ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

夏の学校とシリコン検出器の国際会議

夏の学校は無事終わりましたが、明日は国際会議に行かないとなりません。にもかかわらず、土壇場で見せようと思っていたプロットのうちの2つが、研究グループでオフィシャルと認められているか(国際会議などでcollaboration以外の人に見せてもよいと決められたプロットかどうか)怪しいのでもう一度確認すべし、というメールがあり、すぐに確認のメールをシリコン検出器のグループリーダーに送ったのですが、すでに待つこと2日。完全週休2日なのか、バカンスなのか、いずれにせよまだ返事がありません。発表は明日だというのに…。どうしようか悩ましいところです。

さらに、明後日は例の論文紹介なのですが、重力測定の論文の理解は進んでいません。これまたどうしたらよいのか…。

夏の学校の話は、別の機会にまた書きます。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

至近距離での重力

研究室のミーティングでの文献紹介の順番が回ってきました。来週火曜なのですが、明日から長野、そして月曜は広島と出張続きなので、その出張の間に論文を読まないとなりません。というわけで、何の論文を読むかえいやと決めてしまいました。

テーマは、1mm以下という至近距離での重力の強さの測定。測定そのものは典型的な素粒子物理の実験とはかけ離れています。そもそも粒子を使いませんから、素粒子物理の実験とは呼べないかもしれません。でも、ここ数年は余剰次元(Extra Dimension)という理論がSFチックなために(?)人気を博していて、余剰次元があると重力の強さがお馴染みの逆2乗則からずれるために、重力の強さが至近距離まで逆2乗則に従うのかを測定する実験が注目を浴びています。

力の強さは、1次元空間なら一定、2次元空間なら1/(距離)に比例、3次元空間(=我々の世界)なら1/(距離の2乗)、4次元空間なら1/(距離の3乗)、、、に比例します。直感的には以下のように考えてもらうといいかもしれません。1次元空間では光ファイバーみたいな状況をイメージしてください。実際にはファイバーの太さがありますがそこは忘れて、ファイバーの中が1次元空間だと思ってください。すると、ファイバーの一端に光を入れると、光はファイバーに沿って進むしかありませんから、どこまで行っても光の量は変わりません。よって、1次元空間では光の量は一定ですね。2次元なら、ある一点から出た光は放射状に広がっていきます。光源からの距離rの地点というのは円ですから、光源からの距離rの地点で受ける光の量は光源での量の1/(2πr)になりますよね。つまり、1/(距離)に比例してます。同様に3次元なら距離rの地点で受ける光の量は1/(4πr^2)に減る、ということで1/(距離の2乗)に比例することになります。

というわけで、力の強さというのは、私たちの世界の空間の次元によるわけです。もし3次元以外の次元があれば、重力の強さが1/(距離の2乗)からずれることになるのですが、重力の強さというのは天体のような非常に大きなスケールでは精度よく逆2乗則に従っていることが確かめられていますが、至近距離ではそれほど調べられていません。そこで、至近距離での重力の強さの測定というのが余剰次元という理論の登場で脚光を浴びています。

余剰次元というのは、私たちが認識している3次元空間の他に、その名の通りさらに多くの次元があることを仮定して構築された理論で、素粒子物理学の世界で大きな謎とされる階層性問題(電磁相互作用と弱い相互作用が統一されるエネルギースケールと、強いちから、あるいは重力までもが統一されるエネルギースケールがあまりにも違うのはなぜか?)の解決に繋がります。この理論では、私たちが認識する3次元世界と矛盾が起きないように、余剰の次元は、非常に小さな領域・空間に丸め込まれていることになっています。

今までの素粒子物理学ではゲージ対称性やローレンツ不変性といった対称性から物理法則を導いていましたが、3次元空間以外の空間があるという発想は、そこからぶっ飛んでいる点で非常にユニークだと感じます。SFチックで直感的にも面白いので人気がある理論です。そうそう、LHCでブラックホールができるかも、というのも余剰次元があると、重力の強さが逆2乗則からずれるためです。ある距離までは逆2乗則に従いますが、余剰次元が丸め込まれているごく小さな領域では逆4乗則だったり、逆5乗則だったりするわけですね。すると、通常よりも重力の強さが劇的に大きくなりますよね。そこで、LHCによって加速された陽子同士が逆2乗則に従わないくらいな短距離にまで接近すると(衝突させる粒子のエネルギーを上げるというのは、粒子間の距離を小さくすることです)、重力のエネルギーが莫大な大きさになってブラックホールができるというわけです。

話はだいぶ脱線しましたが、まあそういわけで、余剰次元という理論を背景に、至近距離での重力測定というのは素粒子物理的になかなか面白いテーマなわけです。出張中に論文を読んできます。そうか、明日からしばらく出張なので、次の更新は遅くなるかもしれません。


研究 | コメント:1 | トラックバック:0 |

冷や汗

先月募集告知があった学振の競争的外部資金に、長期海外渡航費用をサポートするものがありました。今回募集分は、来年の1月から3月31日出発分。私はその期間は出張することができないので、この募集に応募する予定はありませんでした。

ところが、先週中頃から急に忙しくなっている私は精神的に平静を保てていないようで、仕事振りその他に動揺が見られます。今日も3つミーティングをこなし、その合間にメールをチェックしていたとき、約1ヶ月前の上記競争的外部資金募集の知らせのメールが目に入りました。この募集があったことは覚えていましたが、今回の募集分に応募しても出張できないことを忘れてしまっていて、締め切りの「8月26日」という文字だけが目に飛び込んできました…マジで、冷や汗が出ました。

申請書類を集め始めると同時に、事務に電話を入れました。8月26日締め切りというのは学内の締め切りで、学振の本当の締め切りは、たいてい学内の締め切りよりも2、3週間程度後です。そこで、なんとか事務に締め切りを延ばしてもらう交渉をしようと思ったわけです。で、電話で色々やりとりをしていると、今回募集分の出発は来年の1月から3月だということがわかり、自分は出張できないので応募するつもりがなかったことを思い出し(確認し)ました。

いやー、その安堵感をどう表現していいのかわかりません。自分のオフィスに一人でいたのですが、もしその様子を誰かが見ていたらきっと可笑しかったと思います。

とまあ、それくらい焦った日々を過ごしているのですが、それもあと一週間。夏の学校と広島での国際会議を乗り越えれば一段落です。その後は学会が待ち受けていますが、学会の主役は学生ですので、私自身が今ほど焦ることはないはずです。唯一の心配はOくんの発表内容がATLASグループからのOKをまだもらっていないことくらい。でも、これはきっとOくんの頑張りでなんとかなるでしょう。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

未知素粒子の可能性?

