ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

理研主任研究員の不正

標記のニュースを読みました。研究費を不正流用していたという話で、非常に気分悪いです。腹が立つやら悲しいやら…。

前にも書いたことありますが、今回の事件と違って、研究者の多くの不正事件の遠因は、予算執行に柔軟さが足りないからだったりします。典型例が年度を跨いで予算を使用できないことです。しかし、今回のは完全に私利私欲で、こういうタイプの不正事件ってそれほど多くはないと感じるのですが、なんでこういうことが起きるんでしょうね。

自分の場合、研究費が圧倒的に不足しているので、例えば出張等の場合、足が出るほど日当+宿泊費を抑えます(う、やばい。こんなこと書くと嫁さんに怒られてしまう…)。自分の懐に入れるというより、自分の懐から出してます。それくらい、研究したくてたまりません。

が、今回のような事件を起こす人は、研究資金はあるがもう研究をやる気がないか、あるいは研究資金が有り余り過ぎてるか、のどちらかなわけですよね。ということは、いずれにせよ必要のない研究費の支給を受けていることが問題なわけで、なんでそういう人に研究資金が回るのか、と私的には腹が立ってしまいます。研究資金が本当の必要性に応じて配分されていません。

新聞には、研究費が国民の税金であるという意識が研究者には低いから、みたいなコメントがありましたが、これは本当にそうなんでしょうかね。一般企業でも予算の不正流用という事件は起きますし、そもそも、公務員等の事件はマスコミに狙われているのでニュースになりやすいですからね。本当に公務員の不祥事は民間よりも多いのか気になります。あと、今回の不正事件の研究費の財源は国からの受託研究費だけでなく、民間からの受託研究も多く含まれているようです。工学、薬学系などは、民間からの研究資金が多いわけで、そういう資金なら不正使用してもいいということにはならないわけで…国民の税金うんぬんというコメントは、毎度毎度のマスコミによる公務員イジメとしか受けとれませんでした。


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ADCすら読めない

4年生の卒業研究のテーマを決めるべく、簡単な予備実験を昨日からやっているのですが、データ収集システムが動かず悪戦苦闘しています。

CAMACという古い(ですが、この業界標準)システムを使って、とりあえずADCを動かそうとしています。ADCというのは、ある指定した時間間隔に入力される電荷量を数値化する装置で、私たち実験屋にとっては最も身近な装置の1つです。ところが、ADCには数値化したい電気信号が正しいタイミングで入力されているにもかかわらず、入力ゼロのときと同じ値しか返しません。さらに、ある特定のチャンネル(1つADCに16個の信号を入力可能です)に信号を入力すると、信号が入力されていない複数のチャンネルが怪しい挙動を示します。

別のADCを使っても全く同じ挙動を示すので、ADCの故障というわけではなく、データ収集のためのソフトウェアにバグがあるか、そもそも使い方を間違えている、ということしか現段階ではわかりません。ソフトウェアのバグと言っても、非常に簡単な数10行のプログラムで何度も確認しましたし、そもそも昔使っていたのとほぼ同じコードです。

というわけで、昨日の午後と今日の午後、かなりの時間を費やしたのですが、全く進展がありません…。恋活(?)中のKくんがいない間にFさんと問題を解決してしまおうと思ったのですが、無念。原因追及のためのアイデアまでも枯渇してしまいました。しかし、一緒にやっている4年生にとっては進展がなくてストレスが溜まるのかもしれませんが、答えのわからないトラブルを解決しようと色々やるのは、答えのある受験勉強なんかと違って、非常に面白いものです。


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授業の準備を開始

いよいよ今週木曜から後期の授業が始まります。私は授業を後期に集中させているので元々密度が高いのですが、今年の後期は新しく赴任してくる助教に人の分も1コマ肩代わりしないとならない情勢で、3.5コマ受け持つことになりそうです。内訳は講義が1コマと1年生の実験が2.5コマ。コマ数では2.5ですが、実験は午後を丸々潰してしまうので時間的な制約はかなり厳しいです。これに幾つかのミーティングやら委員会、4年生とのゼミ(修士の学生とのゼミも計画中)を入れると、もはや平日のほとんどが埋まってしまいます。

というわけで、授業が始まる少しでも前からということで、講義の準備を始めました。とは言っても、講義は木曜から始まるので、「前もって」と偉そうに言うほど早くはないのですが。ははは。ただ、この講義は担当して3年目(?)になるのでそれなりに準備は楽になってきています。そうでなかったら、新助教の人の授業を肩代わりしてあげるのは相当厳しかったでしょう。


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物理学科縦断合宿

一昨日と昨日は物理学科縦断合宿なる催しに参加していました。物理学科の学生の同じ学年内の繋がりだけでなく縦のつながりも作ろうという企画で、今年2月か3月にあった第1回に続く2回目の合宿でした。鳥取と岡山の県境に位置する人形峠環境技術センターの見学をメインに、入学直後の1年生研修旅行と同様、小中高生の修学旅行みたいな催しでした。

この週末は物性の学会だったために、物性関係のスタッフがほぼ参加不能。ということで、参加教員が集まらず、先々週くらいに急遽参加することになりました。低学年教育に熱心なSさんが私の部屋に何度も足を運び参加要請するのですから、断るわけにはいきません。実行委員の学生さんも熱心でしたし。

参加しての感想は予想通りなのですが、今回の合宿のように参加希望者だけが参加するよう企画に参加して来る学生は、精神的にしっかりしている学生が多いです。本来はこういうタイプの企画に参加してこない、家に閉じこもりがちな学生に参加してもらって、縦横の関係を強化し精神的な支えとなる友人やスタッフを見つけ、勉強や研究への刺激としてもらいたいのですが、難しいですね。まあ、元々やる気のあるしっかりした学生が、よりやる気を持ってもらうという意味では、こういう企画は成功なんでしょうけど。


