるとは全く思っていませんでした。基礎科学研究助成という名前ですが、過去に採用されている研究は生物が半分、残りが化学と物性、という感じで、素粒子関係は約100件採択される中でせいぜい1件くらいしかありませんでした。しかも、採択率は8%程度で、科研費よりも遥かに低かったので(科研費の採択率は種目にもよりますが、25%前後くらい)、応募はしてみたものの採択されるとは予想していませんでした。そのため、応募したことすら忘れていました。

他にも応募できる助成金は少額でも応募してきましたが、やっぱり、数を撃ってみるものですね。あるいは、金をくれーっ、という気迫が申請書の文章から伝わったんでしょうかね。はたまた、審査員に素粒子関係の人が運良くいてくれたのかもしれません。

審査員といえば、私立の財団の助成金審査は有名どころが数名(せいぜい10人程度)だけで審査員を構成していることが多いので、審査員にどういう人がいるかで採否が大きく影響される可能性があります。数学、物理、化学、生物、宇宙、地学、という全てのジャンルで10人程度なので、実質物理なんかだと1人かせいぜい2人くらいの審査員が判断するような状況ではないかと思います。で、当たり前といえば当たり前なのですが、私立の財団なので、審査基準が平等ではないと思えるケースが多々あります。例えば、過去の審査員と、採択されたテーマを調べると、激しく相関関係があったりします。宇宙関係のお偉いさんが審査員のときは、物理で採択されるのはほとんど宇宙、みたいな状況だったりするわけですね。あ、それは、私が毎年応募して、毎年落とされる財団です。でも、それは仕方ないので、私としては心の中で「今年こそ審査員変わってくれ」と祈りながら申請しています。過去の審査員はわかりますが、応募する年の審査員は誰かわかりませんからね。ということで、1回や2回や3回や4回や5回くらい採択されなかったくらいでは、諦めずに応募し続ける価値があるのではないかと思っています。

それに比べると、科研費の審査はこれまた当たり前ですが、遥かに平等な気がします。審査員がどういう審査をしているかチェックする仕組みがあって、例えば、上記のようにある特定の分野にだけ高評価をしているようなことがないかは、真っ先にチェックされます。あと、そもそも、複数の分野から、かつ、それぞれの分野から複数の人間が審査員になっているので、それだけでもかなり公平性を上げているのではないかと思います。


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先週の実験の時

先週、1年生物理学実験をやっていたときのことなのですが、授業中に同じ実験を担当している別の教員が私のところに質問に来るという出来事がありました。それも同じ日に3人の人が、です。質問内容はみんな別々なのですが、それぞれに質問したくなる気持ちがわかる内容でした。幸いにして私はどの質問に対しても明確な考えを持っていましたが、1年生の授業内容でも真剣に突き詰めて考えると実は難しい、という問題が多々あることを示しています。しかし、3人の人が同じ日に相談に来るというのはきわめて珍しいですね。

で、何が言いたいかというと、授業内容が実は難しい問題を含んでいたり、そもそも実験では、真の値、真の答えを知らないから実験するわけで、答えのわからないことをやっているとも言えるのですが、学生さんはそれまでの勉強の経験から必ず答えがある、教員は答えを知っていると思ってしまうんですね。あ、誤解されないように書いておきますが、3人の教員からの質問というのは、学生からの質問に答えられなかったというのではなく、教員自身が疑問に思ったこと、です。

話を戻すと、ある測定をします。そして、その測定値と誤差を求めなさいと言うと、多くの生徒が結果を見せてこれであっていますか?と尋ねてきます。でも、私は真の値を知りませんし、そもそも、測定値とその誤差によって最終結果も違ってくるわけです。にもかかわらず、必ず答えを聞いてくるんですね。彼らにとっては、正解かどうかが一番重要で、まずは反射的に正解かどうかを気にします。そんなに「正解」が気になるものなのですかね。正解はないんだ、だからこそ測定結果を吟味する必要があるんだ、ということを毎回毎回繰り返し説明するのですが…理解してもらうのに苦労しています。