数日前に「未知素粒子の可能性 高エネ研、加速器実験で新現象」という見出しの記事が日経新聞に載っていました。この見出しだけで、どういう内容なのかは私には予想できましたが、記事を読んでも私の予想を補完する情報が何もありませんでした。

この記事はBelleというB中間子を用いた実験で、B中間子の崩壊パターンが標準理論の予言よりも、超対称性の存在を仮定した場合のほうがよく合う、という内容です。私はBelle実験をやっていたこともあって、僅かの情報からどういう実験結果だったのか相当推測できますが、B中間子の物理に触れたことのない人では、たとえ高エネルギー物理屋でも内容を理解するのは難しいのではないかと思います。

つまり、元々分かる人には分かるけど、そうでない人には分からない、という記事なわけです。でも、記事が悪いわけでは全くなくて、限られた文面ではそれ以上説明するのは不可能なんですね。私にはその記事以上の文章を書けるとは思えません。何が言いたいかというと、素粒子物理を理解するための知識・基礎というのはあまりに莫大で、専門家以外の人間に説明するのが本当に難しい分野だと思い知らされます。

ところで、その記事の中身について補足しておきますが、超対称性粒子の発見を示唆する結果ではありません。超対称性粒子の発見と言うには、超対称性粒子を実在する粒子として観測しなければなりません。Belle等のB中間子を使った実験で観測するのはあくまで標準理論内の粒子で、不確定性原理の範囲内(つまり、観測限界以下の微小時間)で仮想粒子としてB中間子の崩壊に未知の粒子が寄与していないかを調べています。もし標準理論が正しい場合はこういう崩壊パターン、超対称性粒子が存在する場合はこういう崩壊パターン、と予想し、観測した崩壊パターンがどちらに近いかを比べているというイメージです。

この手法は、犯罪の立証を状況証拠だけから行うのに似ています。誰も犯行を目撃していないわけです。それに対して、LHCのようなエネルギーフロンティア実験で超対称性を探すというのは、超対称性粒子を実際に作るので、犯行を目撃していることになります。誰も犯行を目撃していないのでは、ある一つの状況証拠だけからでは、なかなか超対称性の発見とは信じてもらえません。例えば、標準理論よりも超対称性の予言に近いと言っても、超対称性以外の理論でも似た崩壊パターンを予言可能かもしれません。実際にそういうモデルがあるかないかではなく、人類が知らないだけで、可能性としては超対称性以外でもOKというのが問題なわけです。

逆に、LHCで超対称性粒子"らしき"ものが発見された場合には、非常に有力な実験結果になります。これまた実際の事件を思い浮かべてください。誰かが犯行を目撃していればそれで犯罪を立証できるかもしれませんが、さらに犯行の動機等状況証拠があれば、犯行の背景を含めてその事件をより深く理解・解明することができますよね。それと同じです。

とまあ、そういうわけで、このような状況証拠が多く蓄積され、そしてLHCでいよいよ超対称性発見、となるのが私たちの描く最良のシナリオです。


研究 | コメント:1 | トラックバック:0 |

宇宙食アイスクリーム

先週大阪市立科学館で買った宇宙食(?)のアイスクリームを食べてみました…いやー、私は宇宙飛行士にはなりたくないです。って、なろうと思っても、もちろんなれないのですが、とにかく凄い食べ物でした。

目を閉じて冷たくないことを忘れて味わうと、確かにアイスクリームのような気がします。バニラアイスをビスケットで挟んであるようなやつをイメージしてください。しっかし、その甘いこと。もともと甘い物をあまり好きでない私にはやっぱり厳しい食べ物です。水分がなくて、かつ冷たくないので(冷たいと甘さに対する感覚が麻痺しますよね)、普通のアイスクリームよりも相当甘く感じます。さらに、この擬アイスクリームを作っているのがアメリカですから、元の基準となるアイスクリームもアメリカ製(ですよね、きっと)。アメリカのアイスクリームや菓子を食べたことのある人ならわかると思いますが、とにかくアメリカ製は甘いです。あるアメリカ人曰く「delicious=sweet。甘ければ甘いほど美味しい。」だそうですから…ははは。

まあ、そういうわけで、とにかく甘くて濃い食べ物でした。ただ、美味しさは忘れると、確かにアイスクリームみたいな感触がして、頑張っているんだなぁ、ということは伝わってきました。次は、日本、いや大阪が誇る味(?)、たこ焼きの宇宙食を試してみようと思います。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

記憶

今日は用事があって梅田へ行って来ました。10年ぶり、あるいは20年ぶりに通った地下街の一角を正確に記憶しているのには自分で驚きました。長い間行っていないし、その場所のことを思い出したことなんて一度もないのに、そこへ行くとまるで昨日のことのように地形、あるいは店などの記憶が蘇ることってありますよね。

場所についてだけでなく、出来事についても同じようなことってありますよね。何年もあっていない友達と久しぶりに会って昔話をすると、それまで1度も思い出したことがなかった出来事についてもびっくりするくらい思い出せることがありませんか。

こういうことがあると、よく使う表現ですけど、脳味噌の記憶ってハードディスクと揮発性メモリーみたいだと思ってしまいます。上で書いたような記憶ってリフレッシュしてるわけではないですから、ハードディスクに収められてるデータみたいだなって。それに対して毎日定常的に使っている記憶もあって、それは日々リフレッシュされてるので揮発性メモリーに収められたデータに似てるかなと思うのです。

で、よく思うのですが、頭の回転が速いと言われている人は、揮発性メモリー(あるいはキャッシュ)がバカでかいんじゃないですかね。説明されて「あー、そうかー」と納得が行くときって、脳味噌のメモリーに載ってる情報だけでは理解できなくて、ハードディスクにある情報を幾つか拾い、それらを繋ぎあわせることでようやく「あー、そうかー」となってるような気がするのです。いやもちろん、頭の回転が速いというのは文字通り情報を繋げる速度も速いのでしょうが、生活していてよくあるのは、自分はすぐに理解できなかったけど、周りの誰かに説明されると納得が行く、というようなケースだったりしませんか。こういうことが起こるのは、ハードディスクにはデータがあるのに、自ら意識しないと取り出せないデータになってしまっているからだったりしないですかね。

まあ、私の与太話はともかく、脳って凄いもんですね。研究したくなる人の気持ちがわかります。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

とりあえず

来週の国際会議用のスライドを作り終えました。とはいえ、発表する内容に問題がないかをプロジェクトリーダー等々がチェックするために、急いで結果を詰め込んだだけなので、「見せる」という点では全然polishされていません。でも、とにかく期限なので、今はそのスライドをATLASメンバー限定のとあるサーバーにアップロードしようとしています。

来週の夏の学校での講義の準備もまだ終わっていなくて、予想外に本当に忙しくなってしまいました。おまけに、再来週の研究室のミーティングでの論文紹介も回ってきてしまいました。来週から再来週頭にかけては、大学院入試、長野での夏の学校、そして広島での国際会議、とスケジュールびっしりです…。とほほ。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

水2リットル

ここ数日はヨーロッパも暑いらしく、CERNのあるジュネーブでも気温が30℃を超えているようです。

なんでそんなことを知ったかというと、CERNのmedical officeからユーザーに向けて「最近暑いので(30℃以上)、朝はオフィスの換気を忘れずに、喉の渇きを感じなくても水を1日2リットル飲みなさい。」というメールが送られてきたからです。欧米人は暑さに弱いので30℃を超えただけでも大変そうだというのはわかるのですが(クーラーもあまり装備されてませんし)、それにしても1日2リットルの水を飲むのって相当大変じゃないですか?

よく嫁さんに注意されるのですが、私は意識しないと水分をあまり取りません。あ、毎晩ビールだけは忘れずに飲みますし、意識して飲み過ぎないように注意しているくらいなのですが、ビール以外の飲み物は運動でもしない限り飲みたいと思うことがあまりありません。朝食のときにコーヒー、昼飯と晩飯のときに味噌汁。それ以外で飲むのは、昼飯の時に学食でお茶を一杯。自分から飲もうと意識しないと、これだけで1日を終えてしまうことがあります。嫁さんに言われるからだけでなく、流石に自分でも健康に良くないのではないかと思い、意識してコーヒー、紅茶、あるいはお茶を1日2回くらい飲むようにしています。

…が、今日みたいに忙しい日は飲むのを忘れることがよくあります。今日はなんとか紅茶を1杯飲みましたが、飲むのを完全に忘れてしまう日もあります。

そういうわけで、ビール以外の飲み物をあまり飲まない私には1日2リットルの水を飲めというのは拷問なのですが、欧米人にとっては余裕なんでしょうかね。普段でもミネラルウォーターとか大量に飲んでる人が多いから、ちょっと意識すれば2リットルくらい平気で飲めるのかもしれません。