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学会での服装

昨日は学会の世話人になったという話を書きましたが、過去の世話人だった人々の秘伝の技(ノウハウ)がwikiに纏められています。昨日のエントリーを書いた後でそれを眺めていたのですが、色々面白いことが書かれています。

内容もさることながら、wikiに記録を書いてくれている人が、普段からマメで、かつ、ミーティング等を取り仕切るなどの雑用好き(なんでしょうか?)な人々に限られているのにはおもわず納得してしまいました。私とか、もう一人の世話人(お互いの任期が半年ずれていて、最初の半年は先輩の世話人から色々学べるような仕組みになっています)のYさんは(多分)そういうタイプではないので(すみません、もし違っていたら)、マメな人が世話人の組み合わせに入っていなくて大丈夫なんだろうか、と微妙に不安に…なったりはしてないのですが(ははは)、周りの人々は不安になっているようです。

内容的には、学会発表の際の服装が話題になったという記録が面白かったです。何度も書いていますが、素粒子関連は理論・実験ともに非常にラフな(?)服装の人が中心です。この業界の伝統で、他の分野とは大違いです。同じ物理学会でも物性では発表者がスーツだったりします。きっと他の学会では当然のようにスーツが中心なんでしょうね。で、あるとき、いくらなんでも学生がTシャツに短パンで講演するのはどうか、という話になったことがあるらしいのです。ですが…私は今でもTシャツに短パン、ついでにサンダルで国際会議の講演をしてしまいます。うーん、学生に服装がラフ過ぎる、とは到底注意できません。

周りの学生とも話題になることあるのですが、これからは、大学に来るにもスーツを着てこようかと画策(あくまで計画ですが)しています。Tシャツ、ジーンズなどのカジュアルな服装が中心なのですが、なぜそうなるかというと、今の自分くらいの年齢だと何を着ていいのかわからないという面があります。服装に気合いを入れてるおしゃれな人ならいいですが、そうでない私のような人間が適当に小綺麗な格好をしようとすると、逆に失敗することが多くないですか。そのせいなのか、この業界には特有の(?)ファッションがあります。学会会場を知らなくても行ける目印となる服装ですね。私としてはそれは避けたいのです。となると、今のゆるーい服装か、次のステッップとしては誰が着こなしてもあまり変わらないきちっとしたスーツ、が選択肢かな、と。

K大のYさんとも前にこの話題で盛り上がったことがあります。サラリーマンの人のスーツというのは、実は服装に気を遣わなくて済むので羨ましい、と。まあ、そのためには、私の場合まずスーツを買い足さないとなりませんが。ははは。


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学会世話人

最近は素粒子物理実験関係の仕事がよく回ってきます。高エネルギー物理学将来計画なんちゃら委員に続いて高エネルギー委員に当選したということは前にも書きましたが、今度は学会の世話人(素粒子実験領域)というものもやることになりました。2010年の5月から1年間の任期で、その仕事内容は学会のプログラム作成と世話人の割り振りです…と、私は認識してますが、他にも何かあるかもしれないので後でチェックしないとなりません。

プログラムの作成というのはなかなか面倒そうですが、それ以上にツラそうなのは、学会の期間中全てのセッションに出席しないとならないということです。座長が現れないという事態に対応するためらしいですが、なかなかなツラそうなお役目です。プログラム作成に関しては、初日の朝イチのセッション、あるいは最終日の午後のセッションの人からの苦情が多いらしいです。聴衆がいないんですね。まあ、私が講演者だったとしても上記2つのセッションは嫌ですから。

あと、最近は同じ実験をやっている複数の人間が連続講演を申し込んでくるために、講演順序等の自由度が非常に少なくなって、それがプログラム作成者の頭を悩ませているそうです。これに関しては連続講演で順番は守っても、必ずしも同じセッションには入れられない、と周知して対応してきているようですが、実際に講演申し込みがあってから柔軟に対応するしかなさそうですね。

絶対に参加しなければならない学会ということで、2010年の秋と2011年の春がどこか調べたところ、素粒子関係は九州工業大学と新潟大学でした(ちなみに2010年春は岡山)。どちらも行ったことありませんが、飲みに行くのが楽しそうなところです。新潟は日本酒が旨そうですし、北九州は行ったことありませんが、勝手に酒が色々あるのではないかと期待を膨らませています。


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科研費の季節

9月と10月は、我々研究者にとっては科研費申請の季節です。最近は紙媒体ではなくwebを通して申請できるのですが、それでも研究者が申請後、所属機関の事務が応募書類に不備がないかチェックするので、学振の締め切りよりも所属機関の締め切りが2週間程度(?)早いのが通例で、私たちの大学では今年度の締め切りは10月28日のようです。

運営費交付金のような固定財源を減らし、競争的外部資金を研究費・教育費の中心とするという流れに乗って(踊らされて?)、どこの大学・研究機関でも競争的外部資金の獲得には非常に熱心です。聞いた話では、KEKではKEK内部での科研費応募の締め切りを9月末として、有識者(過去に大型科研費を取った実績のある人?)にダメ出しをしてもらうそうです。KEKだけでなく、他の幾つかの大学でも同様のことをしているそうで、いかに科研費が大学・研究機関にとって重要か理解していただけるかと思います。

ただ、教育にかかる費用と基礎研究にかかる費用を競争的外部資金にしてしまうというのは、かなり抵抗があります。教育とか基礎研究というのは、達成度のスケールがありません。世間一般で最も使われる達成度の尺度は経済的利潤、つまり、いかに儲けたかだと思いますが、基礎研究なんてそもそもお金で測れるような研究内容ではありません。一次的には利益を生み出さない研究であり、かつ、今は莫大な利益の基礎となっていても、研究当時には利益を生み出すとは思われていなかったりもします。教育も同様で、単に成績の良い学生を作る(敢えて作るという言葉を使いますが)のではなく、自分の頭でモノを考え判断できるようにするのが教育の目的だと思いますが、その達成度を測るは容易ではありません。