とまあ、ぐだぐだ言ってますが、実験の授業はやはり楽しいです。生徒とたくさん話ができるので面白いです。


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自然科学実験

今日の実験の授業は早く終わりました。

理学部の学生全員が対象の自然科学実験という科目があって、この実験では、物理、化学、生物、地学、そして数学までと、全ての学科の実験をやります。自分の専門以外のことも軽く(?)やってみよう、というのが授業の趣旨のようです。そういうわけで、学科の垣根を越えたクラス編成、班編成で、実験を行います。脱線ですが、このクラス編成と班編成は、自分の学科以外の友達を作るいいチャンスで、授業内容はさておき、なかなかいい企画のように思います。

で、私の担当は放射線実験。とはいえ、木曜と金曜に担当している物理学実験と違って、レポートもなければ、誤差に関する議論もないという、高校生以下が対象でも大丈夫なないようです。他学科の学生も含めているのですから、当たり前といえば当たり前の話ですが、とにかくそういうわけで、実験を楽しんでもらおうというのが趣旨とも言える科目です。

どんなことをやるかというと、まずは霧箱。キャンプで使うマントルがα線を出すので、それを線源代わりにして、α線の飛跡を目で観測してもらうという有名な実験です。目で見ることができないがために素粒子・原子核というのはとっつきにくいジャンルの学問だと思うのですが、視覚に訴えかけてくる数少ない実験で、毎年、学生にも評判がいいです。

もう一つは、シリコン検出器を使ってβ線の透過力の測定。先に書いたように、定量的に何かを求めるというのではなく、どれくらいの物質があるとβ線は止まるよ、くらいの大雑把な内容です。

去年も担当しましたし、昼飯を食べながら教科書を読んで今日やること、説明することの流れは確認したつもりだったのですが、年度の初回だったので、やはり説明がしどろもどろになることがありました。自分で一から考えた授業内容と違って、説明の流れはきちんと頭に叩き込んでおかないとなりませんね。授業だけでなく、研究の発表でも自分が作ったスライドなら準備無しでもスラスラ説明できますが、人のスライドの説明って大変です。言い訳はさておき、次回以降はもう少し滑らかに説明できるようになるでしょう。


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1年生物理学実験

すでに書いた通り、先週から1年生物理学実験の授業が始まっています。今期は木曜と金曜のダブルヘッダーなのですが、来週の出張に備えて授業を交代してもらったため、今週は火曜日の今日も授業でした(今週はさらに水曜日の午後も似たような授業があるので、午後はずっと旧教養の建物まで遠征です)。

実験が初めてなので、先週はある真鍮の体積と質量を測定して密度を最終的に測定。誤差や有効数字の概念、最小二乗法などに慣れ親しんでもらうことを目的としていました。今週はその結果についてレポートにまとめる、というか、レポートの書き方を学んでもらうのが目的で、最初に説明をした後は、今日はひたすら学生がレポートを書くのを待っていました。

しかし、私が言うのもなんですが、理系の学生は授業をこなすのが結構大変ですよね。あ、いや、私が不真面目な学生だったからそう思うのかもしれませんが(他の教員とは温度差がだいぶありますから…)、他にも実験のレポートがあったり、講義だけでなく演習でもレポートがあったり、と、全部を真面目にこなそうと思ったらかなり大変なのではないかと感じます。

それに比べると、学生時代に聞いた話も、今になって聞く話も、文系の学生は楽ですね。なんで、こんなに差があるのかと愕然としてしまいます。だから何だと言われると、別に言いたいことがあるわけではないのですが、今日学生と話をして、昔自分が学生だった頃によく感じていたことを思い出しました。

…理系の学生の皆さん、頑張ってください。


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芋煮会に参加できず

今月末に奈良女の高エネルギーグループが主催する芋煮会という催しがあります。春の花見と秋の芋煮会という2つの催しが、関西の高エネルギー関係者の間で定例的に開かれています。花見は各大学の持ち回りで準備をするのですが、芋煮会はずーっと奈良女が担当するという有り難い催しです。

去年はこの芋煮会に初めて参加して、子供共ども楽しんできたのですが、今年は残念ながら参加できません。普段は接することのない他大学の学生と酒を飲んでざっくばらんに会話ができるという素晴らしい企画なのですが、出張と重なってしまいました。それも、今年になってやっと2回目(しかも1週間という短期)というCERN出張と重なってしまいました。不運です。