ところで、ジュネーブは日中30℃を超えると言っても夜は当然熱帯夜になんてなりません。20℃前後です。もしCERNのmedicalの人が大阪に来たら、水を1日に3、4リットル飲めって言いそうですね。ははは。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

高大連携

タイトルの「高大連携」というのは、高校と大学が連携して理科教育を進めていこう、そのための意見交換を行おう、という趣旨の企画で、高校の教員を対象とした物理セミナーと合わせて行われています。以下はチラシからの抜粋です。

この夏期講習は主に高校の教員を対象としています。本年度は、「測る」というテーマで宇宙から原子核の世界や極低温、超強磁場、超高圧などの極限環境下での測定に関する最新の研究成果をわかりやすく説明し、高校教育に活かして頂く趣旨で行うものです。また、高大連携企画では理科教育に関して、高校からと大学からの発表があり、意見の交換を企画しています。

その高大連携というのが今日、明日と私たちの大学で行われていて、今日の午後は、授業でどのような実験教育がなされているかのかを数人の高校の先生が発表されました。高校ではどのように教えているのだろうと興味があったので、ちょっとテンパイ気味なのですが、せっかくの機会と思い話を聞きに行ってきました。

一言で感想を言うと、せっかく時間を割いて話を聞きに行った甲斐がありました。私にとって非常に良い勉強になりました。もちろん、発表に関しては面白い内容の先生もいれば、そうでない先生もいました。が、高校の現場がどんなものかというのが少しでもわかったのは収穫でした。

こういうセミナーに参加しているくらいですから、参加者の先生方の熱意は平均的な先生のそれよりも大きいのでしょうが、それにしても、びっくりするくらい熱心な方(というか、物理オタク?)がいました。半分趣味だとは言っていましたが、色々な実験をビデオ撮影してそれを編集。さらに自作のシミュレーション等を交えて、授業に使っている方がいたのですが、その内容の豊富さには本当に驚きました。授業はどうしても受験対策っぽいものになってしまって、実験の時間が取れないので、映像を補助として使うということでしたが、いや、みなさんにお見せできないのが残念です。

上記の先生以外の発表もみな面白かったです。で、共通した話として私が驚いたのは、物理の教員数というのは他の科目よりもだいぶ少ないのですね。授業のコマ数に比べて物理の先生が足りないので、化学や生物の先生が物理の授業を担当している高校が結構多いというのは衝撃でした。

残念ながらミーティングがあったので、最後の討論に参加できなかったのですが、なぜそんなに物理の先生が少ないのか訊いてみたかったです。選択科目にすると受講者が少なくて、それに応じて先生の数が少ないのかと最初は思ったのですが、でも、授業のコマ数に対して不足してしまっているということですから、受講者数だけの問題ではありませんよね。私たちがよく憤っているのと同様に、文科省からの理不尽な指導のせいなんでしょうか?

化学や生物の先生が物理を教えるというのは、教えるほうも大変でしょうし、教えてもらう側も不幸ですよね。そういう先生の物理に対する熱意が低いのはある意味当たり前で、そういう先生に教えられたら生徒が物理に興味を持つのは難しいでしょうし。

いや、しかし、なんで物理の先生だけがそんなに少ないのか謎です。大阪府に限った話なのかもしれませんが、不思議です。


大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

予想外

数日前のエントリーでは、今週は雑用が少なくて研究に集中できそうとかなんとか書いたような気がします。確かに雑用は少ないのですが、予想外の仕事が舞い込みました。

一つは、今月末に広島でシリコン半導体検出器関連の国際会議があるのですが、講演予定者の都合が悪くなったために代役を探しているとのこと。場所的に日本人でないと厳しいだろうということで、私がピンチヒッターとなることになりました。しかもその直前には、夏の学校の講師と大学院入試があるため、せっかくの国際会議なのに自分が発表するときだけの参加です。残念。

国際会議での発表では、事前に研究グループ内に発表内容を公開して、問題がないか確認を取る必要があります。ATLASでは会議が始まる1週間前までに発表で使うスライドを研究サブグループのリーダーに送り、かつ、発表内容の予行演習をさせられます。ということで、その期日が今週末。急いで発表の準備をしなければなりません。

もう一つは、自分が面倒をみているソフトウェアのバグが見つかったこと。結果には影響がないのですが、不必要なメモリーを使わないための機能が正しく動作していませんでした。直すのは簡単だと思っていたのですが意外とやっかいで、昨日の午後はCERNにいる研究者とメールでやりとりしながら修正を試みたのですが失敗。何かいいアイデアが浮かばないかぎり、今日はこの仕事は放置になりそうです。

とまあ、そんなわけで、週始めの予想とは大きくかけ離れ、テンパイ気味でここ数日を過ごすことになりそうです…。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

トップアスリートの馬力

9.58秒/100mって驚異的ですね。100m10秒台の日本人のレースを生で見たことあるのですが、数字以上に生で見るとあまりの速さに驚きます。それが9秒台半ば…。1度生でその走りを見てみたいものです。

と、ボルトの速さに驚いたついでに、一流の100m走の選手は何馬力くらい出ているんだろうと思い、計算してみました。

馬力は仕事率の単位で(確か)約735W。ただし馬力の定義はイギリス式とフランス式で違い、日本はフランス式と同じだったはず。まあ、オーダー計算ですので気にしないでください。仕事は力×距離、仕事率はそれを時間で割ればよいので、計算に必要なのは体重と加速度(みなさんおなじみのF=maなので)、その加速度で移動した距離、そしてその加速度を維持している時間です。

で、ここからは、ググって得たデータとそれをいい加減に解釈した数値を使います。

100mで10秒切るような選手は10m地点まで1.8から1.9秒程度かかっています。さらにスタートの合図に反応するまでの時間が0.1から0.2秒程度。これはググって得られたデータです。この先は私の仮定が入ります。10mから20mまでにかかる時間は約1秒。つまり秒速10mくらいにはなっています。瞬間最高速度は秒速11mから12m(今回のボルトは12.4mくらい出ていたそうで、驚きですね)なので、10mの地点まででほぼ加速を終えています。ということで、最初の10mを使って馬力を計算すると…

加速度は、スタートの合図に反応するまでの時間を引くと1.7秒程度かかって秒速10mに達していることになります。よって、10/1.7=5.9m/s^2。体重を80kgとすると、力は80x5.9=470Nということになります。この力でもって一定の加速度で10m移動したとすると、仕事は4700J。10m移動するのに要した時間が1.7秒なので仕事率は2800W。これを馬力に直すと3.8馬力。

うーん、3.8馬力って…馬並みですね。いや、馬の馬力は世間ではよく4とか5馬力と言われてますよね。ちなみに人間でも体力のある男性なら1馬力は軽く超えます。

しかし、4馬力近いというのはあまりに大きいように感じるので、ちょっと別な計算を試みます。速度がどう変化するかという曖昧さを除くために垂直跳びを考えると、体重80kgの人が1m跳躍したとしましょう。1mというのは強烈な高さですが、まあ、トップアスリートですし、走り込んでのジャンプならそれくらいいくでしょうから1mとします。重力加速度は10m/s^2とすると、この跳躍の仕事は800J。で、問題なのはジャンプしてる時間です。データがないので、いい加減に推測すると…1秒間も地面から離れているようには思えません。仮に1秒としても片道その半分で0.5秒。すると仕事率は1600Jになります。これでも2馬力を超えてしまいます。(重心の移動を考えると、本当はもう少し大きくなりそうですし。)

いやー、やっぱりトップアスリートは3馬力くらいは出ているんでしょうかね。まさに人間離れです。

しかし、上の計算は、というか使った仮定に自身がありません。もし、尤もそうなデータ(正確な加速曲線とか、ジャンプに要する時間とか)を見つけたかたはご連絡ください。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