それから、教育と基礎研究を競争的資金でまかなうことの欠点は、長期のプログラムを組めないことです。優秀な人材を輩出したかどうかがわかるのは数十年後ですし、理論的な基礎研究が重要だと認識されるまでに数十年かかったりするのが普通なわけで、3年や5年潤沢に資金があったからといって、成果を生み出せるような世界ではありません。5年間潤沢な資金があれば目に見える成果を出すことが可能な応用研究とか、民間企業の製品開発などとは性質が全く異なるので、性質が全く違う世界の価値判断基準を持ち込むのは妥当ではないような気がします。ただそう言うだけでは甘えていると言われてしまうので、何か別の正しい価値判断基準を確立すべきなんだとは思いますが…難しい問題です。

話は逸れましたが、そういうわけで、科研費の申請書と格闘中…ではなく、申請しようか迷っているところです。というのも、とある事情により自分が書きたいと思っていたテーマで申請書を書くことができないので、それに代わるアイデアが必要だからです。何でも良ければすぐに書けますが、採択される期待値が低いテーマと内容では申請書を書くだけ時間の無駄になってしまうので、ちょっと悩んでいます。

そういえば、科研費ではないのですが、景気対策の補正予算(?)として採択された若手研究者の海外派遣プログラムの来年度出発分の公募がなかなか始まらなくて焦れています。今年度出発分の募集は予定通り行われて、もうそろそろ来年度出発分の応募が始まるはずなのですが、心配は政権が変わったことです。でなければ心穏やかに新規の応募が始まるのを待ちますが、今回は組まれた予算がそのまま執行されるのが微妙に心配です。


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D論のテーマ

昨日は子供を連れて大学へ行ったのですが、連休中とあって静かでした。帰省している人間もいるようですし、研究室に住んでいるのではないかと思わされる学生も珍しく研究室にいなくて、非常に閑散としていました。

そんな大型連休ですが、連休突入直前の金曜の夕方は、博士課程の学生2人を集めて(とは言っても、1人はCERN、もう一人はフライブルグにいるのでテレビ会議ですが)D論のテーマについて少し議論しました。ハードウェアやソフトウェアの仕事には非常に興味を示すのに、肝心の物理にあまり興味を示さない学生が日本人の学生には結構います。そうならないようにときどきアドバイスしているのですが、金曜のミーティングも同様の狙いでした。

実際問題、どれくらいの量のデータが収集できるかわかりませんし、SUSYがあるかどうかもわかりませんし、もしSUSYが正しいにしてもどういう質量スペクトラム、あるいはモデルパラメータなのかわからないので、今の段階で何をするのか決めるのが難しいというのはわかります。でも、なにかが見つかった後ではテーマとして選ぶには明らかに手遅れなわけで、ある段階で何をテーマとするのか決断しないとなりません。ある意味、ギャンブルしないとならないわけですね。大きな決断で迷う気持ちはわかるのですが、最後は思い切りよくどこかにチップを賭けるしかありません。

ということで、Hくん、Mくん、ぼちぼちテーマを絞り始めましょう。


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最近のニュースで気になったこと

ちょっと前にこんなニュースを見かけました。どういう文脈で、誰が(どの民主党議員が)言ったのかわからないので、民主党の意志を反映しているのかどうか判断しかねますが、JAXAを潰されるというのは他人事とは思えません。(JAXAが潰されることが決まったニュースではありません。念のため。)

官僚の天下り先となっている独立行政法人を解体・整理するというのが民主党のマニフェストに載っていて、その一連の流れとして報道されたものだと思うのですが、「独立行政法人=天下り先=悪」という単純な判断をされてしまうのは非常に恐ろしいです。官僚のための天下り先としか思えない独立行政法人が多いのは事実だと思うのですが、必ずしも全ての独立行政法人が天下り先というわけではないですし、きちんと機能している機関もあるわけで、独立行政法人という一括りで全てをまとめてしまわないよう、民主党にはお願いしたいものです。

JAXAの場合、宇宙行政と絡んで複雑な問題を抱えているので、その文脈で出てきた政治家からの発言なのかもしれません。ただ、もしそういう宇宙行政の話だったのに、そういう文脈を曲げて独立行政法人は整理すべしという非常に単純化された議論に載せられてしまう、載せられてしまっているのだったら、余計にマスコミによる世論のコントロールに恐怖を感じます。他意はないのでしょうが、政府からの補助金が多い法人トップ10に学振がリストアップされてたりするのも、嫌な感じがします。

政治に強い関心を持っているわけではないのですが、今回の政権交替は流石に色々と考えることがあります。今までと状況(=教育研究環境)が大きく変わってしまうのを恐れています。もちろん、良い方向に変わるなら構いませんが、マスコミの作る世間というのは、私たちとは逆の考えを持っていることが多いので心配です。金を生み出さない機関や研究、一次的に恩恵を被ることがない機関や研究というものを排除しようという風潮が加速してしまうのが特に心配です。


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会議2つ目も終了

今日2つ目の会議はヘビーでした。物理学専攻の運営に関する会議なので内容は書けませんが、とにかく疲れました。この会議は毎回疲れるのですが、今日のは16時半から19時半までみっちり3時間。いつもより長くてキツかったです。とは言うものの、准教授は16時半から参加ですが、教授陣は確か15時からやってるはずで、彼らに比べたらまだマシです。

疲れた話題はこれくらいにしておくとして、解析の話ですが、研究員の話通り私のプログラムも動きました。結局やったことは、研究員の人がライブラリーを新しく入れなおしただけなので、前にインストールされていたライブラリーには何かが欠けていたんでしょうね。これ以上深く追及する気は全くなくて、とにかく動いたのでこれで解析をすることにします。