私と並んでこういう企画が好きそうなOくんも私と同じスケジュールでCERN出張。きっと彼も不運を嘆いていることでしょう。が、嘆いているだけでは面白くないので、CERNに行ったら現地滞在している人々と酒を飲む計画を立てています。って、芋煮会に参加できるできないにかかわらず、酒を飲む計画はCERNに行くたびに立てているのですが…ははは。


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科研費二種目の公募停止

ご存知の方も多いかと思いますが、若手Sと新学術領域(研究課題提案型)の公募が停止になりました。先週の金曜日に知ったのですが、民主党政権になってからの心配が現実化してきた感じがします。政権が変わったのだから、今まであった予算がなくなるのはある意味当然。今まで通りの予算があると思っている自分が、知らず知らずのうちに既得権益を主張しているだけなのかもしれませんが…うーん、なにか、いやーな感じです。

本当は相当腹立たしいのですが、こんな落ち着いた書き方ができるのは、自分が応募しようとしていた種目ではないからで、もし公募停止になったのが自分の応募しようとしている種目だったら鬱になりそうです。いや、鬱になるのは嘘ですね。酒飲んで暴れるくらいでしょうか。(話題が完全に逸れてしまうのですが、最近流行(?)なので鬱関係の本は結構たくさん読んでいます。人から鬱にならなそうなタイプだと言われてるし、自分でもそう思っていますが、色々本を読んだ結果…やっぱり私は鬱とは程遠いタイプかもしれません。鬱になるよりも体力のほうが心配です。)

しかし、民主党のやることはよくわかりません。小泉政権の方針とは逆で(小泉政権以後の自民党も今の民主党と同じようなものですが)、財政赤字を膨らませよう。保護主義に走ろう。外国人が日本の株を買わなくなって景気が下がっても気にしません。とにかく金をバラまけばいいのだ、という古い自民党体質を引き継ぐのは、国民が総選挙で選んだことだから、民主主義のルールなのでまあ仕方ありません。

ですが、そのバラまき方は私の理解の範囲を越えます。

景気対策の補正予算を削って本予算に回すって、、、来年以降はどうするのでしょうか。政府の景気対策でなんとかもっている景気なのに、景気対策なしで来年度以降は逆に税収が数10兆円も増えると思っているのでしょうか。

景気対策の一環として科学技術に金をばらまくのは、私が受益者の立場だから言うわけではありませんが、科学技術立国である日本の未来に投資するわけで、土地を買収し道路を造ったツケである高速道路代をただにするよりも、筋が良いと思うのですが。なぜダメなんでしょうか。

前にも書いたことありますが、私は二酸化炭素が地球温暖化の原因かどうか疑っています。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。現状ではわからないのではないか、と考えています。が、それは置いておくとして、政府はとにかく二酸化炭素を減少させる低炭素化社会を目指していると公言してるわけですよね。とてつもない数値目標まで発表しましたよね。今書いた通り、今はその是非について語ろうとはしていません。ただ、そういう大きな目標を掲げているのに、なんで高速道路代をただにするのかやっぱり理解不能です。同じバラまくのなら、低炭素社会を目指してバラまく方法がいくらでもあると思うのですが、なぜ、そういう方向へは行かないんでしょうか。太陽電池の購入補助、電車代の補助、等、すぐにでも幾つも思いつくのですが、排気ガスを増やすための援助でないとだめなんですね。

子供手当もまた意味不明です。1度集めた税金を戻すよりも、子供一人あたりなんぼというように税金を減らしたほうがよっぽど効率的です。ちょっと前に自民党がやったバラまき同様、1度集めてまたバラまくというのは効率が悪過ぎます。そこでどれだけ役人の人件費を使うことになるのか教えて欲しいものです。さらに、子供手当としてバラまくのに、扶養者控除だか、配偶者控除を減らすのは、結婚して子供を増やすという行為を国が援助しようとしているとは思えません。というか、この話は笑いました。子供手当の代わりに、子供手当をもらうような家庭の税金を増やすんですよ。いやー、見事。

マスコミは、天下りする役人を槍玉に上げる前に、族議員と業界団体の癒着も取り上げて欲しいです。そこが掃除されなければ、民主党でも自民党でも政治が変わるとは思えません。