盆休み明けの研究室

昨日まで4日間盆休みを取っていたので、大学に来るのは久しぶりです。久々の大学は新鮮…ということもなく普段通りです。研究室もKaonグループの学生と研究員が出張から戻ってきたので、人数はだいぶ元通りになってきています。普段からいつ大学に来てるのかわからない人はやはりいつ来てるのかわかりませんし、普段から研究室にいる学生はやはり研究室で見かけます。まあ、当たり前ですが、盆休みの前後で何も変わっていないということですね。ははは。

しかし、圧巻なのはM1のUくん。長期KEK出張から昨日帰って来たと思ったら、今日はなんと試験。長期出張のために試験を受けられない授業があったのですが、その試験を特別に今日受けさせてもらうのだそうです。しかも、20日には朝イチの新幹線でまたKEKに向かうのだそうです。今回もまた長期出張。帰省することもなく3日間だけ大阪で過ごし、その前後がKEKへの長期出張という勤勉さには、私が言うのも変ですが、頭が下がります。

話題は変わりますが、今週は大学の雑用その他が非常に少ない週です。スケジュール表を見ると、今年度に入って一番予定の少ない週です。毎週これくらい予定が少なければ、研究がもっと捗るのですが…。


大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

海水浴

昨日は家族で海水浴へ行ってきました。

兵庫の明石方面へ当初は行こうかと思っていました。が、中国自動車道は普段でさえ宝塚付近の渋滞が酷いですし、ふと気づくとお盆の帰省(Uターン)ラッシュも重なることに気付き、兵庫方面は断念。結局、大阪の南端、関空のちょっと南にある海水浴場へ行きました。それでも渋滞がちょっとだけ心配だったのですが、そんな心配は全く不要で、行きも帰りも家から1時間程度で移動できました。

しかし、昨日は大阪の夏にしては涼しめ。かつ海辺は街中よりもだいぶ涼しいので、海で泳ぐにはちと寒いくらいでした。まあ、子供にはそんなこと無関係で、初めての海水浴を満喫していたようです。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

宇宙食?

お盆休みということで昨日から休暇を取っています。今年は帰省する予定がないので、家でちょこちょこ仕事はしていますが、それ以外は子供と過ごしています。そういうわけで今日は子供と大阪市立科学館へ行ってきました。今年3回か4回目です。

が、今日は非常に混んでいたので、過去に行った時ほど楽しめませんでした。体験型の展示が中心なのですが、どの展示も行列ができていて、待っている時間のほうが長いのではないかと思えるほどでした。さらに、うちの子供は非常に活発でやんちゃなのですが、なぜか行列を待つのが下手(?)というか、他の子供にどんどん譲ってしまうというか、とにかくすごい勢いで割り込まれてしまって、そばにいる親としてはどう対応していいのか悩みます。

そんなわけで、今日はいつもよりもあっさりと引き揚げてきたのですが、その帰りに、ミュージアムショップで面白い物を見つけました。
Ice cream for astronaut
宇宙食という名で売っているフリーズドライの食べ物です。本当に宇宙食として採用されているのかどうかはわかりませんが、話の種におもわず買ってしまいました。アイスクリーム・サンドイッチということなのですが、まだ食べてはいません。甘い物はあまり得意ではないので、子供にでも試食させてみようと思ってます。他にも何種類かあって、たこ焼きにも惹かれました。次に行ったときは買ってみようかと思っています。

ところで、書くの忘れてましたが、今日は、というか夏休みの期間中は大人も子供も入場料が無料でした。普段でさえ、安くて、かつ再入場可能なので、無茶苦茶コストパフォーマンスの高い施設だと思っていましたが、約2ヶ月間入場料無料とは科学館のやる気を感じました。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

くどいですが

いやー、もう諦めました。

このブログを続けて読んでいる方ならお気づきと思いますが、前のエントリー「ダミー」はblogramというサイトでの成分解析がどのように動作するのか試すのが目的でした。結果は大笑いでした。プラモデルとフィットネス、そして政治が私の関心だと判断されてしまいました…。何を書いても物理に関心があるとは判断されないようです。ははは。

物理関連のエントリーと判断されないのは置いておくとして、なんでその3つに私が関心を持っていると判断されたのか考えてみると…プラモデルはGWS「模型」という文脈で使った模型という言葉をプラモデルだと判断されたんでしょうね。それから、フィットネスというキーワードは今回だけでなくこれまでにもたまたま出てきていたのですが、なんでだろうと思っていました。よくよく考えてみたところ、「運動」という言葉がフィットネスに関連付けられているのかと思うのですが、うーん、単語だけから何について書いているのか判断するのは難しいんですね。それから政治というキーワードも今回だけでなくよくみどころに載っています。これまたなんでだろうと思っていたのですが、ダミーのエントリーのどの部分(単語)が政治に関連付けられたのか思いつきません。「統一」あたりが政治に関連付けられるのでしょうか…?

しかし、私のブログの内容を正しく判断できないというのは、単語だけから内容を判断しようとする(=成分分析のアルゴリズムが本当にそうなのかは知りませんが)のには限界があるということだと思うのですが、それにしても私の書いた内容を一切正しく判断できないというのは、私の文章が非常に変わっているんでしょうかね。多くの文章を解析して、この単語が出て来たらどういう内容、という関連付けのためのデータを集めることが単語から文章の内容を推定するアルゴリズムの第一歩だと思うのですが、私が書く、特に物理関連の記述というのは、元のデータに文例として全く含まれていないんでしょうね。

長々と続けたblogram関連のエントリーでしたが、物理についての記述だと成分解析アルゴリズムにわかってもらうのは諦めます。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

ダミー(昨日と全く同じ記述です)

力の統一は多くの素粒子物理学者が目指すゴールの一つである。電磁気力と弱い相互作用はGWS模型によって統一されたと言ってもよい。古くは、別々の力と思われていた電気と磁気の力をマックスウェルが統一したと言えるかもしれない。さらに古くは、月が地球の周りを周回運動するための力とリンゴが木から落ちる力が同じ力だとは考えられていなかったわけで、1つの重力により月とリンゴの運動の両方を記述できる理論体系を構築したニュートンも力を統一したと言ってもいいのかもしれない。

量子力学で導入される重要な概念にスピンがある。空間的な広がりがない質点(と考えられる素粒子)が持っている自由度、量子数なので、回転という概念は本来は正しくない。しかしながら、回転という描像は非常に高い頻度で使われる。フェルミオンが右巻きであるとか左巻きであるとか表現するのは、スピンを回転に例えた名残であろう。

ニュートンが確立した古典力学で重要なのは、慣性の法則、運動の法則、作用反作用の法則という3つの法則である。これにより、運動している物体の速度が光速に近い場合を除き、物体の運動を記述することができる。物体の速度が光速に近い場合は、特殊相対性理論を適用しなければならない。つまり、古典力学は特殊相対性理論という真の(と考えられている)理論の低速度における近似版といえる。

宇宙空間に向けてエレベーターを作るというのは、全くのおとぎ話ではない。地球と月の重力の釣り合う静止軌道上からワイヤーを伸ばせばよいのだ。静止軌道上から地球に向けてのみワイヤーを伸ばすとバランスがとれないので、バランスがとれるように月に向けてもワイヤーを伸ばす。このように、ワイヤーを伸ばす手法はあるのだが、ワイヤーには月と地球双方からの重力が働くので、その強度が問題となる。現在の技術では十分な強度を持ったワイヤーを製造することはできないが、ナノテクノロジーを使ったチューブにより、必要な強度を持つワイヤーを将来製造することができるようになるかもしれない。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