そういえば今日は、隣の研究室のAさんにこのブログを見つけたと声を掛けられました。どういう人がこのブログを読んでいるのか把握していませんが(高エネルギー業界の人が多そうな気はしています)、身近な人からブログ読んでると言われると照れますね。


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とりあえず会議1つ終了

比較的時間に余裕のある今週では、今日は最もスケジュールの詰まった日です。とは言っても、午前中に短い打ち合わせが1つ、午後に物理学専攻の会議が約2時間半あるだけなので、そんなにタイトなスケジュールではありません。

午前中の打ち合わせというのは、来年4月に予定されている物理学科1年生研修旅行関連。例年西はりま天文台というところに宿泊するのですが、宿泊施設の予約開始が10月の第1日曜。予約開始とともにすぐに空き部屋がすぐに埋まってしまうので、10月第1日曜までに日程を確定させなくてはなりません。ということで、第1希望から第3希望までをさくっと決定し、ラフな計画を立てて、今日の打ち合わせは終わりました。短時間で終わっていい感じです。

さて、夕方からの2つ目の会議までは昨日の続きで、解析プログラムと格闘予定。が、研究員の人の話では、理由はよくわからないが問題が解決したらしく、私にもそれが当て嵌まるならめでたい話で、ようやく本来やりたかった解析を始めることができます。どうなることやら…。


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今日を振り返る

解析プログラムが走らない問題が泥沼化しています。午前中頑張ってみるものの進展なし。

ひとまずおいて、午後は4年生と卒業研究で何をやるのか相談。今のところ有力候補は2つで、宇宙線中のπ中間子、あるいは陽子の探索かポジトロニウムの寿命測定。私たちの研究室の過去の4年生は前者と同じテーマで卒業研究をしているので、もしそれをやるとしたら、何か自分たちで検出器を作って過去の探索・測定よりも感度・精度の向上を目指します。ポジトロニウムは私たちの研究室ではやったことないのですが、わりとポピュラーな実験で学生実験としても行われていますし、論文として発表するような高精度な実験も行われています。なるべく4年生自身でテーマを決めて欲しいので自分の好みはなるべく言わないように(?)しているのですが、いやー、テーマを考えるのって端から見てると凄く楽しそうです。

その後、また泥沼のプログラムと格闘。研究員の人にも同じ問題が起きないか試してもらったところ、結局、問題が再現され、自分自身の設定等が悪いわけではないことが発覚。さらに問題がややこしくなりました。

そうこうしているうちに、ATLAS Osakaグループの定例ミーティング。前半はKEKのTさんを特別ゲストに迎えてシリコン半導体検出器関連の打ち合わせ。後半は、それ以外のテーマの研究をしている人々の現状報告。ちなみに会議は2つのテレビ会議システムを混在させて(1つはESnet経由のMCU、もう一つはEVO)、大阪、CERN、フライブルグ、KEKの4箇所を繋ぎました。なかなかにworld wideですね。参加者は全員日本人なのですが。ははは。

ミーティング修了後、またプログラムと闘っているのですが、状況はほぼ変わらず。ストレスのみが蓄積されてきています。昨日書いた通り、久々に研究者らしく解析に時間を使えるというのに、全く進展がなく、いつ諦めるか考え始めたほうがいいのかもしれません…。


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雑用と解析

先月中頃から、夏の学校、シリコン半導体検出器の国際会議、そして学会と色々な催し物が目白押しだったので、雑用が溜まっていました。って、雑用もぼちぼちはこなしていたのですが…。

まあとにかく、溜まっていた雑用の処理に昨日は追われました。各種出張関連の手続きをこなした後のメインイベント(?)は、来年4月の1年生の研修旅行。今年の4月に副担当者として参加しましたが、実際に色々な手配をするのはほぼ担当者一人で、来年度はその担当者になっています。例年一泊二日の旅行なのですが、その宿泊施設の予約をするのが10月第1週。ということで、まだ半年以上先の話なのですが、日程等を固定しないとなりません。日程を固定するということは、どこに見学に行くかとか、出し物(?)として何をするかとか、食事をどうするかとか、、、色々相談して決めないとならないことがあります。そのための資料として昨年度のアンケート結果をまとめたり、見学施設の候補の調査をしたのですが、いやー、学生の期待に応えつつ教員側の要望やそもそもの研修旅行の意義を盛り込むのはなかなか難しいです。

というような雑用を抱えつつも、過去1ヶ月間よりも今週は研究のための時間を作れそうです。先月中旬にもそういうことを書いたら、その直後に異常に忙しくなったから、またどうなるかわからないのですが、とりあえず、今日は久々にシミュレーションの解析で遊ぼうとしました。

がっ、相変わらずというべきか、久しぶりに解析しようとするとプログラムが走りません。ATLASの巨大解析プログラムを走らそうとすると、毎回毎回、その立ち上げに苦労します。本来自分がやりたいことに到達する前にくじけそうになってしまいます。定常的にソフトウェアをいじっていれば、わずかの変化に対応していけるのですが、しばらくソフトウェアを触っていないとわずかの変化の積み重ねについていくのがかなりキツいです。1日2日頑張ってプラグラムが走り始めた頃には別件が忙しくなって解析どころではなくなる…ということが過去に繰り返されているので、すぐにプログラムが走らないと相当モチベーション下がります。とほほ。


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学会4日目最終日

昨日が学会4日目で最終日。甲南大学への日帰りがようやく終わりました。朝イチのセッションに出て、全てのセッションが修了後、委員会等が終わるのが19時半前後。そこから飲みに行くという日々だったので、甲南大学への通勤(?)は結構しんどかったです。だったら飲みにくなとうツッコミがあるかもしれませんが、まあ、それは私には不可能なんですね…。