おっと、逃避行動に走らず書類書きしてます、なんて書いた途端におもいっきり逃避行動に走って、長ーいエントリーになってしまいました。

あっ、でも、この話関連で、スラッシュドットのエントリーに面白いのがありました。科研費の2つの種目が公募停止になったネタが取り上げられていたのですが、「公募は停止になってもちゃんと科研費マクロを用意してる人たちは偉い」という書き込みには爆笑しました。Y教授の仕事を評価している人は世間に多いですね。かくいう私も科研費LaTeXには激しくお世話になっています。


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運動会

昨日は子供の幼稚園の運動会でした。ところが、昼頃から雨が降ってきたため、午後のプログラムは今日の午前中に回され、親としてはツライ2日連続の運動会でした…。

そんなわけで、今日は午後から例の書類書きを続けています。一時期よりも見通しが立ってきたせいか、逃避行動が少なくなってきました。


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また故障

と言ってもLHCではありません。LHCは予定通り11月中旬のビーム入射を目指しています。英語ですが、メディア用のオフィシャルなウェブサイトをCERNが準備したようですので、興味のある方はこのサイトを見てください。最新のスケジュールを確認することができます。

じゃあ故障したのは何かと言うと、4年生実験で使っているADCという装置です。それも2台。しばらく前にCAMACというデータ収集システムが動かないで苦労していたことを書きましたが、先週の始めにNさんからクレート・コントローラを借りて、それでデータ収集システム自体は動いていました。が、その直後からADCが2つまとめて怪しい挙動を示していました。

このブログをチェックしてる方ならわかるように、今週は私が授業等でスケジュールが過密、4年生と一緒に実験をやる時間がなかったために、あまりデバッギングが進んでいませんでした。今日の午前中なんとか時間を作って、研究員のRくんにも手伝ってもらい調べたところ、ADC自体が確実に故障していることが判明。それも2台が全く同じ症状で故障です…。怪しいですよね。2台が全く同じように故障するって。

とりあえずCAMACの電源の出力電圧をチェックしましたが、それは正常。電源以外で2台のモジュールをを全く同じ症状で故障させることができる可能性のあるものって、他にありますかね。うーむ…。


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授業三昧

ここしばらくは授業三昧の日々です。

今日は2限が4年生(あるいは大学院生)相手の講義。3限から5限までが1年生相手の実験の授業。1日中授業をしていたような気がします。明日も3限から5限までは今日と同じ実験の授業。来週はこれらに加えて、火曜の午後も同じ実験の授業。プラス水曜日の午後も1年生相手の別の実験の授業。ということで、火曜から金曜まで毎日13時から18時までは1年生相手の授業です。4年生相手のゼミもできなければ、修士課程の学生相手のゼミもできず、木曜2限の講義の準備をする時間すら無いありさまです…。

国際会議のproceedingsと物理学専攻の年次報告書のの締め切りが来週、科研費の申請書×2の締め切りが再来週半ばなのですが…うーむ、なかなかいい感じになってきました。この切迫感がたまりません。


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教科書のタイトル

すみません、今気づきましたが、昨日のエントリーで取り上げたゼミの教科書のタイトルは

The Experimental Foundations of Particle Physics

です。2nd editionがわりと最近出まして、それでゼミをやることを思いつきました。

出版社: Cambridge University Press
ISBN-10: 0521521475
ISBN-13: 978-0521521475


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研究室の紹介

3年生5人が研究室見学に来ました。全ての研究室を見て回ると言っていましたが、なにはともあれ、私たちの研究室も見学してもらってよかったです。

3年生を相手に研究内容を説明するのは難しく、研究や研究室での生活が楽しいことを精一杯訴えたつもりなのですが、伝わったかどうか…。もちろん私たちの研究室を希望してくれたら嬉しいですが、どの研究室を希望するにしても、色々な研究室を見て回ろうという彼らの姿勢は素晴らしいです。

しかし、こういう機会に感じるのは、私たちの研究室、特にATLASグループの見せ物の少なさです。実験をやっているのはCERNですし、シリコン検出器の開発をしているのはKEK。というわけで、大学でハードウェアをいじっていないので、見せる物がないんですね。今M1のOくんがシリコンのハードウェア関係の研究に移行する予定なので、それを機会に、大学にもシリコン検出器のテストセットアップを立ち上げたいと思う今日この頃です。


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今日のこれまで

午前中は研究室のミーティング。

午後はまず修士課程の学生とゼミ。過去の有名な実験結果をまとめた(結果が発表された論文がダイジェストされている)教科書があるので、それを新たに始めました。今回は担当の学生が決まっていなかったためにあまり進みませんでしたが、別のゼミのある学生がいたのと、私もその直後から別のミーティングがあったので、15時前に終了。