今日の成分解析の結果

今日の昼頃書いたエントリーのblogramによる成分解析の結果がアップデートされていました。それによると…

最近は、「スイス旅行」、「スイス」、「アメリカ旅行」にも関心が向いているようです。

うーむ、相変わらず物理関係の言葉は成分解析の検索にひっかかりません。それとも、検索にはかかっているが、ウェイトが非常に小さくなっているのでしょうか。どういう言葉が物理関連の用語として認識されるのか興味がわいてきました。以下、またまた意味不明の文章を並べます。

力の統一は多くの素粒子物理学者が目指すゴールの一つである。電磁気力と弱い相互作用はGWS模型によって統一されたと言ってもよい。古くは、別々の力と思われていた電気と磁気の力をマックスウェルが統一したと言えるかもしれない。さらに古くは、月が地球の周りを周回運動するための力とリンゴが木から落ちる力が同じ力だとは考えられていなかったわけで、1つの重力により月とリンゴの運動の両方を記述できる理論体系を構築したニュートンも力を統一したと言ってもいいのかもしれない。

量子力学で導入される重要な概念にスピンがある。空間的な広がりがない質点(と考えられる素粒子)が持っている自由度、量子数なので、回転という概念は本来は正しくない。しかしながら、回転という描像は非常に高い頻度で使われる。フェルミオンが右巻きであるとか左巻きであるとか表現するのは、スピンを回転に例えた名残であろう。

ニュートンが確立した古典力学で重要なのは、慣性の法則、運動の法則、作用反作用の法則という3つの法則である。これにより、運動している物体の速度が光速に近い場合を除き、物体の運動を記述することができる。物体の速度が光速に近い場合は、特殊相対性理論を適用しなければならない。つまり、古典力学は特殊相対性理論という真の(と考えられている)理論の低速度における近似版といえる。

宇宙空間に向けてエレベーターを作るというのは、全くのおとぎ話ではない。地球と月の重力の釣り合う静止軌道上からワイヤーを伸ばせばよいのだ。静止軌道上から地球に向けてのみワイヤーを伸ばすとバランスがとれないので、バランスがとれるように月に向けてもワイヤーを伸ばす。このように、ワイヤーを伸ばす手法はあるのだが、ワイヤーには月と地球双方からの重力が働くので、その強度が問題となる。現在の技術では十分な強度を持ったワイヤーを製造することはできないが、ナノテクノロジーを使ったチューブにより、必要な強度を持つワイヤーを将来製造することができるようになるかもしれない。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

ブログの成分解析

数週間前に広告に釣られて、blogramというサイトにこのブログを登録しました。何に釣られたかというと、ブログの成分解析を自動で行い、みどころを日々勝手に纏めるという機能です。キーワードを検索してどういう内容が書いてあるのかを推定しているのでしょうが、そういう方法で解析された場合、私のブログの内容がどのように纏められるのか興味を持ちました。

で、例えば、今表示されているみどころは…
「ATLAS at Osaka」には、「学校」に対する「面白さ」が、とにかく詰まってます。意外にも「大学院」も上位にランクイン!キーワードは「入学」「事件」です。最近は、「事故」、「安心したい」、「アメリカ」にも関心が向いているようです。
…となっています。

どうでしょうか?
私のブログをのみどころを纏めるとこうなるんでしょうか。うーむ…。

最初の一文は登録して以来ほとんど変わっていません。が、キーワードと最近の関心というのは、わりと直近のエントリーからだけ検索・解析しているようで、しょっちゅう変わります。特に最近の関心というのは直近のエントリーのみから検索された言葉が出て来ているようで、毎日笑ってしまう解析結果が表示されます。私の関心が「事故」や「アメリカ」とは自分では全く気づきませんでした。ははは。

キーワードのほうは直近の2、3日間から1週間以内程度の期間に頻繁に使われた言葉のような気がします。が、ブログという性質上、毎日同じテーマについて書いているわけではないので、直近数日のエントリーだけから検索・解析するというのは無理な気がします。キーワード、最近の関心ともに、検索するエントリーの統計をもっと貯めたほうがいいのではないかと思う今日この頃です。

上記の背景があるので、LHCやCPT定理に関する話を書いたときは、最近の関心が物理関係の言葉になるかと思ったのですが、全くなりませんでした。どうも、私のブログ中の物理ネタで使う言葉は物理の検索語として登録されていないのではないか、というフシがあります。みどころ以外にもブログがどういう内容について書いているかを分析しているのですが、blogramによると私のブログは物理についてはあまり語っていないようです。スイスとかスイス旅行とか、油断するとドイツに関する記述のほうが物理よりも多いと判断されているようです…いやー、知りませんでした。私のブログはスイスやドイツの旅行情報が充実しているんでしょうか。ランキングも勝手にされているのですが、スイスの旅行の宣伝専門のサイトよりも「スイス旅行」というカテゴリーで私のサイトのほうが上位なのには笑いました。

今日はblogramの解析プログラムのテストのために、以下、脈絡のない物理関係の文章を記述します。

ダークマターは全宇宙の約23%の質量を占めると考えられている未知の物質である。MACHOと呼ばれる光らない天体だけがダークマターの質量を担うという可能性は実験的に否定されている。そこで、ダークマターはなんらかの素粒子であると考えられているが、現状ではまだ特定されていない。最有力候補は、超対称性理論(SUSY)で予言される最も軽く安定な超粒子であり、スイスジュネーブ郊外で行われているLHC実験によって超粒子の発見、およびその性質の解明からダークマターが何であるかを特定することが期待されている。

ゲージ対称性は相対性原理や量子原理に並ぶ最も根源的な宇宙を支配する自然の法則だと考えられている。ゆえに、ゲージ対称性の破れは量子力学の破綻や相対性理論の破綻と並ぶ大問題であり、ゲージボソンが質量を持つというゲージ対称性の破れは、素粒子物理学が直面する最も重要な問題である。ゲージ対称性を保ちつつゲージボソンが質量を持つためのメカニズムとしてヒッグス機構が提唱された。このモデルではヒッグス場の存在を仮定しており、実粒子であるヒッグスボソンの存在を予言している。上記LHC実験では、ヒッグスボソンの発見とその性質の解明が期待されている。

さて、これで今日のblogramではどういう判定がくだされるのでしょう。私が何に関心をもっているのか…興味津々です。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

遺族・被害者感情と量刑

裁判員制度による裁判がいよいよ始まりましたね。今日は、それと関係があるような、ないような話です。

最近の裁判関連でよく聞く言葉に遺族感情とか、被害者感情というのがあります。遺族の被告への処罰感情が量刑の判断材料に含まれてきているというニュースを見かけるのですが、刑事裁判でそれってアリなんですかね。民事裁判ならもちろん遺族や被害者の感情や実際に受けた不利益等を争うわけで当然なのですが、刑事裁判で罪の大きさを判断するのに遺族感情を考慮に入れることって公平なのか疑問を感じるのです。みよりのない人って事件に巻き込まれて殺されても遺族がいません。遺族感情を量刑に組み入れるということは、悲しんでくれる遺族がいない人を殺すのは家族の多い人を殺すのより罪が軽くてよい、ということを宣言してるわけで、相当理不尽な気がして、私には理解不能です。

これって結構恐ろしくありませんか。自分が罪を犯すつもりがなくても、事件に巻き込まれる可能性はあります。交通事故とか、誰かに教われて正当防衛の権利を行使しなければならない場面とか。そういうときに、平等な判断がされるのか不安です。普通に考えれば明らかに加害者だろうと思える人がたまたま死んで、その遺族感情を裁判にで採用されて…なんてなったら悲劇です。