しかし、毎日電車に乗って感じたのは、阪急千里線の駅の間隔の短さ。たまに乗ったときにも感じていましたが、毎日乗っていると余計に苛つきました。異常な短さですね。というか、私鉄なら結構普通なのかもしれませんが、そういう路線には急行やら快速やらそういうのがあってバランスが取れるのでしょうが、阪急千里線は全て各駅停車なので、つらいものがあります。気になって今調べてみると、駅の間隔が700-800m前後のとこが多いです。それに比べて同じ阪急でも会場の甲南大学へ行く神戸線では間隔が平均して2km以上はあり、かつ特急があるので、非常にストレスが少なかったです。

と、だいぶ脱線しましたが、学会最終日午前中は色々なセッションに出ました。まずは、宇宙背景輻射のγ線の偏極を測定する実験の現状報告。そして、私たちのグループの学生が発表するKaon実験のセッション。それから、T大で延々と行われているポジトロニウムの実験の連続講演を聞きました。午後はATLAS関連のシミュレーションを行っている人々の講演を聞いて終了。4日間フル参戦のフィナーレです。

特に目玉はありませんでしたが(まあ、学会で真に新しい結果が報告されることは稀なのでいつものことなのですが)、宇宙線を含めて色々な話を聞けてそれなりに楽しめましたし、勉強になりました。


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学会3日目

一昨日と昨日が、学会初日、2日目というネタでしたから、今日は当然3日目についてです。

朝イチは素粒子ではなく宇宙線のセッションに出ました。宇宙線のエネルギーの最大値は4か5か6×10の19乗eV(すみません、この辺の数字はよく知りません。オーダーそれくらいだと思ってください)だという理論的根拠があるのですが(GZKカットオフと呼ばれています)、昔、AGASAという観測グループがGZKカットオフを超える超高エネルギー宇宙線を見つけたということで話題になりました。一方HiResというライバルの(?)観測グループもあったのですが、そちらではGZKカットオフを超える宇宙線は見つからず、まあ、観測結果が研究グループによって一致しなかったわけですね。

つまり、統一見解が出なかったために、もっと凄い実験で本当にGZKカットオフを超える高エネルギー宇宙線があるのか探そう、という実験が幾つか提案されました。その一つが、AGASAグループが新たに結成した(?)Telescope Array (TA)というグループで、それとは別のグループにAugerというのがあります。今朝のセッションでは割と最近稼働開始したTAが何か結果を出すのかと思って聞きに行ったのですが、残念ながら解析の現状報告のような形で、オフィシャルに面白い結果は出してきませんでした。

が(!)、TAグループ内でも解析手法に違った意見を持っている人がいるようで、学会のセッションなのに同じグループ内の人同士の熱い議論があったりして、非常に面白かったです。Augerに参加する日本人は少ないと思うのですが、どうやらAugerに参加している人もいるようで、当然そちら側からの厳しい追及もあったりして、議論されている内容は専門家ではないのでわからないことも多かったのですが、熱い議論は非常に楽しめました。高エネルギーはかなり確立されたジャンルになってしまっていて、別々の実験グループで激しく対立する結果が出たりすることがないので、今回の宇宙線のセッションのように盛り上がることがあまりありません。物理はともかく、みんなが激しくやりあうのが活気があっていいですね。

午前中は、TAのあとは中性子を使った物理のセッションに出ました。私たちが通常扱っている粒子はほぼ光速、というような高エネルギーの粒子ですが、非常に運動量の小さい、人間が歩く速度くらいのゆっくりと運動する中性子を使った実験というのが最近流行っています。物理に対するインパクトという点では、もちろん、LHCのような大型実験には勝てませんが、非常にコンパクトな実験で、実験屋が面白いと思えるような実験ネタの宝庫なので、最近は本当に流行っています。

午後はILCというLHCの次(?)の超大型コライダー計画のセッションに出てチャチャを入れた後、私たちの研究室のKaonグループの学生と研究員の人が発表するセッションにいました。発表内容が一般の人に与える印象が相当ネガティブだったのですが、発表はあくまで登壇者が責任を持つべきという思想を持った(?)Y教授が、登壇者を助けなかったのは流石でした。私なんて自分らのやってることにケチをつけられると、すぐに反発してしまうのですが、Y教授は大人です。

そして本日の〆は高エネルギー委員会。色々な会議をサボる私ですが、流石に第1回目は出席しました。高エネルギー委員会は閉ざされた委員会なので、どんな雰囲気で会議が進められるか興味のある人もいるかと思うので、そのうち、このネタでもブログ書きます。今日はもうそれなりに長くなりましたし、疲れたのでこの辺でやめます。


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学会2日目

学会2日目の今日は、午前中はシリコン検出器関係のセッションとTevatronの最新結果をTくんが発表する招待講演(?)に参加。午後は宇宙線を測定することによる間接的なダークマター探索のセッションを中心に、自分の指導する学生と研究員が発表するセッションに顔を出しました。昨日のような心労を強いられる会合ではなく、物理の講演なので、楽しんで話を聞けました。

宇宙線の測定によるダークマター探索ですが、前にも書いたことがある通り、PAMELAという実験の陽電子過剰をダークマターで説明するのはもうほぼ不可能と言ってもいい状況になっています。反陽子には過剰がなく陽電子にだけ過剰があるという点だけで相当胡散臭いですが、γ線の測定や、最近は宇宙背景輻射のγ線量の考察から、PAMELAのanomalyをダークマターで説明するのは至難の業になっています。

これまた前にも書きましたが、そういう胡散臭い結果がNatureに投稿・掲載され、参照数の多い=価値のある論文と評価される学術界の構造というのは、受け入れ難いです。というか、論文数みたいな目に見える形でしか業績を評価する方法がない点が本当の問題なんだとは思いますが、だからと言って自分にいいアイデアがあるわけでもなく…難しい問題です。