15時半から1時間強、共同研究をしているFreiburg大のメンバーとテレビ会議。D1の学生は今もFreiburg大に滞在中で、彼の研究の進捗状況の報告と今後の方針の相談でした。Freiburg大スタッフのマトモさ(まあ、マトモだと思ってるから共同研究を始めたわけですが)を再認識し、かつ、一人でドイツに滞在中の学生の逞しさを確認できたのは収穫です。

その後17時から、N大とK大と私たちのグループで定例的に行っているATLASの研究会。2時間強のミーティングをこれまたテレビ会議でやりました。と、そういえば、実は修士課程の学生のゼミですらテレビ会議です。KEKに長期滞在中の学生がいるので、ゼミですらテレビ会議システムが必要です。

ATLASの研究会修了後は、例の国際会議のproceedings書き。午前中のミーティングの前や、午後も30分弱の細切れの時間を利用して書き進めようとしているのですが、物書きは細切れの時間では難しいですね。書こうと思って端末の前に座ってもなかなか書き始められず、10分か15分くらいのアイドリング(?)後、やっと調子が出てきて文章を思い浮かべられるようになるのですが、調子が出てきたところで次のミーティングのために物書き中止。となってしまい、効率が悪いです。やはり、物書きするには、週末のようにまとまった時間が効率良いです。小説家などがホテルに缶詰になって集中して物書きをするという話を聞きますが、なんとなくその気持ち、理由がわかったような気がします。


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追い詰められる

だいぶ追い詰められています。と言っても、警察に追われて追い詰められたりしているわけではありません。当然、追い詰められているのは諸々の締め切りに、です。

前々から書いている通り、科研費の書類と国際会議のproceedingsの締め切りが迫っていて、かなりのピンチです。今週末はずっと仕事しているのですが、その捗らないこと…。来週以降のスケジュールを考えると週末しか書類書きのまとまった時間がないのですが、そういう追い詰められた状況を考えれば考えるほど作文できなくなって、逃避行動に入りたくなってしまうのはなぜなんでしょうね。

こういう時は明るい話題を思い出して自分を鼓舞することにします。

私にとってここ最近で最も明るい話題といえば、M1のOくんが、博士課程進学宣言をしたことです。入学当初は進学確率0%ですと言い張って、進学の勧めを聞く耳を全く持っていなかったのですが、しばらく前から進学確率が0%よりはだいぶ増えたと言っていました。で、先週末の飲み会ではとうとう「俺は進学するぞー」という叫び・宣言が飛び出しました。
いやー、素晴らしいことです。もう一人のM1の学生もぜひこの流れに乗って欲しいものです。

今回の件で本人の心境の変化を分析するつもりはないのですが、一般的に、やはり先輩とか周囲にいる若い人の影響というのが博士過程進学に大きく影響しますね。Oくんの場合、研究が面白くなってきたというのも勿論あるのでしょうが、一緒に晩飯を食べに行く仲間(研究員、博士課程の先輩、4年生)の影響がかなりあったのではないかと推測します。彼らの楽しげな様子と雰囲気が博士課程進学を後押しした形跡があります。あ、あとは彼女の影響もあるかもしれません(実はこっちのほうが影響力大なのかもしれませんが…)。

何を言いたいかまとめると、博士課程進学のような人生の選択は、指導教員が頑張ることはもちろん必要ですが、それ以外にも研究室の周りの雰囲気が大きく影響するなぁ、ということです。

まあ、そんな分析はともかく、博士課程進学者が増えたのは非常に悦ばしいことです。と、自分を高揚させたところで、書類書きに戻ります。


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平均余命と太さ

新聞で、肥満度と平均余命の関係の記事を読みました。太さを太いほうから肥満、太め、標準、やせ形と分類します。すると一番の長生きが太め、次が標準と肥満がでほぼ一緒、やせ形が一番平均余命が短い、という内容です。覚えているだけでも3回くらいは同じ趣旨の記事が過去にありました。で、毎回不思議に思ってしまうのですが、標準体型って何を基にどうやって決められているんでしょうね。