ちなみに、私は法律には素人なので、殺人を犯しても懲役一桁年とか、全く理解不能です(つまり、情緒的に物事を考えると遺族・被害者感情を量刑に取り入れて欲しいと思ってしまいます)。なので、遺族感情とか被害者感情云々を量刑に考慮するのではなく、最初から全ての凶悪犯罪に対する処罰を重罰化するということにはすごく納得します。重罰化するには、過去の判例から離れないとならなくて、そのための方便として遺族・被害者感情というのが法曹界で使われ始めているんですかね。

しかし、裁判員制度になると、アメリカの裁判みたいに、論理や理屈ではなく感情・情緒に訴えかける戦略になるんでしょうね。OJシンプソンの裁判みたいなことが起こらなければよいのですが。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

静かな研究室

私たちの大学では正式な(?)夏休み(=授業のない期間)が今週から始まりました。本来は先週からだったはずですが、新型インフルエンザのために全学休講期間があったので、その補講期間に先週は充てられていました。

というわけで、学部生の姿は8月に入ってからどんどん減っていますが、大学院生(というか、理系で研究をしている学生?)には、そんな派手な夏休みはありません。私の周りの学生はお盆休みを取るくらいで、多くの社会人が取る休みと日数的にはそんなに変わらないのではないでしょうか。

一方、Y教授と私の休暇は1日か2日。授業があるときは出張(=現場での研究活動)できないので、授業が終わると途端に出張が多くなるスタッフは多いです。実際Y教授は先週末から今月末の大学院入試までは出張続きのようです。私も例年ならCERNに行ってるのですが、今年度は大学の種々の雑用のため、相変わらず出張してません。今週も雑用ウィークです…。

そういうわけで私は今週もずっと大学にいるのですが、今週前半はKaon実験グループがcollaboration meetingをKEKでやっているために全員出払っています。ATLASのメンバーも2人がCERN、1人がKEKに常駐しているので、大学に残っているのは私を含めても4人(学生が3人)しかいません。しかもそのうち1人は研究室に居座るタイプではないので、学生の大きな居室は非常に寂しくなっています。あ、大学院生ではありませんが、普通の大学院生以上に研究室にいる(研究室に住んでいる?)4年生の1人は、相変わらず研究室にいます。Kくんというのですが、彼がいつ家に帰っているのか謎です。


大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

何もしない日曜

天気がよければ子供と一緒にプールに行こうと思っていたのですが、天気が悪かったために、買い物に一瞬外に出た以外はずっと家にいてダラダラと過ごしています。

そういえば昨日の大学説明会には、物理学科だけで約400人ほどの参加者がいたようです。どれくらいの数の研究室が研究紹介をしていたのか私は把握していませんし、見学者が一人で何個くらいの研究室を訪ねたのかわからないので、私たちの研究室に来てくれた約60人というのが相対的に多いか少ないかは判断しかねますが、希望としてはもう少し多くてもいいかな、という気がします。4分の1くらいの人には来て欲しかったですね。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

人間開発指数と合計特殊出生率

という記事を読みました(今の時点では残っています)。社会や経済が発展すると晩婚、出産の高齢化が進み出生率は下がると考えられてきたが、発展がある段階を超えると、出生率は再び増加に転じる傾向がある。しかし、日本は例外的に出生率が低い、という内容です。縦軸に合計特殊出生率、横軸に人間開発指数(凄い名称ですね)という生活の質と発展度合いを示す指数をとって、その相関を示すグラフがあり、確かに日本は同じくらいの人間開発指数の国よりも出生率が低くなっています。

記事の中でも書いてあったのですが、日本の女性が働きにくい労働環境などが要因となっているのかな、と最初に思ったのですが、そのグラフを眺めると別のポイントに幾つか気づきました。

まず、そのデータはある時点(2005年)での出生率と人間開発指数の相関であって、先進諸国が発展してくるに従って(過去から現在にかけて)全体的な傾向として示されている曲線通りの発展をとげてきたのかどうかわかりません。つまり、人間開発指数の高い国々の出生率が日本並み(1.3程度)に下がって、その後回復して現在の2程度になったのかどうかはわからないということです。例えば、アメリカは人間開発指数が日本並みに高くて、出生率も高いのですが、それはもともと日本よりも出生率が高かったからであって、アメリカの出生率が劇的に増加に転じた、ということではありません。データのある一部分だけを切り取って都合のよい解釈を引き出すという典型的なbiased analysisだなぁ、と思ったわけです。

それから他に気になった点は、日本以外で出生率が低いのが韓国。あとデータはなかったのですが、香港あたりが気になります。つまり、アジア諸国と欧米では社会習慣などが大きく違うために、同じ土俵で比較するのに無理があるのではないか、という気がするのです。文化や習慣の違いを無視して、なんでも欧米と同じにすべき、なるべき、という考え方には同意できません。

そしてもう一つ気づいたのは、日本以外では、ドイツとイタリアの出生率も低いんですね。そう、第2次世界大戦の枢軸国です。単なる偶然とは思えません。戦争に負けたがために背負わされた負荷って相当大きく、ここで定義された人間開発指数というものに表されていない負の遺産が、これらの国々にはあるのかな、なんて思いました。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

大学説明会結果

理学部の大学説明会・オープンキャンパスが今日の午後行われました。理学部全体で何人くらい来たのかはまだ知らされていませんが、私たちの研究室を訪れてくれた高校生(とその保護者)は思っていたよりも多かったです。10人から20人の間くらいかと思っていたのですが、60人近かったのではないかと思います。

13時から14時半までと、15時半から17時までの合計3時間が見学者のフリータイムで、好きな研究室を勝手に見学して回り、14時半から15時半までが物理学科の全体説明、という構成でした。私のトークは1回25分程度だったので、合計6回同じトークをしました。トークの途中で見学に来た人は次回の開始に間に合うように来てもらうか、途中からでもそのトークを聞いてもらうという2択で処理して、質問時間等も含めて合計3時間以上私はずーっと喋りっぱなしでした。喉があまり強くないので(歌手になれませんね。って、その前に音痴なのですが)、今はのどがイガイガしています。今夜のビールはいつもより美味しく感じそうです。

しかし、1回経験してみると色々なことが見えてきます。特にテクニカルな点なのですが、聴衆の数の予想が外れていたというのは、いい意味での驚きなのですが、全体の構成としては改善の余地を生みました。せっかく見学に来てもらっているわけですから、私が一方的に(ある程度真面目な内容を)説明するだけでなく、しょーもない内容も含めておしゃべりしたかったのですが、次から次に見学者が来るのでそういう時間をあまり多く作ることができませんでした。高校生や保護者の方が何を考えているか知るいい機会なので、こちらとしてももっと世間話をしたかったのですが、うーん、予想外でした。来年もし同じことをやるなら、研究室にいる学生にも協力してもらって、もっと質疑応答、世間話の時間を増やそうと思います。

見学者への対応をしてくれたKくん、Oくん、Tくん、どうもありがとう。


大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

LHC運転シナリオ決定

このエントリーで説明したLHC再開のシナリオですが、昨日プレスリリースがあって、11月中旬に再開。当初のエネルギーは3.5TeV+3.5TeVと決まりました。そのエネルギーでLHCの運転に慣れ、それなりのデータ量を蓄積したら徐々にエネルギーを上げて5TeV+5TeVを目指すという計画です。具体的にいつエネルギーを上げるのかは未定で、運転状況を見ながら判断することになるのでしょう。

2010年末まで走った後はシャットダウンして、エネルギーを7TeVまで上げられるように磁石の調整、トレーニングを行うというのはずっと前からの既定路線で、この点に関しては変更ありませんでした。

3.5TeVというエネルギーは陽子ビームを曲げるための超伝導電磁石にどれくらいの電流を""安全に安心して"流せるかで決まりました。例えば、超伝導電磁石がクエンチした場合、蓄えられていた電流をどこかに逃がさないとなりません。その逃げ道の抵抗を全ての電磁石について測定して、どれくらいの電流までなら安全か、ということを判断します。

