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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

宇宙線と若田さん

太陽活動が弱まっているために、地表に降り注ぐ宇宙線の量が増えているというニュースを見ました。太陽活動に伴う太陽風によって多くの宇宙線が遮られるので、太陽活動と地表での宇宙線量には反相関関係があり、最近は太陽活動が非常に弱まっているために地球に降り注ぐ宇宙線が増えているというわけです。

PAMELAという宇宙線中の(陽)電子観測をすることによりダークマターを間接的に探そうという実験で、低エネルギー側の観測量が予想と合わないのは過去の実験とは太陽活動の強さが違うからだ、と主張しているということをこのブログでも書いたような気がします。ちなみに、太陽活動は11年周期x2(磁場の向きが変わる)です。

ということは、既知の事実だったので話のポイントではありません(じゃあ書くなよ、という話ですね。すみません。)。

その記事の中で宇宙ステーションに滞在中の若田さんの話が載っていて、それで前から気になっていたことを思い出しました。宇宙ステーションだと宇宙線の量が地表に比べて遥かに多いので、放射線業務従事者の法令で定められた線量よりも多くの放射線を浴びてしまうのではないかと気になっていました。今日の新聞によると、宇宙ステーションでの宇宙線による放射線量が1日約1ミリシーベルト(単位が何を意味するかは今は気にしないでください)。で、今調べた所、法令の上限値が5年で100ミリシーベルト、ただし、いかなる1年間でも50ミリシーベルトを超えてはならないそうです…余裕で法令の上限値を超えますけど、いいんですかね。

科学の進歩のためという理由でOKだとしたら、世間に山ほどある放射線を扱う科学実験全てで法令を無視していいことになりますから、そういうロジックではないはずです。原子炉の事故など、誰かが犠牲にならないと大惨事になってしまう、というような緊急事態でもありません。どういう抜け道があるんでしょうね。

あ、誤解されないようにハッキリさせておきますが、宇宙ステーションに人間が滞在すべきではない、などとは一切思っていません。ただただ、どういう論理、あるいは法律上の例外があるんだろう、と思っているだけです。あ、宇宙ステーションは日本ではないので、日本(どんな国の)法律も適用されないんですかね。

と、こんなことを書いて今日2回目のブログエントリーです。さっき書いたように、こんなこと書いてる場合ではなく、明日の準備をしなければならないのですが、うーん、なんで期日が迫ると逃避行動したくなるんでしょうね。


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高エネルギー物理学将来計画検討小委員会

心のわだかまりとなっていた助成金申請書を2日前に発送し、かつ、これまた気になっていたソフトウェア修正の要求を、全部ではありませんが最低限クリアしたので、昨日はちょっとホッとしていました。ところが…。

日本の高エネルギー物理屋が自主的に作っている団体に「高エネルギー物理学研究者会議」というものがあります。この業界内での情報交換はもちろん、それぞれの実験についてではなく、日本の高エネルギー物理全体をどういう方向に持って行けばよいのか議論する場、として活用されています。また単に議論をするだけでなく、議論の結果が実際に各実験の計画に反映されて行くので、高エネルギー物理に携わっている人間には重要な組織です。

この組織では10年に1回程度、タイトルの通り「高エネルギー物理学将来計画検討小委員会」なるものを立ち上げ、1、2年かけて、この分野全体の中期計画に関する提言を行っています。って、こういうことを過去にしてたと知ったのは、私がこの小委員会のメンバーに選ばれたからなのですが。ははは。

色んな実験・理論(現象論の理論屋や加速器の人もこのメンバーに含まれています)に関する情報収集になるし、実験計画を中心となって進めている人達と話をする良い機会なので、このメンバーに選ばれたことは別に悪いことではないのですが、明日その委員会があって、そこでATLAS実験のアップグレード計画について説明する、という宿題があったことを思い出しました…。いや、正確には完全に忘れていたわけではなくて、一番最初に書いたように助成金の締め切りが迫っていたり、ソフトウェア修正のプレッシャーが高まっていたりしたので、やらなくちゃと心の片隅では思っていたのですが、先延ばしにしてきました。

それがふと気づくと委員会の日が明日に迫っていた、というわけです。今日は4年生と実験をやりますが、その時間を除いては明日の準備に追われそうです。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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