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学会初日

今日は学会初日。とは言うものの、自分にとって興味のあるセッションはなく、学会という意味では行かなくてもよかったのですが、ATLAS日本グループの会合などがあったため、結局1日中、学会会場である甲南大学で過ごしました。物理とは関係のない大人の会合ばかりで、精神的にだいぶ疲れました。

明日からの3日間はトークを楽しんで聞いてくるつもりです。


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院試合格発表と学会発表練習と書類書き

理学研究科物理学専攻の院試の合格発表が今日でした。私たちの研究室の4年生の一人は、発表を目前にかなりどきどきしていたようですが、めでたく合格していたようです。落ち着いていたもう一人のKくんも、その余裕通りに合格です。二人ともおめでとう。

4年生にとっては節目となる日でしたが、私たちにとっては学会直前のある意味いつもと同じ(?)どたばたした1日でした。先週の木曜・金曜に引き続き、2回目の学会発表練習会。午前中からやっていて、今日は丸一日でした。1日中というのはなかなかタフです。今日の練習会に間に合っていない、準備のできていない学生もいましたが、発表当日までには準備ができるのでしょうか。なかなかスリリングです。

そんなドタバタと並行して、私は昨日から書類書きに追われていました。7月下旬から留学生の受け入れに関して時間を使っていました。内々の筆記試験やら電話での面接に始まって、受け入れ経験豊富な教授からアドバイスを聞いたり、Y教授と何度も議論をしたり、と、相当悩んだ末に受け入れることを決めました。決心したのはいいのですが、それに伴って書かなければならない書類があって、昨日からその対応に追われていました。ただし、私たちが受け入れを決めても、留学の希望者は留学生制度の第一次選考にパスした状態で、最終選考がまだ残っていますので、その選考にパスしないと全てが水の泡です。

とまあ、学会前だからだけでなく、色々な面でchaosな日々が続いています。


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ダブルベータ崩壊

忘れないうちに昨日の続きです。

昨日書いたようにマヨラナ粒子には粒子と反粒子の区別がありません(粒子=反粒子)。じゃあ、π0とかフォトンがマヨラナかというとそうではありません。マヨラナはフェルミオンでなければならないから(ディラック方程式を満たさないとならなかったような?)です。電荷を持っていると自動的に粒子と反粒子の区別ができてしまいますから、電気的に中性のフェルミオンということで既知の粒子の中ではニュートリノだけが候補に残ります。

で、次の話に行く前にレプトン数というものを簡単に説明しておくと、粒子であるレプトンには+1、反粒子のレプトンには-1をレプトン数として割り当てます。すると、レプトン数の和は素粒子反応の前後で変わらないという実験的事実があります。例えば、電荷が負のミューオンが崩壊すると、電子と反電子ニュートリノとミューオンニュートリノになります。反応の前のレプトン数ミューオンの+1、反応後は、電子の+1、反電子ニュートリノの-1、ミューオンニュートリノの+1、ということで合計+1となり、反応の前後でレプトン数は変わりません。が、理論的に必ず保存すべしという要請があるわけではなく、自然がそうなっている(ように見える)のです。つまり、現在の実験の精度の限界でレプトン数が保存しているように見えるだけで、レプトン数が保存していないと何か困るという話ではありません。むしろ、以前に三角異常項のとこで説明した(?)ように、レプトン数は保存していないほうが自然です。

なんでニュートリノがマヨラナだと嬉しいかというと、レプトン数を保存しなくなって、そのレプトン数の非保存がバリオン数の非対称(この宇宙には粒子ばかりが存在して、反粒子が存在していないこと)を生み出す可能性があるからです。バリオン数非対称を作るための理論のモデルは色々考えられていて、素粒子理論、宇宙論で活発なジャンルなのですが、今言ったレプトン数の破れ(Leptogenesisと呼ばれます)がバリオン数の破れ(Baryogenesisと呼ばれます)を生み出すというモデルは人気のモデルらしいです。いや、専門家でないので本当にどれくらい人気があるか、妥当性が高いかは知りませんが、ニュートリノがマヨラナならあり得るシナリオなので私たちのような一般人にも受け入れやすいシナリオです。

というわけで、ニュートリノがマヨラナだと嬉しいのですが、どうやってニュートリノが普通のフェルミオン(ディラック粒子と呼ばれます)と区別をつけるのかという話になると出て来るのがダブルβ崩壊です。原子核内でのβ崩壊を素粒子的に眺めると、dクォークがuクォーク+電子+反電子ニュートリノへと崩壊しています。崩壊過程というのは確率論的ですから、非常に稀にはβ崩壊が同時に起きることもあります。つまり、崩壊後の粒子としてそれぞれdクォーク、電子、反電子ニュートリノが2個ずつ生成される反応です。これはニュートリノを2個放出するので2νモードのダブルβ崩壊と呼ばれ、実験的にも観察されている、素粒子物理的には特に面白い反応ではありません。

ところが、ニュートリノ=反ニュートリノであるマヨラナ粒子の場合、一方のダブルβ崩壊で発生したニュートリノあるいは反ニュートリノがもう片方のダブルβ崩壊に吸収されてしまい、終状態にはニュートリノが現れなくなります。これが0νダブルβ崩壊と呼ばれ、ニュートリノがマヨラナ粒子であることを示す反応と考えられています。というわけで、0νダブルβ崩壊を探す実験が世界中でたくさん行われていますし、かつ将来計画も数多くあります。

ニュートリノはディラック粒子ではなくマヨラナ粒子だと信じてる人のほうが多いと思うのですが、その証拠となる0νのダブルβ崩壊、早く発見されて欲しいものです。


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土曜日の会議、というか勉強会

土曜日は朝から晩までニュートリノについての勉強会。とは言っても、ほとんどの時間は結局のところ、世界中で行われている様々な実験、あるいは将来系か行くのレビューでした。そもそもニュートリノ屋ではない私にとっては、Mさんの現象論の話をもっと長い時間聞きたかったです。というか、個人的な立場だったら、Mさんの話だけでも十分なくらいでした。将来計画なんちゃら委員というのになってしまっている立場上、他の話も聞いていましたが、いやー、私のような不真面目人間にとっては、一日中というのはやはり拷問です。ニュートリノの話をしに来ていたMくんにも、私が真面目に委員会に出ているのに驚かれました。
…そんな私のいい加減さを見抜かれていたために(?)、会議の書記をやらされてます。そうか、議事録をまとめないとなりません。うーん、大仕事だ。