BMI(でしたっけ?)で多分太さを分類しているんだと思いますが、もし、今回読んだ記事の(プラス、過去に何度も記事になった)易学調査が正しいとすると、BMIの意味がよくわかりません。標準体型と言って、一番病気にかかりにくいのはこういう体型だ、と導いている体型が明らかに間違っているわけですよね。しかも、その数字をもとに、健康診断で、もっと運動して体重を減らせとか言われるわけですが、それって、平均余命の短い方向への誘導なわけで、かなり悪質です。

もちろん、私みたいに俺流な人は、健康診断で何か言われたくらいで生活を変えるわけありませんし、変えようと思ったこともないので実害は全くありません。ですが、健康診断で言われてることとか、ワイドショーでみのさんが言ってることを信じてしまう人が日本には何千万人もいるわけですよね。でもって、それを信じて平均余命が短くなるかもしれないダイエットをしようと思ってしまう人もいるわけで…。

今回の記事みたいな結果はむしろ稀で、その世界の定説とは逆なので記事になった、というなら、それはそれでBMIの設定が正しくてめでたいことですが、真相がどうなっているのか気になります。って、どこかで調べればわかることなのかもしれませんが、バイアスのない真の調査結果を見つけるのはそれなりに難しいんでしょうね。だからこそ、今回のような記事が出たりするわけで、その道の専門家の間でも実は意見が分かれてたりするのかもしれません。


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べろんべろん

昨日は激しく酔いつぶれました。

重なる時は重なるもので、先週末から数えて3回目の飲みでした。そのせいで疲れていたのかそんなに飲んでいないのに久々に潰れました。大学の近くで飲んでいたので、終電車をのがし(というか、終電車はあきらめて2軒目に行ったのですが)大学に戻って寝たのですが、学生が寝袋を持っていたのはラッキーでした。寒いおもいをせずに快適に寝られました。Lくん、ありがとう。

にしても、酔いつぶれた翌日の青空は眩しいですね。


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長い会議

今朝も書いた通り、午前中の授業は大学(理学部)のルールで休講でしたが、念のため教室に行ってみると案の定5、6人の学生が来ていました。ウェブを見ても何も書いてなかったので来たと皆言っていました。予想通りというか、誰も便覧なんか見ないし、どこにあるかもわからないという意見が大勢です。事務の原理・原則論が通用するはずありません。

と、そんなことがありましたが、午後からの授業は平常通り。今期は木曜午後と金曜午後が1年生の物理学実験。今日はその初日で1時間弱のガイダンスだけしてきました。また明日も同じことをするわけですが、全く同じことを繰り返すというのは職業上あまり多くないことで、ある意味珍しい経験かもしれません。

ガイダンスの後は本日のメインイベント(?)の物理学専攻の会議。今日は(も?)長くて16時半から19時半までみっちり3時間でした…。へろへろです。通常は2時間半くらいなのですが、いやー、本当にこの会議は疲れます。って、毎回この会議があるたびに同じことを書いてるような気がします。

そしてその後すぐに、CERNに滞在中のKEKのスタッフの人とテレビ会議で打ち合わせ。30分ほど前にその打ち合わせを終えて、今は科研費の書類書き(の逃避行動中)です。もう少し頑張らねば。


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午前休講、午後平常通り授業

台風の影響で私たちの大学というか、理学部では(細かなルールは学部ごとに違うので確認が必要)、午前休講、午後から正常通りの授業となっています。

しかし、この周知の仕方は非常に不親切です。大学、学部、学科、どのウェブサイトでもいいですから、トップにばしっと午前休講で、午後から平常通り授業を行うと書いておけばよいと思うのですが、そういう情報がどこにもありません。代わりにあるのは、昨日アップロードされたもので、何時までにどういう警報が出ている場合はいつの授業が休講、みたいな説明文です。確かにこれを見て、気象庁で警報が何時まで出ていて何時に解除されたかを調べれば判断できます。けど、これって普通の企業ではあり得ない対応のような気がします。ちなみに同様の通知がスタッフには昨日回覧されていました。けど、学生にはそういう通知が届いていないはずで、さっき事務に連絡を取ったところ、年度の最初に配られる学生がちゃんと読んでいるとは思えない便覧に書いてあると言われてしまいました…。