同時に物理結果に与える影響も考慮しないとなりません。3.5TeVというのはTevatronの結果を強く意識したもので、例えばトップクォークの統計量だと、200pb^-1程度データを蓄積すれば、Tevatronと似たような統計量になります。またSUSY探索に関しても、100pb^-1程度あれば、Tevatronよりも高感度の探索が可能になります。

ということで、加速器側、物理側、双方の妥協点が3.5TeVというエネルギーでした。しばらく前からこの線で調整が行われていたようなので、内部の人間的には「あー、やっぱり」という決定でした。前にも書きましたが、D論を書かなければならない博士課程の学生が800人いますし、物理結果を出さないとならないポスドクもきっと同じくらいいるのでしょうから、物理側としてはこのエネルギーで何としても走ってもらわないとなりません。

電磁石の修理や測定はほぼ終わって、これから全ての電磁石を超伝導状態になるまで冷やす作業が行われます。トラブルなく実験が再開されることをとにかく祈ります。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

大学説明会

高校生(とその保護者)を対象とした大学説明会というものが今行われています。オープンキャンパスとかいう名前でも呼ばれているようです。私たち理学研究科の説明会は明日で、学科ごとの説明と、参加者が好きな研究室を訪問するという二部構成です。

私は過去2年この時期はCERNに出張していたので、この催しに参加したことはありません。今年はたまたま私が出張していないことと、Y教授が出張でいないことが重なって、研究室見学に来た人たちへの説明を私が行うことになりました。ということで、今スライドの準備をしているのですが、なかなか難しいです。大学院生くらいを対象とする高エネルギーのイントロダクションならまだしも、大学説明会に来るのは高校生、しかも1、2年生がほとんどなんだそうです。つまり、中学生くらいの知識を前提とした説明をしなければならず、私にとっては未体験ゾーンです。

私が気になっていることは2つあって、一つはもちろん私の話を理解してくれるかどうかです。よくある説明のように、まずは、物質が何でできているか説明するつもりです。水は2つの水素と1つの酸素、水素は陽子でできた原子核と電子、陽子はuクォーク2つとdクォーク1つ…うんぬんと進みます。高校で学ぶ知識を前提とすればこの説明でもいいと思うのですが、中学生がどれくらいの知識があるかわからないので、これで理解してもらえるのか相当不安です。物質が何でできているか、を例として出しましたが、他に話す内容に関しても同様の不安を抱えています。

もう一つは、話にオリジナリティを持たすのが難しいです。大学院生相手のトークでは、他の人が話さないようなポイントを私としては結構入れてるつもりです。例えば、他大学での集中講義のスライドを眺めた研究者から「へー、知らんかった」という感想をもらったことが結構あります。ところが、高校生1、2年生相手のトークでは、そういうポイントを入れるのが極めて難しいです。誰でも説明するような内容しか取り入れられません。中学生の知識でも理解可能な、何か面白いポイントがないかと知恵を絞っているのですが、なかなかいいアイデアが出ません…。



KEKの一般公開は9月6日(日)です。


大学 | コメント:0 | トラックバック:0 |

バカンスと囚人のジレンマ

LHC関連では最近これといったニュースがありません。この時期はバカンス・シーズンで人が少ない、ということくらいでしょうか。

バカンス…羨ましいですね。しかし、ヨーロッパ(だけ)ではなんでバカンス可能なんでしょうね。しかもバカンスだけでなく、土日はレストラン以外はほとんどの店が休みだったりして、労働時間は明らかに日本に比べて短いと思うのですが、その生活ぶりは、日本人より豊かに見えます。

なぜバカンスが可能なのか真面目に考えようと思ったら、経済とか福祉とかその他諸々が複雑に絡んだ問題なのでしょうが、ふとおもいついたのは囚人のジレンマの話です。共犯者とおぼしき容疑者2名(=本当は犯人)が同時に捕まって、2人が別々に取り調べを受けます。二人とも自白しなければ二人とも無罪なのですが、もし一人が犯行を自白すれば自白した一人は大きく減刑、という餌をちらつかせて取り調べを行うという話です。つまり、ぬけがけするやつがいなければ皆がハッピーなのに、ぬけがけするやつがいるが為に全体としては不利益を被る可能性が高まるというわけですね。

バカンスや土日に店を閉めてしまうのも一緒で、皆が皆一斉に休むから成り立つのかな、なんてことを考えました。ストなんか典型的な例で、みんなが意志を一つに揃えるからこそできるんですよね、きっと。バカンスもそうなのかな、と。もちろん、最初に書いたように真剣に考えると、バカンスを取っても生活していける経済や福祉というバックグラウンドは勿論あるのですが、それだけではないような気がするんですよ。1ヶ月バカンスをとっても生活に困らない人は日本にもアメリカにもいるのですが、(すでに生活に困らない経済力があるのにもかかわらず)ぬけがけして働いて他人より少しでも儲けようとする人が多いようなイメージがあります。

羨ましいヨーロッパのひとたちはさておき、日本でも来週はお盆というみじかーいバカンスシーズンですね。週前半は大学の雑用が待ち受けているのですが、後半は週末も含めて2、3日休む予定です。とはいえ、混雑を避けて遠出の予定はありません。家の近くで子供と遊んで過ごすことになりそうです。



KEKの一般公開は9月6日(日)です。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

CPT対称性

何度か説明したことのあるゲージ対称性というのは、素粒子物理学の肝と言っていい、非常に本質的な対称性です。本質的というのは、現象論的に成立しているということではなく、この宇宙を支配する原理(=なぜそういう対称性によって相互作用が規定されているのか人間は知らない)と考えられているからです。相対性原理と同じようなもんですね。自然の法則を定式化しようとするとき、まず受け入れなければならないルールなのです。

ところが、対称性と言うと、パリティやCPなどの対称性のほうが有名な気がするのですが、そんなことないでしょうか。

今日の研究室の文献紹介では、有名なLeeとYangによるパリティ非保存の論文をD1の学生が紹介しました。約50年前の論文で、それ以来延々とパリティやらCPの研究が行われています。で、ふと思ってしまったのですが、なんでこんなにCPの研究が延々となされているんでしょうね。パリティもCPも理論的に保存すべき必然性は全くなく、弱い相互作用のラグラジアンはたまたまパリティやCPを破る形をしていた、というだけなわけです。そもそもアクシオンの説明をしたときに書きましたが、強い相互作用でCPが破れていないほうが不思議なくらいです。もちろん、弱い相互作用のラグラジアンの形が確定した(=CPが破れている理由がわかった)のはKやBの実験結果の蓄積によるわけで、確定するまでは実験屋として興味を持っていましたし、自分でもそういう実験に携わっていました。でも今になってみると、保存していなくてもいいCPのラグランジアンをなぜそんなに一生懸命理解しようとしていたのか、自分でもわけわかりません。ふと我に返ったというか、夢から覚めたというか、妙な感覚です。

宇宙に反物質がないための必要条件3つのうちの一つがCP非保存だから、という現象論的な興味は自分にももちろんありますし、多くの人が興味を持つことは良いことだろうと思います。そもそも他人の興味にけちをつけるつもりは全くありませんし。ただ、夢から覚めたかのような今の自分から見ると、なぜ、より本質的な対称性であるゲージ対称性に多くの人は興味を持たず、たんなる現象論であるCPに多くの人が興味を持つのか、ちょっと不思議に感じています。CP対称性という言葉を聞いたことのある人の数は、ゲージ対称性という言葉を聞いたことのある人の数より圧倒的に多くないですかね。