ところで、ニュートリノの実験で今注目されている測定量は主に3つです。違う種類のニュートリノは混合(=これがニュートリノ振動という現象で、スーパーカミオカンデによって初めて実験的に検証されました)するのですが、その混合の割合を記述する物理量が混合角と呼ばれます。例えば、ニュートリノには電子ニュートリノ、μニュートリノ、τニュートリノと3種類が存在するのですが、私たちがニュートリノを観測するのは弱い相互作用を通じてのみなので、電子ニュートリノうんぬんの3種類あると言った時の3種類は、弱い相互作用で区別される状態(こういう表現が正しいのかわかりません…。)が3種類あるという意味です。

が、実際には、物理的なニュートリノと言う意味では(質量の固有状態ということを言いたいのですが…)別な状態で存在します。便宜的にそれぞれをν1、ν2、ν3と呼ぶことにすると、電子ニュートリノ、μニュートリノ、τニュートリノそれぞれは、ν1、ν2、ν3の混ぜ合わせの状態なのです。つまり、私たちが実験を通じて観測するニュートリノというのは、ν1、ν2、ν3が混ざり合わさった状態で、その混ぜ合わせ具合によって電子ニュートリノとして観測されたり、μニュートリノとして観測されたり、τニュートリノとして観測されるわけです。その混ざり合い具合というのが時間とともに変化するので、あるときはμニュートリノだったものが、時間が経った後ではτニュートリノに変化し、それを人間が観測するとニュートリノ振動と呼ばれます。

おっと、説明のために脱線してしまいましたが、ν1、ν2、ν3の混ざり具合を表現するのが先に書いた混合角というわけで、独立な角度は全部で3つあることになります。そのうちの2個はスーパーカミオカンデを使った実験等ですでに測定されていますが、まだ一つだけ測定されていない角があります。その角度を測定しようというのが、近未来でのニュートリノ実験の目標です。

それから2つ目は、ニュートリノにもCP非保存現象があるのかどうか、です。あの有名な小林・益川理論と同様の仕組みでニュートリノ混合にもCP非保存を持ち込むことは可能なのですが、自然がそうなっているのかどうか確認しよう、というのが第2の目標です。

以上の2つに関しては、会議のときに東大のYさんも質問してましたが、"個人的には"あまり興味ありません。これら2つがわかっても自然のルールが何かわかるわけではなく、自然が選んだパラーメータの幾つかがわかるだけです。あ、いや、わかるだけでも凄いですし、誰かが測定しなければその先に進めないので、素粒子実験として進めていかなければならない最重要実験であることは間違いないと思っています(パラメータがわかったら、次のステップは、自然がなぜそういうパラメータを選んだのかということになりますが、そういう段階に進むにはパラメータがわからないとなりません)。ただ、個人的な嗜好という意味で、あまり興味を持っていないということです。

ですが、最後3つ目のダブルベータ崩壊の実験に関しては私も興味を持っています。ニュートリノの質量が極端に軽いことと絡んで、自然界には左巻きニュートリノは存在しますが、右巻きニュートリノが存在しないことが大きな謎です。さらに、宇宙には自然の状態で反物質が物質に比べて極度に少ない(=バリオン非対称)ことがわかっていますが、なぜそうなのかがわかりません。これらの事実を説明する鍵の一つが、ニュートリノがマヨラナ粒子であるためではないかと言われています。マヨラナ粒子というのは、粒子・反粒子の区別がない粒子のことなのですが…今日はすでにかなり長くなっているので、ダブルベータ崩壊に関しては、また明日にでも書いてみます。たぶん。


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9月6日(日)はKEK一般公開

明日9月6日(日)はKEKの一般公開です。だいぶ前、小林誠さんの講演の事前申し込み締め切り日数日前には連続して宣伝していましたが、それ以来忘れていました。今になって宣伝しても効果ないかもしれませんが、興味のある方はぜひ。

例の委員会から今帰って来たところで、色々勉強になることがあったのですが、へろへろなのでその話はまた後日。


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賑やかな研究室

今日の午後は昨日の午前に引き続き学会発表のためのリハーサル。そのため、不定期に大学に来る学生達も普通の時間に研究室に集まり、今日は研究室が賑やかでした。しかも、学会とは関係ないのですが、CERNに長期滞在中の学生も一時帰国していたりして、いつもの2倍は人がいた感じです。学生部屋に人が多いのは活気があっていいもんですね。

昨日も書いた通り、明日(というか、もう今日ですね)は東大で朝から晩までみっちりと委員会。ただ、委員会とは言っても素粒子実験の将来計画のための委員会で、今のところ毎回テーマを絞ってある特定のジャンルについて勉強会をしています。前回はLHC関連で、今回はニュートリノ。K中間子やB中間子を使ったCP非保存の実験、その後はハドロンコライダーでエネルギーフロンティア実験をしてきた私にとっては、ニュートリノは自分自身で実験をやっていない分野で、話について行けるのか不安です。

まあ話について行けなければ居眠りでもしてればいいのですが、そんな私の行動パターンが見抜かれているのか、書記の一人になっちゃってるんですよね。話について行ける行けないにかかわらず、とりあえずなんかメモらないとなりません。って、そうか、居眠りどころじゃなくて、ずーっと集中して話を聞いてないとなりませんね。うーむ…。


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何もできない日々

雑用等でクビが回らない日々が続いています。

今日の午前中は、学生の学会発表の練習とフェルミラボから来たお偉いさんのセミナー。昼食直後から午後まるまる大学関係の委員会。その委員会が終わると同時に、午前中セミナーをしたお偉いさんを含む数人で晩飯へ出かけ(フロイブルグ大の教授と晩飯を食いに行ったのと違って、今日の晩飯は私にとっては接待のお手伝いでした…)、今家に帰って来たところです。研究者とは程遠い1日でした。

明日も同じようなスケジュールが詰まっています。さらに、土曜日は朝から晩まで東大で委員会。土曜の朝、家から出かけたのではその委員会に間に合わないので、明日の夜から東京へ移動。でまた、土曜に委員会が終わってから帰ると、家に辿り着けるのは深夜。広島の国際会議で講演をすることが急遽決まった2週間ちょい前からへろへろの日々が続いています…。


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フライブルグ大の教授

昨日は、フライブルグ大の教授が私たちのグループを訪ねてきました。フライブルグはATLASに参加している大きなグループで、研究内容が近いことから、D1の学生を受け入れてもらって(この学生は今月からフライブルグに長期滞在します)共同研究をしています。月曜日に行った広島での国際会議に彼も来ていて、せっかくなので、会議が終わった後の昨日の午後大学に来てもらいました。

私たちのグループを案内した後、これからの研究計画を相談しました。彼らは巨大CollaborationであるATLASの中でも大きなグループで、色々な物理解析を行っているので、解析の共通項を探すのは簡単です。今までもその共通項を元に作業を分担していたのですが、今回は物理解析のテーマに関する相談が中心でした。

エネルギーが低いことと、当初のルミノシティが低いと予想されることから、ここ1、2年で解析に値する物理内容がおのずと決まってきます。なので、彼も私も考えていることは非常に似ているのですが、微妙なところで嗜好のベクトルがずれていて(全く同じ嗜好なんてあり得ないので、ある意味当然です)、相談するというのはそのズレを摺り合わせるといった感じです。ただ、自分たちのグループが強力だからといって自分の意見を強く主張するようなタイプの人ではないので、議論は非常にスムーズに進みました。

国際協力で難しいのは、自分の主張を一歩も譲らない人がいることで(一般論として、日本人同士の議論ではお互いが譲歩するので、話し合いはわりと円滑です)、そういう人と一緒に仕事をするのは悲劇です。延々と水掛け論が続いてしまって、何のための議論だったのかわからなくなるようなことが多々あります。が、昨日話をした教授は非常にマトモな人なので、精神的にも話し合いをするのが非常に楽でした。

大学の案内と研究内容の相談の後、一緒に晩飯を食べに行ったのですが、やっぱり欧米人の中ではドイツ人というのは日本人に似ているなと感じました。きっと彼だけでなく、日本人的にはドイツ人とは比較的一緒に仕事しやすいんでしょうね。まあ私の場合、イタリア人と一緒に仕事をするのも無茶苦茶で面白かったりしますが。ははは。


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夏の学校の感想

今年の夏の学校は木島平というスキー場で行われました。初めて参加したのですが、学生の多さに圧倒されました。

と思ったら、多かったのは素粒子理論の学生でオーダー200人。高エネルギーの学生は30人程度で、だいたい予想していた通りです。そもそも日本の大学で高エネルギーをやっているところはほんのわずかなので、全ての学生を集めても200人なんて程遠いのではないでしょうか。高エネルギーをやっている大学の理論と実験の学生の人数比は1:1程度(少なくとも私たちの大学では同じくらいです)でしょうから、素粒子理論の講座のある大学というのはやはり多いのですね。あと、高エネルギーをやってる学生というのは時間に大きな制約を受けていて、研究会に参加しづらい面もあるのでしょうね。実際、私たちの研究室からは誰も参加してませんでしたし。

というわけで約30人の学生+現象論をやってる学生さんたちに約4コマ分の講義をしてきました。わかりやすかったかどうかは私にはわかりませんでしたが、それなりに反応をもらえて、講義をしている側からするとやり甲斐のある楽しい講義でした。さらに、講義よりも楽しかったのは「講師を囲む会」という名の飲み会です。酒を飲むと初めて出てくる本音が聞けて、学生さんがどういうことを考えているのかわかって非常に面白かったです。自分と一緒に研究をやっている学生には数に限りがあるので、夏の学校のような機会に他大学、あるいは他の実験をやっている学生に学生生活の話を聞くのは本当に興味深かったです。自分の経費を使って講義をしに行くのですが(講義の場合、普通は講義を依頼した側が出張費等を支払います)、来年もまた講義…いえ、「講師を囲む会」(講師ではありませんが)だけにでも参加したいくらいです。

しかし、講義からさかのぼること5日くらい前に、晩飯を食べてる時に自分で舌を噛んでしまったのですが、講義のときにそのダメージから回復できていなかったのは辛かったです。あまりに酷く噛んでしまったために、舌がかなり切れてしまい、1日か2日は舌がしびれたようになってうまく喋れないくらいでした。しかも初めての経験なのですが、切れた場所はその後、普通の口内炎数個分くらいぷっくり腫れてしまい、そのダメージが講義のときには回復していなくて、喋るのには本当に苦労しました。まあ、もともと滑舌は悪いのですが。ははは。

このように楽しかった夏の学校は、毎年学生によって自主運営されています。準備する側になった学生の人たちには苦労もあったと思いますが、来年以降も頑張って開催していって欲しいと思います。準備に奔走した学生さんたち、本当にお疲れさまでした。

あ、そうだ。最後に一つ印象に残ったのは、学生の一人にCERNで見かける時と雰囲気が全然違うと言われたことです。CERNでは研究者っぽいけど、講師のときは教育者っぽくて驚いたんだそうです…私がCERNにいるときの言動は相当ヤクザなんですかね。


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