例えば、パックツアーを申し込んだとします。すると細かいルールが約款に書かれています。で、パックツアーを企画した会社が借款に書いてあるからといってルールの説明をしない、なんていうことないですよね。少なくとも重要な情報は混乱されないような工夫をしてます。あ、いや、逆に詐欺まがいの企画の場合はわかりにくくしますが。

ウェブサイトの整備として、見た目をよくするべく大金を払って外注とかするくせに、こういった肝心の情報を載せないって、いや、情報そのものはあるわけですが、その不親切さが各方面から批判の矛先を大学に向けられる原因になっているわけで…改善しないとなりません。

ちなみに、低学年教育の物理実験のまとめ役であるSさんからは、昨日も今日もわかりやすいメールをもらっています。やる気と責任感ががっつり伝わってきます。流石です。


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台風

台風が直撃しそうと言われてるわりに雨も風も大したことないな、と30分から1時間くらい前までは思っていましたが…いやー、今は物凄い風です。あまりにも凄い風なので、こんな夜中に珍しくブログの更新をしてしまいました。って、全然因果関係がないですけど。ははは。

ただ、今は凄い風ですが、明日の朝はなんとなく台風一過でいい天気になりそうな気がします。授業も普通通りにやれるのではないかと予想しているのですが、まあ、明日になればわかることですね。

しかし、この強風が昼までなくてよかったです。こんな強風だったら飛行機はおろか、私が通勤に使っているモノレールも間違いなく止まるでしょう。今日家に帰るときまであまり考えてもみませんでしたが、モノレールは風に弱そうじゃないですか。強風で簡単に落ちてしまいそうな印象を受けるのですが、どうなんでしょうね。


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書類書き

書類書きに追われています。一昨日だったかのエントリーで書いたように、科研費の書類書きが佳境。私は2つ申請をするので、それだけでも結構大変です。なら、早くから書き始めろとツッコまれそうですが、そうはできないのが人間の悲しいところ、というか弱いところですか。

それに加えて半ば忘れていたのが、8月末に広島であった国際会議のproceedings。その締め切りが本来は9月末だったのですが、organizerに頼んで3週間延ばしてもらい20日が私にとっての締め切り。ということで、これもまだ全然手を付けていないのですが、書かないとなりません。

さらにさらに、これまた半ば忘れかけていましたが、物理学専攻の年次報告書なるものがあって、そのための作文も何ページかしないとなりません。まあ、これは1、2ページなのでそれほど大変ではないと思っているのですが、これだけ書類書きが重なるとそれなりに面倒です。

ところで、今日は、昨日借りてきたクレートコントローラを試してみました。問題なく動き、新しく作ったケーブルともども正常なことを確認しました。で、故障しているものを修理してもらえるかメーカーに尋ねたところ、修理してくれるという返事。明日にでも発送するつもりです。

明日といえば、台風はどれくらいの迫力でやって来るんでしょうか。結構直撃に近い感じなのですが、明日は午前に講義、午後は実験のガイダンスがあって、休講になるのかどうかヒヤヒヤしています。


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問題を同定

先週から苦しんでいた4年生実験のデータ読み出しシステムですが、ようやく問題を同定することができました。結局、正常でないのはCAMACというデータ収集規格のクレート・コントローラーと呼ばれる装置でした。ADC(Analog to Digital Converterの略で、通常は電気信号を数値化する装置)等を制御し、かつ読み出した値をデータとしてPCなどの外部コンピュータに送る装置なのですが、制御信号をクレート・コントローラに送れても、クレート・コントローラがADC等の値を正しく中継してPCに送れない、ということを確かめました。

なぜここまで時間がかかったかというと、一つには、どの装置が悪いのか同定するためには、複数の装置(ケーブルなども含めて)一つ一つ別の装置に交換するなどしてチェックする必要がありますが、全ての装置に関して交換すべきスペアがないというのが、一つツライ点でした。また、スペアは幾つかあっても、そのスペアが動かなかったりして、動くスペアを探すのに時間がかかったりします。一言で言うと、正常に動作していると100%わかっているスペアがない、という問題です。

もう一つは、クレート・コントローラ以外にも、怪しいケーブルがあったことです。トラブルを抱えているのが1箇所の場合は、使われている装置を順番に変えていけばどの装置がおかしいのか推定できますが、今回のように複数の怪しい装置がある場合は、問題が途端に複雑化します。しかも、厄介なのは、常に動作しないのならいいですが、たまに動作しない、という場合です。こういう装置があると、何が正しく動作していて、何がダメなのか全くわからなくなります。

とにかく、問題が特定できたのはめでたいです。が、次なる問題は、クレートコントローラとケーブルをどうするかということです。数日前に書いた通り、私たちの研究室には4年生が使っているのと同じタイプの予備のクレートコントローラがありません。そこで、もう一回ここでcc/7700を貸してくれる方を探してもよいのですが、ちと緊急を要する話なので、他大学の知り合いの方お願いしたところ、とりあえず2ヶ月程度なら貸してくれるとのことで、今日はこれからブツの受け渡しに行ってきます。親切なNさん、本当にありがとうございます。一方で、故障している私たちのcc/7700は修理に出さないとなりませんが、今でも修理してくれるんでしょうかね。とりあえず東洋テクニカにあたってみるしかありません。

ケーブルのほうも、いまさっきKくんと新しいのを作ってきました。これで、明日から実験を再開できるはず。もうこれ以上のトラブルは勘弁して欲しいです。


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いよいよ科研費の書類書き

いよいよ科研費の申請書類を書き始めました。って、まだタイトルを書いただけですが、ゼロよりは限りなく大きく進みました。

ここでぶっちゃけて宣言していいのかどうかわかりませんが、今年度は2つ申請するつもりです。一つは研究テーマと計画の調整が必要なもので、こちらはまだ構想を練っている最中。今日書き始めたのは、調整を全く必要としないようなごく少額の研究種目です。こちらは研究テーマ、計画ともに構想は大体まとまっていて、後は作文をすればいいのですが、申請書を書いたことがある人ならわかると思いますが、その作文というのがなかなか進みません。学生の方なら実験のレポートを書くことを想像してください。集中力がわかなくても無理矢理書き始めると調子がでてきてどんどん書けることありませんか。ただ、調子が出るまでが大変、みたいな状況を経験したことあるのではないかと思います。それに良く似た状況です。
…いやー、偉そうに言うことではないのですが、全く筆が進みません。ははは。


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PCIカードをゲット

ネットワークのユーザー会議は昨日の午前中まででした。全くの素人で、会話されてる言語が日本語とは思えないような場面も多々ありましたが、色々勉強になりました。どういう問題が現状あるのか等がわかり、素人の私が当面どういうことを勉強すべきか、という方向性みたいなものがわかりました。

そして、今回のKEK出張のもう一つの重要な役割はCAMACのクレートコントローラーand/orクレートコントローラー用のPCIカードを探すということでした。クレートコントローラーそのものはどこでも品薄で、長期で借りられるモノを金曜午後の短時間では見つけられませんでした。が、PCIカードのほうはなんとか借りることができたので、明日また時間を見つけて4年生と遊んでみるつもりです。ケーブルに問題がないことは金曜日に4年生が確認したので、もし、このPCIカードで問題が解決しないと、もう八方ふさがりです。クレートコントローラー自体が問題の可能性は低いので(となりのK研究室から短期で貸してもらったものを使っても、やはりデータを読み出せなかったので。ただ、読み出せないながらも症状が変わったのはちょっと気になるのですが…)。

そういうば、金曜日にこのブログでクレートコントローラを貸してくれと頼んだら、それを見ていたK研究室の人からクレートコントローラを貸してもらえました。また、トラブル解決のアイデア募集に関しても、内緒で私にコメントを送ってくれたかたがいます(その方法に関してはすでにチャレンジ済みでしたが)。世界に向けて頼んでみるものです。協力してくださったみなさん、ありがとうございます。


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ネットワーク関連の会議でKEK

多くの(ほとんどの?)高エネルギー関連の研究機関はHEPnetと呼ばれるネットワークを何らかの形で使っています。そのネットワークのユーザー会というものが今日と明日KEKで行われていて、それに参加するために昨日書いたようにKEKに来ています。(ついでに、使われていないCAMACのクレートコントローラー+PCIカードを探して来る、というのが重要な任務になってしまいましたが…)

実は今もその会議の最中なのですが、コンピューティングに関する用語の飛び交う会議についていけない私はこうして遊んで内職しています。こういうメンバーを前にして私がネットワーク使用状況を発表するというのは、なかなかに味のある状況です。発表は明日なので、今夜はたっぷりと飲んで英気を養うしかありません。ははは。


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