と、ゲージ対称性とCPを前フリにしましたが、CPT対称性というのは微妙な立ち位置ですね。ゲージ対称性のような原理ではなく場の量子論から導かれる定理なのですが、それを導くための仮定が非常に緩いので(例えばローレンツ不変性とか)、もしCPTが破れていたりすると、場の量子論が間違っているとか、ローレンツ不変が成り立っていないとか、素粒子物理学の非常に基本的な考え方が間違っているということになってしまいます。もしCPTの破れを発見すれば、間違いなくノーベル賞ですね。ははは。

ちなみに、CPT対称性からの帰結は、粒子と反粒子の質量が同じとか、寿命が一緒とかです(他にも幾つかあります)。厳密なテストは、質量や寿命を粒子と反粒子について直接測って比較するのではなく、K中間子やB中間子で粒子と反粒子が混合する現象の混合に関するパラメータを測定することで行われています。この方法で、K中間子の質量差に換算するととてつもない精度で粒子と反粒子の質量が同じとわかっています。



宣伝忘れてました…。
KEKの一般公開は9月6日(日)です。


研究 | コメント:5 | トラックバック:0 |

高エネルギー委員

高エネルギー物理学の研究者(基本的には博士課程の学生以上)によって構成される自治会(?)みたいなものに高エネルギー委員会というものがあります。高エネルギー実験は非常にお金がかかるので、全ての研究者がやりたいと思う実験をそのまま全部実現させることは不可能です。そこで、scientificな重要性と実験遂行に必要な予算を考慮し、この分野としてどういう方向性で実験を推進していくべきかを提言してくのが高エネルギー委員会の役割です(と、自分では勝手に理解しています)。

この委員会のメンバーは10人で、実は7月はその選挙が行われていました。選挙にかかわることなので、ブログではこの話題に触れていませんでしたが、実は私はその委員に推薦されていました。その開票結果が先ほどオフィシャルになり、なんと当選してしまいまいました。選挙というものに今まで縁がなかったのですが、自分のことを信用してくれる人や期待してくれる人がいると思うと、何ができるのか全くわかりませんが、とにかく自分のためではなくこの業界のために何かしようという気になります。

推薦してくれた人々、投票してくださった方々、ありがとうございます。

高エネルギー委員の任務ではありませんが(そもそも、私にとって任務とか役割とか、そんな線引きはどうでもよいとことなのですが)、所信表明に書いた通り、またこのブログのテーマとも言っていい、女性、特に主婦への物理の普及に貢献したいと考えています。もちろん、短期で実を結ぶテーマではありませんが、誰かがやらねばならないこと、始めなければならないことだと思うので。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

麻酔

つい数日前、新聞のコラムで読んだのですが、麻酔ってなんで効くのかその原理は完全に理解されていないのですね。もちろん、どういう神経がどのように信号を伝えなくなるのかという現象は理解されていますが、なぜ信号の伝達が抑制されるのかはよく理解されていないのだそうです。私自身、歯医者や膝の手術をしたとき(下半身麻酔でした)に麻酔のお世話になりましたが、完全に理解されていないということを知っていたら、特に膝の手術は恐ろしかったのではないかと思います。

仕組みが完全に理解されていないということは、麻酔の処方というのは経験則的なものなわけですよね。人間の感受性というか、外界からの刺激に対する応答関数というのは人によってだいぶ違うでしょうから、その辺をどうやって調整しているのか気になります。大抵の人の反応というのは似たようなものでしょうが、時には大きく違う人もいるはずです。もし、麻酔が作用する仕組みを理解できていれば、麻酔に対する感受性を前もって検査しておくことができますが、そうでない現状でどうやって応答関数を判断しているんでしょうね。

なんてことを書いていますが、そもそも痛みについてすら私はよく理解していません。傷が痛いのは痛感神経が刺激されるからなんでしょうけど、頭が痛いとか、腹が痛いとか、っていうのは、傷が痛いのとはなんかちょっと違うような気がします。腹の中に小人がいて、痛感神経を突っつくわけではないですよね。でも痛いということはやっぱり痛感神経を刺激するわけで、腹の調子が悪いとセンサーが作動して、物理的ではなく化学的に何かを分泌することで痛感神経を刺激するんですかね。

素粒子物理も面白いですが、生物の仕組みというのはちょっと気になるといちいち分からないことだらけで、勉強・研究するのが楽しそうな分野ですね。

最後に宣伝。数日前にも書きましたが、これからしばらくはこの宣伝を続けようと思います。小林誠さんの講演の申し込み締め切りは確か明日までです。KEKの一般公開は9月6日です。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |

競泳水着

昨日は学生2人と飲みに出かけました。そのときの話題の一つが競泳水着。今、というか、もうだいぶ前から長いこと話題になっていますよね。どこそこ社製のどういう水着を着ると記録が伸びるとかなんとか。そういう劇的な効果をもたらす水着が開発されたということ自体が話題になるのは理解できるのですが、それ以外の報道が延々と続いていますよね。これだけ長いことこの話題が続いているのはなぜか、議論になりました。

まず、スポーツのパフォーマンスが道具によって左右されるのは当たり前。極論は競馬とかカーレース。本人の能力だけでなく、馬や車の能力が成績を大きく左右します。そこまで極端ではなくても、かなり多くのスポーツで成績向上のために道具が工夫されていますよね。スキーや自転車なんかは道具の影響が大きいジャンルでしょうし、わりと少ないと思われる野球、サッカー、テニス、陸上などにしても、スパイクその他、色々な工夫がなされ、選手は勝つために道具選びも色々頑張るわけですよね。より速く走るための靴やスパイクを、より飛距離を伸ばすためのバットを、探し求めているわけです。

で、今回の水着の話に戻すと、色々試着して一番速く泳げる水着を着るのが当然で、ある特定の水着だけ性能が良ければ、選手がみなその水着を着用することになるのが自然でしょう。こういう画期的な水着が作られた、というだけでニュースは終わりです。なぜ、こうならないのかが不思議です。選手にスポンサーがついて、そのスポンサーの会社の水着を着用しているなら、それは選手が自由意志で選んでいるわけですから、何のニュース性もありません。

もし問題になるとすれば、正式な名前知りませんが水泳連盟みたいなのがスポンサーの威光でオリンピックのような大会で特定の会社の水着しか使わせない、という場合です。実際そうだったのかもしれませんが、それなら今のように問題の焦点をぼかしたまま延々と報道しないで、どこにどういう問題があるのか的確に報道すればいいのに、と思ってしまいます。ただ、もしこういうことが問題だとすると、えらく複雑な問題でしょうね。賄賂とかそういうわかりやすいことなら話は簡単ですが、賄賂としてではなく、団体全体にスポンサーはかなりの経済的援助をしているのでしょうから。

それから、これだけ報道される理由を別の角度から考えると、水泳では水着による成績への影響は少ないと思われていたんでしょうね。裸足より靴、靴よりスパイクを履いたほうが(短距離の場合)成績が向上するのは明らかと思われていましたが、水泳のタイムがそこまで水着に影響されるとは考えられていなかったので、そういう驚きが今も続いているのかもしれません。ただ、もしこれが原因だとしたら、その驚きが何年も続くというのは凄いですね。一回聞けば「へー」と思って終わりの気がするのですが、同じことを何年間も「へー」と思う人がいるんですかね。

さて、これだけ水着問題が長引くと誰も(?)が考えるのは、だったら裸で泳ぐというルールにすればいいじゃないか、ということです。会場には観客は入れなければいいし、テレビカメラは選手が飛び込むときのアングルをちょっと工夫すれば問題なさそうです。ただし、水中カメラは使用不可。そうかー、冗談半分だったけど、以外と裸でも競技としてやれそうじゃん、と話がまとまりかけたのですがが、Hくん曰く「背泳ぎはダメですね」。
…うーむ、確かに。背泳ぎだけはちょっと問題がありそうです。ははは。


日常 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |